上 下
30 / 67

サボの治療

しおりを挟む

「師匠、私の場所が、よくわかりましたね。」

「君の紫のピアスだよ。僕の名を呼びながら、反応したからね。すぐに教えてくれたよ。」

「はぁ~、助かった。師匠、さすがアレンも使いこなせるんですね。以前は使えない、って言っていましたが。」

「ああ、君とアレンの関係も安定しているみたいだし、今回はアレンが許してくれたよ。」

 そう言うと、サボはほぼ裸に近いアイリスを、ぐっと抱き寄せた。そして、全身をみて、傷のあるところを確認した。

「かなり、傷が出来ているね。ちょっと、痕に残らないようにしないと、せっかくの白い肌が。」

「師匠、師匠も舐めるのですか?以前、レオンが舐めて傷跡を治してくれましたけど。」

 少し驚いた顔をしたが、ふむ、と少し考えていたサボは、「じゃあ、僕も」と言って、アイリスの肌を舐めはじめた。魔蔦によってつけられた傷は、全身にあった。

 足先を確認し、右足、左足にある傷を舐めるたび、ピリッとした痛みがあった。

もしかしたら、レオンの方が、治療魔術は上手なのかな。サボの魔力も強いが、治療となると、荒々しかった。

そして、徐々に上の方に舌が這っていく。胸は、以前吸われた時のように、執拗に舐められた。何度も、何度も、吸いついて、アイリスは自分の秘境から、蜜が流れるのを感じた。

「師匠、これ、治療ですよね・・・なんか、変な感じになってきちゃった。」

「姫。大丈夫。僕を感じていて。」

 サボは、森の中で誰にも邪魔されないように、結界を厚く張った。

 胸の傷をなめる時、ついでにきつく吸いついて、うっ血の痕を残した。キスマークだ。

「ふふ、あのガキ共が見つけたら・・・面白いね。」

 イジワルな顔をしたサボは、粗方傷をなめ終わると、仕上げとしてアイリスの足を開かせた。

「師匠、そこ、そこは大丈夫です!」

 何をされるのか、予想したアイリスは叫んだが、それで止めるサボではなかった。

 サボの舌が、ヌルっとした舌が入り込んできた。

「あっ、すごい・・・あん。」

 舌先でクリトリスを吸われたアイリスは、また、一度果てた。

「師匠、もう、ダメ。本当に、止めてください。」

 これ以上、続けていては、自分を失ってしまう。そんな予感がして、サボに懇願した。

「ま、潮時かな。姫に嫌われるのは、本心ではないからね。」

 サボは、立ち上がると自分の来ていた緋色のロングコートを、アイリスに着せた。妖銃アレンも、アイリスに返す。

「さて、その姿では今日は難しいかな、帰ろうか。僕の宿がいい?君の寮がいい?」

「・・・私の寮に帰ります。」

 安定のエロ親父っぷりだが、こうして妖銃使いとしての訓練をしてくれるのは、本当にありがたい。サボを結婚相手に選べば、妖銃使いとしての腕を磨き、冒険者として活躍できるかもしれない。

ここではない世界に旅立ち、新しいことを体験し、冒険できる・・・それも、隣には強くて、ちょっと、いや、かなりスケベで、でも安心感のある男性―――サボがいる。

ふと、紫のピアスが、サボを呼んでくれたことを思い出した。この紫のピアスは、元々はレオンが魔術を付与してくれた、あのピアスだ。前回も、赤のピアスが守ってくれた。今回は、紫が。レオンを思い出し、胸の奥がキュッとなった。

アイリスがサボと訓練をしている間、レオンは学園に来ることはなく、また何故かソルも、その後アイリスを訪ねることはなかった。―――そして、運命の『赤の日』となった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

王子殿下の慕う人

夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。 しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──? 「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」 好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。 ※小説家になろうでも投稿してます

人形な美貌の王女様はイケメン騎士団長の花嫁になりたい

青空一夏
恋愛
美貌の王女は騎士団長のハミルトンにずっと恋をしていた。 ところが、父王から60歳を超える皇帝のもとに嫁がされた。 嫁がなければ戦争になると言われたミレはハミルトンに帰ってきたら妻にしてほしいと頼むのだった。 王女がハミルトンのところにもどるためにたてた作戦とは‥‥

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

婚約破棄寸前の悪役令嬢に転生したはずなのに!?

もふきゅな
恋愛
現代日本の普通一般人だった主人公は、突然異世界の豪華なベッドで目を覚ます。鏡に映るのは見たこともない美しい少女、アリシア・フォン・ルーベンス。悪役令嬢として知られるアリシアは、王子レオンハルトとの婚約破棄寸前にあるという。彼女は、王子の恋人に嫌がらせをしたとされていた。 王子との初対面で冷たく婚約破棄を告げられるが、美咲はアリシアとして無実を訴える。彼女の誠実な態度に次第に心を開くレオンハルト 悪役令嬢としてのレッテルを払拭し、彼と共に幸せな日々を歩もうと試みるアリシア。

処理中です...