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歪んだ愛情
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亜美も南野も、重度の薬物中毒であることが判明した。炎星会の一件が脳裏を過る。
困ったことに不知火議員は、そのことに全く気付いていない。正に『うちの子に限って』と言うヤツだろうか。
今はまだ騒ぎを大きくせぬよう、亜美が朔也のマンションで過ごしているよう装い、不知火議員を欺くことにも成功している。
嫁入り前の娘がふしだらな、とは考えないようだ。
むしろ既成事実作り、なんなら子供もつくり、早く朔也を身内にしたいと焦りすら感じる。
違法薬物を使ってのセックスに陶酔していた亜美は常に熱をもて余し、複数人でのプレイを好んだと言う。
そんな亜美が朔也に恋をした。それまで性衝動を抑えることなどなかった亜美が、朔也と出逢い薬物中毒者なりに自らを律しようと試みたのだろう。
愛する人との甘い生活を夢見て歪んだ愛情を朔也に向けた結果、陽が邪魔だった。
亜美の薬物仲間であった南野は性別を問わない小児性愛者であり、亜美を性の対象として見たことはなかったようだ。
朔也の身辺調査の過程で炙り出された陽の存在に魅了され、今回の事件が起きてしまった。
亜美から『見つけた子供は好きにしていい』と言われたことで、異常性癖が疼いたのだろう。
やはり自宅マンションで起きた停電は南野によるセキュリティシステムへの介入だったが、未だに、そのカラクリが全て明らかになったわけではない。
風間も、そして優秀なハッカー達も首を傾げている。
南野は、亜美に忠実だったわけではなく陽を手に入れたい一心で暴挙に及んだ節がある。優秀な男だが才能を使う場所と相手を見定める目は持っていなかったようだ。それは薬物のせいなのだろうか、それとも抑制できない陽への歪んだ想いのせいだろうか。
当然、世間一般では小児性愛自体が歪んだ性癖として捉えられている。
16歳とは言え、心身共に幼い陽を性の対象としている朔也も、南野を批判できるほど立派な人間ではないのかもしれないと考えてしまう。
と、これ以上考えても陽を手放してやれるわけではない。だから、これ以上は考えない。
今考えるべきは、亜美や南野が犯した罪に対してだろう。
償わせなければならない。
所詮は重度の薬物中毒者なのだ。どこかに軟禁すれば、それだけで、かなりの苦しみを与えられる。被害者は陽だったのだから、それだけで許すつもりなどないが。
騒動の後、やはり体調を崩した陽は三日ほど熱が下がらなかった。その間、陽の傍から離れることなく自宅で仕事をしていた朔也だが、吾妻から上がってきた亜美と南野に関する報告は予想通りのものだった。
組事務所の地下にある防音室に別々に監禁された2人は極度の幻覚と幻聴で昼夜関係なく奇声を発し、存在しない何かに怯え部屋から逃げ出す事ばかりに気を取られているようだ。
最低限の食事は毎日届けていたが3日間で1度でも食事を摂った形跡はない。
薬が抜けても完全な正気を取り戻すかは怪しいが、時間をかけて償わせるのも悪くはないと思っていた。
困ったことに不知火議員は、そのことに全く気付いていない。正に『うちの子に限って』と言うヤツだろうか。
今はまだ騒ぎを大きくせぬよう、亜美が朔也のマンションで過ごしているよう装い、不知火議員を欺くことにも成功している。
嫁入り前の娘がふしだらな、とは考えないようだ。
むしろ既成事実作り、なんなら子供もつくり、早く朔也を身内にしたいと焦りすら感じる。
違法薬物を使ってのセックスに陶酔していた亜美は常に熱をもて余し、複数人でのプレイを好んだと言う。
そんな亜美が朔也に恋をした。それまで性衝動を抑えることなどなかった亜美が、朔也と出逢い薬物中毒者なりに自らを律しようと試みたのだろう。
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亜美の薬物仲間であった南野は性別を問わない小児性愛者であり、亜美を性の対象として見たことはなかったようだ。
朔也の身辺調査の過程で炙り出された陽の存在に魅了され、今回の事件が起きてしまった。
亜美から『見つけた子供は好きにしていい』と言われたことで、異常性癖が疼いたのだろう。
やはり自宅マンションで起きた停電は南野によるセキュリティシステムへの介入だったが、未だに、そのカラクリが全て明らかになったわけではない。
風間も、そして優秀なハッカー達も首を傾げている。
南野は、亜美に忠実だったわけではなく陽を手に入れたい一心で暴挙に及んだ節がある。優秀な男だが才能を使う場所と相手を見定める目は持っていなかったようだ。それは薬物のせいなのだろうか、それとも抑制できない陽への歪んだ想いのせいだろうか。
当然、世間一般では小児性愛自体が歪んだ性癖として捉えられている。
16歳とは言え、心身共に幼い陽を性の対象としている朔也も、南野を批判できるほど立派な人間ではないのかもしれないと考えてしまう。
と、これ以上考えても陽を手放してやれるわけではない。だから、これ以上は考えない。
今考えるべきは、亜美や南野が犯した罪に対してだろう。
償わせなければならない。
所詮は重度の薬物中毒者なのだ。どこかに軟禁すれば、それだけで、かなりの苦しみを与えられる。被害者は陽だったのだから、それだけで許すつもりなどないが。
騒動の後、やはり体調を崩した陽は三日ほど熱が下がらなかった。その間、陽の傍から離れることなく自宅で仕事をしていた朔也だが、吾妻から上がってきた亜美と南野に関する報告は予想通りのものだった。
組事務所の地下にある防音室に別々に監禁された2人は極度の幻覚と幻聴で昼夜関係なく奇声を発し、存在しない何かに怯え部屋から逃げ出す事ばかりに気を取られているようだ。
最低限の食事は毎日届けていたが3日間で1度でも食事を摂った形跡はない。
薬が抜けても完全な正気を取り戻すかは怪しいが、時間をかけて償わせるのも悪くはないと思っていた。
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