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2話
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乙女ゲームの舞台は王立学園。
男爵令嬢の庶子でヒロインのサラ・ロベールが、4人の攻略対象の男性と学園生活を送るっていうベッタベタの内容で、イラストの出来と声優が無駄に豪華なことで話題になったやつ。
レイチェル様は、どの攻略対象ルートに進んでも必ずヒロインの前に立ちふさがる悪役令嬢っていう立ち回り。
私は百合専だったからあんまり興味はなかったんだけど、ネットでおすすめの百合ゲーって何故か紹介されてたから、とりあえずプレイはしたの。
何でも、全ルート攻略後の隠しルート的な立ち位置で、ヒロインと悪役令嬢が友情を深めて終わる、通称『悪役令嬢ルート』というものがあるらしい。
百合女子としては何としても観ないといけないという使命感に燃えてました。
あ、攻略対象のルートは基本スキップで飛ばしたけど。なんか全員好きじゃなかったから。
でも、その隠されたエンディングを観るためには、まずは通常ルートを全部クリアしろというのが攻略サイトのお約束だったので、一応全キャラクリアしたよ。
そこまで興味なかったから攻略サイト見て、ほとんどスキップしたなー……懐かしい。
隠しルートは、おすすめって言われただけあって、超尊かったわ……。
一時期レイサラの同人誌とかあさってたなぁー……。
私が今いるのは乙女ゲームの世界で、しかも前世の私の推しが目の前にいる!
いやー、まさか自分が悪役令嬢に取り巻きモブ令嬢に生まれ変わるとは思わなかったわ。
そんな推しキャラのレイチェル様とお知り合いになれるなんて、将来取り巻きに慣れるように今から親しくしておきましょう!
「子供同士でゆっくりしてくるといい」とお父様たちは、フォンテーヌ侯爵夫妻を連れて、挨拶周りに言ってしまわれた。
その間、私はレイチェル様と他愛無い話をして、至福の時を過ごしていた。
「――フォンテーヌ侯爵令嬢」
「……レオン殿下」
そんな私たちの空気を読まずに割って入って来たのは……攻略対象その1、レオン・クレマン第一王子。
レイチェル様の婚約者。金髪碧眼の美形で顔立ちも整っているが、ちょっと軽薄そうに見えるのは気のせいだろうか。
「お誕生日おめでとう」
「ありがとうございます。殿下」
「俺が渡したアクセサリーは、気に入ったかい?」
「……はい」
「そうか。それは良かった」
うわっ、すごい笑顔。私には絶対向けられないような表情だ。
それにしても、レオン王子はゲームより爽やかな好青年という印象を受ける。これが本来の彼なんだろうか?
「それと……」
ん?まだ何かあるのかしら。もうプレゼントは貰ったけど。
「こちらをどうぞ」
レオン王子は小箱を差し出した。
えっ、まさかのプレゼント!?
「よろしいんですの?」
レイチェル様が遠慮がちに聞く。
「もちろん。レイチェル嬢の誕生日を祝うために来たのだからね。ぜひ受け取ってほしいな」
……なんか胡散臭い。本当に乙女ゲームの彼なのかしら?
「――殿下」
「ユリウス」
そこに現れたのは宰相子息のユリウス・ロバン!?
レオン殿下の側近であり攻略対象の一人じゃない!この二人はもう知り合っていたの?
レイチェル様がプレゼントを受け取ったのを確認すると、レオン王子はユリウスと一緒に別の令嬢の元へ行ってしまった。
「やはり悪役令嬢。この年であれだけ美人だとは」
「俺が抱いた後でよければお前にくれてやるぞ」
「それは楽しみです。でも、初めてはサラと決めているので」
日本語……!去り際の二人は確かに日本語で話していた。
その証拠にレイチェル様は二人の会話が聞き取れていないみたいだし。
まさか私以外にも、レオン殿下やユリウスも転生者だなんて……
しかもさっきの発言……女を何だと思ってるの!
あんな奴らに、レイチェル様とサラ様を穢させはしないわ!!!
男爵令嬢の庶子でヒロインのサラ・ロベールが、4人の攻略対象の男性と学園生活を送るっていうベッタベタの内容で、イラストの出来と声優が無駄に豪華なことで話題になったやつ。
レイチェル様は、どの攻略対象ルートに進んでも必ずヒロインの前に立ちふさがる悪役令嬢っていう立ち回り。
私は百合専だったからあんまり興味はなかったんだけど、ネットでおすすめの百合ゲーって何故か紹介されてたから、とりあえずプレイはしたの。
何でも、全ルート攻略後の隠しルート的な立ち位置で、ヒロインと悪役令嬢が友情を深めて終わる、通称『悪役令嬢ルート』というものがあるらしい。
百合女子としては何としても観ないといけないという使命感に燃えてました。
あ、攻略対象のルートは基本スキップで飛ばしたけど。なんか全員好きじゃなかったから。
でも、その隠されたエンディングを観るためには、まずは通常ルートを全部クリアしろというのが攻略サイトのお約束だったので、一応全キャラクリアしたよ。
そこまで興味なかったから攻略サイト見て、ほとんどスキップしたなー……懐かしい。
隠しルートは、おすすめって言われただけあって、超尊かったわ……。
一時期レイサラの同人誌とかあさってたなぁー……。
私が今いるのは乙女ゲームの世界で、しかも前世の私の推しが目の前にいる!
いやー、まさか自分が悪役令嬢に取り巻きモブ令嬢に生まれ変わるとは思わなかったわ。
そんな推しキャラのレイチェル様とお知り合いになれるなんて、将来取り巻きに慣れるように今から親しくしておきましょう!
「子供同士でゆっくりしてくるといい」とお父様たちは、フォンテーヌ侯爵夫妻を連れて、挨拶周りに言ってしまわれた。
その間、私はレイチェル様と他愛無い話をして、至福の時を過ごしていた。
「――フォンテーヌ侯爵令嬢」
「……レオン殿下」
そんな私たちの空気を読まずに割って入って来たのは……攻略対象その1、レオン・クレマン第一王子。
レイチェル様の婚約者。金髪碧眼の美形で顔立ちも整っているが、ちょっと軽薄そうに見えるのは気のせいだろうか。
「お誕生日おめでとう」
「ありがとうございます。殿下」
「俺が渡したアクセサリーは、気に入ったかい?」
「……はい」
「そうか。それは良かった」
うわっ、すごい笑顔。私には絶対向けられないような表情だ。
それにしても、レオン王子はゲームより爽やかな好青年という印象を受ける。これが本来の彼なんだろうか?
「それと……」
ん?まだ何かあるのかしら。もうプレゼントは貰ったけど。
「こちらをどうぞ」
レオン王子は小箱を差し出した。
えっ、まさかのプレゼント!?
「よろしいんですの?」
レイチェル様が遠慮がちに聞く。
「もちろん。レイチェル嬢の誕生日を祝うために来たのだからね。ぜひ受け取ってほしいな」
……なんか胡散臭い。本当に乙女ゲームの彼なのかしら?
「――殿下」
「ユリウス」
そこに現れたのは宰相子息のユリウス・ロバン!?
レオン殿下の側近であり攻略対象の一人じゃない!この二人はもう知り合っていたの?
レイチェル様がプレゼントを受け取ったのを確認すると、レオン王子はユリウスと一緒に別の令嬢の元へ行ってしまった。
「やはり悪役令嬢。この年であれだけ美人だとは」
「俺が抱いた後でよければお前にくれてやるぞ」
「それは楽しみです。でも、初めてはサラと決めているので」
日本語……!去り際の二人は確かに日本語で話していた。
その証拠にレイチェル様は二人の会話が聞き取れていないみたいだし。
まさか私以外にも、レオン殿下やユリウスも転生者だなんて……
しかもさっきの発言……女を何だと思ってるの!
あんな奴らに、レイチェル様とサラ様を穢させはしないわ!!!
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