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3章
19.私のお姉様
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私に聖女のギフトがあるらしく、教会に行くように言われた。
お姉様がそうしたほうがいいって言ったから仕方なく教会に行くことにした。
お姉様と離れるのは辛いけど、お姉様が望むのなら仕方ない。
「祈るのです。我が国の平和と安寧を」
教会は毎日そればっかり言う。そんなの知らない。
お姉様は元気にしてるかしら……お姉様が今日も1日楽しく過ごせているといいな……
ついでにお姉様と一緒にいるあのメイドのことも祈ってあげる。
お姉様と離れてもう1週間になる。
――なんだかお姉様がピンチになりそうな予感がした。
どうかお姉様が無事でありますように……
近い未来に毒とかもらいそうな気がする。
お姉様が危険な目に遭うなんて、そんなの嫌だ。
お姉様に悪い虫が近づきませんように……
両親のことも一応祈っておこうかな。お姉様のことを大切にしているならね。
もしぞんざいに、それこそ追放とかした日には……絶対許さない。
会いたい……お姉様に。
お姉様の顔を見たい。
お姉様の笑顔が見たい。
お姉様の胸に顔を埋めたい。
お姉様のあの、優しいにおいをかぎたい。
あぁ……お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様――――――――
「この偽聖女め! よくもだましてくれたな!」
お姉様を傷つけたクソ王子がなんか話しかけてきた。
「貴様が要るにも関わらず、国の結界が弱まって魔物が侵入してきているではないか」
このクソ王子が私の、お姉様のことを傷つけたのね。
お姉様がこいつの婚約者ってだけでも許せないのに、そのうえ婚約破棄ですって。
「『聖女』の貴様のことを抱けると思ったのに、教会の奴らが妨害してきて抱けないではないか!」
悲しみにくれるお姉様を抱きしめてあげたかったのに、周りに邪魔されてそれも出来なかった。
今すぐにでもお姉様の顔が見たい……
「折角冴えない地味女との婚約を破棄して『聖女』と婚約できたというのに、俺様は『勇者』――」
「は?」
この野郎今なんて言いました……?
「ふんっ。今夜その身体を抱かせてくれるなら、『勇者』の婚約者として――」
「黙れクソ野郎」
私の、私の……私の!!!お姉様のことをなんて言いました?このクソは……
「き、貴様! この俺様のことを今なんて――」
レオンが言葉を言い切る前に、シェイラはその顔面に向かって勢いよく拳を振り抜きました。
『勇者』でも見切れないスピードで振り抜かれたその拳な、レオンは綺麗な放物線を描き、奥の壁にめり込んでいきました。
「殿下!!」
レオンに駆け寄る側近たちをよそに、シェイラはその様子に何の関心も示さず、転移魔法でその場を去っていった。
お姉様がそうしたほうがいいって言ったから仕方なく教会に行くことにした。
お姉様と離れるのは辛いけど、お姉様が望むのなら仕方ない。
「祈るのです。我が国の平和と安寧を」
教会は毎日そればっかり言う。そんなの知らない。
お姉様は元気にしてるかしら……お姉様が今日も1日楽しく過ごせているといいな……
ついでにお姉様と一緒にいるあのメイドのことも祈ってあげる。
お姉様と離れてもう1週間になる。
――なんだかお姉様がピンチになりそうな予感がした。
どうかお姉様が無事でありますように……
近い未来に毒とかもらいそうな気がする。
お姉様が危険な目に遭うなんて、そんなの嫌だ。
お姉様に悪い虫が近づきませんように……
両親のことも一応祈っておこうかな。お姉様のことを大切にしているならね。
もしぞんざいに、それこそ追放とかした日には……絶対許さない。
会いたい……お姉様に。
お姉様の顔を見たい。
お姉様の笑顔が見たい。
お姉様の胸に顔を埋めたい。
お姉様のあの、優しいにおいをかぎたい。
あぁ……お姉様お姉様お姉様お姉様お姉様――――――――
「この偽聖女め! よくもだましてくれたな!」
お姉様を傷つけたクソ王子がなんか話しかけてきた。
「貴様が要るにも関わらず、国の結界が弱まって魔物が侵入してきているではないか」
このクソ王子が私の、お姉様のことを傷つけたのね。
お姉様がこいつの婚約者ってだけでも許せないのに、そのうえ婚約破棄ですって。
「『聖女』の貴様のことを抱けると思ったのに、教会の奴らが妨害してきて抱けないではないか!」
悲しみにくれるお姉様を抱きしめてあげたかったのに、周りに邪魔されてそれも出来なかった。
今すぐにでもお姉様の顔が見たい……
「折角冴えない地味女との婚約を破棄して『聖女』と婚約できたというのに、俺様は『勇者』――」
「は?」
この野郎今なんて言いました……?
「ふんっ。今夜その身体を抱かせてくれるなら、『勇者』の婚約者として――」
「黙れクソ野郎」
私の、私の……私の!!!お姉様のことをなんて言いました?このクソは……
「き、貴様! この俺様のことを今なんて――」
レオンが言葉を言い切る前に、シェイラはその顔面に向かって勢いよく拳を振り抜きました。
『勇者』でも見切れないスピードで振り抜かれたその拳な、レオンは綺麗な放物線を描き、奥の壁にめり込んでいきました。
「殿下!!」
レオンに駆け寄る側近たちをよそに、シェイラはその様子に何の関心も示さず、転移魔法でその場を去っていった。
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