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山賊の長カイルとジギー

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 山賊の砦

洞窟の奥、山賊の頭リーダーであるカイルは最近仲間になったボンテージスタイルの銀髪美女リサを連れて行動していた。それを見た子分達はあまりよく思わないようだ
どこの馬の骨かわからないヤツがオレ達を差し置いて親分の側に立つ事が我慢出来ないのだ。
親分が子分達を広間に集めて座らせる

「オメーら例の風の精霊持ちのゴブリンのガキはどうなってんだよ」


「そっちはゴブリン供の守りが厳しくて捕まえるのにもう少し時間がかかるそうなんですがまぁ精鋭部隊を送っているんで明日くらいには捕縛出来てるとは思いますよ。
あとそれとは別にこの森の近くでチョロチョロしていやがったのでアジトを見つけて誰かに話されたらヤバいと思って捕まえて来ました。」

縄で縛られている青年が連れてこられた。

「何かパッとしないガキだな」

「いらねーよこんなヤツ」

青年はあまりにもの悪評に苛立ちが隠しきれず

「なぁアンタらこの近くの村々から子供をさらってどこかに
連れて行立てるんだよな。まぁこの部屋に飾ってある神様の銅像とかタペストリーをみればそれが何処の宗教の国なのかすぐにわかっちゃうんだけどね」

「コイツ~っ」

カイルの横にいた女が青年の前に立ち、ムチで叩き出した。

「イタ~っオマエら~マジかよ!
さらった子供達もこんな目にあわせてんのかよ」

カイルが立ち上がり、青年のあごを上へ向け、

「俺達はやらねぇよ。亜人差別国家の聖教国に住む卑しい
貴族連中がストレス発散やおもちゃ代わりにやってんだよ」

パチン!

女は突然カイルの股間に向けてムチを放った。

「あぎゃあぁぁっ! 痛ってぇえ! リサなっ……何しやがるテメぇ!」

「広範囲氷矢雨フリーズエリアシャワー」

女はその場にいた子分供が逃げないよう足腰を氷漬けにして
ムチを叩きこみまくった。

「何しやがるはこっちのセリフだよ
キミらがどこの国の連中か知らねぇけど勝手に人様の領地に住み着き、領内の幼い子供達を他国へ売りつけてくれたんだ。ちゃんと落とし前つけさせてもらおうじゃねえか」

「えっリサ? オマエ何なんだ一体?」

「不法居住者の諸君!我が領地へようこそ。アタシはこの領地を運営、管理しているジョージア・ギルバートだ」

リョウヤは縄で縛られたままジギーさんの勇姿を見ていた。
縛られてるのに気付いてくれるのを心待ちにしながら



 翌朝

 小鳥の鳴き声と太陽の光で目が覚めた。

 クリフとヨッシーはまだ寝てる
 まぁ無理に起こす必要ねーし

 道場から声がする?誰か稽古してんのかな
 チラッと覗いてみると
 ラッシと子供達が稽古してる
 ん?1人知らない子がいるぞ薄い緑色の肌

 まさか

「おはようございます。我が主人様マスター」
 俺の前に来て会釈をして来た

「もしかして君は昨日のゴブリン?」

「はい昨晩メリンの名前をいただきました
 ゴブリナでございます。」

 目の前にいる薄い緑色の肌の女の子は
 昨晩あんなに衰弱していたのが嘘みたいに
 元気ハツラツとしている

 ちょっとステータス見てやるかな
——————————————————
 

    メリン

 クラス
 ゴブリナ(亜種)

 レベル12
 HP33 MP12

 攻撃50 守り40 速さ33

 スキル 無し

 装備 着物、# 風精霊___ シルフィールド_#の指輪

 加護 風の精霊シルフィールドの加護


——————————————————


 亜種って?それにスキル無しってなんだよコイツ大丈夫かなぁ ん?加護?

「なぁリーナ朝食ってからリンクやニーヤと
 レベル上げに行かないか」

「はい是非お共させて下さい」

 さてクリフさんとヨッシを起こしてくるかな

 2人を起こし、食堂へと向かった
 ジギーさんが何かの本を読みながらメシを食っていた
「オッス おはよう」
「ジギーさんおはよう、あの後昨日の山賊供ってどうしたの?」

「ああ実はその事なんだけどまぁ食いながら聞いてくれ」

 ジギーさんの話ではその後、山賊一味と話し合った結果、彼等は聖教国に帰っても裏切り者として処罰されるだけなので彼等もまたこの国の民として新たに受け入れるらしい。都合よく聖教国に利用させてるだけだし


 オレ達は各々朝ご飯をテーブルに置いて
 食べ始めた

「実はこの山賊リーダーのカイルとある約束をしたんだよね! なぁっカイル」

 山賊のリーダー、カイルが入って来てみんなの顔をチラッと見るとジギーの隣の席に着いた。

「儂らはたった今から義賊としてギルバート卿に
 ついて行くって決めやした。」

クリフは腕を組み始め、ため息をついて

「私には理解できん そもそも何故だ? 昨日まで戦ってた相手だぞ? それに何故あの子供を拐おうとしたのだ?」

「あのゴブリンの子供は風の精霊の加護持ちなんで北のアルフェンヌ帝国では王様や貴族達が大喜びで買ってくれるらしいんでさぁ」

 彼の話によると北のアルフェンヌ帝国も聖教国同様に奴隷商人が彼等の様な連中と裏で繋がらせて亜人や戦争孤児、稀人を安く買い叩いて労働力にしようと考えているらしい
 そして今我々が住んでいるこの国にも目を付け出したらしい

「今後、コイツらには今まで通りに聖教国や奴隷商と繋がって貰い、山賊を続けてもらおうかと思う、その代わりウチに連絡係を置き、北の帝国や聖教国の動きを随時報告する事を義務付ける。ようはユーゲンティアラの国民になる代わりに国の為に暗躍する諜報員になって貰うって事だ。
 あと奴隷に関しては一度捕らえてから連絡してくれれば
 奴隷はこちらが回収しカイル達に報酬は払う
 そしてカイル達は奴隷商人を我々から助け出し報酬を受け取れるし悪い話じやないだろ。 なあカイル」

「しかし今のあっしらでだいじょうぶかな」

「心配するなよしっかりと鍛えやるからあとこっちの連中もちゃんと参加させるつもりだし………
 んじゃ早速、お前らの住まいを作らないとなぁ早くても3日はかかるだろうしそのあいだは
 とりあえずここでスパイになる訓練でもしてくれるかい」

 ジギーはパンパンと手を叩くとおかっぱ眼鏡の女中が隣の部屋から正座した状態で襖を開けて現れた。

「どうなされましたお館様」

「今晩からコイツらも夜の稽古に参加だ頼むぞ」

「かしこまりましたお館様そちらの3人は」

「当然参加だよ」

 すげぇな敵を味方にしちまったよこの人は
 つーか俺達も夜の稽古に参加する事になってしまったよ


「ギルバート卿のお陰で自分達が聖教国の教え、価値観に洗脳されていたのがよう分かりやした。今後は表向きは山賊業として情報収集させて頂きやす。
 そういや儂等が前にさらった亜人の子供達なんですが今、聖教国の奴隷商供がスタロリベリオに潜伏していて近々北の奴隷商が取引しに来るそうでやす。」


「う~む、ユーゲンティアラ国内でそんな事がこっそり行われているとはなぁ
だが、スタロリベリオなら転移魔法 ポータルですぐに行けるな!カイルはすぐにそこの奴隷商と会って詳しく聞いといてくれるか?」

 スタロリベリオって確か聖教国の国境近くで出会った冒険者三人組の話に出てきた場所だぞ。

「リョウヤは確かスタロリベリオにまだ行って無いんだったか? なら丁度いい、ついて来れば今後は転移魔法 ポータルでいつでも行けるようになるぞ」

「わっわかりましたよ」
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