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第三章
3-10*
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まだ挿入する途中であったのに、何かぬちゃりとした液体が突然吐き出された。それが彼の精液とわかったのは、ずるりと引き抜かれたその先端が白く濡れていたからだ。
「ご、ごめん……こらえきれなかった」
少し恥ずかしそうにしたレーヴァンが、はぁ~、っと大きくため息を漏らす。
「あれ? もう終わったの?」
なんだか呆気なかったな、と思わなくもなくてポロリと漏らした言葉に、レーヴァンはカッと赤くなって「違う!」と叫んだ。
「その、あれだ。俺も初めてだから、ちょっと興奮しただけだ。次は、大丈夫だ」
焦ったような声を出している彼をみて、ちょっと可愛い、なんて思ってしまう。私よりも大きくて筋肉もしっかりついていて、戦となると大剣を振るい敵を屠っていく彼が、私の上で焦っている。
「ふふっ、レーヴァンでも焦るんだね」
ちょっとからかい気味に声をかけると、今度は眉を少し上げて私を睨む。
「余裕そうだな、クローディア」
あっ、と思った瞬間に彼の欲望にまた火が灯る。その情欲を隠さない彼の瞳を見て、ぞくぞくとした快感が背中を走った。——彼に食べられる。
それからはあっと言う間だった。軽く扱いただけでその勢いを取り戻した猛りが、また私の中にぐんっと入ってくる。今度は遠慮と言う言葉を失くしたのか、一気に突いてくるその質量に、私の中が驚く。
「あああっ! んっ、はんっ!」
痛みよりも、その重い塊が侵入してくる圧迫感に、思わず悲鳴にも近い大きな声が上がる。もうすでに一度吐き出された精が彼の滾った男根に絡まりついていて、スムーズに侵入してくる。
「うぁっ……たまらんっ……」
奥まで突き入れた感触に、レーヴァンは初心な心情を吐く。彼にしてみれば、待ちに待った瞬間だ。これまで何度も想像して夢精してきたことが、ようやく実現した。
我慢できない、とばかりにぬるぬるとその男根を動かしているが、もっと突き上げたいであろうことは彼の表情からうかがうことが出来る。
「ね、気持ちいいの?」
こっちは異物感で変な感じがするが、思っていたよりも痛みはない。日頃の鍛錬のおかげで痛みに耐性があったのかもしれない。だからこそ、自分の身体でレーヴァンが満足できるのだろうか、と何故か不安になる。
「あぁ……いいよ。こう、キュッと絡みついてきて、もう、もってかれそうだ」
「えっ、もう?」
お互いに初めて同士だからなのか、遠慮のない間柄だからだろうか、クローディアが無邪気に放った言葉がレーヴァンをぐさりと刺した。
「クローディア、遠慮はいらないって、ことだな」
初めてだから、と気遣っていたであろうレーヴァンは瞳の色を変えた。いきなり腰を両手で押さえると、挿入したまま臀部をぐいっと持ち上げた。
「この方が、挿入しやすい」
それからは遠慮しないと言った言葉通り、大きく引き抜いた男根を更に奥に突き入れる。それは肉と肉がぶつかり合う音をパン、パンっと派手に立てながら、何度も何度も繰り返された。
「あんっ、あんっ、ああっ、あああ、あっ、ああっ」
滾りに滾った熱をはらんだ男根が奥を突くたびに、律動に合わせて嬌声が上がる。必死になって腰を振るレーヴァンは何故か、苦し気に少し口を開いてはぁっ、はぁっと息を吐いている。
「ディア、クローディアっ、俺のっ」
レーヴァンが腰を打ち付ける音が響く。同時に彼の汗が飛び、それはきらりと光って輝いている。
「あっ、も、もうっ、いやぁっ」
獣のような交わりに、思わず涙声になってしまうけれどその中には甘さも入っている。それを敏感に拾い上げて最奥を穿つレーヴァンも唸るように声を出した。
「うぁあっ、イイっ、ディアっ」
腰に打ち付ける振動で胸がぶるりと揺れている。さっきから止められない抽送で白い双丘は揺れに揺れてレーヴァンの雄を刺激する。
「あっ、ダメっ、もう、いっちゃう」
「うあぁぁっ」
きゅうきゅうと絡みつく膣壁が一段とレーヴァンの男根を締め上げてくる。もうこれ以上耐えられない、とばかりにそのストロークを大きくして二度、三度、レーヴァンはクローディアの奥を深く打ち付けた。
「あぁあっ……ああっ」
「……っくっ……」
クローディアが果てると同時に、レーヴァンもその欲望を中に吐き出した。今度は勢いだけでなく長くゆるゆると腰を動かしながら彼女の中にこすり付けるように腰を動かしている。
「ああっ、すげぇ、こんなに出た……」
ゆっくりとその男根を引き抜くと、こぷりと蜜口から白濁した液が漏れる。そこには赤い血も入っていて、クローディアの純潔をレーヴァンが奪ったことを証していた。
「クローディア、愛してる」
その証を見て感極まったレーヴァンが、その熱を分かち合うように覆いかぶさってきた。
「レーヴァン、私も、私も大好きだよ」
二人で初めて、身体を繋げることが出来た。欲望だけでない、深いところでの結びつきを感じてクローディアの頬を静かに涙が流れる。
どろどろに溶け合った身体を抱き合いながら、二人は静かにその熱を確かめ合う。長い、長い婚約期間の果ての交わりに、二人とも言葉に表せない喜びをかみしめていた。
「ご、ごめん……こらえきれなかった」
少し恥ずかしそうにしたレーヴァンが、はぁ~、っと大きくため息を漏らす。
「あれ? もう終わったの?」
なんだか呆気なかったな、と思わなくもなくてポロリと漏らした言葉に、レーヴァンはカッと赤くなって「違う!」と叫んだ。
「その、あれだ。俺も初めてだから、ちょっと興奮しただけだ。次は、大丈夫だ」
焦ったような声を出している彼をみて、ちょっと可愛い、なんて思ってしまう。私よりも大きくて筋肉もしっかりついていて、戦となると大剣を振るい敵を屠っていく彼が、私の上で焦っている。
「ふふっ、レーヴァンでも焦るんだね」
ちょっとからかい気味に声をかけると、今度は眉を少し上げて私を睨む。
「余裕そうだな、クローディア」
あっ、と思った瞬間に彼の欲望にまた火が灯る。その情欲を隠さない彼の瞳を見て、ぞくぞくとした快感が背中を走った。——彼に食べられる。
それからはあっと言う間だった。軽く扱いただけでその勢いを取り戻した猛りが、また私の中にぐんっと入ってくる。今度は遠慮と言う言葉を失くしたのか、一気に突いてくるその質量に、私の中が驚く。
「あああっ! んっ、はんっ!」
痛みよりも、その重い塊が侵入してくる圧迫感に、思わず悲鳴にも近い大きな声が上がる。もうすでに一度吐き出された精が彼の滾った男根に絡まりついていて、スムーズに侵入してくる。
「うぁっ……たまらんっ……」
奥まで突き入れた感触に、レーヴァンは初心な心情を吐く。彼にしてみれば、待ちに待った瞬間だ。これまで何度も想像して夢精してきたことが、ようやく実現した。
我慢できない、とばかりにぬるぬるとその男根を動かしているが、もっと突き上げたいであろうことは彼の表情からうかがうことが出来る。
「ね、気持ちいいの?」
こっちは異物感で変な感じがするが、思っていたよりも痛みはない。日頃の鍛錬のおかげで痛みに耐性があったのかもしれない。だからこそ、自分の身体でレーヴァンが満足できるのだろうか、と何故か不安になる。
「あぁ……いいよ。こう、キュッと絡みついてきて、もう、もってかれそうだ」
「えっ、もう?」
お互いに初めて同士だからなのか、遠慮のない間柄だからだろうか、クローディアが無邪気に放った言葉がレーヴァンをぐさりと刺した。
「クローディア、遠慮はいらないって、ことだな」
初めてだから、と気遣っていたであろうレーヴァンは瞳の色を変えた。いきなり腰を両手で押さえると、挿入したまま臀部をぐいっと持ち上げた。
「この方が、挿入しやすい」
それからは遠慮しないと言った言葉通り、大きく引き抜いた男根を更に奥に突き入れる。それは肉と肉がぶつかり合う音をパン、パンっと派手に立てながら、何度も何度も繰り返された。
「あんっ、あんっ、ああっ、あああ、あっ、ああっ」
滾りに滾った熱をはらんだ男根が奥を突くたびに、律動に合わせて嬌声が上がる。必死になって腰を振るレーヴァンは何故か、苦し気に少し口を開いてはぁっ、はぁっと息を吐いている。
「ディア、クローディアっ、俺のっ」
レーヴァンが腰を打ち付ける音が響く。同時に彼の汗が飛び、それはきらりと光って輝いている。
「あっ、も、もうっ、いやぁっ」
獣のような交わりに、思わず涙声になってしまうけれどその中には甘さも入っている。それを敏感に拾い上げて最奥を穿つレーヴァンも唸るように声を出した。
「うぁあっ、イイっ、ディアっ」
腰に打ち付ける振動で胸がぶるりと揺れている。さっきから止められない抽送で白い双丘は揺れに揺れてレーヴァンの雄を刺激する。
「あっ、ダメっ、もう、いっちゃう」
「うあぁぁっ」
きゅうきゅうと絡みつく膣壁が一段とレーヴァンの男根を締め上げてくる。もうこれ以上耐えられない、とばかりにそのストロークを大きくして二度、三度、レーヴァンはクローディアの奥を深く打ち付けた。
「あぁあっ……ああっ」
「……っくっ……」
クローディアが果てると同時に、レーヴァンもその欲望を中に吐き出した。今度は勢いだけでなく長くゆるゆると腰を動かしながら彼女の中にこすり付けるように腰を動かしている。
「ああっ、すげぇ、こんなに出た……」
ゆっくりとその男根を引き抜くと、こぷりと蜜口から白濁した液が漏れる。そこには赤い血も入っていて、クローディアの純潔をレーヴァンが奪ったことを証していた。
「クローディア、愛してる」
その証を見て感極まったレーヴァンが、その熱を分かち合うように覆いかぶさってきた。
「レーヴァン、私も、私も大好きだよ」
二人で初めて、身体を繋げることが出来た。欲望だけでない、深いところでの結びつきを感じてクローディアの頬を静かに涙が流れる。
どろどろに溶け合った身体を抱き合いながら、二人は静かにその熱を確かめ合う。長い、長い婚約期間の果ての交わりに、二人とも言葉に表せない喜びをかみしめていた。
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