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6話
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「この世界は乙女ゲームとは違うのよ。ここ以外にも国はあるし、様々な文化もあるの。魔法もね」
「あんたも転生者だったのね!?」
「ええ。そうよ」
「だったら分かってんでしょう!? あんたは悪役令嬢であたしはヒロインなの!? あたしは乙女ゲームの主人公よ!?」
「乙女ゲームではそうね。……でもここは現実よ」
「はぁ?」
とまだわたくしの言ってることが理解できないアニエスは首をかしげている。
「わたくしも、あなたも、殿方も、みんなこの世界に生きているのよ。創り物ではないわ」
「そ、そんなこと……」
アニエスはそのあとの言葉が言えずに言い淀んでいた。
やっぱりここがゲームの世界だと思ってたのね。
「まあそんなことはどうでもいいわね」
「っ!?」
わたくしが今からやろうとしていることの前では些事ですわね。
「あなたが乙女ゲームを攻略してるんですもの。わたくしだって、攻略してもいいわよね?」
「アラン様言ってたもん! あんたのことが鬱陶しい。あたしと結婚してくれるって。もう攻略済みなんだからね!」
「だれがあんな阿呆を攻略すると言いましたの?」
「へっ……?」
「そもそもわたくし、攻略対象全員好きではありませんの」
「じゃ、じゃあ誰なのよ……」
「そんなの決まっているじゃありませんの」
乙女ゲームの魅力的なキャラで――
豊満な体で周りを誘惑して――
反抗的で生意気で上級貴族にもケンカ売ってきて――
調教しがいのある――
「あ、な、た……ですわよ」
「あんたも転生者だったのね!?」
「ええ。そうよ」
「だったら分かってんでしょう!? あんたは悪役令嬢であたしはヒロインなの!? あたしは乙女ゲームの主人公よ!?」
「乙女ゲームではそうね。……でもここは現実よ」
「はぁ?」
とまだわたくしの言ってることが理解できないアニエスは首をかしげている。
「わたくしも、あなたも、殿方も、みんなこの世界に生きているのよ。創り物ではないわ」
「そ、そんなこと……」
アニエスはそのあとの言葉が言えずに言い淀んでいた。
やっぱりここがゲームの世界だと思ってたのね。
「まあそんなことはどうでもいいわね」
「っ!?」
わたくしが今からやろうとしていることの前では些事ですわね。
「あなたが乙女ゲームを攻略してるんですもの。わたくしだって、攻略してもいいわよね?」
「アラン様言ってたもん! あんたのことが鬱陶しい。あたしと結婚してくれるって。もう攻略済みなんだからね!」
「だれがあんな阿呆を攻略すると言いましたの?」
「へっ……?」
「そもそもわたくし、攻略対象全員好きではありませんの」
「じゃ、じゃあ誰なのよ……」
「そんなの決まっているじゃありませんの」
乙女ゲームの魅力的なキャラで――
豊満な体で周りを誘惑して――
反抗的で生意気で上級貴族にもケンカ売ってきて――
調教しがいのある――
「あ、な、た……ですわよ」
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