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第19話:
しおりを挟む内閣総理大臣兼陸軍大臣”東条英機”は自宅で海軍によるマリアナ沖海戦の大戦果を聞くと大いに驚喜すると共に、一月前に高天原女王である天照女神に言われた言葉を思い出す。
今より開始されるマリアナ沖海戦は大敗北を喫してそれを切っ掛けに自分は内閣を降ろされてしまい八月一五日に終戦を迎えて東京裁判にて絞首刑となって生涯を終えると。
それを聞いた時には、吃驚したがこの国をここまで被害を出した責任を取る為に恐らくそうなるんだろうなと……。
幸いにも天皇陛下等の皇室には何の罪も罰もないということが分かり国体は安泰となる事がわかり安堵するがそれ以降の日本の歴史を聞くと絶望感が溢れてきたのである。
しかし、その歴史が未来人によって真の歴史がネジ曲げられてしまったことの結果だと教えられたときに非常にその者に激怒した。
しかし、天照様がその歪んだ歴史を正常に戻すために超兵器を積んだ艦をこの時代に送り込んで歪められた歴史のターニングポイントであるマリアナ沖海戦を日本海軍に勝たすことにしたという。
そして今回のマリナナ沖海戦で日本海軍の圧勝に終わると共に、間もなくサイパン島に上陸した米軍を逆撃する準備に取りかかったとのこと。
東条は天照女神様の言う通りになったと感動したと同時に女神が言った真の大東亜共栄圏を成立させるための政策を示されてその内容に向けて動くことにしたのである。
幸いに今回の大勝利で内閣も安泰となり自分を排除する目的の勢力をそぐことが出来るので東条は久しぶりに穏やかな心を取り戻すことが出来た。
そんな事を思っていたときに秘書がやってきて至急、陛下が重要な話につき、登城せよとの報告を受けて身支度を整えると皇居に向かう。
皇居につくと御前会議に出席する人物が東条以外、座っていた。
御前会議に参加するメンバーは以下の通りである。
天皇陛下
内閣総理大臣、国務大臣 :東条英機
枢密院議長、枢密顧問官 :鈴木貫太郎
陸軍:参謀総長、参謀次長 :杉山元
海軍:軍令部総長、軍令部次長:永野修身
「ほう、東条殿! 話は聞いたが日本海軍の大勝利らしいな? 誠に目出度い」
杉山参謀総長が言うと永野軍令部総長は笑いながら答える。
「この機会を無駄にするわけにはいけない、全ての残存兵力を掻き集めて一気に攻勢をかける」
そう言ったときに侍従長が入室してきて陛下が来られると言うと全員、姿勢を正す。
しばらくして裕仁天皇が入室してくる。
全員、起立して礼をして再び座る。
「よくぞ集まってくれた、今日は朕から言う事がある」
その言葉を裕仁陛下が言ったとき、部屋が光に包まれる。
出席者の目が慣れてきた時、白銀色の世界に包まれていて無の空間だと思われる。
「こ、ここは!?」 :鈴木貫太郎
「な、何だここは? 陛下は無事か?」:杉山元
「ここは……何処だ?」 :永野修身
「……天照様か」 :東条英機
「……」 :裕仁天皇
「よくぞ集まってくれましたね? 我が子孫を補佐する者達よ」
古代日本神話に出てくるような服装をした黒髪ロングの美少女が出現する。
「天照様である、皆の者、控えよ!」
裕仁天皇の言葉に全員、跪く。
微笑む天照女神。
彼女は、歪められた日本の歴史を語ると共に、本来の歴史に戻す為の工作をしたことを話す。
未来の世界から我が見いだした富嶽武雄という人物と超兵器を積んだ艦船をこの時代に呼び寄せて本来の歴史を取り戻すために。
そして、彼のお陰で大勝利を得て本来の歴史の道標に一歩、近づいたことを。
その彼は予想外の出来事に襲われて難儀していることを。
天照女神は、真の大東亜共栄圏の設立を願っていてそれを達成するためにはまだまだ困難な出来事が発生するが皆が一致団結するようにお願いする。
天照女神から示された大東亜共栄圏設立までの方法を彼らに伝える。
「以上の事を至急、進めることです! 私の願いを無碍にした場合は……只ではおきません。そして一番大切なことですが未来から来た富嶽武雄という人物を初めとする彼らの艦船及び人員を国をあげて支援するように」と言う。
これはお願いでは無くて天照からの命令であるのでそこを間違えないようにと念をする。
全員が平伏しながら承知いたしましたと言う。
「言霊に掛けてですね? 頼みます。それと今回の戦いで功績を立てた彼を出世させなさい」
そのほか、天照は海軍や陸軍の人事に介入して速やかに実施することを命じる。
彼達なら大東亜共栄圏を達成することが出来ると。
以上のことを喋ると天照は微笑みながらゆっくりと姿を消していく。
消えたと同時に彼らは元の部屋にいて座っていた。
暫くの間、呆然としていたが裕仁陛下の言葉で天照女神の命令を実施させるために動き始める。
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