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第六章 山口観光騒動記
第二百十一話 散りゆく者達
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羽田が倒された事で殿町達は動揺してしまい、顔には冷や汗が流れていた。零夜を倒そうと彼ばかり集中していたが、エヴァが羽田を倒した事で動揺を隠せずにいた。周りを見ていなかった事が仇となっただろう。
「馬鹿な……羽田が倒された……」
「零夜の他にも強い者がいたと言うのか……こいつは想定外すぎるぞ……」
沼田と花山が冷や汗を流してしまう中、乗川兄弟が前に出て戦おうとしている。どうやら羽田が倒されたのを見て黙ってはいられないだろう。
「兄ちゃん。ここは俺達二人が立ち向かえばイケるかも知れない!」
「ああ!コンビパワーで倒しに行こうぜ!」
乗川兄弟は素早く駆け出したと同時に、そのまま零夜に襲い掛かってきた。早く彼を始末すればこっちの物だと考えているのだろう。
「「そうはさせない!」」
しかし、ミミとエヴァも黙ってはいられず、乗川兄弟の前に立ちはだかる。そのまま分断させたと同時に、一騎打ちの展開となってしまったのだ。
「「しまった!分断されてしまった!」」
「兄ちゃん、これまずいぞ!」
「俺としてもこれは予想外だ!分断されると……俺達は力が発揮できない……」
まさかの分断された事態に、乗川兄弟は大量の冷や汗を流してしまう。まさに絶体絶命だ。
乗川兄弟は二人一緒に戦うのが特徴で、タッグバトルとなると天下無敵と言えるだろう。しかし、シングルになると滅茶苦茶弱くなり、連携も出来ないとなればボコボコにされてしまう。その弱点をミミとエヴァは見抜いていたのだ。
「やはり分断されると弱くなるのは本当みたいね……」
「一騎打ちとなるならこっちの物!二人共、覚悟しなさい!」
エヴァは太郎、ミミは次郎へと駆け出し、そのまま二人に対して攻撃を仕掛ける。
エヴァはハイキックを繰り出し、太郎の側頭部に直撃。その衝撃で彼の頭に振動が走り、そのままフラフラと仰向けに倒れてしまったのだ。
「太郎がダウン!連携では強いのに、一人になるとこんなに弱かったのでしょうか?」
「くそ……次郎が側に居てくれたら……」
太郎は次郎の方に視線を移すと、彼もまたミミによって追い詰められていた。ピンチになっているのは次郎も同じで、ミミに殴られまくって大ダメージを受けていたのだ。
「兄ちゃん、助けてくれ……」
「じ、次郎……今行くぞ……お前は必ず助けてやる!」
太郎は次郎を助けようと立ち上がろうとするが、背後からエヴァによって捕まってしまう。すると彼女は両腕を回して太郎の腰をクラッチし、そのまま後方へと反り投げしたのだ。
「油断禁物よ!ジャーマンスープレックス!」
「ゲボラ!(ごめん……次郎……)」
エヴァのジャーマンスープレックスが見事炸裂し、太郎はその衝撃で大ダメージを受けてしまう。受け身も取らずに頭から激突した為、そのまま即死してしまったのだ。
「相手にならなかったわね」
「兄ちゃん……!」
エヴァが手を叩いた直後、太郎はそのまま光の粒となって消滅。それを見た次郎の目から涙が流れてしまい、エヴァに対しての怒りが湧き上がってきたのだ。自身の側にいてくれた兄がいなくなってしまった以上、元凶を倒すと決意したのだろう。
「よくも兄ちゃんを!うおおおおお!」
「隙あり!」
「ガハッ!(しまった、俺とした事が……)」
次郎はエヴァに襲い掛かってくるが、ミミの背後からの斬撃で倒されてしまう。エヴァに執着心を出してしまった事が仇となってしまい、ミミに気付かないまま攻撃を受けてしまったのだ。
当然次郎は仰向けに倒れていて、そのまま光の粒となって消滅してしまった。だが、太郎と次郎は何時までも一緒。どんな姿になっても、共に行動するだろう。
「乗川兄弟までやられた……零夜だけじゃなく二人の女も強いとは……」
「やはり俺達じゃ話にならないのか……」
沼田と花山はこの光景に諦めムードが漂っていて、自分達が言っても返り討ちに遭うと実感してしまう。
自分達の想像を遥かに超えているのを目の前にしたら、不安と諦めムードが高まってしまうのが殆ど。沼田と花山もそれに該当するのだ。
「馬鹿野郎!俺達は東を倒そうとしている!こんな状態で諦める奴が何処にいるんだ!」
「「坂巻……」」
それを見た坂巻は我慢できなくなり、二人にやる気を出させようと叱咤激励をする。ここで諦めたら今までの苦労が水の泡となり、何もせずにやられて死んでしまうのがオチである。
「だったら俺達三人で一矢報おう!どんな惨めな姿でも構わない。自殺行為だろうが何だろうが、俺達は俺達のやるべき事に集中するだけだ!」
坂巻からの激励を受けた沼田と花山は、直ぐに目を覚まして戦闘態勢に入る。たとえ実力の差があろうとしても、最後まで諦めずに立ち向かう事に意義があるのだ。
「そうだな……なら、正々堂々立ち向かわないとな」
「小細工無しで全力で戦う。それが俺達かもな!」
沼田と花山は小細工無しと同時に、正々堂々と挑む事を決断。それに坂巻も頷いたと同時に、拳で零夜達に立ち向かい始めようとする。自殺行為と言えるが、立ち向かうにはこうするしか方法はないのだ。
「それでいい!よし、行くぞ!」
「「おう!」」
坂巻、沼田、花山の三人は一斉に駆け出したと同時に、それぞれの必殺技を出そうとする。チャンスは今しか無いとなると、こうするしか方法はないのだ。
「クラッシュキャノン!」
「ナイフ乱れ投げ!」
「ジャグリングボム!」
坂巻は手で生成した波動弾、沼田は次々と投げ飛ばしまくるナイフ、花山はジャグリングボール型の爆弾を、零夜に向けて投げてきた。三人はこの攻撃こそ最後の攻めだと感じているので、こうするしか方法はなかったのだ。
「全力で戦うなら、こちらもそうするのみ!手裏剣乱れ投げ!」
零夜は波動弾、ナイフ、爆弾を次々と回避してしまい、手裏剣を三発投げ飛ばす。すると手裏剣は坂巻、沼田、花山の三人の額に直撃し、見事倒す事に成功したのだ。
(やっぱり……俺達では相手にならなかったな……)
(ああ……だが、最後に東と戦えて良かった……)
(やっぱり敵わないぜ……東零夜!)
坂巻、沼田、花山の三人も消滅してしまい、残るは殿町とラスプーチンの二人になってしまった。一気に六人減らされてしまったデビルキラーズは、絶体絶命となってしまった。
「まさか俺一人だけとなったか……こうなったら、奥の手を使わせてもらう!」
「奥の手だと?」
殿町の宣言に零夜が疑問に感じる中、突然試合終了のゴングが鳴る。全員がスクリーンの画面をよく見ると、ソニアがフラッグを手に入れていたのだ。更にラスプーチンの姿もなく、調べによれば彼はソニアに倒されて消滅したとの事だ。
『零夜、取ったぜ!』
「勝負ありだが……奥の手って何だ?」
零夜達はジト目で殿町に視線を移し、彼は赤面しながらも前を向く。試合は終わってもまだここで諦める理由にはいかないのだ。
「本来はバトルオブスレイヤー以外でするつもりだったが、ここまで追い詰められたとなると使う必要があるからな。今こそ使わせてもらうぜ!禁忌発動!」
殿町は自らのバングルを起動させ、とあるシステムアプリをクリックする。その直後に彼の身体が光に包まれ、大きな怪物の姿に変わってしまったのだ。
頭には三本角、背中には悪魔の翼、身体は尻尾も生えている人型怪物に変化していた。しかも顔は般若の顔である。
「こ、この姿は大型怪物『ハンニャバル』!かつて滅ぼされた最恐最悪の怪物!まさか殿町が姿を変えるとは予想外だーっ!!」
ラビリンの実況に観客達がざわついてしまい、零夜達は冷や汗を流しながらもハンニャバルに視線を移す。バトルオブスレイヤーには勝利したが、殿町が奥の手を使った事でエクストララウンドが始まろうとしていたのだった。
「馬鹿な……羽田が倒された……」
「零夜の他にも強い者がいたと言うのか……こいつは想定外すぎるぞ……」
沼田と花山が冷や汗を流してしまう中、乗川兄弟が前に出て戦おうとしている。どうやら羽田が倒されたのを見て黙ってはいられないだろう。
「兄ちゃん。ここは俺達二人が立ち向かえばイケるかも知れない!」
「ああ!コンビパワーで倒しに行こうぜ!」
乗川兄弟は素早く駆け出したと同時に、そのまま零夜に襲い掛かってきた。早く彼を始末すればこっちの物だと考えているのだろう。
「「そうはさせない!」」
しかし、ミミとエヴァも黙ってはいられず、乗川兄弟の前に立ちはだかる。そのまま分断させたと同時に、一騎打ちの展開となってしまったのだ。
「「しまった!分断されてしまった!」」
「兄ちゃん、これまずいぞ!」
「俺としてもこれは予想外だ!分断されると……俺達は力が発揮できない……」
まさかの分断された事態に、乗川兄弟は大量の冷や汗を流してしまう。まさに絶体絶命だ。
乗川兄弟は二人一緒に戦うのが特徴で、タッグバトルとなると天下無敵と言えるだろう。しかし、シングルになると滅茶苦茶弱くなり、連携も出来ないとなればボコボコにされてしまう。その弱点をミミとエヴァは見抜いていたのだ。
「やはり分断されると弱くなるのは本当みたいね……」
「一騎打ちとなるならこっちの物!二人共、覚悟しなさい!」
エヴァは太郎、ミミは次郎へと駆け出し、そのまま二人に対して攻撃を仕掛ける。
エヴァはハイキックを繰り出し、太郎の側頭部に直撃。その衝撃で彼の頭に振動が走り、そのままフラフラと仰向けに倒れてしまったのだ。
「太郎がダウン!連携では強いのに、一人になるとこんなに弱かったのでしょうか?」
「くそ……次郎が側に居てくれたら……」
太郎は次郎の方に視線を移すと、彼もまたミミによって追い詰められていた。ピンチになっているのは次郎も同じで、ミミに殴られまくって大ダメージを受けていたのだ。
「兄ちゃん、助けてくれ……」
「じ、次郎……今行くぞ……お前は必ず助けてやる!」
太郎は次郎を助けようと立ち上がろうとするが、背後からエヴァによって捕まってしまう。すると彼女は両腕を回して太郎の腰をクラッチし、そのまま後方へと反り投げしたのだ。
「油断禁物よ!ジャーマンスープレックス!」
「ゲボラ!(ごめん……次郎……)」
エヴァのジャーマンスープレックスが見事炸裂し、太郎はその衝撃で大ダメージを受けてしまう。受け身も取らずに頭から激突した為、そのまま即死してしまったのだ。
「相手にならなかったわね」
「兄ちゃん……!」
エヴァが手を叩いた直後、太郎はそのまま光の粒となって消滅。それを見た次郎の目から涙が流れてしまい、エヴァに対しての怒りが湧き上がってきたのだ。自身の側にいてくれた兄がいなくなってしまった以上、元凶を倒すと決意したのだろう。
「よくも兄ちゃんを!うおおおおお!」
「隙あり!」
「ガハッ!(しまった、俺とした事が……)」
次郎はエヴァに襲い掛かってくるが、ミミの背後からの斬撃で倒されてしまう。エヴァに執着心を出してしまった事が仇となってしまい、ミミに気付かないまま攻撃を受けてしまったのだ。
当然次郎は仰向けに倒れていて、そのまま光の粒となって消滅してしまった。だが、太郎と次郎は何時までも一緒。どんな姿になっても、共に行動するだろう。
「乗川兄弟までやられた……零夜だけじゃなく二人の女も強いとは……」
「やはり俺達じゃ話にならないのか……」
沼田と花山はこの光景に諦めムードが漂っていて、自分達が言っても返り討ちに遭うと実感してしまう。
自分達の想像を遥かに超えているのを目の前にしたら、不安と諦めムードが高まってしまうのが殆ど。沼田と花山もそれに該当するのだ。
「馬鹿野郎!俺達は東を倒そうとしている!こんな状態で諦める奴が何処にいるんだ!」
「「坂巻……」」
それを見た坂巻は我慢できなくなり、二人にやる気を出させようと叱咤激励をする。ここで諦めたら今までの苦労が水の泡となり、何もせずにやられて死んでしまうのがオチである。
「だったら俺達三人で一矢報おう!どんな惨めな姿でも構わない。自殺行為だろうが何だろうが、俺達は俺達のやるべき事に集中するだけだ!」
坂巻からの激励を受けた沼田と花山は、直ぐに目を覚まして戦闘態勢に入る。たとえ実力の差があろうとしても、最後まで諦めずに立ち向かう事に意義があるのだ。
「そうだな……なら、正々堂々立ち向かわないとな」
「小細工無しで全力で戦う。それが俺達かもな!」
沼田と花山は小細工無しと同時に、正々堂々と挑む事を決断。それに坂巻も頷いたと同時に、拳で零夜達に立ち向かい始めようとする。自殺行為と言えるが、立ち向かうにはこうするしか方法はないのだ。
「それでいい!よし、行くぞ!」
「「おう!」」
坂巻、沼田、花山の三人は一斉に駆け出したと同時に、それぞれの必殺技を出そうとする。チャンスは今しか無いとなると、こうするしか方法はないのだ。
「クラッシュキャノン!」
「ナイフ乱れ投げ!」
「ジャグリングボム!」
坂巻は手で生成した波動弾、沼田は次々と投げ飛ばしまくるナイフ、花山はジャグリングボール型の爆弾を、零夜に向けて投げてきた。三人はこの攻撃こそ最後の攻めだと感じているので、こうするしか方法はなかったのだ。
「全力で戦うなら、こちらもそうするのみ!手裏剣乱れ投げ!」
零夜は波動弾、ナイフ、爆弾を次々と回避してしまい、手裏剣を三発投げ飛ばす。すると手裏剣は坂巻、沼田、花山の三人の額に直撃し、見事倒す事に成功したのだ。
(やっぱり……俺達では相手にならなかったな……)
(ああ……だが、最後に東と戦えて良かった……)
(やっぱり敵わないぜ……東零夜!)
坂巻、沼田、花山の三人も消滅してしまい、残るは殿町とラスプーチンの二人になってしまった。一気に六人減らされてしまったデビルキラーズは、絶体絶命となってしまった。
「まさか俺一人だけとなったか……こうなったら、奥の手を使わせてもらう!」
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『零夜、取ったぜ!』
「勝負ありだが……奥の手って何だ?」
零夜達はジト目で殿町に視線を移し、彼は赤面しながらも前を向く。試合は終わってもまだここで諦める理由にはいかないのだ。
「本来はバトルオブスレイヤー以外でするつもりだったが、ここまで追い詰められたとなると使う必要があるからな。今こそ使わせてもらうぜ!禁忌発動!」
殿町は自らのバングルを起動させ、とあるシステムアプリをクリックする。その直後に彼の身体が光に包まれ、大きな怪物の姿に変わってしまったのだ。
頭には三本角、背中には悪魔の翼、身体は尻尾も生えている人型怪物に変化していた。しかも顔は般若の顔である。
「こ、この姿は大型怪物『ハンニャバル』!かつて滅ぼされた最恐最悪の怪物!まさか殿町が姿を変えるとは予想外だーっ!!」
ラビリンの実況に観客達がざわついてしまい、零夜達は冷や汗を流しながらもハンニャバルに視線を移す。バトルオブスレイヤーには勝利したが、殿町が奥の手を使った事でエクストララウンドが始まろうとしていたのだった。
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