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第五章
5-13*
しおりを挟むレーヴァンは突然私を横抱きにすると、目の前のベッドに運んでふわりとおろした。そしてすぐに、私の傍に膝立ちで迫ってくる。
「クローディア、俺は……ほかの女では勃起しなかった。三年間、俺は自分が不能だと思って悩んでいた」
「へっ?不能だったの?」
予想もしない言葉に、思わず驚きの声を上げた。そう言いながらもレーヴァンの手は止まらない。
「……あぁ、三年間。どんないい女を見ても、勃たなかった。クローディア、お前を一瞬見ただけで、その日の夜はギンギンだったが、やっぱりディアじゃない女に挿入することは出来なかったんだ」
「ちょっと……それって、喜んでいいことなの?」
私でなければ勃起しない。ほの暗い執着を垣間見たような、嬉しいような、何とも言えない思いになるが、当の本人はケロリとしている。
「あぁ、クローディア以外には勃起しないことを伝えたら、サーシャ嬢は納得して簡単に俺を諦めたぞ」
三年間密かに悩んでいたことが解決したレーヴァンは、とても喜んでいる。カチャカチャとベルトを外し始め下着を下ろし、それまで不能だったということが信じられないほどに、剛直は赤黒くそびえたっていた。先の方からは透明な液が既にちょろりと出ていて、レーヴァンはその勃起したその剛直を私に嬉しそうに見せつけた。
「ホラっ、固いだろ。三年ぶりなんだ、ディア。頼む、責任取るから、先っぽだけでいいから挿れさせてくれっ」
また必死になった目でレーヴァンが私を見る。
「先っぽだけじゃ止まらないでしょ……」
醒めた目で答えると、なぜかそれを是と受け取ったレーヴァンは急に息を荒げ始めた。
「ああっ、もうダメだ……ディア、愛している」
突然豹変したレーヴァンは、まるで待ちきれなくて決壊した濁流のように私をベッドに倒すと、上に覆いかぶさって来た。
「ディアっ……ディア!」
「んんっ、ちょっ……レーヴァンっ!」
簡単なブラウスしか着ていなかった私は簡単に服をもぎ取られる。レーヴァンもシャツを投げるように脱ぐと、トラウザーズも全て脱ぐ。彼の身体には無数の傷跡が残っていて、これまでの生活がいかに過酷なものであったのかが伺い知れる。
筋肉質な体形は変わらず、日焼けした肌がさらに男ぶりを高めていた。今から、私はこの雄の身体に抱かれるかと思うと私の中の雌の部分が疼き始める。
「きゃぁっ」
彼の全裸を見るのは初めてではないのに、思わず甲高い声を上げてしまうとレーヴァンが嬉しそうにニタリと笑った。
乳房をなぶるように揉みしだく彼の性急な愛撫は私の奥深くにあった記憶を掘り起こす。そう、レーヴァンはいつでも余裕を失くして激しく私を抱いていた。静かにねっとりと攻め上げるクレイグとは違う。
「はぁっ、クローディア……もう、我慢できない」
そう言ってレーヴァンは私の耳を、そのピンクサーモンのピアスのついた耳の中に舌を入れて犯す。彷徨う手が私の身体を隅々まで這うと、最後に私の濡れそぼったあわいに指を添わせた。
「ここだったよな」
何度も攻められた私の入り口にある、快感を拾うスポット。レーヴァンは指を二本も入れて、そこを的確に攻めて何度も出し入れを初めた。じゅぼっ、じゅぼっ、っと指が私の中でうごめく。
「ああぁんっ……はぁっ……あっあっ、あっあっ……」
クリトリスも同時に刺激する太い親指が辛い。何度もぐちゅぐちゅと刺激を与えながら、レーヴァンは昂っている剛直を私の足に擦りつけきた。
十分に解されて快感を拾う私を見て、レーヴァンは嬉しそうに私の両足を彼の肩にかけて秘裂を見つめた。
「や、やんっ……こんな格好……」
恥ずかしい、腰が少し浮いているがレーヴァンはたまらない、とまた呟いてそこに彼の滾った剛直をあてた。
「挿れるよ、クローディアっ」
私が反論することを許さない、そんな強い意志を持った声が聞こえる。くちゅり、と先端を入れたレーヴァンは一気に突き刺すように私の中に剛直を挿入した。
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