125 / 197
煌めく太陽 満ちる月
122
しおりを挟む
朝からソワソワと今夜のパーティーの用意を始めている鹿島と楠瀬を横目に、朔也は通常運転だ。
いや、正確には通常運転のふりをしている。
おそらくソワソワ加減で言ったら、朔也の方が断然上をいっている。
便宜的なものであれ、今日1つ大人になる陽は、暫く前から少しずつ大人びた表情を見せるようになり、艶やかさも増してきた。
そんな陽に朝からあてられたのだ。いつもより少し早く目を覚ました陽は控え目に朔也を揺すり起こした。
もっとも、隣で眠っているのだ。陽がモゾリと身体を動かした時点で朔也も覚醒していたのだが。
『さくや おしっこ』
手を繋ぎトイレに向かった二人だが、朔也はそこで驚愕する。
陽の中心が緩くではあるが勃ちあがっているのだ。健康な男子であれば当然なのだが、所謂、朝勃ちだ。
当然、用を足せば何事もなかったような元の状態に戻るのだが、精通を手伝って以来、性的な意味での陽の成長を実感することが何度かあった。
もっとも知識も経験も自覚もない陽は、その成長ぶりを惜しみ無く朔也に晒してくれる。
陽の成長の証、健康の証。
そんな風に割りきれるわけがない。陽の成長と共に朔也の下心もムクムクと育っているのだから。
悶々と今朝の出来事を考えていれば、楠瀬から声がかかる
『若、そろそろお時間です』
気付いていた。既に迎えの自動車も到着している時間だ。朝の儀式を済ませ出掛けなければならない。
ましてや今夜は陽のバースデーパーティーなのだ。
1分1秒でも早く帰宅したいのだから。
『あぁ』
陽の額にキスを1つ。言ってくると言えば、待ってる、といつもの会話だ。
呆気ないほどに済まされた朝の儀式だが、いつもよりも額へのキスが長かったことは誰も気づいていないはずだ。
離れ難い思いを抱きつつ、朔也は誓う。1つ大人へと近づく陽に、今夜からトイレも風呂も1人で頑張れと伝えるのだ。陽のためなのだから。
陽を朔也の魔の手から守るための手段なのだから。
己の理性などヤクザの協定よりも信用できない。日々艶かしさの増す陽の裸体を目の当たりにすれば、組み敷いてしまう危険度も増す。
今愚行に及べば、陽の心も肉体も傷つけてしまう可能性が高い。
ここは大人の自分が我慢するしかないのだと、己に言い聞かせ修行僧の精神力を発揮する朔也だった。
いや、正確には通常運転のふりをしている。
おそらくソワソワ加減で言ったら、朔也の方が断然上をいっている。
便宜的なものであれ、今日1つ大人になる陽は、暫く前から少しずつ大人びた表情を見せるようになり、艶やかさも増してきた。
そんな陽に朝からあてられたのだ。いつもより少し早く目を覚ました陽は控え目に朔也を揺すり起こした。
もっとも、隣で眠っているのだ。陽がモゾリと身体を動かした時点で朔也も覚醒していたのだが。
『さくや おしっこ』
手を繋ぎトイレに向かった二人だが、朔也はそこで驚愕する。
陽の中心が緩くではあるが勃ちあがっているのだ。健康な男子であれば当然なのだが、所謂、朝勃ちだ。
当然、用を足せば何事もなかったような元の状態に戻るのだが、精通を手伝って以来、性的な意味での陽の成長を実感することが何度かあった。
もっとも知識も経験も自覚もない陽は、その成長ぶりを惜しみ無く朔也に晒してくれる。
陽の成長の証、健康の証。
そんな風に割りきれるわけがない。陽の成長と共に朔也の下心もムクムクと育っているのだから。
悶々と今朝の出来事を考えていれば、楠瀬から声がかかる
『若、そろそろお時間です』
気付いていた。既に迎えの自動車も到着している時間だ。朝の儀式を済ませ出掛けなければならない。
ましてや今夜は陽のバースデーパーティーなのだ。
1分1秒でも早く帰宅したいのだから。
『あぁ』
陽の額にキスを1つ。言ってくると言えば、待ってる、といつもの会話だ。
呆気ないほどに済まされた朝の儀式だが、いつもよりも額へのキスが長かったことは誰も気づいていないはずだ。
離れ難い思いを抱きつつ、朔也は誓う。1つ大人へと近づく陽に、今夜からトイレも風呂も1人で頑張れと伝えるのだ。陽のためなのだから。
陽を朔也の魔の手から守るための手段なのだから。
己の理性などヤクザの協定よりも信用できない。日々艶かしさの増す陽の裸体を目の当たりにすれば、組み敷いてしまう危険度も増す。
今愚行に及べば、陽の心も肉体も傷つけてしまう可能性が高い。
ここは大人の自分が我慢するしかないのだと、己に言い聞かせ修行僧の精神力を発揮する朔也だった。
10
お気に入りに追加
264
あなたにおすすめの小説

鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。


見ぃつけた。
茉莉花 香乃
BL
小学生の時、意地悪されて転校した。高校一年生の途中までは穏やかな生活だったのに、全寮制の学校に転入しなければならなくなった。そこで、出会ったのは…
他サイトにも公開しています



怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人
こじらせた処女
BL
幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。
しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。
「風邪をひくことは悪いこと」
社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。
とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。
それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる