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それからの私たちのお付き合いは、時間が経つにつれ、比較的落ち着いたものになってきた。周囲も、先輩はイケメンだけどマニアックな趣味なのだろう、と理解したのかもしれない。
もしくは、イザーク先輩が次期リード公爵候補であることや、私がデズモント侯爵家の跡取り娘であることなどが、知られたのかもしれない。平等、といいつつも貴族の序列は関係してくる。
シキズキ先輩本人は、スレイヤール王国の歴史ある伯爵家の嫡男ということだった。今は、外交官としてサザン帝国に派遣されている、ソングフィールド侯爵家の方に支援してもらい、留学していることも。その外交官の方が、厳しく目を光らせていることも、お付き合いをしていく中で、知ることが出来た。
そして、意外なことに、彼はかなりのお姉さんっ子だった。母親が、彼が小さな頃に亡くなったため、幼い頃に魔力だまりに苦しんでいた時、支えてくれたのは、お姉さんだったらしい。
そのお姉さんも、今は騎士の方と結婚して、子どもも4人いると聞く。歴史だけあって、金のない伯爵家だけど、お姉さんの旦那が騎士として給料をもらってくるから、何とかなっている。と話してくれた時は、ちょっとびっくりした。
私の家の、デズモント侯爵家は、歴史もあるし、領土も広い。要するに金持ち貴族だ。ついでに私は一人っ子だから、暮らしに不自由したことはない。政治的には、ほどほどの位置にいるけれど、私の家格としては、皇帝妃にと求められても、おかしくない。
まぁ、私はそんなものになりたくないし、次期皇帝として認められている皇子は、既に結婚して子沢山だから、なりたくてもなれないけど。
で、私たちの関係というか、お付き合いは順調というか、私としては爛れた関係はそのまま、続いている。
「先輩、も、もうストップ」
今日も、激しくキスしてくる先輩に、ストップをかけるのはいつも私だ。
「アユ…愛してる」
ぎゅっと抱きしめて、そして私の首元の匂いを嗅いで、先輩はようやく「身体コミュニケーション」の時間を終えた。
「シキズキ先輩、今度の週末は、どうしますか?」
これも意外なことに、シキズキ先輩は週末でも忙しい。最終学年の魔術研究発表の準備もあるけれど、騎士科の授業も受けていて、どうやらダブルディグリー、二つの科の卒業資格を取ることにした為だ。
なので、週末に会えることは、ほとんどない。けれど、たまには外でデートしたい…
「1日、アユのために空けたから、どこか出かけよう」
「えっ、大丈夫ですか?」
「ああ、といっても、できれば午前中は、乗馬の練習もしたいけど…」
「じゃあ、デズモント家の乗馬クラブに行きましょう。私も久しぶりに、馬を駆けてみたいです」
何でもできそうなシキズキ先輩だけど、乗馬には苦労している。元々魔術師だから、馬も魔力を恐れて馴染めないことが多い。中には、魔力を恐れない馬もいるから、相性の問題だと思うけれど、先輩はまだ、相棒と言える馬と出会えていない。
私も侯爵家の娘として、馬に乗ることは訓練してきた。広大な領地を管理するためには、乗馬もできなければ、視察もできない。跡取り娘は、深層のご令嬢ではいられない。
「いいのか?その…君の家族は、俺のことを知っているのか?」
もしくは、イザーク先輩が次期リード公爵候補であることや、私がデズモント侯爵家の跡取り娘であることなどが、知られたのかもしれない。平等、といいつつも貴族の序列は関係してくる。
シキズキ先輩本人は、スレイヤール王国の歴史ある伯爵家の嫡男ということだった。今は、外交官としてサザン帝国に派遣されている、ソングフィールド侯爵家の方に支援してもらい、留学していることも。その外交官の方が、厳しく目を光らせていることも、お付き合いをしていく中で、知ることが出来た。
そして、意外なことに、彼はかなりのお姉さんっ子だった。母親が、彼が小さな頃に亡くなったため、幼い頃に魔力だまりに苦しんでいた時、支えてくれたのは、お姉さんだったらしい。
そのお姉さんも、今は騎士の方と結婚して、子どもも4人いると聞く。歴史だけあって、金のない伯爵家だけど、お姉さんの旦那が騎士として給料をもらってくるから、何とかなっている。と話してくれた時は、ちょっとびっくりした。
私の家の、デズモント侯爵家は、歴史もあるし、領土も広い。要するに金持ち貴族だ。ついでに私は一人っ子だから、暮らしに不自由したことはない。政治的には、ほどほどの位置にいるけれど、私の家格としては、皇帝妃にと求められても、おかしくない。
まぁ、私はそんなものになりたくないし、次期皇帝として認められている皇子は、既に結婚して子沢山だから、なりたくてもなれないけど。
で、私たちの関係というか、お付き合いは順調というか、私としては爛れた関係はそのまま、続いている。
「先輩、も、もうストップ」
今日も、激しくキスしてくる先輩に、ストップをかけるのはいつも私だ。
「アユ…愛してる」
ぎゅっと抱きしめて、そして私の首元の匂いを嗅いで、先輩はようやく「身体コミュニケーション」の時間を終えた。
「シキズキ先輩、今度の週末は、どうしますか?」
これも意外なことに、シキズキ先輩は週末でも忙しい。最終学年の魔術研究発表の準備もあるけれど、騎士科の授業も受けていて、どうやらダブルディグリー、二つの科の卒業資格を取ることにした為だ。
なので、週末に会えることは、ほとんどない。けれど、たまには外でデートしたい…
「1日、アユのために空けたから、どこか出かけよう」
「えっ、大丈夫ですか?」
「ああ、といっても、できれば午前中は、乗馬の練習もしたいけど…」
「じゃあ、デズモント家の乗馬クラブに行きましょう。私も久しぶりに、馬を駆けてみたいです」
何でもできそうなシキズキ先輩だけど、乗馬には苦労している。元々魔術師だから、馬も魔力を恐れて馴染めないことが多い。中には、魔力を恐れない馬もいるから、相性の問題だと思うけれど、先輩はまだ、相棒と言える馬と出会えていない。
私も侯爵家の娘として、馬に乗ることは訓練してきた。広大な領地を管理するためには、乗馬もできなければ、視察もできない。跡取り娘は、深層のご令嬢ではいられない。
「いいのか?その…君の家族は、俺のことを知っているのか?」
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