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第六章 山口観光騒動記
第二百十四話 全ての課題の達成
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零夜達は戦いを終えて元の場所に戻ったが、零夜達は疲れで地面に座り込んでいた。ハンニャバルとのダメージがまだ残っていて、ヘロヘロ状態になるのも時間の問題である。
「疲れたよ……」
「風呂入りたい……」
プロレスラーである倫子と日和もくたびれていて、抱き寄せながら地面に座っていた。零夜、ミミ、エヴァに至っては息を整えながら立っているが、疲れはまだ残っているのだ。
「まさかあの怪物を倒す程まで成長したとは……見事だな」
「ああ。以前にもこの様な怪物と戦っていたからな……」
零夜は息を整えながらも、修吾達にこれまでの事を説明。零夜達はアルバータドラゴンやバーサークなど、大型モンスター達と戦った経験がある。その経験があるからこそ、ハンニャバルも倒す事ができたのだ。
その直後に零夜がスポーツドリンクを飲み始める中、ミミが彼の身体を汗拭きシートで拭き始める。あまりの戦いで汗が出ていた為、彼女はそれに気付いて今の行為を行ったのだ。
「ミミ姉、悪いな」
「気にしないの。そのお陰でハンニャバルにも勝てたし、これで刺客はもう来ないからね」
「そうだな……あれ?皆は?」
ミミの笑顔に零夜達は頷く中、突然エヴァ達の姿がいない事に気付く。先程まで疲れていたのに、いきなり消えているのは疑問に感じるだろう。
「零夜!飲食店見つけたわよ!」
零夜達が声のした場所をよく見ると、なんと瑠璃光寺近くの飲食店にエヴァが手を振りながら呼んでいた。しかも倫子達までいる為、その様子だとお腹が空いたのだろう。
「お腹空いていたのか……で、今何時だ?」
「確か十時半ぐらいね。せっかくだからそこで軽食にしたらどう?」
栞からの提案に、修吾達も同意する。戦いの疲れもあるのは勿論、回復する為にも軽食を食べる事が必要である。まだお昼には時間があるので、今食べても問題ないだろう。
「じゃあ、寄るとするか!」
零夜も栞の意見に賛同し、そのままお昼を食べる為に飲食店の中に入る。店の名前は「瑠璃光寺カフェ」。そこは軽食専門のお店で、若者には人気である。
「へー、色んなメニューがあるんだ……」
コーネリアはメニュー表を見ながら興味を示していて、ジャンヌ達もどれにするか迷っていた。メニューはコーヒー、ソフトクリームは勿論、飲むういろう、かき氷などもあるのだ。
「俺はコロッケにするよ。ここのコロッケは昔食べた事あるからな」
「コロッケ?」
零夜はコロッケを注文する中、それを見たエヴァがコロッケに興味を示し始める。メニューには山口市の肉屋さんが作ったコロッケと書いていて、凄い人気と言われているのだ。
「零夜が食べたという事は、このコロッケってそんなに人気なの?」
「ああ。忘れられない味だし、金賞受賞した最高のコロッケだ。何時食べても美味いからな」
「じゃあ、私もそれにする!」
零夜の説明を聞いたエヴァは、彼と同じメニューであるコロッケにする。最高のコロッケと聞いたとなると、食べたくなるのも当然であるのだ。
「私もそれにします!」
「私も食べたくなったわ!」
「私もそれにする!」
ルリカ、美津代、コーネリアもコロッケに興味を示し、彼女達もその料理を注文する事を決意した。
エヴァ達はこの世界に来てからコロッケを何度も食べた事があるが、この様なコロッケは初めてである。山口市民としてはソウルフードの一種である為、買いに行くお客さんが多いのだ。
「私は夏季限定メニューのかき氷にするわ」
「私もそれにする!」
「私も!」
「かき氷には興味あるしね」
ミミ、キララ、アミリス、マーリンはかき氷を選択。それを見た倫子達もメニューを決めようとした途端、彼女の目に飲むういろうが目に映る。山口限定しか飲めないので、彼女達は決心と同時にコクリと頷き合った。
「私達は飲むういろうにするわ。初めての飲み物だからチャレンジしないとね」
「なら、我々もそうするとしよう」
倫子達は飲むういろうを注文し、彼女達はそのまま木陰で休む事に。零夜達はそれぞれの食べ物や飲み物を堪能しつつ、穏やかな風で身体を休ませていた。
「零夜。今回の戦いは精神的にキツかったな。まさか元いじめっ子達で構成されていたとは……」
修吾は真剣な表情で先程の戦いを振り返り、零夜も同様に頷いていた。
元町達は零夜を倒そうと躍起になったが、彼に倒された事で人生を狂わされてしまった。その後は辛い時期を乗り越えていたが、異世界転移で零夜に復讐する為にアークスレイヤーに入隊したのだ。
ところが強くなっても零夜達に勝てず、悲願を達成できぬまま死んでしまった。アークスレイヤーの掟とは言えども、いくら何でも残酷過ぎるとしか言えないだろう。
「ああ……奴等とは二度と会いたくなかったからな……アークスレイヤーの奴等、余計な事をしやがって……」
零夜はアークスレイヤーに憎しみを持ちながらも、正直殿町達とは会いたくなかった事を本音に出していた。奴等との思い出は碌な展開ではなく、いっその事忘れたいぐらいだ。
「でも、倒しただけでも良かったじゃない。それにしてもあの子達、残酷な運命を背負わされていたわね……」
「うん……私達でもこればかりはどうしようもないからね……ん?」
ユナのため息にミミも同意する中、スタンプカードが零夜の懐から彼女達の前に姿を現した。同時に山口市のエリアにスタンプが自動的に押され、これで七つ全て揃える事が出来たのだ。
「スタンプカードが出てきたという事は……課題クリアできたんだ!」
「つまり、最後の課題をクリアできたという事は……」
ヒカリとアミリスが推測した途端、彼女達の前にメディア、リリア、トラマツ、ノースマン、サンペイ、トキコが姿を現した。最後の課題がクリアした事を確認したと同時に、駆け付けてきたのだ。
「メディア様!それに皆も!」
「ほう。この方がメディア様か。家の息子がお世話になります」
「私の娘もお世話になっています」
「いえいえ。こちらこそ」
メディアが修吾、哲郎と挨拶を交わした後、トキコが零夜達に視線を移す。彼女はそのままウインドウを出現させたと同時に、とある画面を映し出した。
それはトーナメント出場チーム一覧だが、何処の名前も記録されていなかった。
「お疲れ様。何事も欠ける事なく、あなた達は三つの課題を乗り越える事が出来た。よってブレイブペガサスは、本戦となるトーナメントに一番乗りで進出決定!」
「「「やったー!」」」
トキコが零夜達に報告し、ミミ達は歓声を上げながら喜んでいた。その直後にトーナメント出場チームの一覧が掲載されているウインドウに、ブレイブペガサスの名前が自動的に刻まれたのだ。
「まさか一番乗りとは想定外だが、無事にトーナメントに進出する事ができたな」
「本戦では強豪が集うし、出場チームが揃うまでの期間は強くなる事に専念しましょう!」
「アタイもレベルアップしないといけないし、皆もそうだよな?」
アミリスとソニアの正確な意見に対し、ミミ達も賛同しながら頷いていた。トーナメントまで十分期間がある以上、限界を超えて強くなる必要がある。つまり一番乗りで到達したとなると、長い練習時間を確保できるのだ。
零夜達にとっては一番乗りと長い練習時間の確保となると、まさに一石二鳥と言えるだろう。
「その通りだ!トーナメントに優勝するには、地道に練習あるのみ!旅行から帰ったら特訓だ!」
「「「おう!」」」
零夜の宣言にミミ達も拳を上げながら勢いよく応え、その様子にメディアたちは微笑んでいた。
(ここからが零夜の本当の戦いだな。お前とブレイブペガサスの活躍、信じているぞ!)
修吾は零夜達を心から思いながら、さらなる成長を期待している。それに文香も笑顔で頷いていたのだった。
「疲れたよ……」
「風呂入りたい……」
プロレスラーである倫子と日和もくたびれていて、抱き寄せながら地面に座っていた。零夜、ミミ、エヴァに至っては息を整えながら立っているが、疲れはまだ残っているのだ。
「まさかあの怪物を倒す程まで成長したとは……見事だな」
「ああ。以前にもこの様な怪物と戦っていたからな……」
零夜は息を整えながらも、修吾達にこれまでの事を説明。零夜達はアルバータドラゴンやバーサークなど、大型モンスター達と戦った経験がある。その経験があるからこそ、ハンニャバルも倒す事ができたのだ。
その直後に零夜がスポーツドリンクを飲み始める中、ミミが彼の身体を汗拭きシートで拭き始める。あまりの戦いで汗が出ていた為、彼女はそれに気付いて今の行為を行ったのだ。
「ミミ姉、悪いな」
「気にしないの。そのお陰でハンニャバルにも勝てたし、これで刺客はもう来ないからね」
「そうだな……あれ?皆は?」
ミミの笑顔に零夜達は頷く中、突然エヴァ達の姿がいない事に気付く。先程まで疲れていたのに、いきなり消えているのは疑問に感じるだろう。
「零夜!飲食店見つけたわよ!」
零夜達が声のした場所をよく見ると、なんと瑠璃光寺近くの飲食店にエヴァが手を振りながら呼んでいた。しかも倫子達までいる為、その様子だとお腹が空いたのだろう。
「お腹空いていたのか……で、今何時だ?」
「確か十時半ぐらいね。せっかくだからそこで軽食にしたらどう?」
栞からの提案に、修吾達も同意する。戦いの疲れもあるのは勿論、回復する為にも軽食を食べる事が必要である。まだお昼には時間があるので、今食べても問題ないだろう。
「じゃあ、寄るとするか!」
零夜も栞の意見に賛同し、そのままお昼を食べる為に飲食店の中に入る。店の名前は「瑠璃光寺カフェ」。そこは軽食専門のお店で、若者には人気である。
「へー、色んなメニューがあるんだ……」
コーネリアはメニュー表を見ながら興味を示していて、ジャンヌ達もどれにするか迷っていた。メニューはコーヒー、ソフトクリームは勿論、飲むういろう、かき氷などもあるのだ。
「俺はコロッケにするよ。ここのコロッケは昔食べた事あるからな」
「コロッケ?」
零夜はコロッケを注文する中、それを見たエヴァがコロッケに興味を示し始める。メニューには山口市の肉屋さんが作ったコロッケと書いていて、凄い人気と言われているのだ。
「零夜が食べたという事は、このコロッケってそんなに人気なの?」
「ああ。忘れられない味だし、金賞受賞した最高のコロッケだ。何時食べても美味いからな」
「じゃあ、私もそれにする!」
零夜の説明を聞いたエヴァは、彼と同じメニューであるコロッケにする。最高のコロッケと聞いたとなると、食べたくなるのも当然であるのだ。
「私もそれにします!」
「私も食べたくなったわ!」
「私もそれにする!」
ルリカ、美津代、コーネリアもコロッケに興味を示し、彼女達もその料理を注文する事を決意した。
エヴァ達はこの世界に来てからコロッケを何度も食べた事があるが、この様なコロッケは初めてである。山口市民としてはソウルフードの一種である為、買いに行くお客さんが多いのだ。
「私は夏季限定メニューのかき氷にするわ」
「私もそれにする!」
「私も!」
「かき氷には興味あるしね」
ミミ、キララ、アミリス、マーリンはかき氷を選択。それを見た倫子達もメニューを決めようとした途端、彼女の目に飲むういろうが目に映る。山口限定しか飲めないので、彼女達は決心と同時にコクリと頷き合った。
「私達は飲むういろうにするわ。初めての飲み物だからチャレンジしないとね」
「なら、我々もそうするとしよう」
倫子達は飲むういろうを注文し、彼女達はそのまま木陰で休む事に。零夜達はそれぞれの食べ物や飲み物を堪能しつつ、穏やかな風で身体を休ませていた。
「零夜。今回の戦いは精神的にキツかったな。まさか元いじめっ子達で構成されていたとは……」
修吾は真剣な表情で先程の戦いを振り返り、零夜も同様に頷いていた。
元町達は零夜を倒そうと躍起になったが、彼に倒された事で人生を狂わされてしまった。その後は辛い時期を乗り越えていたが、異世界転移で零夜に復讐する為にアークスレイヤーに入隊したのだ。
ところが強くなっても零夜達に勝てず、悲願を達成できぬまま死んでしまった。アークスレイヤーの掟とは言えども、いくら何でも残酷過ぎるとしか言えないだろう。
「ああ……奴等とは二度と会いたくなかったからな……アークスレイヤーの奴等、余計な事をしやがって……」
零夜はアークスレイヤーに憎しみを持ちながらも、正直殿町達とは会いたくなかった事を本音に出していた。奴等との思い出は碌な展開ではなく、いっその事忘れたいぐらいだ。
「でも、倒しただけでも良かったじゃない。それにしてもあの子達、残酷な運命を背負わされていたわね……」
「うん……私達でもこればかりはどうしようもないからね……ん?」
ユナのため息にミミも同意する中、スタンプカードが零夜の懐から彼女達の前に姿を現した。同時に山口市のエリアにスタンプが自動的に押され、これで七つ全て揃える事が出来たのだ。
「スタンプカードが出てきたという事は……課題クリアできたんだ!」
「つまり、最後の課題をクリアできたという事は……」
ヒカリとアミリスが推測した途端、彼女達の前にメディア、リリア、トラマツ、ノースマン、サンペイ、トキコが姿を現した。最後の課題がクリアした事を確認したと同時に、駆け付けてきたのだ。
「メディア様!それに皆も!」
「ほう。この方がメディア様か。家の息子がお世話になります」
「私の娘もお世話になっています」
「いえいえ。こちらこそ」
メディアが修吾、哲郎と挨拶を交わした後、トキコが零夜達に視線を移す。彼女はそのままウインドウを出現させたと同時に、とある画面を映し出した。
それはトーナメント出場チーム一覧だが、何処の名前も記録されていなかった。
「お疲れ様。何事も欠ける事なく、あなた達は三つの課題を乗り越える事が出来た。よってブレイブペガサスは、本戦となるトーナメントに一番乗りで進出決定!」
「「「やったー!」」」
トキコが零夜達に報告し、ミミ達は歓声を上げながら喜んでいた。その直後にトーナメント出場チームの一覧が掲載されているウインドウに、ブレイブペガサスの名前が自動的に刻まれたのだ。
「まさか一番乗りとは想定外だが、無事にトーナメントに進出する事ができたな」
「本戦では強豪が集うし、出場チームが揃うまでの期間は強くなる事に専念しましょう!」
「アタイもレベルアップしないといけないし、皆もそうだよな?」
アミリスとソニアの正確な意見に対し、ミミ達も賛同しながら頷いていた。トーナメントまで十分期間がある以上、限界を超えて強くなる必要がある。つまり一番乗りで到達したとなると、長い練習時間を確保できるのだ。
零夜達にとっては一番乗りと長い練習時間の確保となると、まさに一石二鳥と言えるだろう。
「その通りだ!トーナメントに優勝するには、地道に練習あるのみ!旅行から帰ったら特訓だ!」
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