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第五章

5-15*

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(Side レーヴァン)

 横に静かに眠る彼女の横顔を見ながら、俺はこの三年間に感じていた焦燥感が満たされたことを感じる。思い出すことの出来なかった、けれど恋焦がれていた女が今、俺の横で寝息を立てている。可愛い、そんな言葉ではとても表現することは出来ないが、クローディアは強く、そして美しい。

 彼女にもこの三年間、俺がいないことで随分と心労をかけた。話を聞くと驚くことばかりだ。さすがにフェイルズ国のフェーブ国王の暗殺に関与していた可能性を聞いた時は、ヒヤリどころではない嫌な汗が背中を流れた。

 クレイグはそんな彼女にずっと寄り添っていたという。もちろん、彼女を抱いただろう。所々に残る所有印をつけたのはあの男だ。嫉妬する思いに焼かれそうになるが、その一方で俺のいない間にクローディアを支えていたのはクレイグだ。

 王都に行ったら、けじめをつけるためにルートザシャ公爵閣下とも、そしていつかはクレイグとも話をしなくてはいけないだろう。

 だが今は、まだ彼女を堪能していたい。そう思い、王都に入ろうと思えば行ける手前のこの街で、最後に二人で一泊した。記憶を取り戻してから今日まで彼女の身体を貪ってきた。三年間の想いのたけをぶつけるようにクローディアをめいっぱい抱いてきた。

 王都につけば、俺も生還したことで忙しくなるだろう。そしてクローディアの結婚問題も残っている。実際は問題が山積みで何が正解なのかわからない。

 もうすぐ夜が明ける。あと一刻でも馬を走らせれば王都に着く。それまでは、クローディアを独占していたい。

 髪を寄せて額に軽くキスを落とす。出来れば彼女を泣かせることをしたくはない。クローディアは俺を愛しているように、クレイグのことも愛していることを知っている。彼女の中には二つの想いが残っていることを知っている。

「クローディア、それでも手放さないからな……」

 一度はクレイグを思い身を引いたが、レオンに殴られて俺は目が覚めた。クローディアは、俺がいなければ幸せになることは出来ない。俺が幸せになるにはクローディアが必要なように。

「はやく起きろよ……」

 昨夜も散々貪って彼女を啼かせた。普通の令嬢と違い、普段から鍛えている彼女だからこそ俺の無尽蔵の性欲と体力にも付き合ってくれる。目が覚めたら、出発する前にもう一度繋がりたい。心も、身体も繋がっていることを実感したい。

 後ろから抱きしめるようにクローディアの背中に身体をくっつけて、髪を寄せてうなじを甘嚙みする。ふわりと漂う彼女の香りに、俺の雄が反応する。

 手を前面に持っていき、白く柔らかい胸を揉む。あの時、手合わせと言う緊張感の中で突然目の前に現れたこの乳房。ピンク色をした乳頭は俺の記憶を激しく刺激して、記憶の蓋が突然開いた。

 あぁ、その乳房が今は俺の手の中にある。吸い付くような肌は合わせるだけで気持ちがいい。たまには後ろから挿入してみたい。クローディアを横向きにして股の間に既に滾った剛直を添わせながら、片手で乳房を、もう一方の手でクリトリスを扱く。

 ぬちゅ、ぬちゅと腰を揺らしながらうなじの香りを堪能する。はぁ、気持ちがいい。

「あぁん……」

 クローディアの吐息が漏れる。同時に蜜が滴ってきて、俺の剛直のピストン運動を助けてくれた。

「もう、挿れるよ、ディア」

 朝から盛ってばかりだが、可愛すぎるクローディアがいけない。今も半分起きているだろうが、俺のすることを止めるどころか、腰を浮かしてわずかに動かしてくる。可愛い。

 ごろり、と顔を下にさせて背中を上にする。少し腰を持ち上げ膝をつく形にすると、普段は見ることの少ない臀部が目の前にある。これもいい、彼女のお尻に唇を落とし印をつける。

 くちゅ、と後ろからゆっくりと挿入する。いつでもクローディアの膣壁は絡みつくように締め付ける。すぐに射精感が高まるが、まだ、もっと彼女と繋がっていたい。普段と違う角度からの挿入にクローディアも甘く啼いた。

「はああっ……」
「っくぅぅっ」

 彼女の全てを味わいたい。欲望のままに腰を振りベッドを軋ませる。激しい突き上げと抽送に理性は既に切れている。

 クローディア、クローディア!

 どうしたら、お前を俺に繋ぎとめていられるのか。俺の子を孕めば、俺を選ぶのか。はあっ、はあっと息を切らすように激しく突き上げる。獣のような体制となり、俺の中の雄が暴れている。

「好きだっ、クローディアっ……俺のっ……俺の!」

 ドクドクっと精が放たれる。震える俺の背中に汗が一つ流れる。クローディアを高めることなく自分本位に貪ってしまう。こんなことではアイツに負けてしまう。

「悪い、ディア……イけなかったよな……」
「もう……」

 ずるり、と緩んだ肉棒を取り出せば、こぷりと俺の吐き出した精と彼女の蜜の混ざったものが垂れている。

「ちょっと、寂しい……」
「ん?」
「レーヴァンが抜けちゃうと、寂しいなって……」

 甘えるような横顔を見せたクローディアが、無意識にズキュンと俺を煽る。その甘い一言が下半身をドクンと刺激した。

「じゃぁ、寂しくならないようにもっと繋がっていよう」

 この滾りの責任はとってくれよ、クローディア。今度は彼女の顔を見ながら果てたいと思い、身体を上向かせて汗ばむ身体をくっつけた。

 ——好きだ、クローディア。どんなお前でも愛している。

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