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第五話
しおりを挟む普段は表情の読みにくいヴィクターだが、今はこころを浮き立たせて喜んでいるのがわかる。ここで、とシャーロットに伝えると明るい客室の扉を開けた。そこには大きな寝台が一つ置いてある。
シャーロットを寝台の上に優しくおろしたヴィクターは、朗らかな顔をしながら騎士服の上衣を脱ぎ始めた。下には簡易な白シャツを着ている。
「先ほどは飾りがあたってしまい、申し訳ありません」
「えっ」
シャーロットが戸惑っている間にヴィクターは窓のカーテンを閉め、扉の鍵をかける。すると部屋の中は淡い光に包まれどことなく落ち着かなくなる。
「ヴィクター、どうしてカーテンを閉めたの?」
「初めては薄暗い方が安心すると聞きました」
「初めてって?」
「はやくお嬢さまを俺のものにしたいのですが、よろしいですか?」
「えっ」
さっきから驚いてばかりだ。ヴィクターに再会できたことも、プロポーズされたことにも頭が追い付かないのに、気がついたら神殿で結婚の誓いをして宣誓書にサインをした。
「ヴィクター、でも、あなたは皇女マリア様と婚約していると聞いたわ」
「それはっ」
マリアの名前を出した途端、ヴィクターは顔を歪めた。
「……マリア様が褒賞として下賜されると聞いたわ」
「な! 違います!」
「陛下から賜ったことを、辞退なんてできないわよね」
「では、この結婚を早く確実なものにしましょう。そうすれば、誰も反対はできません」
「そ、そうなの?」
「はい、ですからお嬢さま、いいですね」
シャーロットは迷って瞳を潤わせるが、ヴィクターの瞳は揺るがない。彼を信じてこのまま身を任せることを決意したシャーロットは、こくんと頷いた。
返事をした途端、ヴィクターは上機嫌でシャーロットの服を脱がせていく。今日は簡易なワンピースを着ていたため、リボンを緩めるとストンと下に落ちてしまった。
「ちょっと待って! ヴィクター!」
「すみません、俺はもう待てません」
「えっ、えええ?」
シュミーズとペチコート姿となり、頬を染めたシャーロットを見たヴィクターが、ゴクリと喉をならす。
「ずいぶんと……、成長されましたね」
「な、なによ。ヴィクターのくせに」
口をとがらせると、ヴィクターは懐かしいものを見るように優しく見つめる。
「変わらないところも、ありましたね」
「もうっ」
脱ぐとどうしても大きく成長した胸が目立つから、シャーロットは両腕で隠した。するとヴィクターはシャツを脱いで上半身を晒し、さらにトラウザーズをくつろげた。
「では」
「ダメよ、ヴィクター! まだ身体を清めてもいないわ!」
「大丈夫です」
「そんな、今日は一日外にいたのよ。汗もいっぱいかいているわ」
「……もう、待てません」
ヴィクターの吐息と共に唇が重なる。少し開けた口の中にヴィクターは舌を突き出すと、戸惑うように逃げるシャーロットの舌を追いかける。
すべてを味わうかのごとく口内を貪ったヴィクターは、顔を離すとぐいっと腕で口についた唾液を拭う。
「も、もうっ」
「腕を」
「……うん」
降参したとばかりにシャーロットは組んでいた腕をとくと、ふるりと形の良い胸が震える。
「綺麗だ」
全身を舐めるように見たヴィクターは、狙いを定めた獣のような目をしてシャーロットを見下ろした。もう、この獣から逃れることなどできないと、本能が訴えてくる。
シャーロットのシュミーズを脱がせると、真っ白に実った二つの果実のような乳房が表れる。先端は桃のように色づき、シャーロットが動くたびにふるりと揺れる。
そっと、剣だこのある固い手のひらが乳房を覆うように触れた。初めて乳房を男性に触れられて、シャーロットは思わずびくりと身体を揺らした。
「あぁ、柔らかい」
感嘆とした声を挙げたヴィクターが、ため息とともにシャーロットを賞賛する。彼の手は乳房だけでなく、細い腰からまろやかな臀部を撫でていく。
片膝をつくとまだ柔らかい乳房の先端に口づけた。
「んっ」
ピリッとした刺激に思わず声が漏れてしまう。既に身体にはショーツしか身に着けていないが、ヴィクターは余すところなく手で撫でまわしている。
固く立ってきた先端を口に含むと、彼は夢中になってしゃぶり始めた。大きな手に余る乳房を揉みしだきながら、まるで赤子のように吸いついてくる。彼の姿に驚きながらも、与えられる甘い刺激に思わず声が漏れてしまう。
「はっ、ああっ……あっ……ヴィクター、そんな胸ばっかり」
「……、ああ」
ヴィクターはシャーロットの手をとって両手で握りしめた。
「お嬢さま、ずっと、好きでした」
「私もよ。でも、もう妻になったんだから、いい加減にお嬢さまは止めて」
「……わかりました。っ、……シャーロット」
「はい」
返事をした途端にヴィクターはシャーロットの上に覆い被さり、貪るように愛撫を再開する。身体の隅々まで触り、足先までを口に含みキスをする。とうとう太ももの内側まで舌を這わせると、すでに蜜口には愛液が滴っていた。
「力を抜いて」
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