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14話
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「ピエール君の行方は依然として判明しない。ゆえにお前の婚約は解消となった」
「はい」
お父様のその言葉に内心大喜びだったけど、ここは悲しそうな表情をして頷いておく。
「次の婚約者は今探してるから、安心して待ってろ」
「……かしこまりました」
とお父様は苛立ちを隠す様子もなく私に告げると、執務作業に戻っていた。
相変わらず体調が悪そうなお父様。
「……お父様にお願いがございます」
「……何だ」
婚約が解消されたいい機会だったので、私はお父様に話を持ち掛けてみることにした。
「……私を勘当してくださいませんか」
前々から考えていたことを言った。
「駄目に決まっているだろう」
お父様からの回答は予想していた通りだった。
最もそれは、私のことを心配しているとかそういったものではないでしょうけど……
「まだお前は駒として使える。平民上がりの成金男爵あたりだったら、いい金になるからな」
相変わらずで予想通りの回答。
お父様にとっては、私はどこまで行っても子供を残す政略のための道具としてしか見ていないのね……
お父様は以前だったらキレて私のこと叩いたりしてきたけど、もうそれをする気力もない。
「用は済んだか? だったら目障りだからさっさと――っ痛!」
と急にお腹を抱えてうずくまるお父様。
「だ、旦那様! だ、誰か医師を――!」
と部屋に駆け付けた使用人たちを無視して部屋を出ていく私。
廊下を歩いていても、誰も私と目を合わせようとしない使用人たち。
「お母様? ……お加減は大丈夫ですか?」
と私はお母様の部屋に入る。
部屋には石ころが散乱している。
侍女が片づけた端からお母様があたりにまき散らしていくので、ついには片づけるのをあきらめてしまったようだ。
「貴方がー! 貴方が何かしたんでしょ!」
とお母様は私を見ると一目散に私に詰め寄ってきました。
私はそれに抵抗することもなく、なすがままにさせています。
「ええ。そうですよ」
今回は否定することなく正直に白状しました。
「私が魔法で宝石を全部石ころ同然の状態に変えました」
と私は魔法を使い、この部屋にある宝石を元の輝いていた状態に戻しました。
「あ、あああ……」
お母様は部屋中に散らばっている宝石を搔き集めて、お気に入りの宝石が収納されていた宝石箱の中も確認している。
私はそれを、部屋にあったベッドに座りながら眺めている。
「あ、貴方の魔法がそんなにすごかったなんて……私知らなかったのよ。だから……」
と宝石を確認し終えたお母様が、先ほどまでと態度をガラっと変えて、私に擦り寄ってきました。
「それじゃあ、そろそろ元に戻そうかしら……」
私の言葉を聞いた途端に、今度は一瞬にして絶望した表情に変わるお母様。
コロコロと表情を変えてちょっと面白いわね。
「ま、待って! 貴方の言うこと何でも聞くから! お願い!」
「どうしようかな~」
と私は必死に懇願するお母様を見てたら、なんだか少し虐めてみたくなった。
以外……私にこんな加虐心なんてあったのね……
「本当に何でも聞くの?」
「も、もちろんよ! お母様に出来ることならなんでも言って!」
「それじゃあ服脱いで」
「はい」
お父様のその言葉に内心大喜びだったけど、ここは悲しそうな表情をして頷いておく。
「次の婚約者は今探してるから、安心して待ってろ」
「……かしこまりました」
とお父様は苛立ちを隠す様子もなく私に告げると、執務作業に戻っていた。
相変わらず体調が悪そうなお父様。
「……お父様にお願いがございます」
「……何だ」
婚約が解消されたいい機会だったので、私はお父様に話を持ち掛けてみることにした。
「……私を勘当してくださいませんか」
前々から考えていたことを言った。
「駄目に決まっているだろう」
お父様からの回答は予想していた通りだった。
最もそれは、私のことを心配しているとかそういったものではないでしょうけど……
「まだお前は駒として使える。平民上がりの成金男爵あたりだったら、いい金になるからな」
相変わらずで予想通りの回答。
お父様にとっては、私はどこまで行っても子供を残す政略のための道具としてしか見ていないのね……
お父様は以前だったらキレて私のこと叩いたりしてきたけど、もうそれをする気力もない。
「用は済んだか? だったら目障りだからさっさと――っ痛!」
と急にお腹を抱えてうずくまるお父様。
「だ、旦那様! だ、誰か医師を――!」
と部屋に駆け付けた使用人たちを無視して部屋を出ていく私。
廊下を歩いていても、誰も私と目を合わせようとしない使用人たち。
「お母様? ……お加減は大丈夫ですか?」
と私はお母様の部屋に入る。
部屋には石ころが散乱している。
侍女が片づけた端からお母様があたりにまき散らしていくので、ついには片づけるのをあきらめてしまったようだ。
「貴方がー! 貴方が何かしたんでしょ!」
とお母様は私を見ると一目散に私に詰め寄ってきました。
私はそれに抵抗することもなく、なすがままにさせています。
「ええ。そうですよ」
今回は否定することなく正直に白状しました。
「私が魔法で宝石を全部石ころ同然の状態に変えました」
と私は魔法を使い、この部屋にある宝石を元の輝いていた状態に戻しました。
「あ、あああ……」
お母様は部屋中に散らばっている宝石を搔き集めて、お気に入りの宝石が収納されていた宝石箱の中も確認している。
私はそれを、部屋にあったベッドに座りながら眺めている。
「あ、貴方の魔法がそんなにすごかったなんて……私知らなかったのよ。だから……」
と宝石を確認し終えたお母様が、先ほどまでと態度をガラっと変えて、私に擦り寄ってきました。
「それじゃあ、そろそろ元に戻そうかしら……」
私の言葉を聞いた途端に、今度は一瞬にして絶望した表情に変わるお母様。
コロコロと表情を変えてちょっと面白いわね。
「ま、待って! 貴方の言うこと何でも聞くから! お願い!」
「どうしようかな~」
と私は必死に懇願するお母様を見てたら、なんだか少し虐めてみたくなった。
以外……私にこんな加虐心なんてあったのね……
「本当に何でも聞くの?」
「も、もちろんよ! お母様に出来ることならなんでも言って!」
「それじゃあ服脱いで」
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