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ジトっとした目で見つめられても、困ります。
「で、今後のお付き合いですが、継続するなら、私の希望を聞いてください」
「ん、わかった」
「まず、私は落ち着いた、平安に満ちた学生生活を希望しています。ですが、現在。とてもカッコ良くて、優秀で、おモテになる方に熱烈にアプローチされているため、私には平安がありません」
「う。そうか」
よかった、少しは話を聞いてくれるみたいだ。
「…言いにくいのですが、大切なことなので。平安がないと、いつ、発作が起こるか、わかりません。私の症状は、どうやら精神的なプレッシャーと連動しています」
「あの発作か…、それは気が付かなくて、すまない」
「ですから、先輩とお付き合いするのは、できればナイショにしたいのですが…」
「それは、嫌だ。俺が隠せると思えない」
…確かに。この1週間をみていても、私と一緒にいる時の先輩は、普段のキリっとした顔つきと違って、甘く蕩けている。周囲が驚くほど、ポンコツな人になっている。
「では、学園での接点は、限定してください。ランチタイムの食堂と、放課後のこの部屋。私を迎えに、教室まで来ないでください」
一度、ちょっと遅れた私を迎えに来てくれた時、教室が騒然としてしまった。あれは、止めてほしかった。
「ん、…わかった」
「先輩の希望は、この部屋でのキスと、私とお付き合いをすること、でいいですか?」
「ああ、俺が彼氏だ、と、言ってもいいのか?」
「はい。あ、あと、キス以上はやめてくださいね。爛れた関係になりたくありません」
「へ?爛れた関係?…ただの、愛し合う二人、だろ?」
「でも、私たちは学生です。学生らしいお付き合いが、したいだけです」
「…最後までは、しない。それまでは、ちょっと、チョコッと、触りたいけど…」
「先輩。まだ、知り合って1週間の方と、そうしたお付き合いはできません」
「わかった。アユとしては、お付き合い期間と身体でのコミュニケーションは、比例しているということだな。で、これまでは俺が先走りすぎていたから、ゆっくり進みたい、ということでいいのか?」
「…まぁ、そんなところです」
「アユ!」
嬉しそうに、先輩がぎゅっと抱きしめてくる。だから、これが先走りすぎなんだけど…。私は、この時。18歳の男性の性衝動の強さを、甘くみていた。いや、全くわかっていなかった。
シキズキ先輩の頭の中には、常にエロエロな私が住んでいたなんて。その時は、思いもしなかった。
「で、今後のお付き合いですが、継続するなら、私の希望を聞いてください」
「ん、わかった」
「まず、私は落ち着いた、平安に満ちた学生生活を希望しています。ですが、現在。とてもカッコ良くて、優秀で、おモテになる方に熱烈にアプローチされているため、私には平安がありません」
「う。そうか」
よかった、少しは話を聞いてくれるみたいだ。
「…言いにくいのですが、大切なことなので。平安がないと、いつ、発作が起こるか、わかりません。私の症状は、どうやら精神的なプレッシャーと連動しています」
「あの発作か…、それは気が付かなくて、すまない」
「ですから、先輩とお付き合いするのは、できればナイショにしたいのですが…」
「それは、嫌だ。俺が隠せると思えない」
…確かに。この1週間をみていても、私と一緒にいる時の先輩は、普段のキリっとした顔つきと違って、甘く蕩けている。周囲が驚くほど、ポンコツな人になっている。
「では、学園での接点は、限定してください。ランチタイムの食堂と、放課後のこの部屋。私を迎えに、教室まで来ないでください」
一度、ちょっと遅れた私を迎えに来てくれた時、教室が騒然としてしまった。あれは、止めてほしかった。
「ん、…わかった」
「先輩の希望は、この部屋でのキスと、私とお付き合いをすること、でいいですか?」
「ああ、俺が彼氏だ、と、言ってもいいのか?」
「はい。あ、あと、キス以上はやめてくださいね。爛れた関係になりたくありません」
「へ?爛れた関係?…ただの、愛し合う二人、だろ?」
「でも、私たちは学生です。学生らしいお付き合いが、したいだけです」
「…最後までは、しない。それまでは、ちょっと、チョコッと、触りたいけど…」
「先輩。まだ、知り合って1週間の方と、そうしたお付き合いはできません」
「わかった。アユとしては、お付き合い期間と身体でのコミュニケーションは、比例しているということだな。で、これまでは俺が先走りすぎていたから、ゆっくり進みたい、ということでいいのか?」
「…まぁ、そんなところです」
「アユ!」
嬉しそうに、先輩がぎゅっと抱きしめてくる。だから、これが先走りすぎなんだけど…。私は、この時。18歳の男性の性衝動の強さを、甘くみていた。いや、全くわかっていなかった。
シキズキ先輩の頭の中には、常にエロエロな私が住んでいたなんて。その時は、思いもしなかった。
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