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6話
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「ありがとうございます。レイチェル様」
「あなたのせいではないのはわかっているわ。こちらこそ殿下がご迷惑をかけてごめんなさい」
「そ、そんな……レイチェル様が謝ることでは」
ゲームでの二人の立場は、ヒロインと悪役令嬢。
でもこの世界での、レイチェル様とサラさんは友人関係になっている。
それには私たちもいろいろとかかわっているんだけどね。
「レイチェル様とサラさんが一緒にいるのを見ていると、こう……クルものがありますわね」
「これが噂に聞く『尊い』ですわ~」
とレイチェル様とサラにばれない様にこっそりと話してるのは、同じく殿下の側近の攻略対象の取り巻きの方たちで、ゲームのルートではヒロインのライバルとして立ちふさがっていた人たち。
それが今や私の同志。ここまで百合の布教が浸透していったことには流石に私もびっくり。
「ほとんどの結婚は家同士の結びつきが重視される。平民みたいに恋愛結婚した家のほうが珍しいからね。みんな思うところがあるのよ」
以前お姉様が言っていたけど、こういうことなのね。
確かに「両親や婚約者以外の異性との交流をするの、学園に入学してから多くなった」って入学時に話しているクラスメイトがほとんどだったわね。
ともかく、サラとレイチェル様の仲が進展していくのはいいことだわ。
「ところで皆さん。殿下たちのことどう思います?」
「そうですわね……レイチェル様の手前、大きな声では言えませんが……」
「私は気にしないわ。殿下に告げ口することも、不敬に問うこともしません」
「やっぱり婚約者がいながら、他のご令嬢に気安く話しかけるのはどうかと思いますわ」
「ですわよね。それもサラ様が一人の時に。あれじゃあ、サラ様が言い寄っている風に見えるじゃありませんの」
レイチェル様の許しもあってか、出るわ出るわ攻略対象たちへの不満が。
ご令嬢たちの口から飛び出してくるのは、殿下を始めとした自身の婚約者たちへの愚痴の連続。
「エドモンド様は私とお茶会をしてる時でも、暇さえあれば体を鍛え始めるの。お茶会の意味ないわ」
「ユリウス様。勉強できないっていつもわたくしのこと下に見てくるの。自分のほうが成績悪いのにね。」
「この前アラン様と食事をしたんですけど、ご自分の店だからって従業員に暴言ばかり言って、最悪な気分でしたわ」
と口から出るのは自分たちの婚約者への罵詈雑言の数々。
ゲームでは婚約者との関係は、みんな最初は悪くなかったはずなんだけど。
どうにも、幼少のころから問題があるみたいで、関係は最悪になっている。
悲報?朗報?…………攻略対象たちは全員馬鹿みたいです。
「先ほどだって、サラ様が強く言えないのを分かっていて近づいたに決まっていますわ」
「サラ様。これからはレイチェル様とご一緒に行動するのがよろしいですわ」
「そうですわね。殿下もレイチェル様を前にしてまで強く出ることはないでしょう」
「え、でも……私がレイチェル様にお近づく気になるなんてとても……」
「私は全然かまわないわ」
「レイチェル様?」
「もちろん。あなたが私と一緒にいるのが嫌っていうなら、無理には誘えないけれど……」
「い、嫌じゃ……ないです」
「そ、そう……じゃあ。私と一緒にいなさい」
「は、はい……」
……なんか口の中が甘ったるくなってきた。
「……私。今日のお茶はストレートで飲もうかしら」
「……奇遇ですわね。わたくしも」
「いつもより苦めにした方がいいかもしれないですね」
……ですよね。
「あなたのせいではないのはわかっているわ。こちらこそ殿下がご迷惑をかけてごめんなさい」
「そ、そんな……レイチェル様が謝ることでは」
ゲームでの二人の立場は、ヒロインと悪役令嬢。
でもこの世界での、レイチェル様とサラさんは友人関係になっている。
それには私たちもいろいろとかかわっているんだけどね。
「レイチェル様とサラさんが一緒にいるのを見ていると、こう……クルものがありますわね」
「これが噂に聞く『尊い』ですわ~」
とレイチェル様とサラにばれない様にこっそりと話してるのは、同じく殿下の側近の攻略対象の取り巻きの方たちで、ゲームのルートではヒロインのライバルとして立ちふさがっていた人たち。
それが今や私の同志。ここまで百合の布教が浸透していったことには流石に私もびっくり。
「ほとんどの結婚は家同士の結びつきが重視される。平民みたいに恋愛結婚した家のほうが珍しいからね。みんな思うところがあるのよ」
以前お姉様が言っていたけど、こういうことなのね。
確かに「両親や婚約者以外の異性との交流をするの、学園に入学してから多くなった」って入学時に話しているクラスメイトがほとんどだったわね。
ともかく、サラとレイチェル様の仲が進展していくのはいいことだわ。
「ところで皆さん。殿下たちのことどう思います?」
「そうですわね……レイチェル様の手前、大きな声では言えませんが……」
「私は気にしないわ。殿下に告げ口することも、不敬に問うこともしません」
「やっぱり婚約者がいながら、他のご令嬢に気安く話しかけるのはどうかと思いますわ」
「ですわよね。それもサラ様が一人の時に。あれじゃあ、サラ様が言い寄っている風に見えるじゃありませんの」
レイチェル様の許しもあってか、出るわ出るわ攻略対象たちへの不満が。
ご令嬢たちの口から飛び出してくるのは、殿下を始めとした自身の婚約者たちへの愚痴の連続。
「エドモンド様は私とお茶会をしてる時でも、暇さえあれば体を鍛え始めるの。お茶会の意味ないわ」
「ユリウス様。勉強できないっていつもわたくしのこと下に見てくるの。自分のほうが成績悪いのにね。」
「この前アラン様と食事をしたんですけど、ご自分の店だからって従業員に暴言ばかり言って、最悪な気分でしたわ」
と口から出るのは自分たちの婚約者への罵詈雑言の数々。
ゲームでは婚約者との関係は、みんな最初は悪くなかったはずなんだけど。
どうにも、幼少のころから問題があるみたいで、関係は最悪になっている。
悲報?朗報?…………攻略対象たちは全員馬鹿みたいです。
「先ほどだって、サラ様が強く言えないのを分かっていて近づいたに決まっていますわ」
「サラ様。これからはレイチェル様とご一緒に行動するのがよろしいですわ」
「そうですわね。殿下もレイチェル様を前にしてまで強く出ることはないでしょう」
「え、でも……私がレイチェル様にお近づく気になるなんてとても……」
「私は全然かまわないわ」
「レイチェル様?」
「もちろん。あなたが私と一緒にいるのが嫌っていうなら、無理には誘えないけれど……」
「い、嫌じゃ……ないです」
「そ、そう……じゃあ。私と一緒にいなさい」
「は、はい……」
……なんか口の中が甘ったるくなってきた。
「……私。今日のお茶はストレートで飲もうかしら」
「……奇遇ですわね。わたくしも」
「いつもより苦めにした方がいいかもしれないですね」
……ですよね。
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