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第三章 真の勇者、ここにあり!

火口での再会

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 ファンク達はようやく頂上である火口に辿り着き、魔界へ繋ぐゲートを探していた。

「取り敢えずは火口に着いたけど、ゲートは何処にあるのかしら?」
「さあ……手掛かりがあればいいけど……」

 アミの質問にシェリアが疑問に感じたその時、エリンは精神を集中して目を閉じる。
 彼女は敵の位置を正確に測る事が得意。更に精神を集中すれば、一発で隠れている人達をすぐに見つける事が可能だ。

「ありました!ゲートはあそこです!」

 エリンが指差す方を見ると、紫色の禍々しいゲートが開かれていて、それこそ魔界へと繋がるゲートである。

「これが魔界へと繋がるゲート……」
「グリーザ達もそのゲートから出てきたという事は……奴らが出てくる前に叩き込む必要があるみたい」
「じゃあ、すぐに突撃しないと!」

 ファンク達は急いでゲートの中に入り込もうとしたその時、グリーザがゲートの中から姿を現して地面に着地した。

「まさか出てくるとはね……グリーザ!」

 瞳が叫んだと同時に、グリーザは彼女達に視線を移す。

「ゴブレット村に来た者達か。リベンジしに来たのか?」
「ええ。あの時の私達は実力不足だったけど、今回は一味違うわ!修行して強くなったんだから!」

 瞳は如意棒を構えながら戦闘態勢に入り、アミ達も後に続く。

「リベンジか。良いだろう……あの時は本気を出していなかったからな。ここからは本気で行くぜ!」

 グリーザが背中の翼を広げて戦闘態勢に入った直後、ファンクが彼に接近してきた。

「ファンク?」

 突然の行動にシェリア達が疑問に感じたその時、ファンクは冷静な怒りでグリーザに視線を移す。

「グリーザ。お前は魔界の発展の為にゴブレット村を襲っていたな。子供まで殺すなんて……いくらなんでも酷すぎるぞ!」

 ファンクの怒りの叫びにグリーザは動じず、冷静に彼の方を見る。

「知るか。俺はただ魔界の発展に尽力するのみ。ただ邪魔する奴等は大人や子供であろうとも関係ない。破壊するだけだ!」
「そうか……なら、お前とは決着を着けるのみだ!絶対に倒す!」

 ファンクも勇者の剣と勇気の盾を構え、すぐに戦闘態勢に入り始める。

「まとめて戦っても、返り討ちに遭うだけだ。身の程知らずな貴様等に悪夢を見せてやる!」

 グリーザは両手に邪悪な炎を出したと同時に、そのままファンクに襲い掛かる。

「はっ!」

 しかし、ファンクは勇者の剣で強烈な斬撃を繰り出し、グリーザの胸を斬り裂く事に成功する。

「テメェ……!」
「言った筈だ。今の俺達はあの時と違う。そして……ゴブレット村の仇を討ち取る!」

 ファンクの宣言と同時に、グリーザとの決戦が幕を開けた。
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