呪われた聖女は犯される

季邑 えり

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祝福された聖女

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そして、その妻サリーナを優しく抱いた。

「私の女神、私の聖女、私の愛する妻、サリーナ。私たちの子を、望みましょう」

 ヘテロは、「サリーナ、サリーナ、可愛い人」と囁きながら、ゆっくりと愛撫する。手を握り、唇をやさしく合わせ、慈しむ視線でサリーナを見つめる。

 下唇をゆっくりと食し、次に上唇を食す。角度を何度も変え、優しく口づける。

「あぁ、素晴らしい、サリーナ…」

 手は、まろやかな二つの双丘を撫で、揉みしだき、その先端をいじった。やわらかく触れる手は、決してサリーナに痛みを感じさせない。

 首筋に唇を這わせ、耳たぶを食す。吐息が優しく、サリーナの耳に届く。滾り切ったペニスは、天を見上げ先走りの汁を流しているが、決して早急に進めない。サリーナが昇るのを待っているかの如く。

「あっ、あぁぁ、あなたっ」

 サリーナは、かつては望めなかった結婚に、喜びを感じていた。ヘテロは、今や誰よりも真面目な男になっていた。一途にサリーナを求め、サリーナにだけ、愛を囁く。

「愛しているよ、サリーナ…私の美しい人」

 ゆっくりと股を割らせ、その披裂に唇を添わせると、蕾を熱い舌で広げる。その甘い刺激に、サリーナも「あんっ」と反応すれば、嬉しそうな顔をしてサリーナを見る。

 サリーナから滴り落ちる蜜をじゅるっと吸い上げては、同時に胸に刺激を与える。

「あん、もう…ヘテロ、来て頂戴」

 甘く囁けば、ヘテロは己の滾る杭の先端を、披裂に添わせる。上下に動かして、膣穴の具合を調べる。

「いくよ、サリーナ」

 ゆっくりと、ゆっくりと侵入する楔は、かつての荒々しい抱き方の男のそれとは、違っていた。サリーナを気遣うように、サリーナを高めることを目的としたそれは、いつもサリーナの息遣いを見ている。

「っん、ン…ん、はぁん…もっと、もっと強く」

 ぱちゅん、ぱちゅんと穿つ楔を、奥に侵入させるために、サリーナの片足をヘテロの肩にかける。ヘテロの長い楔は、サリーナの子宮の入り口に当たり、ぐりぐりと推し進めては、引き抜き、そして押し込む。ぐちゅん、ぐちゅんと蜜の量が増え、卑猥な音も変化する。

「あっ、あっ、あぁ、あん」

 ヘテロの手は、サリーナのクリトリスを触り、やさしく刺激する。秘穴と同時に攻められて、サリーナは絶頂を迎える。

「あぁぁ――ぁぁぁ――っ」

 白く意識が抜ける。高く登り、降りると、男は動きをしばし止める。はぁ、はぁはぁと息をついて、落ち着いたところでヘテロは「もう一度」と言って、腰の動きを早めた。

ばちゅん、ぱちゅん、ぱちゅん、ぱちゅん…ヘテロは挿入しながら、「サリーナ、サリーナ、孕んで、俺の子を、孕んで」と叫んだ。そして、大きく穿つと―――ドクっ、ドクドクっと射精した。

精を放った後は、しばらくそのまま、栓をするように挿入したままにしている。そして、サウロは優しくサリーナの髪を梳いていた。

「サリーナ、俺たちの子が、与えられるといいな…」

 優しく、満足した顔で微笑む彼は、サリーナの心を蕩けさせた。

 サリーナは思う。あの呪いは、―――呪いではなく祝福だったと。おかげで、聖女を辞める決心ができ、こうしてヘテロと言う夫を得ることができた。私は、祝福されたのだ。




 ただ…時々。ほんの少し、思い出すだけだ。あの乱暴に犯された日を。縛られ、痛みを与えられた性合を。身体を突き抜けた快感が、あったことを。今では、決して自分を乱暴に扱うことのない、夫の手をみながら。

「いけないわ、もう一度あのヘテロに犯されたい、だなんて」




 【呪われた聖女は犯される】



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