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第四章 エルフの森の怪物騒動
第百二十九話 襲来のアルバータドラゴン
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フリードからのまさかの報告に全員が驚きを隠せない中、風子は冷静さを取り戻して彼に視線を移していた。彼女も驚きを隠せない事もあるが、すぐに切り替えて冷静に対処する事が可能である。まさにリーダーとしては相応しいだろう。
「報告感謝するが、奴は何処にいるのか気になるな」
「アークスレイヤーのアジトのある方角から来る。敵の様子も確認したが、このエルフの森を滅ぼそうとしていそうだ」
「となると……戦うしか方法はないみたいだな」
フリードからの報告に風子は冷静に対処し、即決にアルバータドラゴンと戦う事を決断した。訓練が終わった後の襲撃は予想外としか言えないが、エルフの森を守る為には戦わなければならないのだ。
「そうですね……けど、アルバータドラゴンが単独で向かうのには何か裏があります。恐らくアークスレイヤーの支部基地から脱走したんじゃ……」
零夜が真剣な表情でアルバータドラゴンの行動を推測する中、アミリスは千里眼を駆使しながらアルバータドラゴンの様子を観察し始める。すると、彼女の脳内にアルバータドラゴンの情報が流れ込んできた。
「分かったわ!アルバータドラゴンは支部基地から脱走したのは勿論、自身を倒した者達に復讐をしようとしているの!」
「逆恨みという事か……本当に懲りない奴だぜ……」
アミリスからの情報を聞いたソニアは、ワナワナと震えながら拳を強く握りしめる。
元はと言えばアルバータドラゴンが悪事を犯していて、最終的には多くの戦士達によって討伐されてしまった。しかしヒューラーによって復活を果たし、彼等を根絶やしする為に復讐の行動に出たのだ。
これに関しては零夜達も黙ってはいられないだろう。
「ともかく、急ぐぞ!奴等の好き勝手にさせない為にも、俺達で止めるしかない!」
「そうですね。すぐに急ぎましょう!」
「これ以上奴等の好き勝手にはさせない!全員向かうぞ!」
「「「おう!」」」
ブレイブペガサス、美津代、サンペイは急いでアルバータドラゴンの暴走を止めに向かい、すぐさま部屋から飛び出した。アークスレイヤーが関わるとなると、奴等の悪巧みを止める為に動くしかないだろう。
「我々も行くぞ!零夜達に遅れを取るな!」
「ええ!それにしても零夜達は行動力が早いみたいね」
「私達も見習わないとね……」
風子達も後に続いて部屋から飛び出し、ポーラとセリアは零夜達の行動に苦笑いをしていた。彼等の反応速度はトラマツとノースマンに鍛えられていて、人のレベルを既に超えているのだ。恐らく風子達も負けじと練習をする可能性があり得るだろう。
「おい!待ってくれよ!」
フリードも自身も戦う決意を固めつつ、慌てながら零夜達の後を追いかけ始めた。
※
零夜達は飛空術で空を飛びながら、アルバータドラゴンの元へ向かっていた。するとアミリスが危機感を察し、動きを止めてしまう。
「アミリス、その様子だと……アルバータドラゴンが来たのか?」
「ええ……来ると思っていたけど……早く来るのは想定外だけどね……」
アミリスが真剣な表情で指差す方を見ると、アルバータドラゴンが姿を現した。見た目は前と同じままであるが、復讐心によって邪悪のオーラが溢れていたのだ。
「こいつがアルバータドラゴン……!アタイ等の故郷を滅ぼした奴か……」
「実物はでかいが、まさかこれ程までとはな……こりゃ、たまげたとしか言えないな……」
アルバータドラゴンの姿にソニアと杏は冷や汗を流すが、零夜達も同様になっていた。大型モンスターは恐竜と同じくらいであり、ドラゴンもそのクラスに入っているのだ。
「実際の大きさだと十五メートルはあるみたいね。ティラノサウルスと同じくらいかしら?」
「けど、油断は禁物だ!零夜、上手くやれよ!」
美津代はアルバータドラゴンの大きさを確認し、サンペイは零夜達に掛け声をしながらアドバイスを送る。敵は前と比べてそう簡単に倒せないが、コツさえ掴めれば必ず倒せる筈だ。
「了解……戦闘開始だ!行くぞ!」
「「「おう!」」」
零夜の合図と同時にミミ達も動き出し、彼等はそのままアルバータドラゴンに立ち向かう。それを見た風子達も一斉に頷き、そのまま後に続いた。
「ほう……貴様等がわしの復讐の邪魔をするのか。選ばれし戦士であろうとも、返り討ちにしてくれる!」
アルバータドラゴンは口から光のブレスを吹き始め、そのまま零夜達に襲い掛かる。そのブレスはとても白いが、当たれば大ダメージは確定と言えるだろう。
「全員躱せ!」
零夜の合図で全員が回避するが、回避されたブレスは砂の様に消えてしまった。この光景に見惚れる者もいる筈だが、今は戦闘中なのでそれどころではないのだ。
「凄い威力だ……あのブレスに当たっていたら大ダメージだろうな……」
零夜は冷や汗を流したまま、アルバータドラゴンを真剣に睨みつける。このブレスで多くの人達を殺したのは間違いなく本物であり、改めて敵の恐ろしさを実感しただろう。
「回避したか……なら、貴様から喰い殺してくれる!」
「くっ!そう来たか!」
アルバータドラゴンは口を大きく開きながら、零夜を喰らおうと襲い掛かる。この展開に零夜は驚きつつも、すぐに回避しようと移動を開始する。
「そうはさせないわ!こいつを喰らえ!」
しかし、それ以前にエヴァがアルバータドラゴンの元に移動していて、降り下ろしからの強烈な鉄槌でダメージを与える事に成功したのだ。
「ぐおっ!」
同時にアルバータドラゴンは怯んでしまい、風子達はチャンスと同時に攻撃を仕掛け始める。怯んだ時こそ集中攻撃できるチャンスであり、少しでもダメージを与えておかなくては意味ないだろう。
「疾風斬!」
風子は素早い風の斬撃を繰り出し、アルバータドラゴンに斬り裂きのダメージを与える。更に追い討ちをかける様にアナが魔術を唱え始めた。
「アイススピアー!」
アナの魔術で氷のニードルが姿を現し、次々と発射されてアルバータドラゴンに直撃する。ドラゴンは基本的に氷が苦手なので、効果は抜群なのだ。
「援護します!やっ!」
更にメイリーも弱体化魔術を使い、アルバータドラゴンのステータスをガックリと下げていく。しかしその魔術は効果がなく、むしろ平然としていた。
「お返しだ!」
アルバータドラゴンはお返しとばかりに、自らの尻尾を振り回しながらメイリーを弾き飛ばしてしまった。
「キャッ!」
「メイリー!」
キララはメイリーのピンチを感じ取り、素早く駆け出して彼女をキャッチする事に成功。反応が遅かったら地面に墜落していただろう。
「ありがとうございます……弱体化魔術が効果ないなんて……」
「それ程恐ろしい敵という事ね……」
メイリーとキララだけでなく、誰もが緊迫感を持ちながらアルバータドラゴンを見ていた。どうやらこの戦いは簡単に勝たせてくれないと思いながら……
「報告感謝するが、奴は何処にいるのか気になるな」
「アークスレイヤーのアジトのある方角から来る。敵の様子も確認したが、このエルフの森を滅ぼそうとしていそうだ」
「となると……戦うしか方法はないみたいだな」
フリードからの報告に風子は冷静に対処し、即決にアルバータドラゴンと戦う事を決断した。訓練が終わった後の襲撃は予想外としか言えないが、エルフの森を守る為には戦わなければならないのだ。
「そうですね……けど、アルバータドラゴンが単独で向かうのには何か裏があります。恐らくアークスレイヤーの支部基地から脱走したんじゃ……」
零夜が真剣な表情でアルバータドラゴンの行動を推測する中、アミリスは千里眼を駆使しながらアルバータドラゴンの様子を観察し始める。すると、彼女の脳内にアルバータドラゴンの情報が流れ込んできた。
「分かったわ!アルバータドラゴンは支部基地から脱走したのは勿論、自身を倒した者達に復讐をしようとしているの!」
「逆恨みという事か……本当に懲りない奴だぜ……」
アミリスからの情報を聞いたソニアは、ワナワナと震えながら拳を強く握りしめる。
元はと言えばアルバータドラゴンが悪事を犯していて、最終的には多くの戦士達によって討伐されてしまった。しかしヒューラーによって復活を果たし、彼等を根絶やしする為に復讐の行動に出たのだ。
これに関しては零夜達も黙ってはいられないだろう。
「ともかく、急ぐぞ!奴等の好き勝手にさせない為にも、俺達で止めるしかない!」
「そうですね。すぐに急ぎましょう!」
「これ以上奴等の好き勝手にはさせない!全員向かうぞ!」
「「「おう!」」」
ブレイブペガサス、美津代、サンペイは急いでアルバータドラゴンの暴走を止めに向かい、すぐさま部屋から飛び出した。アークスレイヤーが関わるとなると、奴等の悪巧みを止める為に動くしかないだろう。
「我々も行くぞ!零夜達に遅れを取るな!」
「ええ!それにしても零夜達は行動力が早いみたいね」
「私達も見習わないとね……」
風子達も後に続いて部屋から飛び出し、ポーラとセリアは零夜達の行動に苦笑いをしていた。彼等の反応速度はトラマツとノースマンに鍛えられていて、人のレベルを既に超えているのだ。恐らく風子達も負けじと練習をする可能性があり得るだろう。
「おい!待ってくれよ!」
フリードも自身も戦う決意を固めつつ、慌てながら零夜達の後を追いかけ始めた。
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零夜達は飛空術で空を飛びながら、アルバータドラゴンの元へ向かっていた。するとアミリスが危機感を察し、動きを止めてしまう。
「アミリス、その様子だと……アルバータドラゴンが来たのか?」
「ええ……来ると思っていたけど……早く来るのは想定外だけどね……」
アミリスが真剣な表情で指差す方を見ると、アルバータドラゴンが姿を現した。見た目は前と同じままであるが、復讐心によって邪悪のオーラが溢れていたのだ。
「こいつがアルバータドラゴン……!アタイ等の故郷を滅ぼした奴か……」
「実物はでかいが、まさかこれ程までとはな……こりゃ、たまげたとしか言えないな……」
アルバータドラゴンの姿にソニアと杏は冷や汗を流すが、零夜達も同様になっていた。大型モンスターは恐竜と同じくらいであり、ドラゴンもそのクラスに入っているのだ。
「実際の大きさだと十五メートルはあるみたいね。ティラノサウルスと同じくらいかしら?」
「けど、油断は禁物だ!零夜、上手くやれよ!」
美津代はアルバータドラゴンの大きさを確認し、サンペイは零夜達に掛け声をしながらアドバイスを送る。敵は前と比べてそう簡単に倒せないが、コツさえ掴めれば必ず倒せる筈だ。
「了解……戦闘開始だ!行くぞ!」
「「「おう!」」」
零夜の合図と同時にミミ達も動き出し、彼等はそのままアルバータドラゴンに立ち向かう。それを見た風子達も一斉に頷き、そのまま後に続いた。
「ほう……貴様等がわしの復讐の邪魔をするのか。選ばれし戦士であろうとも、返り討ちにしてくれる!」
アルバータドラゴンは口から光のブレスを吹き始め、そのまま零夜達に襲い掛かる。そのブレスはとても白いが、当たれば大ダメージは確定と言えるだろう。
「全員躱せ!」
零夜の合図で全員が回避するが、回避されたブレスは砂の様に消えてしまった。この光景に見惚れる者もいる筈だが、今は戦闘中なのでそれどころではないのだ。
「凄い威力だ……あのブレスに当たっていたら大ダメージだろうな……」
零夜は冷や汗を流したまま、アルバータドラゴンを真剣に睨みつける。このブレスで多くの人達を殺したのは間違いなく本物であり、改めて敵の恐ろしさを実感しただろう。
「回避したか……なら、貴様から喰い殺してくれる!」
「くっ!そう来たか!」
アルバータドラゴンは口を大きく開きながら、零夜を喰らおうと襲い掛かる。この展開に零夜は驚きつつも、すぐに回避しようと移動を開始する。
「そうはさせないわ!こいつを喰らえ!」
しかし、それ以前にエヴァがアルバータドラゴンの元に移動していて、降り下ろしからの強烈な鉄槌でダメージを与える事に成功したのだ。
「ぐおっ!」
同時にアルバータドラゴンは怯んでしまい、風子達はチャンスと同時に攻撃を仕掛け始める。怯んだ時こそ集中攻撃できるチャンスであり、少しでもダメージを与えておかなくては意味ないだろう。
「疾風斬!」
風子は素早い風の斬撃を繰り出し、アルバータドラゴンに斬り裂きのダメージを与える。更に追い討ちをかける様にアナが魔術を唱え始めた。
「アイススピアー!」
アナの魔術で氷のニードルが姿を現し、次々と発射されてアルバータドラゴンに直撃する。ドラゴンは基本的に氷が苦手なので、効果は抜群なのだ。
「援護します!やっ!」
更にメイリーも弱体化魔術を使い、アルバータドラゴンのステータスをガックリと下げていく。しかしその魔術は効果がなく、むしろ平然としていた。
「お返しだ!」
アルバータドラゴンはお返しとばかりに、自らの尻尾を振り回しながらメイリーを弾き飛ばしてしまった。
「キャッ!」
「メイリー!」
キララはメイリーのピンチを感じ取り、素早く駆け出して彼女をキャッチする事に成功。反応が遅かったら地面に墜落していただろう。
「ありがとうございます……弱体化魔術が効果ないなんて……」
「それ程恐ろしい敵という事ね……」
メイリーとキララだけでなく、誰もが緊迫感を持ちながらアルバータドラゴンを見ていた。どうやらこの戦いは簡単に勝たせてくれないと思いながら……
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