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第六章 山口観光騒動記

第百九十話 健康パークでリフレッシュ

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 刺客である川松が死んだ事で、健康パークは難なく開放する事が出来た。それを聞いた鶴松は大喜びで、マーリンの手を取りながら涙を流していた。

「ありがとうございます!本当に助かりました!なんとお礼を言っていいか……」
「いえいえ。大した事じゃないですし、倒したのは日和ですから」

 マーリンは苦笑いしながら日和に視線を移し、彼女はペコリと頭を下げながら一礼。日和が素早く動いたからこそ、ダメージを受けずに早く倒す事ができたのだ。今回の戦いの功労者は、日和で間違いないだろう。

「今、スタッフさん達が再び開業できる事を伝えていますが、再開できるのは明日となりそうです。今日はあなた達の貸し切りなので、思いっきり楽しんでください!」
「「「やったー!」」」
(まさか貸し切りとはな……まあ、いいか)

 潔からのお礼にミミ達は喜んでいて、零夜は苦笑いをしながらもそのお礼を受け入れる事にした。
 川松のせいで入れないお客の事を考えたら、少し悪い思いをしたと感じてしまう。だが、お客の安全の事を考えたら、適度な判断と言えるしかない。零夜はそれを心に受け入れたと同時に、そのままプールに遊びに向かい出した。



「「「イヤッホーイ!」」」

 ミミ、キララ、コーネリア、ソニア、杏の五人はウォータースライダーを滑りながら、笑顔で精一杯楽しんでいた。流れるスピードもスリルがあって調子が良く、お客もいないので迷惑をかける事もないのだ。

「もう少しよ。頑張って!」
「うん!」
「まだやれる?」
「勿論!」

 アミリスとマーリンは倫子と日和に泳ぎを指導していて、今ではバタ足が上手くなっている。このまま行けば自由形であるクロールの泳ぎ方も、自力で出来るようになるだろう。

「楽ちん楽ちん」
「のんびりできるわね」
「こんなプールもあるのですね」
「昼寝したくなるわね」

 ヒカリ、美津代、ジャンヌ、マリーは流れるプールでのんびりしていた。泳がなくても楽なので、彼女達はその方が適任だろう。

「私達は普通に泳げるわね」
「ええ!」
「負けませんよ!」

 エヴァ、ルリカ、ジェニーは普通のプールで泳ぎながら、充実した運動を満喫している。彼女達は基本運動系なので、泳ぐ事も得意なのだ。

(皆、リフレッシュできて楽しんでいるな……)

 零夜はこの様子を見ながら、滝の出るプールで滝行をしていた。忍者は精神力を鍛えるのが主であり、滝行もその内の一つに入る。彼は真っ先にここに来たのは言うまでも無いだろう。

(やっぱり俺はこの方が似合うかもな)

 零夜は心から思いながら滝行を続けている中、エヴァが隣に移動してきた。泳ぎを満喫したので次に行こうとしたその時、零夜の姿を見て滝行しようと決めたのだ。

「隣良いかな?」
「別に良いけど……」

 エヴァは零夜の隣に移動し、彼と共に滝行を開始する。滝の強さは普通位となっているが、エヴァにとっては問題ないだろう。

「零夜はヒーローアイランドでも滝行をしていると聞いたけど、あれ毎日しているの?」

 エヴァは前から気になる事を、零夜に質問してきた。ヒーローアイランドに住む様になってから、毎朝一番に滝行をしている事を目撃している。普通なら一ヶ月ぐらいだが、毎日やるのは異常過ぎるだろう。

「ああ。忍者は精神力が必要だからな。だからこそ、滝行は日課となっている。エヴァも毎日やれば良いのに」
「いや、流石に勘弁かな……」

 零夜は説明したと同時にエヴァにも勧めるが、彼女は苦笑いしながら拒否する。毎日滝行なんかしたら風邪をひく事もあり得るので、あまりしたくない気持ちが強いと言えるだろう。
 その様子を見たルリカとジェニーも滝行に参加し、滝に打たれながら精神を鍛え始める。ルリカは零夜のやる事に興味を示し、ジェニーは武術家としての意地があるので参加し始めたのだ。

「零夜様、滝行が終わったら温泉に入りましょう。ここは天然温泉で疲れも癒されますよ」
「そうだな。終わり次第皆で入るとするか!」
「「「賛成!」」」

 ルリカが健康パークの温泉について説明し、零夜は皆で入る事を提案。それに彼女達も同意して、滝行が終わったと同時に温泉に入る事になったのだ。



 プールから温泉に移動した零夜達は、男女別に分かれて温泉を楽しんでいた。展望風呂、水素風呂、トロン湯、泡風呂、露天風呂、サウナがあり、皆はそれぞれの風呂に入って疲れを癒していた。

「下松にこんな温泉があるなんて驚いたわね」
「ええ。零夜君が紹介した温泉、気持ちいいです~」

 倫子と日和は温泉を満喫していて、他の皆もゆっくりと湯船に浸かりながら満喫していた。下松では健康パークを選んで大正解だと言えるし、また行きたくなる気持ちも強くなるだろう。

「上がったらお昼はここで食べましょう。メニューも豊富と聞いているわ」
「そうね。今はハワイアン料理があるけど、気に入った物を注文して食べましょう」
「「「はーい!」」」

 ミミの提案に倫子も頷き、メニューについては気に入った物を頼んで食べる事を提案。それにエヴァ達も返事をしながら同意している中、零夜は一人で露天風呂に入っていた。

「ふぃー……癒やされるぜ……」

 零夜はゆっくりと湯船に浸かりながら疲れを癒し、外の景色に視線を移していた。穏やかな風が彼に当たっている為、丁度いい温度で気持ち良さを感じていたのだ。



 その後、お昼は皆でそれぞれの料理を注文。ハワイアンプレート、ロコモコ丼、エビマヨ丼定食、カレー、さばの味噌煮定食、味噌カツ丼、天ぷらざる蕎麦、おにぎり、ポテト、たこ焼きなどを注文し、皆でシェアしながら食べまくっていた。

「美味しい、このハワイアンプレートの料理!」
「ロコモコ丼も美味いな!」
「はい、たこ焼き」
「ありがとうございます!」

 皆が仲良く料理を食べていたその時、彼等の目の前にスタンプカードが光りながら姿を現したのだ。

「あっ、このパターン……」

 ジェニーが推測したその時、スタンプが自動的に映し出されていく。これで下松と光エリアもクリアし、残るエリアはあと五つとなったのだ。

「下松は健康パークでクリアみたいだな。後は周南、防府、萩と阿東徳佐、山口、宇部と下関の五つだ」
「刺客達もまだいるし、油断は出来ない。その時は精一杯立ち向かわないとな!」

 ソニアと杏の意見に全員が頷く中、ヒカリが店員に視線を移しながら声を掛けていた。

「すいません!ホットケーキお願いします!」
「はーい!」
「「「ららーっ!」」」
(まだ食べるのかよ……)

 ヒカリがホットケーキを注文した事で、その場にいた零夜達がずっこけるのも無理ない。何はともあれ、下松と光はクリアしたのだった。
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