1 / 10
本編
1.ハレンチな言い伝え
しおりを挟む
花の咲き誇る都では、お祭りが近づいている。この街には、あるハレンチな言い伝えが残っている。
昔、騎士様がお仕えする、美しいお嬢様に愛を伝えるため、お祭りの日にいやらしいパンツを贈った。花や宝石といったありふれたプレゼントの中から、一風変わったパンツのプレゼントを喜ばれたお嬢様は、騎士様と恋人になったという。
それ以来、お祭りの日にパンツを贈り、それを受け取ると恋人になる、という風習が生まれた。
女性であれば、ボクサーパンツを。男性であれば、女性用パンツを贈る。買いに行くのも恥ずかしいが、それを乗り越えることこそが、愛の証明として盛り上がる。もちろん、恋人同士であれば、いやらしいパンツも贈りあう。
メイティーラ・エルドバ伯爵令嬢は、お祭りの日が近づいてくると、ため息をついた。
「やっぱり、無理よね・・・グレン様が、私にパンツを贈ってくださるなんて」
彼女の婚約者である、グレン・ゴウ侯爵子息は、無口で無表情で、無駄なことをしない3無男だ。茶色の長い髪を後ろで一つに束ね、細長い眼をした彼は、地味ながらも整った顔をしていた。また背が高く、学園の騎士科に所属していたことからも、貴族の子女の間では、密に人気があった。
2年前に、家の都合で二人は婚約をする間柄となった。それまで、お互い意識することもなかった相手が、突然婚約することになったのだ。メイティーラにしてみれば、3つ年上のグレンは無口なこともあり、初めは彼が苦手だった。
「グレン様、お庭に花が咲きました」
「・・・そうか」
「蝶が飛んでいます。トンボもいました。」
「・・・そうか」
今も続く顔合わせの時は、常にメイティーラが話題を提供し、彼がそれに相槌をうつ、という具合であった。
メイティーラは、銀色の流れるような髪に、グリーンと珍しい瞳の色をしている。その儚げな様子と、艶やかな肌。稀にみる見目麗しい彼女は、「緑碧玉の美女」と呼ばれていた。スレンダーではあるが、出るところも出ていた。
婚約が発表された時は、まだ15歳だったので、その美しさはまだ蕾といったところであった。それが、この2年で花が咲くようにメイティーラは、美しく成長した。最近でも、婚約を知らない貴族から釣書が届くほどである。
女性にしては、背の高い方であったが、グレンと並ぶとバランスがいいので、あまり気にならなかった。
「やっぱりグレン様は、私のことをお嫌いなのかしら」
ここ最近は特に、二人で会う時は難しい顔をすることが多い。
「君は、その・・・いや、何でもない」
「グレン様?何か、おっしゃいましたか?」
「・・・いや、いい」
そう言って、会話が終わることもしばしばであった。メイティーラは、それでも彼が優しいことや、細い眼で見つめられると嬉しいこともあり、グレンが好きだった。自分の派手な外見とは反対に、静かで内向きな性格には、無口でもグレンの性格は心地良かった。
でも、グレンから直接的な愛の言葉や、態度を示されたことはない。メイティーラは、果たしてグレンが自分のことをどう思っているのか、わからず、不安になっていた。
―――やはり、ただの政略結婚の相手なのかしら。
メイティーラは、グレンのことを想うと悲しい顔をすることが多くなった。
「どうしたの、メイ。浮かない顔をしているね、せっかくの美女が、もったいない。笑顔を僕に見せてよ」
相変わらず、調子良く話しかけてきたのは、幼馴染のリーバイであった。
彼は、フィルパラウ伯爵の次男で、メイティーラと同い年ということあり、小さな頃より仲が良かった。今も、学園の同じクラスで学んでいる。お互いもうすぐ卒業となる。
「リーバイ、もうすぐお祭りね。でも、ね・・・」
小さな子どもの頃は、リーバイと下着を交換したこともある。さすがに物心ついてきてからは、それはしていない。
「メイは、思ったことをはっきり言った方がいいよ。お祭りを楽しみたいんでしょ。」
「そうね、ところでリーバイは、今年こそは誰かに贈るの?」
リーバイも18歳と年頃であるが、まだ婚約者は決まっていなかった。次男であることと、本人が恋愛結婚をしたいと望んだからである。彼ほどの容姿と性格であれば、家格さえ合えば選り取りみどりだ。
「パンツのこと?贈りたい相手はいるけどね、ちょっと障害があってさ、どうしたものかと思っているところ」
「そうなの?リーバイなら、どんな女の子でも貰ってもらえそうだけど。もしかして、人妻とか?」
「はは、それはないよ。僕のことはとにかく、メイはどうするの?」
気兼ねなく話ができる男友達は、メイティーラにはリーバイしかいなかった。他の男性は、とにかく瞳の奥に違う欲望を秘めていることが多く、その気配がメイティーラは苦手だった。その気配なく接してくれるのは、リーバイと、グレンだけだった。
「私?私は・・・今年もグレン様に用意しているわ。でも、受け取ってもらえそうにないけど。」
言い伝えは、男性から先に女性に贈ることになっている。そのお返しとして、気持ちがあれば女性も男性に贈る。昨年も用意していたが、グレンからはパンツをもらえなかった。もらえないのであれば、贈ることはできない。
「じゃあ、メイが用意したパンツ。受け取ってもらえなかったら、僕がもらうよ。いい?」
「え?どうしたの?リーバイは、贈りたい相手がいるのでしょ?」
「まぁ、本当に贈ることができるかは、まだわからないからね。その時の保険」
リーバイはニカっと笑うと、ちょっと強引にメイティーラに握手をしてきた。こうなると、否定しても無駄だということは過去の経験からわかっている。まだ、どうなるかわからない話みたいだし、メイティーラは曖昧な顔をして頷いた。
昔、騎士様がお仕えする、美しいお嬢様に愛を伝えるため、お祭りの日にいやらしいパンツを贈った。花や宝石といったありふれたプレゼントの中から、一風変わったパンツのプレゼントを喜ばれたお嬢様は、騎士様と恋人になったという。
それ以来、お祭りの日にパンツを贈り、それを受け取ると恋人になる、という風習が生まれた。
女性であれば、ボクサーパンツを。男性であれば、女性用パンツを贈る。買いに行くのも恥ずかしいが、それを乗り越えることこそが、愛の証明として盛り上がる。もちろん、恋人同士であれば、いやらしいパンツも贈りあう。
メイティーラ・エルドバ伯爵令嬢は、お祭りの日が近づいてくると、ため息をついた。
「やっぱり、無理よね・・・グレン様が、私にパンツを贈ってくださるなんて」
彼女の婚約者である、グレン・ゴウ侯爵子息は、無口で無表情で、無駄なことをしない3無男だ。茶色の長い髪を後ろで一つに束ね、細長い眼をした彼は、地味ながらも整った顔をしていた。また背が高く、学園の騎士科に所属していたことからも、貴族の子女の間では、密に人気があった。
2年前に、家の都合で二人は婚約をする間柄となった。それまで、お互い意識することもなかった相手が、突然婚約することになったのだ。メイティーラにしてみれば、3つ年上のグレンは無口なこともあり、初めは彼が苦手だった。
「グレン様、お庭に花が咲きました」
「・・・そうか」
「蝶が飛んでいます。トンボもいました。」
「・・・そうか」
今も続く顔合わせの時は、常にメイティーラが話題を提供し、彼がそれに相槌をうつ、という具合であった。
メイティーラは、銀色の流れるような髪に、グリーンと珍しい瞳の色をしている。その儚げな様子と、艶やかな肌。稀にみる見目麗しい彼女は、「緑碧玉の美女」と呼ばれていた。スレンダーではあるが、出るところも出ていた。
婚約が発表された時は、まだ15歳だったので、その美しさはまだ蕾といったところであった。それが、この2年で花が咲くようにメイティーラは、美しく成長した。最近でも、婚約を知らない貴族から釣書が届くほどである。
女性にしては、背の高い方であったが、グレンと並ぶとバランスがいいので、あまり気にならなかった。
「やっぱりグレン様は、私のことをお嫌いなのかしら」
ここ最近は特に、二人で会う時は難しい顔をすることが多い。
「君は、その・・・いや、何でもない」
「グレン様?何か、おっしゃいましたか?」
「・・・いや、いい」
そう言って、会話が終わることもしばしばであった。メイティーラは、それでも彼が優しいことや、細い眼で見つめられると嬉しいこともあり、グレンが好きだった。自分の派手な外見とは反対に、静かで内向きな性格には、無口でもグレンの性格は心地良かった。
でも、グレンから直接的な愛の言葉や、態度を示されたことはない。メイティーラは、果たしてグレンが自分のことをどう思っているのか、わからず、不安になっていた。
―――やはり、ただの政略結婚の相手なのかしら。
メイティーラは、グレンのことを想うと悲しい顔をすることが多くなった。
「どうしたの、メイ。浮かない顔をしているね、せっかくの美女が、もったいない。笑顔を僕に見せてよ」
相変わらず、調子良く話しかけてきたのは、幼馴染のリーバイであった。
彼は、フィルパラウ伯爵の次男で、メイティーラと同い年ということあり、小さな頃より仲が良かった。今も、学園の同じクラスで学んでいる。お互いもうすぐ卒業となる。
「リーバイ、もうすぐお祭りね。でも、ね・・・」
小さな子どもの頃は、リーバイと下着を交換したこともある。さすがに物心ついてきてからは、それはしていない。
「メイは、思ったことをはっきり言った方がいいよ。お祭りを楽しみたいんでしょ。」
「そうね、ところでリーバイは、今年こそは誰かに贈るの?」
リーバイも18歳と年頃であるが、まだ婚約者は決まっていなかった。次男であることと、本人が恋愛結婚をしたいと望んだからである。彼ほどの容姿と性格であれば、家格さえ合えば選り取りみどりだ。
「パンツのこと?贈りたい相手はいるけどね、ちょっと障害があってさ、どうしたものかと思っているところ」
「そうなの?リーバイなら、どんな女の子でも貰ってもらえそうだけど。もしかして、人妻とか?」
「はは、それはないよ。僕のことはとにかく、メイはどうするの?」
気兼ねなく話ができる男友達は、メイティーラにはリーバイしかいなかった。他の男性は、とにかく瞳の奥に違う欲望を秘めていることが多く、その気配がメイティーラは苦手だった。その気配なく接してくれるのは、リーバイと、グレンだけだった。
「私?私は・・・今年もグレン様に用意しているわ。でも、受け取ってもらえそうにないけど。」
言い伝えは、男性から先に女性に贈ることになっている。そのお返しとして、気持ちがあれば女性も男性に贈る。昨年も用意していたが、グレンからはパンツをもらえなかった。もらえないのであれば、贈ることはできない。
「じゃあ、メイが用意したパンツ。受け取ってもらえなかったら、僕がもらうよ。いい?」
「え?どうしたの?リーバイは、贈りたい相手がいるのでしょ?」
「まぁ、本当に贈ることができるかは、まだわからないからね。その時の保険」
リーバイはニカっと笑うと、ちょっと強引にメイティーラに握手をしてきた。こうなると、否定しても無駄だということは過去の経験からわかっている。まだ、どうなるかわからない話みたいだし、メイティーラは曖昧な顔をして頷いた。
12
お気に入りに追加
124
あなたにおすすめの小説
不器用騎士様は記憶喪失の婚約者を逃がさない
かべうち右近
恋愛
「あなたみたいな人と、婚約したくなかった……!」
婚約者ヴィルヘルミーナにそう言われたルドガー。しかし、ツンツンなヴィルヘルミーナはそれからすぐに事故で記憶を失い、それまでとは打って変わって素直な可愛らしい令嬢に生まれ変わっていたーー。
もともとルドガーとヴィルヘルミーナは、顔を合わせればたびたび口喧嘩をする幼馴染同士だった。
ずっと好きな女などいないと思い込んでいたルドガーは、女性に人気で付き合いも広い。そんな彼は、悪友に指摘されて、ヴィルヘルミーナが好きなのだとやっと気付いた。
想いに気づいたとたんに、何の幸運か、親の意向によりとんとん拍子にヴィルヘルミーナとルドガーの婚約がまとまったものの、女たらしのルドガーに対してヴィルヘルミーナはツンツンだったのだ。
記憶を失ったヴィルヘルミーナには悪いが、今度こそ彼女を口説き落して円満結婚を目指し、ルドガーは彼女にアプローチを始める。しかし、元女誑しの不器用騎士は息を吸うようにステップをすっ飛ばしたアプローチばかりしてしまい…?
不器用騎士×元ツンデレ・今素直令嬢のラブコメです。
12/11追記
書籍版の配信に伴い、WEB連載版は取り下げております。
たくさんお読みいただきありがとうございました!
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
私に告白してきたはずの先輩が、私の友人とキスをしてました。黙って退散して食事をしていたら、ハイスペックなイケメン彼氏ができちゃったのですが。
石河 翠
恋愛
飲み会の最中に席を立った主人公。化粧室に向かった彼女は、自分に告白してきた先輩と自分の友人がキスをしている現場を目撃する。
自分への告白は、何だったのか。あまりの出来事に衝撃を受けた彼女は、そのまま行きつけの喫茶店に退散する。
そこでやけ食いをする予定が、美味しいものに満足してご機嫌に。ちょっとしてネタとして先ほどのできごとを話したところ、ずっと片想いをしていた相手に押し倒されて……。
好きなひとは高嶺の花だからと諦めつつそばにいたい主人公と、アピールし過ぎているせいで冗談だと思われている愛が重たいヒーローの恋物語。
この作品は、小説家になろう及びエブリスタでも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】冷酷眼鏡とウワサされる副騎士団長様が、一直線に溺愛してきますっ!
楠結衣
恋愛
触ると人の心の声が聞こえてしまう聖女リリアンは、冷酷と噂の副騎士団長のアルバート様に触ってしまう。
(リリアン嬢、かわいい……。耳も小さくて、かわいい。リリアン嬢の耳、舐めたら甘そうだな……いや寧ろ齧りたい……)
遠くで見かけるだけだったアルバート様の思わぬ声にリリアンは激しく動揺してしまう。きっと聞き間違えだったと結論付けた筈が、聖女の試験で必須な魔物についてアルバート様から勉強を教わることに──!
(かわいい、好きです、愛してます)
(誰にも見せたくない。執務室から出さなくてもいいですよね?)
二人きりの勉強会。アルバート様に触らないように気をつけているのに、リリアンのうっかりで毎回触れられてしまう。甘すぎる声にリリアンのドキドキが止まらない!
ところが、ある日、リリアンはアルバート様の声にうっかり反応してしまう。
(まさか。もしかして、心の声が聞こえている?)
リリアンの秘密を知ったアルバート様はどうなる?
二人の恋の結末はどうなっちゃうの?!
心の声が聞こえる聖女リリアンと変態あまあまな声がダダ漏れなアルバート様の、甘すぎるハッピーエンドラブストーリー。
✳︎表紙イラストは、さらさらしるな。様の作品です。
✳︎小説家になろうにも投稿しています♪

コワモテ軍人な旦那様は彼女にゾッコンなのです~新婚若奥様はいきなり大ピンチ~
二階堂まや
恋愛
政治家の令嬢イリーナは社交界の《白薔薇》と称される程の美貌を持ち、不自由無く華やかな生活を送っていた。
彼女は王立陸軍大尉ディートハルトに一目惚れするものの、国内で政治家と軍人は長年対立していた。加えて軍人は質実剛健を良しとしており、彼女の趣味嗜好とはまるで正反対であった。
そのためイリーナは華やかな生活を手放すことを決め、ディートハルトと無事に夫婦として結ばれる。
幸せな結婚生活を謳歌していたものの、ある日彼女は兄と弟から夜会に参加して欲しいと頼まれる。
そして夜会終了後、ディートハルトに華美な装いをしているところを見られてしまって……?

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる