6 / 19
6話
しおりを挟む
私が向かったのはとある街道跡。
侯爵領の物流の中心を担っていた街道だったが、領地を襲った大雨の影響で落石が発生し使用できなくなってしまった。
私の魔法が判明した直後というのもあってか、父は私に魔法で落石を撤去することを命令してきた。
しかし当時の私には、落石を動かすことはできなかった。
それ以来この街道は崩落したまま放置されている。
私は落石に対して魔法を使ってみることにした。
魔法は落石に発動しているも、持ち上がる気配はない。
「……持ち上げるって、認識がダメなのかしら」
と私は昨日と同じように、認識を変えて魔法を使ってみることにした。
この落石は大きすぎて持ち上げることができない。それはどうして?
落石に大きな重力が働いているからだ。
だったらその重力を無くしてみたらどうだろうか。
「落石の重力を0にして……浮かせるイメージ……」
すると、あれだけビクともしなかった落石が、簡単にふわりと宙に浮かんだ。
落石は私の意のままに操作することができた。
そのことになんだか感慨深い気持ちになると同時に、私の魔法についてもなんとなくだけど理解し始めていた。
「『石を浮かせる』ではなく、『石にかかる何かを操作する』魔法なのね、きっと……」
私は落石を元あった場所に戻した。
撤去?そんなことしませんわ。
領地のことは領主であるお父様が何とかするべきことです。
私の役目ではありません。
誰が自分のことを下に見ている人の助けになるようなことをするもんですが。
それにしても……
「重力? ……って何かしら?」
初めて聞いた言葉のはずなんだけど、何で私知ってたのかしら……?
不思議だわ……
侯爵領の物流の中心を担っていた街道だったが、領地を襲った大雨の影響で落石が発生し使用できなくなってしまった。
私の魔法が判明した直後というのもあってか、父は私に魔法で落石を撤去することを命令してきた。
しかし当時の私には、落石を動かすことはできなかった。
それ以来この街道は崩落したまま放置されている。
私は落石に対して魔法を使ってみることにした。
魔法は落石に発動しているも、持ち上がる気配はない。
「……持ち上げるって、認識がダメなのかしら」
と私は昨日と同じように、認識を変えて魔法を使ってみることにした。
この落石は大きすぎて持ち上げることができない。それはどうして?
落石に大きな重力が働いているからだ。
だったらその重力を無くしてみたらどうだろうか。
「落石の重力を0にして……浮かせるイメージ……」
すると、あれだけビクともしなかった落石が、簡単にふわりと宙に浮かんだ。
落石は私の意のままに操作することができた。
そのことになんだか感慨深い気持ちになると同時に、私の魔法についてもなんとなくだけど理解し始めていた。
「『石を浮かせる』ではなく、『石にかかる何かを操作する』魔法なのね、きっと……」
私は落石を元あった場所に戻した。
撤去?そんなことしませんわ。
領地のことは領主であるお父様が何とかするべきことです。
私の役目ではありません。
誰が自分のことを下に見ている人の助けになるようなことをするもんですが。
それにしても……
「重力? ……って何かしら?」
初めて聞いた言葉のはずなんだけど、何で私知ってたのかしら……?
不思議だわ……
21
お気に入りに追加
196
あなたにおすすめの小説


ここは貴方の国ではありませんよ
水姫
ファンタジー
傲慢な王子は自分の置かれている状況も理解出来ませんでした。
厄介ごとが多いですね。
裏を司る一族は見極めてから調整に働くようです。…まぁ、手遅れでしたけど。
※過去に投稿したモノを手直し後再度投稿しています。

婚約破棄を目撃したら国家運営が破綻しました
ダイスケ
ファンタジー
「もう遅い」テンプレが流行っているので書いてみました。
王子の婚約破棄と醜聞を目撃した魔術師ビギナは王国から追放されてしまいます。
しかし王国首脳陣も本人も自覚はなかったのですが、彼女は王国の国家運営を左右する存在であったのです。

ええ。私もあなたの事が嫌いです。 それではさようなら。
月華
ファンタジー
皆さんはじめまして。月華です。はじめてなので至らない点もありますが良い点も悪い点も教えてくだされば光栄です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「エレンベール・オーラリー!貴様との婚約を破棄する!」…皆さんこんにちは。オーラリー公爵令嬢のエレンベールです。今日は王立学園の卒業パーティーなのですが、ここロンド王国の第二王子のラスク王子殿下が見たこともない女の人をエスコートしてパーティー会場に来られたらこんな事になりました。
聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。

【短編】追放した仲間が行方不明!?
mimiaizu
ファンタジー
Aランク冒険者パーティー『強欲の翼』。そこで支援術師として仲間たちを支援し続けていたアリクは、リーダーのウーバの悪意で追補された。だが、その追放は間違っていた。これをきっかけとしてウーバと『強欲の翼』は失敗が続き、落ちぶれていくのであった。
※「行方不明」の「追放系」を思いついて投稿しました。短編で終わらせるつもりなのでよろしくお願いします。

断罪イベントの夢を見たから、逆ざまあしてみた
七地潮
ファンタジー
学園のパーティーで、断罪されている夢を見たので、登場人物になりきって【ざまぁ】してみた、よくあるお話。
真剣に考えたら負けです。
ノリと勢いで読んでください。
独自の世界観で、ゆるふわもなにもない設定です。
なろう様でもアップしています。

旅の道連れ、さようなら【短編】
キョウキョウ
ファンタジー
突然、パーティーからの除名処分を言い渡された。しかし俺には、その言葉がよく理解できなかった。
いつの間に、俺はパーティーの一員に加えられていたのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる