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第三章

3-9*

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「こっち、脱いじゃうとすぐ挿入したくなるから」

 そう言って彼は下穿きは脱がずに、また私の胸をなぶり始めた。

「あの、ね。レーヴァン。なんか、変なの……」

「ん?どこか、触って欲しいところとか、やめて欲しいところとかあるのか?俺も初めてだから、言ってくれないとわからないんだよな」

「えっ、えっ?」

 つい驚いてしまう。ずっと私一筋だったから、不思議ではないけれど騎士科にいると娼館で抜いてきた、なんて会話は常だったから、てっきりレーヴァンも経験があると思っていたのに。

「初めてだよ、クローディア以外、他の女を触りたくなかったんだ」

 少しむすっとした顔をしたレーヴァンが何故か可愛くて、思わず髪を触ってしまう。

「ふふっ、じゃ、今日はお互い初めての記念日だね。…………嬉しい」

 じわりと甘い思いが胸に広がる。クレイグとは違い、レーヴァンは女性への態度ははっきりとしていた。それは、結構私にとって大切なことだったようだ。レーヴァンに経験がないと聞いて、すごく嬉しい。

「もう、黙って」

 トンっとベッドに押し倒すと私に覆いかぶさり、口の中に舌を入れて絡ませる。歯列の前後を舐めるように濃厚に口づけながらも、手は乳房を揉むために離れない。時折くっつく彼の肌はしっとりとして、その熱を受けるとまるで溶けていく氷のように気持ちが溶けて気持ちがいい。

「んんっ、ん、っ……くっ……ぅう……」

 レーヴァンは私の太ももの上に昂りをこすりつけるようにしている。くちゅ、くちゅっと唇を貪ると次第に手が私のショーツの上をなぞるように触り始めた。

「これ、とるよ」

 そう囁いて腰の結び目を解く。愛液で既にしっとりと濡れていたが簡単に離れて行った布は、パサリと床に落とされた。

「濡れてる。こんなになるんだ……」

「もうっ、恥ずかしいんだからっ」

 私の下の茂みをジッと見たレーヴァンは、「ここも紫色なんだ」と言って顔を近づける。

「ええっ、レーヴァン、そんなところ見ないでっ」

「だめだよ、一番みたいところなんだから。ホラ、足開いて」

「は、恥ずかしい……」

「何言ってるんだ、これからもっと恥ずかしいことするんだから」

「うっ、ううぅぅ……」

 思わず涙目になってしまうけれど、私も知識だけはある。ここに、秘裂の先にあるところに彼の男根を入れて、そして子種を注ぐ、そこまでしなくては彼と身体を重ねたことにはならない。

 ぐいっと膝を開くように足を開かされる。もう、濡れた秘裂をジッと見つめるレーヴァンの顔を見ることさえ恥ずかしい。

 ぬるり、と何かが股間を這う感触がする。それはレーヴァンが舌を出して、私の愛蜜を舐める感触だった。

「あっ、はぁあっ……」

「すごい、こんなにも膨らんで……甘い」

 じゅるっと滴る蜜を吸い込んで、今度は舌をぬっと赤いつぼみに添わせる。くちゅり、と気がつけば指を入れて私のザラリとしたところを刺激すると、私の身体がビクッと震えて跳ねた。

「はあぁあ……ああっ……あああ……あんっ、レーヴァン、レーヴァン……」

 今まで、兄としか思えなかった彼が男になって私を襲っている。今は優しい素振りをしているが、その奥には獰猛な獣が潜んでいることを知っている。戦う時の彼は、とても激しく強いのだ。その彼に襲われている私は、ひ弱な小動物のように震えながら喘ぐしかなかった。

 私は彼に溶かされている。

「クローディア、もう挿れたい。……いいか?」

 濡れそぼった蜜口から増やした指を抜いたレーヴァンが、切羽詰まった声で聞いてくる。

 ここでダメ、って言っても止まらないくせに、って思うけど。さっきから喘がされてイかされた頭では何も言えない。ただ単純にうん、と頷くとレーヴァンは一旦身体を離して下穿きを脱いだ。

 さっきから足に当たる固い感触のそれは、レーヴァンの腹につくように逞しく反り上がっている。赤黒く光るその先っぽからは既に何か液体が垂れている。

「レ、レーヴァン、それを挿れるの?」

「大丈夫、だと思う。初めては痛いと思うけど、ごめん、挿れたい」

 陰茎をもってゆるく扱きながら素直に欲望をねだられて、どうして拒否できるだろう。あの太くて長い男根にこれから貫かれるのかと思った瞬間、下半身がキュッと締まるように感じた。

 そっと足を広げてレーヴァンを迎える姿勢を見せると、彼はゴクリと喉をならす。情欲に滾った目をしながら彼はそっと割れ目に男根をあてがった。ぬちゅり、と粘膜と粘膜が合わさる音がする。二度、三度とゆっくりとその大きさを確認させるように、ぬるぬるとその猛りを這わせた。

「ここか?」

 レーヴァンは膝立ちになって男根の根本を持ち、濡れた先端をつぷりと蕩けた蜜口に添わせた。

 ——とうとう、来る。

 その期待に震え、キュッと口を締めて覚悟を決める。私はレーヴァンを選び、彼が応えてくれた。

 先端がグイっと挿しこまれ、浅く侵入した。その刺激だけで「はぁっ」と甘い声が出る。レーヴァンは私の顔をジッと見ながら少しずつその滾りを侵入させていく。何かを耐えるような目をしながら、ふーっ、ふーっ、と息を吐きながらも止める様子はない。

 レーヴァンはぎゅうぎゅうと絡みついてくるクローディアの中に耐えつつ、このまま一気に貫きたい欲望とも戦っていた。

「うぁぁ、吸い付いてくるようだ……なんて、気持ちいい」

 恍惚とした表情で唸るように声を出したレーヴァンからは、男の色気が漏れている。その声を聞くだけで私も思わず声を上げてしまう。

「ああんっ、レーヴァン、好きっ」

 その瞬間、ぐんっと更にレーヴァンの滾りが大きく震える。

「うあっ」

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