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第14話:
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第五十八任務機動部隊旗艦”インディアナポリス”艦橋にてスプルアーンス提督は電文を見ながら手が震えていたがその事に全然、気がついていない。
内容は、出撃機数の九割以上を喪失して帰還できた機数は僅か二十二機という信じられない事が記されていたのである。
実際、帰還してきた艦載機を見たら信じるしかない事が分かる。
参謀のムーアも同じく開いた口が塞がらないというか何かの見間違いじゃ無いかという思いをしていたが実際に帰還してきたのを見ると信じるしかない状況である。
「……日本機動部隊の位置は未だ分からないのかね?」
スプルアーンスは顔面蒼白な表情をしながらムーアに言うと彼は頷いて未だ発見できないとの事を伝えるとスプルアーンスは数分間、考え事をしていたが何かを決意すると口を開く。
「敵はどんな新兵器を持っているんだ? 我々にとって未知なる兵器を所持しているならここは相当な危険区域になる。とにかくここは、後方に下がって陸上航空部隊の援護が期待できる所まで下がろうと思う」
現在の状況下ではそれが最良であるがムーアがサイパン島に上陸した海兵隊はどうするのですかと逆に質問される。
現在、上陸部隊は先日の艦砲射撃で水際の陣地を根こそぎ潰したと思っていたが、上陸したら凄まじい反撃を受けて一進一退の攻防を繰り広げている所なので機動部隊が退却すれば孤立してしまう現実があるのでそれは無理ではないのでしょうかとの事を言う。
「取りあえずはニミッツ提督の指示を仰ぐことにする」
スプルアーンスは自分達がいつの間にか抜け出すことが出来ない蟻地獄にはまっているのではないかという気持ちがわいていた。
トップが動揺していればそれは直ぐに部下に伝わるもので、得体の知れない新兵器による大被害やいつ何時にリー中将やハリル少将と同じ目に遭うのでは無いかという恐怖が全体を支配していてそれが体力や気力にも反映されるのである。
その頃、各空母から飛びだった四九八機の大編隊は一路、第五八任務機動部隊に順調に向かっていた。
あまり知られていないが捻れた歴史上のマリアナ沖海戦の敗因要因は確かにVT信管やあらかじめ迎撃に出ていた直援機によってだが最大の理由は、迷子になったことである。
ありもしない敵の位置を信じてあさっての方向に出撃していき迷いに迷ってやっと敵機動部隊の近くまで来たが手ぐすね引いて待ち受けていた米軍に壊滅させられたのである。
だが、現在は正常な状態であり敵機動部隊の位置は”雪風”によって正確に把握されていたので迷うことは無く一直線で向かっていけたのである。
出撃時のブリーフィングで離艦後、三つに分かれる事が決定する。
第1航空戦隊(大鳳・瑞鶴・翔鶴) 二一四機は、第三群へ
第2航空戦隊(隼鷹・飛鷹・竜鳳) 一三五機は、第一群へ
第3航空戦隊(千歳・千代田・瑞鳳) 九〇機は、第二群へ
付近の陸上基地から 五九機は、予備兵力
「間もなく敵機動部隊が見えてくる頃だが……」
”瑞鶴”飛行隊率いる近藤は呟く。
間もなく夕日が沈み後十分も経てば暗闇が支配する事になるのでそれまで見つけることが先決であったが不気味なことに敵機動部隊からの迎撃は一切なく天佑と思いたいが何かの罠では無いかと思う。
それから五分後、航跡をひいて南に向けて航行中のアメリカ機動部隊を発見する。
近藤を始めとする全パイロットは気を引き締める。
「敵艦隊発見!! 全軍突撃せよ!!」
四九七機の日本機が散会してアメリカ機動部隊に殺到するがその時点でも対空砲火が一切、なかった。
日本軍機が攻撃開始しても何も対処できなかった理由だが、攻撃隊が全滅状態になった為に直援機F6Fヘルキャットに爆装することを決定する。
その為に残り八十機を十機ずつ分けて着艦させる。
作業開始は日没後に実施と決定する事にしていたのでこの時には直援機が一機もあがっていないばかりかここ数日間、いつ襲われるかの恐怖に伴う疲労で精神的に病む乗員が続出していたのである。
特にレーダー員のストレスと疲労は極限近くまで達していたが何の予兆もなく死神の鎌を振り上げる敵の存在に気を張り詰めて倒れてしまう。
代わりに配置についたのは本当に経験不足かレーダーの知識を殆ど知らない人であり島影を敵と判断したりして当てにされない。
そうした悪循環が巡りに巡って最悪なカードを引いてしまったのである。
日本軍機の大編隊をレーダーはきっちりと補足していたが判断能力が衰えてしまい見逃したのである。
これは別に不思議では無く目に見えない恐怖と言うのは精神をも虫食んでいくのである。
いち早く攻撃開始した隊は、第3航空戦隊(千歳・千代田・瑞鳳) 九〇機で思い思いのままに空母を主目的として突撃する。
対空砲火がない巡洋艦や駆逐艦の上空を超えて一気に敵空母に向かっていく。
”千歳”隊の天山を操縦している『常川昭夫』はアドレナリンが大量に噴き出していて心地よい気持ちで操縦桿を握っていた。
「今までの猛訓練の結果だ! やってやる」
常川がちらっと横を見れば他の僚機も同じであった。
空母”バンカーヒル”の側面を視界に捉えると海面と水平状態でギリギリまで進む。
投下に相応しい地点に到達したときにボタンを押すと魚雷が離れて海面に着水する。
そのまま常川は、機首を起こすと全速力で艦隊から離れていく。
魚雷を投下すれば直ぐに離脱せよとの厳命であった為にそれぞれが魚雷を落とした後、次々と機首をあげて離脱していく。
同じく彗星艦爆機の『陣川登』は他の僚機と共に”ワスプⅡ”に狙いを定める。
彼もこの出撃が初陣であったが猛訓練の結果、何とか形だけでも出来たのだが急降下している時でも冷静に訓練を思い出していた。
「よし、ここだ!!」
八百キロ爆弾が投下されていく。
彼らも又、機首を上げて離脱していく。
”バンカーヒル”に爆発音が響いたと思うと”バンカーヒル”に魚雷が九本、爆弾が四発命中して大型空母から火柱があがる。
”ワスプⅡ”にも魚雷が八本、爆弾が七発命中する。
”バンカーヒル”と”ワスプⅡ”は格納庫内の爆弾や魚雷が誘爆したようで甲板を突き破って巨大な黒煙をあげていく。
間もなく両空母は傾斜が増していき海の底に沈んでいった。
正規空母二隻と同じく軽空母の”モントレー”と”カボット”も同じ運命を遂げたのである。
この第二群司令官モントゴメリーはカスリ傷ですんで無事に退艦したが信じられない様子であった。
空母を攻撃できなかった彗星や天山は巡洋艦や駆逐艦を攻撃して離脱していく。
この攻撃で第二群の損害は正規空母二隻、護衛空母二隻、駆逐艦三隻、巡洋艦一隻を喪失する。
日本機の損害は敵からの攻撃はなかったがやはり訓練不足でもあったので十三機を失うことになったが原因は機首を引き起こすときにタイミングを間違えてしまった事によるものである。
装甲空母”大鳳”艦橋では狂喜乱舞の大騒ぎであった。
彼らだけで無く機動部隊全体も大騒ぎで整備員は大泣きしているのも多々いる。
それはそうだろう、ミッドウエイ以来、敗退敗退に告ぐ戦況続く中で遂に正規空母二隻、護衛空母二隻を撃沈した快挙はそれこそ浮かれてしまうだろう。
だが、敵の反撃が無かった割には一三機の喪失を知った事を聞いた時はやはりショックが大きかった。
「やはり、訓練が足りなかったのですね」
小柳参謀が小沢に言うと小沢は甲板を見ながら頷く。
「そうだね、だがその訓練が無ければ全滅していたことは火を見るより明らかであるからやはり短い期間でも訓練の成果があったとみなしたほうがいい」
まあ最も一番大きかったのが富嶽率いる未来の戦闘艦”雪風”のお陰であろうなと思う小沢であった。
「後二群だが戦況はどんな感じだろうか……?」
一方、第2航空戦隊(隼鷹・飛鷹・竜鳳) 一三五機は、第一群へ攻撃を開始する。
完全な奇襲を受けて第一群は大混乱を起こしている。
「くそ、ジャップめ! 汚いまねをしやがって!!」
巡洋艦”ボストン”対空機銃座についたボブ曹長は上空を乱舞している日本機を見て罵った。
彼は黒人であったが持ち前のタフさや陽気な性格を武器にしてここまで昇進してきたのである。
その日本機が次々と魚雷や爆弾を投下している。
まばらな対空砲火が始まったが殆ど日本機には影響が無かったが訓練が未熟であろうかそこそこな日本機が投下後そのまま海面に突っ込んでいく。
だが、完全な奇襲攻撃であったので日本の戦果は著しい。
正規空母”ホーネットⅡ”は魚雷五本、爆弾三発を受けて大破炎上中及びかなりの傾斜をしていて沈没も時間の問題で”ヨークタウンⅡ”も魚雷四本、爆弾四発をうける。
この”ヨークタウンⅡ”は左舷二発、右舷二発を受けたため、一方的な傾斜はなかったが魚雷は機関室を直撃してそこにいいた乗員は全員、死亡してしまう。
”ヨークタウンⅡ”は完全に停止してしまい上空の日本軍機の格好の的となっていたので殆どの航空機がそれを沈めようと群がってくる。
そのお陰で護衛空母二隻は味方の煙幕によって被害を免れていた。
「各機に告ぐ、無駄な投下は止めろ! 爆弾や魚雷を無駄にするな、他の艦船を狙え!」
空母”飛鷹”隊長の『榊順次』は無線で怒鳴る。
しかし、殆どが初陣であった為に大型目標である空母に殺到するのは仕方がない事であった。
その結果、戦果は正規空母二隻を撃沈して投下を終えた各機は戦線を離脱していく。
喪失機は三五機だったがそれでも三割を失ってしまい榊は大戦果の高揚が沸かなかったのである。◇
内容は、出撃機数の九割以上を喪失して帰還できた機数は僅か二十二機という信じられない事が記されていたのである。
実際、帰還してきた艦載機を見たら信じるしかない事が分かる。
参謀のムーアも同じく開いた口が塞がらないというか何かの見間違いじゃ無いかという思いをしていたが実際に帰還してきたのを見ると信じるしかない状況である。
「……日本機動部隊の位置は未だ分からないのかね?」
スプルアーンスは顔面蒼白な表情をしながらムーアに言うと彼は頷いて未だ発見できないとの事を伝えるとスプルアーンスは数分間、考え事をしていたが何かを決意すると口を開く。
「敵はどんな新兵器を持っているんだ? 我々にとって未知なる兵器を所持しているならここは相当な危険区域になる。とにかくここは、後方に下がって陸上航空部隊の援護が期待できる所まで下がろうと思う」
現在の状況下ではそれが最良であるがムーアがサイパン島に上陸した海兵隊はどうするのですかと逆に質問される。
現在、上陸部隊は先日の艦砲射撃で水際の陣地を根こそぎ潰したと思っていたが、上陸したら凄まじい反撃を受けて一進一退の攻防を繰り広げている所なので機動部隊が退却すれば孤立してしまう現実があるのでそれは無理ではないのでしょうかとの事を言う。
「取りあえずはニミッツ提督の指示を仰ぐことにする」
スプルアーンスは自分達がいつの間にか抜け出すことが出来ない蟻地獄にはまっているのではないかという気持ちがわいていた。
トップが動揺していればそれは直ぐに部下に伝わるもので、得体の知れない新兵器による大被害やいつ何時にリー中将やハリル少将と同じ目に遭うのでは無いかという恐怖が全体を支配していてそれが体力や気力にも反映されるのである。
その頃、各空母から飛びだった四九八機の大編隊は一路、第五八任務機動部隊に順調に向かっていた。
あまり知られていないが捻れた歴史上のマリアナ沖海戦の敗因要因は確かにVT信管やあらかじめ迎撃に出ていた直援機によってだが最大の理由は、迷子になったことである。
ありもしない敵の位置を信じてあさっての方向に出撃していき迷いに迷ってやっと敵機動部隊の近くまで来たが手ぐすね引いて待ち受けていた米軍に壊滅させられたのである。
だが、現在は正常な状態であり敵機動部隊の位置は”雪風”によって正確に把握されていたので迷うことは無く一直線で向かっていけたのである。
出撃時のブリーフィングで離艦後、三つに分かれる事が決定する。
第1航空戦隊(大鳳・瑞鶴・翔鶴) 二一四機は、第三群へ
第2航空戦隊(隼鷹・飛鷹・竜鳳) 一三五機は、第一群へ
第3航空戦隊(千歳・千代田・瑞鳳) 九〇機は、第二群へ
付近の陸上基地から 五九機は、予備兵力
「間もなく敵機動部隊が見えてくる頃だが……」
”瑞鶴”飛行隊率いる近藤は呟く。
間もなく夕日が沈み後十分も経てば暗闇が支配する事になるのでそれまで見つけることが先決であったが不気味なことに敵機動部隊からの迎撃は一切なく天佑と思いたいが何かの罠では無いかと思う。
それから五分後、航跡をひいて南に向けて航行中のアメリカ機動部隊を発見する。
近藤を始めとする全パイロットは気を引き締める。
「敵艦隊発見!! 全軍突撃せよ!!」
四九七機の日本機が散会してアメリカ機動部隊に殺到するがその時点でも対空砲火が一切、なかった。
日本軍機が攻撃開始しても何も対処できなかった理由だが、攻撃隊が全滅状態になった為に直援機F6Fヘルキャットに爆装することを決定する。
その為に残り八十機を十機ずつ分けて着艦させる。
作業開始は日没後に実施と決定する事にしていたのでこの時には直援機が一機もあがっていないばかりかここ数日間、いつ襲われるかの恐怖に伴う疲労で精神的に病む乗員が続出していたのである。
特にレーダー員のストレスと疲労は極限近くまで達していたが何の予兆もなく死神の鎌を振り上げる敵の存在に気を張り詰めて倒れてしまう。
代わりに配置についたのは本当に経験不足かレーダーの知識を殆ど知らない人であり島影を敵と判断したりして当てにされない。
そうした悪循環が巡りに巡って最悪なカードを引いてしまったのである。
日本軍機の大編隊をレーダーはきっちりと補足していたが判断能力が衰えてしまい見逃したのである。
これは別に不思議では無く目に見えない恐怖と言うのは精神をも虫食んでいくのである。
いち早く攻撃開始した隊は、第3航空戦隊(千歳・千代田・瑞鳳) 九〇機で思い思いのままに空母を主目的として突撃する。
対空砲火がない巡洋艦や駆逐艦の上空を超えて一気に敵空母に向かっていく。
”千歳”隊の天山を操縦している『常川昭夫』はアドレナリンが大量に噴き出していて心地よい気持ちで操縦桿を握っていた。
「今までの猛訓練の結果だ! やってやる」
常川がちらっと横を見れば他の僚機も同じであった。
空母”バンカーヒル”の側面を視界に捉えると海面と水平状態でギリギリまで進む。
投下に相応しい地点に到達したときにボタンを押すと魚雷が離れて海面に着水する。
そのまま常川は、機首を起こすと全速力で艦隊から離れていく。
魚雷を投下すれば直ぐに離脱せよとの厳命であった為にそれぞれが魚雷を落とした後、次々と機首をあげて離脱していく。
同じく彗星艦爆機の『陣川登』は他の僚機と共に”ワスプⅡ”に狙いを定める。
彼もこの出撃が初陣であったが猛訓練の結果、何とか形だけでも出来たのだが急降下している時でも冷静に訓練を思い出していた。
「よし、ここだ!!」
八百キロ爆弾が投下されていく。
彼らも又、機首を上げて離脱していく。
”バンカーヒル”に爆発音が響いたと思うと”バンカーヒル”に魚雷が九本、爆弾が四発命中して大型空母から火柱があがる。
”ワスプⅡ”にも魚雷が八本、爆弾が七発命中する。
”バンカーヒル”と”ワスプⅡ”は格納庫内の爆弾や魚雷が誘爆したようで甲板を突き破って巨大な黒煙をあげていく。
間もなく両空母は傾斜が増していき海の底に沈んでいった。
正規空母二隻と同じく軽空母の”モントレー”と”カボット”も同じ運命を遂げたのである。
この第二群司令官モントゴメリーはカスリ傷ですんで無事に退艦したが信じられない様子であった。
空母を攻撃できなかった彗星や天山は巡洋艦や駆逐艦を攻撃して離脱していく。
この攻撃で第二群の損害は正規空母二隻、護衛空母二隻、駆逐艦三隻、巡洋艦一隻を喪失する。
日本機の損害は敵からの攻撃はなかったがやはり訓練不足でもあったので十三機を失うことになったが原因は機首を引き起こすときにタイミングを間違えてしまった事によるものである。
装甲空母”大鳳”艦橋では狂喜乱舞の大騒ぎであった。
彼らだけで無く機動部隊全体も大騒ぎで整備員は大泣きしているのも多々いる。
それはそうだろう、ミッドウエイ以来、敗退敗退に告ぐ戦況続く中で遂に正規空母二隻、護衛空母二隻を撃沈した快挙はそれこそ浮かれてしまうだろう。
だが、敵の反撃が無かった割には一三機の喪失を知った事を聞いた時はやはりショックが大きかった。
「やはり、訓練が足りなかったのですね」
小柳参謀が小沢に言うと小沢は甲板を見ながら頷く。
「そうだね、だがその訓練が無ければ全滅していたことは火を見るより明らかであるからやはり短い期間でも訓練の成果があったとみなしたほうがいい」
まあ最も一番大きかったのが富嶽率いる未来の戦闘艦”雪風”のお陰であろうなと思う小沢であった。
「後二群だが戦況はどんな感じだろうか……?」
一方、第2航空戦隊(隼鷹・飛鷹・竜鳳) 一三五機は、第一群へ攻撃を開始する。
完全な奇襲を受けて第一群は大混乱を起こしている。
「くそ、ジャップめ! 汚いまねをしやがって!!」
巡洋艦”ボストン”対空機銃座についたボブ曹長は上空を乱舞している日本機を見て罵った。
彼は黒人であったが持ち前のタフさや陽気な性格を武器にしてここまで昇進してきたのである。
その日本機が次々と魚雷や爆弾を投下している。
まばらな対空砲火が始まったが殆ど日本機には影響が無かったが訓練が未熟であろうかそこそこな日本機が投下後そのまま海面に突っ込んでいく。
だが、完全な奇襲攻撃であったので日本の戦果は著しい。
正規空母”ホーネットⅡ”は魚雷五本、爆弾三発を受けて大破炎上中及びかなりの傾斜をしていて沈没も時間の問題で”ヨークタウンⅡ”も魚雷四本、爆弾四発をうける。
この”ヨークタウンⅡ”は左舷二発、右舷二発を受けたため、一方的な傾斜はなかったが魚雷は機関室を直撃してそこにいいた乗員は全員、死亡してしまう。
”ヨークタウンⅡ”は完全に停止してしまい上空の日本軍機の格好の的となっていたので殆どの航空機がそれを沈めようと群がってくる。
そのお陰で護衛空母二隻は味方の煙幕によって被害を免れていた。
「各機に告ぐ、無駄な投下は止めろ! 爆弾や魚雷を無駄にするな、他の艦船を狙え!」
空母”飛鷹”隊長の『榊順次』は無線で怒鳴る。
しかし、殆どが初陣であった為に大型目標である空母に殺到するのは仕方がない事であった。
その結果、戦果は正規空母二隻を撃沈して投下を終えた各機は戦線を離脱していく。
喪失機は三五機だったがそれでも三割を失ってしまい榊は大戦果の高揚が沸かなかったのである。◇
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