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僕の専用メイド
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初めて彼女の姿を見た時、僕に雷のような衝撃が落ちた。そして堕ちた。彼女は僕の思い描いていた理想の女性、そのままの容姿をしていた。須藤景子、二十歳、未婚。
「須藤景子は僕専用メイドにする」
そんな我儘が父から許されると思わなかった。だが、許された。それは僕が高校を卒業し、ピアニストとしてフランスへ留学する予定があったからだ。やっと十八歳となった僕は、秋からの留学に備え、ひたすらピアノに専念している。
本人は多分気がついていないが、景子は僕のお目付け役だ。そんな人間が傍にいるのもうっとおしい、僕は我儘をたくさん言った。嘘もついた。軽い冗談で僕は自分のことを十四歳だと言えば、素直にそれを信じている。今はそれを逆手にとって、なるべく男と意識させないで甘えることにした。
景子は僕が子どもだから、甘えているだけだと思っている。そんなおバカな景子が愛らしい。常に音楽理論の難しいことを考えがちな僕にとって、今やおバカな彼女は癒しでしかない。
「景子、今度の休みに海へ行くぞ」
「へっ? 海ですか? でも私、水着を持っていません」
「あぁ、水着なら僕が用意するから心配するな」
彼女は自分でその魅力に気がついていない。たわわな胸にキュッと引き締まった腰。白い臀部をぜひとも後ろから眺めてみたい。ぷっくりと赤く色づいた唇に、少し垂れた目尻。彼女を幼く見せるのはその大きな瞳のせいだろう。肩のラインで切った髪をいつか伸ばして欲しい。艶やかな黒髪の彼女を、白いシーツに寝かせてその髪を揺らしたい。
とびっきりの美人というわけではない。だが、景子には男を蕩けさせる魅力があった。はにかんだ笑顔も、驚いて口を開けてしまう仕草も、上目遣いに僕におねだりすることも、全てが愛しい。これまでの僕は音楽にしか情熱を傾けることが出来なかった。だが、彼女は僕に新たな命を吹き込んでくれた女神だ。
「別荘のプライベートビーチだから、安心しろ。他にお前の水着姿を見るヤツはいない」
「えっ、別荘ですか?」
「二時間も車を走らせれば着くところだ」
本当は僕が運転して二人でドライブしたいが、まだ僕が十四歳だと信じ切っている景子を騙したままにしておきたい。運転手を手配して乗り込むと、景子は照れながらも嬉しそうにしている。
「なんだ、海は初めてなのか?」
「海は見るだけで……、海水浴なんて、信じられない」
「僕より景子の方が年下みたいだな」
「な、なにを言っているのですか! 坊ちゃま! 景子はもう二十歳を超えました」
「うん、そうだな」
僕も機嫌がいい。久しぶりの遠出なのは理由がある。もうあと少しで、僕はフランスへと旅立たなくてはいけない。景子を連れて行きたいところだが、流石にそれは父が許さなかった。だが、離れる前に景子ときちんと心も身体も結ばれて、彼女を僕に縛り付けておきたい。やっぱり初めてのシチュエーションは大事だから、ロマンティックにしたい。
「景子、ここが別荘だ。庭から海に出ることが出来るから、すぐに支度をしろ」
「坊ちゃま、素敵な別荘ですね……」
「あぁ、造りは古いが、有名な建築家によって建てられた家だ。いろいろと工夫があるみたいだけど、終わったら案内する」
「終わったらって、海水浴が終わったらですか?」
「……そうだ」
思わず耳が赤くなる。この後、海辺に行き……、あぁ、待ち遠しい。景子、お前を全てしゃぶりつくして今日こそこの愚息を突っ込みたい。初めてだろう君を優しく愛撫して、何度もイかせてから合体するんだ。実践したことはないが、何度もAVを見て予習をし、景子とセッする妄想をして訓練してきた。欲望に染まる僕の頭には、理性はもはや欠片しか残っていなかった。
「須藤景子は僕専用メイドにする」
そんな我儘が父から許されると思わなかった。だが、許された。それは僕が高校を卒業し、ピアニストとしてフランスへ留学する予定があったからだ。やっと十八歳となった僕は、秋からの留学に備え、ひたすらピアノに専念している。
本人は多分気がついていないが、景子は僕のお目付け役だ。そんな人間が傍にいるのもうっとおしい、僕は我儘をたくさん言った。嘘もついた。軽い冗談で僕は自分のことを十四歳だと言えば、素直にそれを信じている。今はそれを逆手にとって、なるべく男と意識させないで甘えることにした。
景子は僕が子どもだから、甘えているだけだと思っている。そんなおバカな景子が愛らしい。常に音楽理論の難しいことを考えがちな僕にとって、今やおバカな彼女は癒しでしかない。
「景子、今度の休みに海へ行くぞ」
「へっ? 海ですか? でも私、水着を持っていません」
「あぁ、水着なら僕が用意するから心配するな」
彼女は自分でその魅力に気がついていない。たわわな胸にキュッと引き締まった腰。白い臀部をぜひとも後ろから眺めてみたい。ぷっくりと赤く色づいた唇に、少し垂れた目尻。彼女を幼く見せるのはその大きな瞳のせいだろう。肩のラインで切った髪をいつか伸ばして欲しい。艶やかな黒髪の彼女を、白いシーツに寝かせてその髪を揺らしたい。
とびっきりの美人というわけではない。だが、景子には男を蕩けさせる魅力があった。はにかんだ笑顔も、驚いて口を開けてしまう仕草も、上目遣いに僕におねだりすることも、全てが愛しい。これまでの僕は音楽にしか情熱を傾けることが出来なかった。だが、彼女は僕に新たな命を吹き込んでくれた女神だ。
「別荘のプライベートビーチだから、安心しろ。他にお前の水着姿を見るヤツはいない」
「えっ、別荘ですか?」
「二時間も車を走らせれば着くところだ」
本当は僕が運転して二人でドライブしたいが、まだ僕が十四歳だと信じ切っている景子を騙したままにしておきたい。運転手を手配して乗り込むと、景子は照れながらも嬉しそうにしている。
「なんだ、海は初めてなのか?」
「海は見るだけで……、海水浴なんて、信じられない」
「僕より景子の方が年下みたいだな」
「な、なにを言っているのですか! 坊ちゃま! 景子はもう二十歳を超えました」
「うん、そうだな」
僕も機嫌がいい。久しぶりの遠出なのは理由がある。もうあと少しで、僕はフランスへと旅立たなくてはいけない。景子を連れて行きたいところだが、流石にそれは父が許さなかった。だが、離れる前に景子ときちんと心も身体も結ばれて、彼女を僕に縛り付けておきたい。やっぱり初めてのシチュエーションは大事だから、ロマンティックにしたい。
「景子、ここが別荘だ。庭から海に出ることが出来るから、すぐに支度をしろ」
「坊ちゃま、素敵な別荘ですね……」
「あぁ、造りは古いが、有名な建築家によって建てられた家だ。いろいろと工夫があるみたいだけど、終わったら案内する」
「終わったらって、海水浴が終わったらですか?」
「……そうだ」
思わず耳が赤くなる。この後、海辺に行き……、あぁ、待ち遠しい。景子、お前を全てしゃぶりつくして今日こそこの愚息を突っ込みたい。初めてだろう君を優しく愛撫して、何度もイかせてから合体するんだ。実践したことはないが、何度もAVを見て予習をし、景子とセッする妄想をして訓練してきた。欲望に染まる僕の頭には、理性はもはや欠片しか残っていなかった。
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