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11話

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とはいえ、こう妹が調子に乗ってる姿を見るのもいい加減鬱陶しくなってきたわね。
ちょっと仕返ししたいなぁ……

「聖女様。最近作業中に腰やっちゃって……」

「申し訳ありません。私の魔法だと傷は治せても痛みまでは……」

とルビーがまた患者と呑気の談笑を始めていた。
ルビーはお母様とは違い、指輪などはほとんど身に着けていないからお母様と同じ手は使えないし、どうしよう……

とルビーが首から下げているネックレスが、彼女が動くたびにジャラジャラと鳴っているの見ていた私は気付いた。

「(ネックレスの鎖も石を加工してできたものだから操れるのでは……?)」

多分鎖は操れるし、一番簡単なのはそれ使って首でも絞めるとか……?

でも、それだとなんだかおもしろくないしなぁ……どうしよう?

ネックレスの鎖って金属製だよね?
金属って確か、熱で溶かしたり水で冷ましたりを繰り返しながら形を作っているんだっけ。

「(てことは、金属が熱を持った状態に戻せるのでは……?)」

私はルビーのネックレスの鎖部分に対して魔法をかけてみることした。
ルビーが首から下げているネックレスの鎖部分。
金属が火にあたって燃えている状態に戻すイメージ……

「そうなんですか……私はまだ――熱っ!!」

とルビーはびっくりして飛び跳ねました。

「熱い熱い! 首が……何……熱いっ!?」

とネックレスを首から外そうと手に取ろうとするも、熱さで持てず手が鎖からばッと離れる。

「聖女様!?」

「ルビー!?」

と周りの患者や使用人がルビーに駆け寄っていきます。
私も一応駆け寄って心配している演技をします。

「誰か!? これ外して!?」

「は、はいっ!?」

と使用人がネックレスを外そうとしたので、私はお情けで魔法を解除してあげました。
使用人の手も火傷しても別にいいんだけど、今はルビーの反応だけ楽しみたい。

「誰っ!? 誰がやったの!?」

と息も絶え絶えになりながら、犯人捜しをしているルビー。
その様子に、さっきまでの優しいお嬢様像しか見たことがなかった患者が、唖然としています。

「あんたね!? あんたが何かやったんでしょ!?」

とついに私に詰め寄ってきました。
確かに私が犯人ですが、馬鹿正直に「はい。私です」なんて答えるわけないでしょう。

「何のこと? それよりも治癒師の方に早く治してもらいましょう?」

「許さない……この私の身体に傷が残ったら許さないんだからね……」

怖い怖い……
でも、そうやってうずくまってる姿を見ると、気分がいいわね。
っといけないけない……表情には出さないようにしないと。

今の私は、妹を心配する姉、なんだから……
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