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4章
22.シュバルツ伯爵領へ
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侍女が手配していた馬車に乗るリリアさんと……それから私。
向かう先はリリアさんの故郷のシュバルツ伯爵領。
「サーシャちゃん。最近碌に休みとってないでしょ。偶には羽を伸ばしてきなよ」
とリーザさんに言われて休暇を兼ねて私も一緒に行くことになった。
他の人たちは予定があるみたいで、行くのは私だけだった。
「依頼を受けてなかったら私もご一緒できたのに……」
「……あきらめろ」
「うぐぐ……」
アイラはギルドからの依頼をイーリスと受けていたので、泣く泣く断念していた。
……アイラには特別なお土産でも買ってこないと。
そういえば、アイラが側にいないのって久しぶりね。
道中の馬車の中でリリアさんから、シュバルツ伯爵領に関して話を聞いていた。
伯爵領は都市から馬車で6時間程の距離に位置している。
主に農業を中心に生計を立てている人たちが殆どだということ。
シュバルツ伯爵領に入って最初に目についたのは、とても大きな世界樹の存在だった。
王国でも何回か見たことはあったけど、こんなに大きな樹は見たことがなかった。
「世界樹……それもなんて大きさ」
「樹齢300年を超えると言われています。この領地が出来る前から存在してます」
「そうなんだ……」
世界樹の加護がある土地は、他の領地よりも作物の成長や品質が良いといわれている。
農業を中心に生計を立てているのも、育つの作物のおかげもあるのだろう。
「リリア様ー!」
「今年も最高のお祭りにして見せますよー!」
「あ、ああ……楽しみにしてるよ」
先ほどから領民に出会うたびに、リリアさんは領民から声をかけられている。
「随分慕われているんですね」
「う、うん……そう、だね……」
「私が領地に行っても、遠巻きに見られるだけでしたね……」
「サーシャ嬢……」
リリアさんが私の言葉を言い淀んでしまった。今のは余計だったわね。
まぁ、あんな親の娘が視察したって、親の評判が良くないから。領民はどうしても警戒するってもんですよ。
それにしても伯爵領は長閑でいいところね……
領民も皆活き活きしてるし……? なんだろう……普通の光景なんだけど、何か引っ掛かる……?
……だめね……さっぱりわからない……まぁ、気のせいでしょ。
向かう先はリリアさんの故郷のシュバルツ伯爵領。
「サーシャちゃん。最近碌に休みとってないでしょ。偶には羽を伸ばしてきなよ」
とリーザさんに言われて休暇を兼ねて私も一緒に行くことになった。
他の人たちは予定があるみたいで、行くのは私だけだった。
「依頼を受けてなかったら私もご一緒できたのに……」
「……あきらめろ」
「うぐぐ……」
アイラはギルドからの依頼をイーリスと受けていたので、泣く泣く断念していた。
……アイラには特別なお土産でも買ってこないと。
そういえば、アイラが側にいないのって久しぶりね。
道中の馬車の中でリリアさんから、シュバルツ伯爵領に関して話を聞いていた。
伯爵領は都市から馬車で6時間程の距離に位置している。
主に農業を中心に生計を立てている人たちが殆どだということ。
シュバルツ伯爵領に入って最初に目についたのは、とても大きな世界樹の存在だった。
王国でも何回か見たことはあったけど、こんなに大きな樹は見たことがなかった。
「世界樹……それもなんて大きさ」
「樹齢300年を超えると言われています。この領地が出来る前から存在してます」
「そうなんだ……」
世界樹の加護がある土地は、他の領地よりも作物の成長や品質が良いといわれている。
農業を中心に生計を立てているのも、育つの作物のおかげもあるのだろう。
「リリア様ー!」
「今年も最高のお祭りにして見せますよー!」
「あ、ああ……楽しみにしてるよ」
先ほどから領民に出会うたびに、リリアさんは領民から声をかけられている。
「随分慕われているんですね」
「う、うん……そう、だね……」
「私が領地に行っても、遠巻きに見られるだけでしたね……」
「サーシャ嬢……」
リリアさんが私の言葉を言い淀んでしまった。今のは余計だったわね。
まぁ、あんな親の娘が視察したって、親の評判が良くないから。領民はどうしても警戒するってもんですよ。
それにしても伯爵領は長閑でいいところね……
領民も皆活き活きしてるし……? なんだろう……普通の光景なんだけど、何か引っ掛かる……?
……だめね……さっぱりわからない……まぁ、気のせいでしょ。
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