太陽と月

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そして未来へ

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『おっきいおにいちゃん、ちっちゃいおにいちゃん、ありがとう』

2人の帰り際、玄関できっちりと頭を下げる陽に恐縮する鹿島と楠瀬は、自分達も楽しみながら用意していたのだと伝えれば、皆で用意できたことが楽しかったのだと陽も言う。

そんな3人を見て嫉妬しないはずのない大人げない朔也は、さっそく陽を2人から引き離しにかかる。
お礼ぐらいゆっくりさせてやればいいものを、それができない狭量さが陽への愛情の裏返しなのだろう。

陽を片腕で抱き上げ、2人をさっさと下がらせる。玄関のドアを閉めたところで鹿島と楠瀬が苦笑いを浮かべ合うなど、想定内ではあるが知ったことではない。

『朔也  おしっこ』

やっぱり、これはずっと変わらないのだろう。自分を幸せにしてくれる相手に感謝を示せるほどに成長した陽だが、トイレに1人で行くと言う発想は未だにないらしい。
もっともそれは、朔也にとっても苦痛ではなく、むしろ悦楽と言っていい習慣なのだが。

『ああ』

おしっこしたら、お風呂に入ろうか。

腕の中で頷く陽を、今夜はどんな風に甘やかそうか、いや啼かせてしまうだろうか。
そんなことを考えるだけで、朔也の中心は熱を持つ。

そして毎日見ている放尿ショーを見せられ、その熱は更に上がる。

ここまで興奮できる己に呆れるが、陽が魅力的なのだから仕方ない。

いつもよりも、やや性急な手付きで陽を裸に剥き、浴室へのほんの数歩も陽を抱き上げ移動する。

2人の間にほんの少しの隙間もできぬよう肌を合わせると、こんなにも幸福感に満たされる。

ただし幸福感が満たされたからと言って、男の欲が満たされるわけではない。
下半身事情は全く別の話なのだ。やはり両方を満たしたい。

そう思えば思うほど、己の手付きが怪しくなることに朔也も気付いている。

ただ髪の毛を洗うだけ。ただ身体を洗うだけ。

今夜はベッドでゆっくり陽を愛でると心に誓っているから浴室で事に及ぶ気はない。

いや。箍が外れれば今すぐにでも事に及んでしまいそうではあるが、ここは陽を得ると同時に覚えた忍耐力の見せ所だ。

丸洗いした陽を浴槽に下ろし、朔也も全身を洗う。
30をとうに過ぎた若頭が後の事を想像するだけで中心を昂らせながら、ゴシゴシと身体を洗うと言うのは何とも滑稽ではあるが収まらないのだから仕方ない。

いつもであれば浴槽に浸かり、陽をバックハグする穏やかな時間となるはずだが、今夜ばかりはそれも無理だ。

忙しなく風呂から上がり、陽をバスタオルで包んだ朔也だった。
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