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第六章 山口観光騒動記
第百八十五話 旅行の始まり
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そして旅行当日、零夜達は既に準備を終えて出発しようとしていた。見送りにはメディア達がいて、彼等の旅の安全を心から願っていたのだ。
「皆、気を付けてね!」
「ええ。必ず戻ってきます!」
メディアの見送りに零夜は笑顔で応え、彼等はそのまま山口県へと転移した。するとサンペイが慌てた様子で駆け付けてきて、皆が彼の方に視線を移す。
「どうしたの?」
「大変だ!アークスレイヤーが仕事人を派遣したそうだ!目的は零夜達の始末だ!」
「「「ええっ!?」」」
サンペイからの報告に、メディア達は驚きを隠せずにいた。まさかアークスレイヤーが刺客を放っていただけでなく、仕事人まで用意していたとは想定外だろう。このままでは観光は大変な事になる。
「となると、ここは通信で敵が来る事を伝えた方がいいわね。トラマツ、ノースマン。彼等の事をお願いするわ!」
「「はっ!」」
メディアは零夜達の身に危険な展開がすると感じ取り、トラマツとノースマンに零夜達への連絡をお願いする。それに彼等は承諾したと同時に、すぐに任務へと駆け出し始めたのだった。
※
さて、山口県に到着した零夜達は、辺りを見回しながら着いた事を確認する。今いる場所は岩国であり、人があまりいない場所に到着しているのだ。
「よし。無事に岩国に着いたみたいだな。じゃあ、今から……「わーい!」エヴァァァァァァァ!」
零夜が言い切ろうとしたその時、エヴァが彼の手を引っ張りながら何処かに向かおうとしていた。それに零夜が叫んだと同時に、マーリン達が慌てながら止めに向かい始めた。
※
「全く……遊びに来たんじゃないんだよ……」
エヴァはミミ達に捕まってしまい、零夜から注意を受けていた。彼女の身体は縄で縛られていて、不満そうな表情をするのも無理ない。
「今回は課題の為の観光!勝手な行動は厳禁だから!」
「だって、零夜と遊びに行きたかったんだもん……」
「だからと言って二人きりは駄目だからね!」
零夜とミミからの指摘にエヴァは頬を膨らましていて、ヒカリがよしよしと彼女の頭を撫でていた。勝手な行動は厳禁となる為、注意されるのは当然と言えるだろう。
「ともかく岩国に着いたからな。まずは目的地となる錦帯橋へ向かうぞ」
「そうだな。確かソフトクリームのお店があると言っていたが、どんな店だ?」
ソニアの指示に杏も頷く中、彼女はソフトクリームの店が気になっていた。錦帯橋周辺には多くの種類のソフトクリームがある店が二つあり、多くの客が多く寄っているのだ。
「確か……あそこにあるぞ」
零夜が指差す方を見ると、錦帯橋の向かい側に二つのソフトクリーム店があった。一つは岩国城側にあり、もう一つはバス停側にあったのだ。
「二つあるのですね……まあ、商売としてはライバルがある方が燃え上がりますし」
「で、店の名前は何なの?」
「看板があるわ」
ジャンヌは苦笑いしながら店の様子を確認していて、マリーは店の名前についてミミに質問する。彼女は看板を指差しながら説明し、そこには「ソフトクリーム東風」と「西雲食事処」と書いてあったのだ。
因みにソフトクリーム東風は岩国城、西雲食事処はバス停にある。
「どちらも種類が多い分、どれにしようか迷うかというところよ。まあ、店によって種類は色々違うけどね」
「なるほどね……じゃあ、錦帯橋を渡ってから東風に行きましょう!」
ミミの説明を聞いたマリーは、まずは東風に行く事を提案。それに皆も同意し、錦帯橋を渡る為にチケットを買いに向かい出した。
※
錦帯橋の真下では、仕事人の一人が零夜達が来た事を確認していた。仕事人はそのまますぐにリーダーの男に連絡する。
「来ました。ブレイブペガサスです」
『そうか。では、お前のやり方で奴等を始末しろ』
「了解しました。岩国と柳井エリアはこの私にお任せを」
仕事人はリーダーとの連絡を切ったと同時に、すぐにその場から移動する。零夜達を始末する為に……
※
錦帯橋のチケットを買った零夜達は、歩きながら橋を渡る。錦帯橋の橋はアーチ型の橋となっているので、所々に階段があるのだ。
「凄い……錦帯橋ってアーチ型になっているんだ……」
「ああ。日本三名橋や日本三大奇橋に数えられており、名勝に指定されているからな」
キララが橋を渡りながら錦帯橋の凄さを実感していて、零夜がそれについて説明する。錦帯橋は日本の名橋の一つであり、凌雲橋、五竜橋、帯雲橋、算盤橋などとも呼ばれているのだ。
「そうなのですね。あと、ここでは桜の名所と聞いていますし、日本さくら名所百選に選定されています。春になったら皆で見に行きましょう!」
ルリカは錦帯橋の桜が見事だと調べていて、春に桜を見に行く事を提案。それに皆も同意する中、アミリスが敵の気配を察していた。
「どうした?」
「何か敵の気配がするわ。しかも、こちらに近付いて来る!」
「「「!?」」」
アミリスの察知能力に全員が警戒態勢に入る中、橋の下から仕事人が飛び出してきた。彼はローブを脱ぎ去ると、その姿は背中に黒い羽が生えていて、忍者の服を着ていた。まさにアサシンと言えるべきだろう。
「何者だ!?」
「俺は仕事人の一人、影の鳥丸だ!」
鳥丸は自ら自己紹介したと同時に、戦闘態勢に入る。するとウインドウが飛び出し、彼のデータが映り出した。
影の鳥丸
神出鬼没で不意打ち攻撃をするトリッキー戦士。
空を飛ぶ事を得意とするだけでなく、影になって姿を消す事が可能である。
「まさか観光途中に敵が出てくるなんて……」
「恐らくアークスレイヤーの仕業だけど、立ち向かうからには要注意よ!」
マーリンが呆然とするが、コーネリアの忠告に全員が戦闘態勢に入る。折角の旅行なのに奇襲とはあり得ないが、こうなると戦うしかないだろう。
すると鳥丸が倫子の背後に移動し、彼女は危機感を察して後ろを向く。しかし、背後には誰もいなくなっていて、鳥丸の姿もなかった。
「いない?」
倫子が鳥丸を見失ってしまい、キョロキョロと辺りを見回し始める。そう。鳥丸は倫子の影と同化して姿を消したのだ。
(フッフッフ……この俺を倒す事は不可能だ……せいぜい足掻が良い……)
鳥丸が心の中でニヤリと笑っていたその時、そこに子犬が通り掛かる。種類はペキニーズだが、野良犬である事に間違いない。
「あっ、子犬」
「可愛いですね」
倫子達が子犬の姿に興味を持つ中、突如影となった鳥丸の上でピタッと止まってしまう。子犬はそのまま……ジョーッと小便をしてしまったのだ。
「ギャアアアアアアアア!!」
小便をかけられた鳥丸は悲鳴で影から元の姿になり、そのまま橋の下の川にドボンと飛び込んでしまった。この様子に零夜達は唖然としていて、子犬は倫子が優しく抱っこしている。
鳥丸は姿を消す為に影となって消えるのは良かった。しかし、通り掛かる人達に潰されるだけでなく、水などを掛けられたりするのが欠点である。其の為、小便をかけられるのも無理ないのだ。
「……なんだこれ?」
「「「さあ……」」」
零夜からの質問にミミ達が唖然とする中、鳥丸は川の底から姿を現した。小便の匂いは消えているが、身体は水で濡れている。しかも羽まで濡れているとなると、動きが鈍くなるだろう。
「クソッ!犬のせいでびしょ濡れになったが、勝負はこれからだ!」
鳥丸は零夜達に宣言したと同時に、再び戦闘態勢に入る。彼との戦いは始まったばかりなのだ。
「皆、気を付けてね!」
「ええ。必ず戻ってきます!」
メディアの見送りに零夜は笑顔で応え、彼等はそのまま山口県へと転移した。するとサンペイが慌てた様子で駆け付けてきて、皆が彼の方に視線を移す。
「どうしたの?」
「大変だ!アークスレイヤーが仕事人を派遣したそうだ!目的は零夜達の始末だ!」
「「「ええっ!?」」」
サンペイからの報告に、メディア達は驚きを隠せずにいた。まさかアークスレイヤーが刺客を放っていただけでなく、仕事人まで用意していたとは想定外だろう。このままでは観光は大変な事になる。
「となると、ここは通信で敵が来る事を伝えた方がいいわね。トラマツ、ノースマン。彼等の事をお願いするわ!」
「「はっ!」」
メディアは零夜達の身に危険な展開がすると感じ取り、トラマツとノースマンに零夜達への連絡をお願いする。それに彼等は承諾したと同時に、すぐに任務へと駆け出し始めたのだった。
※
さて、山口県に到着した零夜達は、辺りを見回しながら着いた事を確認する。今いる場所は岩国であり、人があまりいない場所に到着しているのだ。
「よし。無事に岩国に着いたみたいだな。じゃあ、今から……「わーい!」エヴァァァァァァァ!」
零夜が言い切ろうとしたその時、エヴァが彼の手を引っ張りながら何処かに向かおうとしていた。それに零夜が叫んだと同時に、マーリン達が慌てながら止めに向かい始めた。
※
「全く……遊びに来たんじゃないんだよ……」
エヴァはミミ達に捕まってしまい、零夜から注意を受けていた。彼女の身体は縄で縛られていて、不満そうな表情をするのも無理ない。
「今回は課題の為の観光!勝手な行動は厳禁だから!」
「だって、零夜と遊びに行きたかったんだもん……」
「だからと言って二人きりは駄目だからね!」
零夜とミミからの指摘にエヴァは頬を膨らましていて、ヒカリがよしよしと彼女の頭を撫でていた。勝手な行動は厳禁となる為、注意されるのは当然と言えるだろう。
「ともかく岩国に着いたからな。まずは目的地となる錦帯橋へ向かうぞ」
「そうだな。確かソフトクリームのお店があると言っていたが、どんな店だ?」
ソニアの指示に杏も頷く中、彼女はソフトクリームの店が気になっていた。錦帯橋周辺には多くの種類のソフトクリームがある店が二つあり、多くの客が多く寄っているのだ。
「確か……あそこにあるぞ」
零夜が指差す方を見ると、錦帯橋の向かい側に二つのソフトクリーム店があった。一つは岩国城側にあり、もう一つはバス停側にあったのだ。
「二つあるのですね……まあ、商売としてはライバルがある方が燃え上がりますし」
「で、店の名前は何なの?」
「看板があるわ」
ジャンヌは苦笑いしながら店の様子を確認していて、マリーは店の名前についてミミに質問する。彼女は看板を指差しながら説明し、そこには「ソフトクリーム東風」と「西雲食事処」と書いてあったのだ。
因みにソフトクリーム東風は岩国城、西雲食事処はバス停にある。
「どちらも種類が多い分、どれにしようか迷うかというところよ。まあ、店によって種類は色々違うけどね」
「なるほどね……じゃあ、錦帯橋を渡ってから東風に行きましょう!」
ミミの説明を聞いたマリーは、まずは東風に行く事を提案。それに皆も同意し、錦帯橋を渡る為にチケットを買いに向かい出した。
※
錦帯橋の真下では、仕事人の一人が零夜達が来た事を確認していた。仕事人はそのまますぐにリーダーの男に連絡する。
「来ました。ブレイブペガサスです」
『そうか。では、お前のやり方で奴等を始末しろ』
「了解しました。岩国と柳井エリアはこの私にお任せを」
仕事人はリーダーとの連絡を切ったと同時に、すぐにその場から移動する。零夜達を始末する為に……
※
錦帯橋のチケットを買った零夜達は、歩きながら橋を渡る。錦帯橋の橋はアーチ型の橋となっているので、所々に階段があるのだ。
「凄い……錦帯橋ってアーチ型になっているんだ……」
「ああ。日本三名橋や日本三大奇橋に数えられており、名勝に指定されているからな」
キララが橋を渡りながら錦帯橋の凄さを実感していて、零夜がそれについて説明する。錦帯橋は日本の名橋の一つであり、凌雲橋、五竜橋、帯雲橋、算盤橋などとも呼ばれているのだ。
「そうなのですね。あと、ここでは桜の名所と聞いていますし、日本さくら名所百選に選定されています。春になったら皆で見に行きましょう!」
ルリカは錦帯橋の桜が見事だと調べていて、春に桜を見に行く事を提案。それに皆も同意する中、アミリスが敵の気配を察していた。
「どうした?」
「何か敵の気配がするわ。しかも、こちらに近付いて来る!」
「「「!?」」」
アミリスの察知能力に全員が警戒態勢に入る中、橋の下から仕事人が飛び出してきた。彼はローブを脱ぎ去ると、その姿は背中に黒い羽が生えていて、忍者の服を着ていた。まさにアサシンと言えるべきだろう。
「何者だ!?」
「俺は仕事人の一人、影の鳥丸だ!」
鳥丸は自ら自己紹介したと同時に、戦闘態勢に入る。するとウインドウが飛び出し、彼のデータが映り出した。
影の鳥丸
神出鬼没で不意打ち攻撃をするトリッキー戦士。
空を飛ぶ事を得意とするだけでなく、影になって姿を消す事が可能である。
「まさか観光途中に敵が出てくるなんて……」
「恐らくアークスレイヤーの仕業だけど、立ち向かうからには要注意よ!」
マーリンが呆然とするが、コーネリアの忠告に全員が戦闘態勢に入る。折角の旅行なのに奇襲とはあり得ないが、こうなると戦うしかないだろう。
すると鳥丸が倫子の背後に移動し、彼女は危機感を察して後ろを向く。しかし、背後には誰もいなくなっていて、鳥丸の姿もなかった。
「いない?」
倫子が鳥丸を見失ってしまい、キョロキョロと辺りを見回し始める。そう。鳥丸は倫子の影と同化して姿を消したのだ。
(フッフッフ……この俺を倒す事は不可能だ……せいぜい足掻が良い……)
鳥丸が心の中でニヤリと笑っていたその時、そこに子犬が通り掛かる。種類はペキニーズだが、野良犬である事に間違いない。
「あっ、子犬」
「可愛いですね」
倫子達が子犬の姿に興味を持つ中、突如影となった鳥丸の上でピタッと止まってしまう。子犬はそのまま……ジョーッと小便をしてしまったのだ。
「ギャアアアアアアアア!!」
小便をかけられた鳥丸は悲鳴で影から元の姿になり、そのまま橋の下の川にドボンと飛び込んでしまった。この様子に零夜達は唖然としていて、子犬は倫子が優しく抱っこしている。
鳥丸は姿を消す為に影となって消えるのは良かった。しかし、通り掛かる人達に潰されるだけでなく、水などを掛けられたりするのが欠点である。其の為、小便をかけられるのも無理ないのだ。
「……なんだこれ?」
「「「さあ……」」」
零夜からの質問にミミ達が唖然とする中、鳥丸は川の底から姿を現した。小便の匂いは消えているが、身体は水で濡れている。しかも羽まで濡れているとなると、動きが鈍くなるだろう。
「クソッ!犬のせいでびしょ濡れになったが、勝負はこれからだ!」
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