太陽と月

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皆既日食

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こうして、陽が休みの土日のうち、翌日も休みとなる土曜は広いベッドの上で皆既日食が起きている。

大きな月に華奢な太陽が覆われる皆既日食だ。
を始めたその日は朔也の剛直など咥え込める日など永遠に来ないのではないかと思っていたが、翌週には時間をかければ指3本を受け入れられるようになってくれた。
秘蕾の皺1本1本全てがみっちりと伸びヒクヒクと朔也の指を食んでいる。

しかし、やはり苦しいのだろう。陽が何かに耐えるように息を止めてしまう。

『陽、息をして。ゆっくり息を吐いて』

朔也に促され呼吸をしていなかったことに気付いたのだろう。
細く息を吐き出せば、身体から力が抜けたのがわかる。

苦しみを与えたいわけではない。2人で気持ちよくなりたいのだ。挿入を焦るつもりはないが、陽には朔也とのセックスが気持ちのいいものなのだと覚えてほしい。

だって。

大好き同士は  セックスをする。そうすると、お互いが幸せな気分になる。

宮腰からの受け売りを聞かせてくれた陽に、それが真実なのだと証明したいのだ。
子供染みた思考に己を嘲笑するが、気持ちのいいセックスは互いが幸せなのだと伝えたいのだ。

秘蕾に食まれた3本の指をバラバラに動かしながら、
陽の髪に額に目蓋にキスを落とす。
半開きの唇の隙間から舌を差し込み、陽のそれを絡めとる。

『ふぅっ  んっ  んんっ』

秘蕾の少し奥では痼をコリコリと弄りつつ、今日は薄い胸に付いた色素の薄い乳首も舌先で刺激してみる。

太腿をモジモジと擦り合わせているところを見ると既に脳内は射精欲に支配されているはずだ。

それでも無粋な真似をしてしまうのは、自信がないから確認したいのか、単に陽の口から卑猥な言葉を聞きたいのか。

『陽、気持ちいい?』

コクコクと頷く陽に少しだけ意地悪をしたくなる。

『どこが気持ちいい?』

尚も太腿を擦り合わせながら、朔也に懇願の眼差しを向ける。
朔也が、もっと気持ちよくしてくれることを知っているのだ。

だからこそ、余計に言わせたいと思ってしまうのは陽の眼差しが朔也の嗜虐心に油を注ぐからだろう。

『どこが気持ちいい?』

言いながら秘蕾へと刺激を止めてしまう。
陽から焦れた声音で聞こえたのは

『おしり きもちいいから』

もっとして。

予想以上の解答に朔也が煽られないわけがない。
「もっと」と言われて、もっとできないのは、男の恥。

秘蕾の中の痼を刺激しながら、乳首を口内で転がす。
少々焦らしてしまった射精欲を満たしてやるために、茎の裏を擦る。
全身に力が入った次の瞬間、白濁を吐き出した陽が朔也の予想を越えた行動に出たのだった。
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