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第五章 ハルバータの姫君

第百七十一話 マギアスとの戦い

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 マギアスとの戦いが始まりを告げられ、まずはマーリンの攻撃で砲台を破壊する事に成功。しかし、マギアスも負けじとミサイルポッドからミサイルを次々と発射しまくり、零夜達は空を飛びながら次々と回避していた。
 ミサイルは空中で爆破したり、地面に激突して爆発を起こした。その爆発範囲はとても広い為、爆風によってゲルダとジャミラがダメージを受けてしまった。
 
「「キャッ!」」
「ゲルダ、ジャミラ!」

 爆風で吹き飛ばされたゲルダとジャミラは、地面に身体を打ち付けてダメージを受けてしまう。すかさずアメリアは倒れている二人に向け、回復の光線を放つ。

「これで回復してください!キュアウェーブ!」

 回復の光線は波動の様に発動され、ダメージを受けたゲルダとジャミラの傷を回復させる。すると傷はあっという間に消えてしまい、普通に立つ事ができたのだ。

「姫様、ありがとうございます!」
「いえいえ。それよりもまだやれますか?」
「ええ!」

 ゲルダとジャミラはアメリアに対してお礼を言った後、そのままマギアスとの戦いに挑み始める。すると敵は片方の砲台から大砲の弾を発射し始め、その弾はアメリアに襲い掛かってきたのだ。

「姫様!危ないですぞ!」
「くっ!」

 レジーの呼びかけにアメリアは逃げようとするが、弾は彼女に当たろうとしていく。このままだとダメージ確定は免れないと思ったその時だった。

「させません!カウンターシールド!」
「ルリカ!」

 なんとルリカが盾を前に突き出し、カウンターで見事弾を弾き返す事に成功。そのまま跳ね返った弾はマギアスの前面装甲に直撃し、大爆発を起こしてしまった。

「うまく弾き返す事に成功しました!」
「あなたがいなかったら、私はダメージを受けていたのかも知れません。お見事です!」

 ルリカの行動にアメリアが称賛する中、彼女達は爆発の起きた場所に視線を移す。煙が晴れた途端、前面装甲は一部が黒焦げとなっていた。ところが、あまりダメージは与えてなく、傷も少ししか付いてないのだ。

「あの装甲はとても固く、そう簡単にはいきませんね。こうなると徹底的に抗戦するしかありません」
「ええ。破壊するまで何度でも攻撃しましょう!かかれー!」

 ルリカのアドバイスにアメリアも同意し、そのままマギアスの前面装甲に集中攻撃を仕掛け始める。しかしどれだけ攻撃しても傷一つ付かず、焼け石に水となっているのだ。

「全然効かないなんて……このままだとまずいですね……」

 アメリアが冷や汗を流したその時、マギアスの前面装甲から蒸気が出ていた。そこには蒸気を出す穴があり、プシューと音を鳴らしていた。その穴の大きさは弓矢が通れる程で、ゲルダの頭の中に閃きが浮かんだ。

「アメリア姫。ここは私が参ります!私の弓矢なら前面装甲を破壊できます!」

 ゲルダは弓矢を構えながらアメリアに宣言し、そのままマギアスの前面装甲に向けて狙いを定め始める。そこにある穴がカギだとすれば、そのチャンスは見逃せないだろう。

「ゲルダ、何か策でもあるのですか?」
「ええ。あの穴に弓矢を通せるのなら、この一発で破壊してみせましょう!はっ!」

 アメリアの質問にゲルダは冷静に応え、そのまま弓矢をマギアスの前面装甲に向けて発射した。すると弓矢は前面装甲の穴の中にスッポリと入ってしまい、そのまま大爆発を起こしたのだ。

「グオオオオオオオ!!」
「「「!?」」」

 今の爆発でマギアスが苦しんだだけでなく、前面装甲が破壊されて地面に次々と落ちていく。どんなに硬い装甲でも、内部からの爆発には弱かったのだ。

「弓矢が爆発し、前面装甲が外れるなんて……」
「ええ……私達も予想外でした……」
「ゲルダがまさかこんな技を覚えているとは……驚きましたな……」

 アメリア達がこの光景にポカンとするしかなく、ゲルダはウインクしながら指を鳴らしていた。今の光景ができたのは、弓矢に仕掛けがあるのだろう。

「ええ。今の弓矢はボムアロー。爆発できる弓矢と言われます。今回は火薬の量を増やしまして、ダイナマイト級の威力にしました」

 ゲルダは先程放った弓矢について説明し、アメリア達は納得の表情をしていた。
 ボムアローは爆発する弓矢の技であり、属性や火薬の量を変える事で威力や効果も違う。今回放ったのは無属性でありながらも、火薬の量を多めにした。その結果、前面装甲を破壊し、大ダメージも与えたのだ。

「そうだったのですね。ゲルダ、あなたの策略はお見事です!」
「ありがとうございます!そう褒められると嬉しいです!」

 アメリアに褒められたゲルダが笑顔を見せたその時、マギアスが怒りで活性化してしまう。前面装甲が破壊された部分から、蒸気が大量に噴き出している。近付いたら吹き飛ばされるのは確定だろう。

「やはり怒りで活性化したか。だが、奴はレーザーガンもある限り、上手く近付く事は不可能だ!」
「となると、ここは遠距離の魔術でレーザーガンを破壊しないとな!ファイアーボール!」

 シオンからのアドバイスにソニアは納得し、カタールから火の球を次々と召喚して発射しまくる。火の球はレーザーガンに襲い掛かるが、そこから発射されるレーザーによって、次々と爆発されてしまったのだ。

「チッ!爆発されたか!そう簡単にはいかないか!」
「それなら私が!アイスロックキャノン!」

 ソニアが悔しそうな表情で顔をしかめる中、シナモンが氷の岩を召喚し、次々とレーザーガンに突撃し始める。
 シナモンは魔術の腕前はトップクラスである為、どんな魔術も余裕で発動する事ができる。更に回復術も得意である為、魔術界の神童と呼ばれていたのだ。

「これならいくらレーザーガンでも……」

 シナモンが拳を握りながら成功する事を確信するが、レーザーガンから放たれた光線が氷の岩を貫通。そのまま爆発を起こして破壊されてしまったのだ。

「そんな……!私のアイスロックが破壊されるなんて……」

 シナモンが予想外の展開に冷や汗を流したその時、破壊された氷の岩の破片がレーザーガンの一つに直撃。そのまま大爆発を起こしてしまい、使い物にならなくなったのだ。

「嘘でしょ!?破片でレーザーガンが爆発した!?」
「待ってシナモン、もしかするとあの魔術なら使えるじゃない?」
「それもそうかもね!」

 予想外の展開にシナモンが驚く中、その様子を見たゲルダが彼女にアドバイスを送る。それにシナモンが真剣な表情で頷いたと同時に、今度は氷の鏃を次々と召喚。そのまま残りのレーザーガンに狙いを定め、杖を前方に向けた。

「やり方が分かったなら、ここで決める!サーチアイスキャノン!」

 シナモンの合図と同時に、氷の鏃が次々とレーザーガンに向けて発射される。鏃はレーザーガンに次々と当たり、爆発を起こして破壊に成功したのだ。

「レーザーガン破壊成功!ここからが本番です!」
「ええ。あとは砲台の方の様ね。零夜さん、お願い致します!」

 シナモンの報告にアメリアは冷静に頷き、砲台を破壊している零夜達に視線を移す。そのまま彼等の活躍を心から祈り始めた。
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