歪められた日本の歴史改竄を正す為に大東亜戦争時にタイムスリップした戦闘艦の物語

蒼焔の提督

文字の大きさ
上 下
20 / 25

第19話:

しおりを挟む

 内閣総理大臣兼陸軍大臣”東条英機”は自宅で海軍によるマリアナ沖海戦の大戦果を聞くと大いに驚喜すると共に、一月前に高天原女王である天照女神に言われた言葉を思い出す。
 今より開始されるマリアナ沖海戦は大敗北を喫してそれを切っ掛けに自分は内閣を降ろされてしまい八月一五日に終戦を迎えて東京裁判にて絞首刑となって生涯を終えると。
 それを聞いた時には、吃驚したがこの国をここまで被害を出した責任を取る為に恐らくそうなるんだろうなと……。
 幸いにも天皇陛下等の皇室には何の罪も罰もないということが分かり国体は安泰となる事がわかり安堵するがそれ以降の日本の歴史を聞くと絶望感が溢れてきたのである。
 しかし、その歴史が未来人によって真の歴史がネジ曲げられてしまったことの結果だと教えられたときに非常にその者に激怒した。
 しかし、天照様がその歪んだ歴史を正常に戻すために超兵器を積んだ艦をこの時代に送り込んで歪められた歴史のターニングポイントであるマリアナ沖海戦を日本海軍に勝たすことにしたという。
 そして今回のマリナナ沖海戦で日本海軍の圧勝に終わると共に、間もなくサイパン島に上陸した米軍を逆撃する準備に取りかかったとのこと。
 東条は天照女神様の言う通りになったと感動したと同時に女神が言った真の大東亜共栄圏を成立させるための政策を示されてその内容に向けて動くことにしたのである。
 幸いに今回の大勝利で内閣も安泰となり自分を排除する目的の勢力をそぐことが出来るので東条は久しぶりに穏やかな心を取り戻すことが出来た。
 そんな事を思っていたときに秘書がやってきて至急、陛下が重要な話につき、登城せよとの報告を受けて身支度を整えると皇居に向かう。
 皇居につくと御前会議に出席する人物が東条以外、座っていた。
 御前会議に参加するメンバーは以下の通りである。

 天皇陛下
 内閣総理大臣、国務大臣   :東条英機
 枢密院議長、枢密顧問官   :鈴木貫太郎
 陸軍:参謀総長、参謀次長  :杉山元
 海軍:軍令部総長、軍令部次長:永野修身

「ほう、東条殿! 話は聞いたが日本海軍の大勝利らしいな? 誠に目出度い」
 杉山参謀総長が言うと永野軍令部総長は笑いながら答える。
「この機会を無駄にするわけにはいけない、全ての残存兵力を掻き集めて一気に攻勢をかける」
 そう言ったときに侍従長が入室してきて陛下が来られると言うと全員、姿勢を正す。
 しばらくして裕仁天皇が入室してくる。
 全員、起立して礼をして再び座る。
「よくぞ集まってくれた、今日は朕から言う事がある」
 その言葉を裕仁陛下が言ったとき、部屋が光に包まれる。
 出席者の目が慣れてきた時、白銀色の世界に包まれていて無の空間だと思われる。

「こ、ここは!?」         :鈴木貫太郎
「な、何だここは? 陛下は無事か?」:杉山元
「ここは……何処だ?」        :永野修身
「……天照様か」           :東条英機
「……」               :裕仁天皇

「よくぞ集まってくれましたね? 我が子孫を補佐する者達よ」
 古代日本神話に出てくるような服装をした黒髪ロングの美少女が出現する。
「天照様である、皆の者、控えよ!」
 裕仁天皇の言葉に全員、跪く。
 微笑む天照女神。
 彼女は、歪められた日本の歴史を語ると共に、本来の歴史に戻す為の工作をしたことを話す。
 未来の世界から我が見いだした富嶽武雄という人物と超兵器を積んだ艦船をこの時代に呼び寄せて本来の歴史を取り戻すために。
 そして、彼のお陰で大勝利を得て本来の歴史の道標に一歩、近づいたことを。
 その彼は予想外の出来事に襲われて難儀していることを。
 天照女神は、真の大東亜共栄圏の設立を願っていてそれを達成するためにはまだまだ困難な出来事が発生するが皆が一致団結するようにお願いする。
 天照女神から示された大東亜共栄圏設立までの方法を彼らに伝える。
「以上の事を至急、進めることです! 私の願いを無碍にした場合は……只ではおきません。そして一番大切なことですが未来から来た富嶽武雄という人物を初めとする彼らの艦船及び人員を国をあげて支援するように」と言う。
 これはお願いでは無くて天照からの命令であるのでそこを間違えないようにと念をする。
 全員が平伏しながら承知いたしましたと言う。
「言霊に掛けてですね? 頼みます。それと今回の戦いで功績を立てた彼を出世させなさい」
 そのほか、天照は海軍や陸軍の人事に介入して速やかに実施することを命じる。
 彼達なら大東亜共栄圏を達成することが出来ると。
 以上のことを喋ると天照は微笑みながらゆっくりと姿を消していく。
 消えたと同時に彼らは元の部屋にいて座っていた。
 暫くの間、呆然としていたが裕仁陛下の言葉で天照女神の命令を実施させるために動き始める。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

四代目 豊臣秀勝

克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。 読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。 史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。 秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。 小牧長久手で秀吉は勝てるのか? 朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか? 朝鮮征伐は行われるのか? 秀頼は生まれるのか。 秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記

颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。 ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。 また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。 その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。 この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。 またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。 この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず… 大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。 【重要】 不定期更新。超絶不定期更新です。

土方歳三ら、西南戦争に参戦す

山家
歴史・時代
 榎本艦隊北上せず。  それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。  生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。  また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。  そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。  土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。  そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。 (「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です) 

甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ

朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】  戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。  永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。  信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。  この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。 *ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。

大東亜戦争を有利に

ゆみすけ
歴史・時代
 日本は大東亜戦争に負けた、完敗であった。 そこから架空戦記なるものが増殖する。 しかしおもしろくない、つまらない。 であるから自分なりに無双日本軍を架空戦記に参戦させました。 主観満載のラノベ戦記ですから、ご感弁を

転生少女は大戦の空を飛ぶ

モラーヌソルニエ
ファンタジー
薄っぺらいニワカ戦闘機オタク(歴史的知識なし)が大戦の狭間に転生すると何が起きるでしょう。これは現代日本から第二次世界大戦前の北欧に転生した少女の空戦史である。カクヨムでも掲載しています。

猿の内政官 ~天下統一のお助けのお助け~

橋本洋一
歴史・時代
この世が乱れ、国同士が戦う、戦国乱世。 記憶を失くした優しいだけの少年、雲之介(くものすけ)と元今川家の陪々臣(ばいばいしん)で浪人の木下藤吉郎が出会い、二人は尾張の大うつけ、織田信長の元へと足を運ぶ。織田家に仕官した雲之介はやがて内政の才を発揮し、二人の主君にとって無くてはならぬ存在へとなる。 これは、優しさを武器に二人の主君を天下人へと導いた少年の物語 ※架空戦記です。史実で死ぬはずの人物が生存したり、歴史が早く進む可能性があります

よあけまえのキミへ

三咲ゆま
歴史・時代
時は幕末。二月前に父を亡くした少女、天野美湖(あまのみこ)は、ある日川辺で一枚の写真を拾った。 落とし主を探すべく奔走するうちに、拾い物が次々と縁をつなぎ、彼女の前にはやがて導かれるように六人の志士が集う。 広がる人脈に胸を弾ませていた美湖だったが、そんな日常は、やがてゆるやかに崩れ始めるのだった。 京の町を揺るがす不穏な連続放火事件を軸に、幕末に生きる人々の日常と非日常を描いた物語。

処理中です...