【R18】お飾りの妻だったのに、冷徹な辺境伯のアレをギンギンに勃たせたところ溺愛妻になりました

季邑 えり

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気を失うほどの快感*

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カチッとスイッチが入る。男を満足させて夢中にさせるのよ、と姉さまは言っていた。

 ずりっとルドヴィーク様は横たわると、頭をヘッドボードにもたれかけ肘をついている。目元を赤くした彼は、期待した目をしてこちらを見ていた。

「失礼しますね」

 ズボンの腰の部分を持ち、それを下ろす。途中で臀部にひっかかると、ルドヴィーク様は腰を上げて協力してくれた。杭の部分でも止まるが、そこはそっと持ち上げて引き下ろす。

「ひっ」

 ブルんっと目の前にあらわれたのは、凶悪な色をした男性器だ。先端は傘のような形をして、赤黒くなっている。血管がぴきぴきと胴の部分に浮かび上がり、表面がごつごつとしていた。

 ——こんなに、大きいものなの?

 大きいだけでなく、太くて反り返っている。先端の割れ目からはたらたらと透明な汁が流れ、竿の方まで濡れていた。姉さまは『アレは大きさだけじゃないのよ、形とかも大切なの』と言っていたけど、この形はどうだろう。

 初めて見る男性器を前にして、私はゴクリと唾を呑み込んだ。これから、この熱杭をおっぱいで挟み、彼を満足させないといけない。

 ——確か、両手でおっぱいを挟みながら扱くのよね……

 私は昂った男性器に胸を近づけると、夜着を取り払う。ぷるんとした両方の乳房で包み込むようにすると、顔が男根の先端に近づいた。

 もわりと雄の匂いが鼻につく。いい匂いではないけれど、不思議と嫌でもない。既に竿は濡れていたため、挟もうとしたらツルっと滑った。

「きゃあっ」

 昂りはべチンと音を立ててルドヴィークの腹に当たる。簡単そうに見えて、これはなかなか難しい。でも、難易度が上がれば上がるほど、挑戦したくなる。

 もう一度、とおっぱいで昂りを挟み込む。今度は匂いに気を取られないで、扱くことに集中する。身体全身を使って上下にこすり始めると、「ううっ」とくぐもった唸り声が聞こえてきた。

「気持ちいいですか?」
「……ああ」

 可愛らしくない逸物を持ちながら、彼はこちらを凝視しながら顔を真っ赤にしている。——ちょっと可愛い。

 私はもっと喜ばせたくなり、胸で挟む圧力を加えて身体をめいっぱい早く動かした。

「っ、くっ……うぁ」

 すると突然、ルドヴィーク様は腰をがくがくと下から突き上げるような動きをして、最後に「でるっ」と叫んだ。

 何事かと思っている隙に、鈴口から白濁した精がどぴゅっと勢いをつけて飛び出していく。

「きゃあっ」

 いきなり顔に白い液体が飛び散り、驚いてしまう。ドクッ、ドクッと昂りは痙攣するように震え、何度も熱を吐き出していた。

 ——すごい、これが射精なのね……

 姉さまは「若いと凄い量の精液が噴火するのよ、でも年をとると勢いも量も少なくなるの」と言っていた。そうだとすると、この勢いは若い部類なのだろうか。ルドヴィーク様はまだかろうじて二十代だから、……多分若いはず。

 初めて目にする射精に驚きつつも、顔についた液体を指ですくいとる。それをペロリと舐めると、苦い味が口の中に広がった。

「うっ」

 指を舐め終わってルドヴィーク様を見ると、なんと彼は頭を下ろしたまま目を閉じている。

「え、ルドヴィーク様?」

 胸は上下に動いているから、息はしている。でも、様子がおかしいと顔を近づけると……

「……気絶してる?」

 ルドヴィーク様は意識を失っていた。頬をぺちっと叩いても反応はない。口元に手をあてると息をしている。

「寝ちゃったの?」

 動かないところを見ると、発射した興奮を引き金にして昇天してしまったようだ。

 ——私も突然眠くなることがあるから、同じなのかなぁ……

 男性の生理現象はよくわからない。とにかく飛び散った精液を布で拭きとり、顔や胸も綺麗にする。ルドヴィーク様の下穿きを何とか腰まで上げると、上に掛布をかけた。

「よしっ、これで普通に寝られるわよね」

 きっと、これまでの疲れもあったのだろう。いくら広い寝台とはいえ、他人と一緒に寝るのは慣れないと大変だ。

 ——私は、ぐっすり眠れたけど……

 彼の寝顔をみていると、どこか可愛らしく感じてしまう。冷徹で敵からも恐れられている辺境伯が、今は無防備な顔を晒している。黒い靄は残っているけれど、きっと私なら後で払うことができるだろう。

 そしてこれからは、愛し愛される関係を目指したい。

「ルドヴィーク様、好き」

 気持ちが胸の奥から溢れてくる。王都で心も、身体も助けてくれた大切な人。

 私は深く眠っているルドヴィーク様の頬にそっと唇を置いた。口と口を合わせるファーストキスは、もっとロマンチックなところでしたいと思いつつ。

 でも、こんなにも男らしくて地位もあり、素晴らしいルドヴィーク様であれば、これまで閨の経験も沢山あったことだろう。チクリと胸が痛む。

「上手な女の人もいただろうな……」

 それなのに私は『パイズリ』をしてしまった。無事に射精できたけれど、ルドウィーク様はあれで満足してくれたのだろうか……。

 まさか、二人とも互いが経験豊富だと勘違いしているとは思いもせず、私は寝室を離れていく。

 ルドヴィーク様が一晩中、初めて感じる己の性欲と戦い続けていたことも、初めての射精に気を失うほどの快感を得たことも――私は気がつくことはなかった。

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