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第四章 エルフの森の怪物騒動
第百二十四話 二つの戦いへ
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「この話は終わりじゃ……」
そして現在……エムールの話が終わりを告げたが、零夜達は唖然とするしかなかった。いい話がぶち壊しとなってしまったのは勿論、フリーマンの馬鹿な武勇伝に呆れてしまうのも無理なかった。
(全て本当の事だし、まあ、そうなるのも無理ないよね……)
その様子を見ていたアミリスは、苦笑いしながら心から思うしかなかった。
確かにフリーマンがいなかったらベルセルクを倒す事は難しいだけでなく、返り討ちにされて死亡者が出るのもおかしくなかった。しかし、今回はフリーマンがいない為、苦戦となってしまうのは確定となるだろう。
「色々ツッコみたい事はあるのですが……フリーマンって、アンデッドですよね。彼は今もふんどし踊りを広めているのですか?」
ヒカリがフリーマンについて気になる事をエムールに質問し、彼は俯きながらもコクリと頷く。
「そうじゃ。このまま放っておけば、グラディアス全体がアホンダラになってしまう」
エムールからの忠告にヒカリ達はゾッとしてしまい、中にはガタガタ震えている者までいた。
フリーマンは現在、砂漠の都市であるムルマルで子供達にふんどし踊りを広めている。もし、そのムルマルでふんどし踊りが定着してしまったら、そこを拠点として世界中に広まるのも時間の問題だ。
その事を考えるとゾッとするのも無理ないが、このまま放っておけばグラディアス全体が馬鹿になってしまう。それだけは避けなければならないだろう。
「じゃが、共に戦った仲間達もいなければ、今のわし等はいなかった。それに話は聞いたが……お前さんがロリアンの孫娘だとは驚いたのう」
「えっ!?エヴァがロリアンの孫娘!?」
エムールはエヴァに視線を移しながら微笑み、零夜達は驚きながら一斉に彼女の方を振り向く。その様子にエヴァはコクリと頷きながら応え、全員に自身の祖母であるロリアンの事を話し始めた。
「うん。ロリアンお祖母ちゃんは私に色んな格闘技を教え、物を持ち上げる事も教えてくれた。でも、十年前に亡くなったけどね……」
エヴァはロリアンの事を説明した後、突如俯いてしまう。彼女にとってロリアンは大好きな人だったが、十年前に亡くなってしまった事はとても辛いと感じているだろう。
それを見たエムールは彼女を見つめ、笑顔を見せる。
「いやいや。ロリアンは良い孫娘を残してくれた。彼女はきっとお前さんのこれからの活躍を望んでいるじゃろう」
「お祖父ちゃんの言う通りよ。元気出して」
「うん。ありがとう」
エムールとアミリスの笑顔の励ましに、エヴァも笑顔で応えながら礼を言う。その様子に零夜達も微笑んでいた。
すると風子は真剣な表情をしながら手を挙げ、気になる事を話し始める。
「ベルセルクについては分かりましたが、アルバータドラゴンまでいるとなると苦戦は免れないかと思います。そうなると、二手に分かれた方が適任だと思いますが」
風子の意見にエムールは真剣に頷きつつ、彼女の意見に賛同する。今回の任務はアルフェリア支部基地の討伐だが、ヒューラーはベルセルクだけでなく、アルバータドラゴンも用意しているのだ。凶悪な大型モンスターがいるとなると、油断禁物となる。ここは二手に分かれて行動するのが適任であるのだ。
「そうじゃな。アルバータドラゴンについては、弱点がベルセルクと同じく光じゃ。しかし、奴等を倒すにはそれだけでは勝てない」
エムールは真剣な表情をしながら、アルバータドラゴンとベルセルクの倒し方を教える。弱点攻撃ばかりでは倒す事はおろか、逆に隙を突かれて倒される事もあり得るのだ。
それを聞いた零夜達も真剣な表情をしていて、中には冷や汗を流していた。
「しかし、お前達八人の戦士達が二組揃っている以上、絆の力が勝利へのカギとなる」
「私達の絆の力……」
エムールからの指摘にアミリス達はお互いを見合わせつつ、自分達には絆の繋がりがある事を実感する。彼女達はこれまでの戦いで自分や仲間を信じながら駆け抜け、今の彼等がここにいるのだ。
零夜に至っては冷静な表情で納得していて、決意を固めながらエムールに視線を移す。
「相手は手強い敵かも知れません。ですが、俺達はここで止まる理由には行かないのです。アークスレイヤーとザルバッグの野望を終わらせ、俺達の世界の平和を守り切る為にも!」
零夜は強き決意でエムールに宣言し、それにミミ達も同様に強く頷く。彼は目標を達成する為には何事にも諦めない性格なので、どんな困難でも乗り越える覚悟がある。アルバータドラゴンやベルセルクなどの大型モンスターでも、何事も諦めずにたちむかうだろう。
ミミ達も零夜の影響を受けて一斉に頷き、エムールに視線を移しながら決意を固める。
「零夜の言う通りね。私達もここで止まる理由には行きません!」
「アークスレイヤーの野望を打ち砕く為にも、死ぬ理由には行かへんで!」
「私も皆となら戦う覚悟はできています。お姉さんに任せて!」
「私も零夜がいるからこそ、今がある。彼となら大丈夫だから!」
ミミ、倫子、ヒカリ、エヴァも自らの決意を固めながら、アルバータドラゴンとベルセルクに立ち向かう覚悟を示す。零夜一人では放っておけないのも無理ないだけでなく、自ら与えられた使命を果たす為にも止まるわけにはいかないのだ。
「アタイも奴等と戦う覚悟はできている。皆となら大丈夫だから!」
ソニアも親友であるアミリスを助ける為に戦う覚悟を示していて、何があろうとも一歩も引かない覚悟を示す。その姿にアミリスは目に涙を浮かべながらも、穏やかな笑みを浮かべていた。親友が自身の故郷のピンチを助けてくれるのが、とても嬉しかったのだろう。
「私達も戦います!何もしないままじゃ嫌ですので!」
選ばれし戦士ではない日和達八人も、零夜達のサポートをしながら戦う事を決意。彼女達も零夜達の力になる事を決断していて、何もしない訳にはいかないのだ。
アミリスは皆が傍にいてくれる事に感動した直後、自身も覚悟を決めて真剣な表情でエムールに視線を移す。
「お祖父ちゃん。私達はここで止まらない。皆は一つとなってアークスレイヤーを倒そうとしている。私も皆と一緒なら大丈夫だから!」
アミリスは自身も覚悟を決めて戦う事を決断し、エムールに対して自身の意見を述べる。彼女の真剣な熱意を聞いたエムールは、勿論その意志を尊重するべきだと感じている。
「そうか。それなら心配ないな……後は風子達の様じゃが……」
エムールはアミリスの決断に大丈夫だと感じる中、風子達はどうなのかと真剣な表情で視線を移す。
零夜達は大丈夫なのだが、風子達にもベルセルクやアルバータドラゴンと戦う覚悟があるか気になっていて、零夜達とは違う反応をするんじゃないかと感じていた。
しかし、その予想は外れていて、風子は真剣な表情でエムールに視線を移していた。
「私達も戦う覚悟はあります。たとえどんな困難があろうとも、一歩も引かずに立ち向かう!それがプリンセスヴァルキリーズの心得です!」
風子は強い決意を固めながら宣言し、夢子達も真剣な表情で前を向いていた。
風子達は零夜達と比べて戦いの経験は少ないが、最後まで諦めない強さと支え合う絆によってここまで来る事が出来た。アナとメイリーもキララが頑張っている以上、自身も最後まで運命を貫き通す事を決断しているのだ。
この様子を見たエムールは心配ないと安堵の表情を浮かべる。
「そうか。なら……その事については心配ないな。奴等は二日後にこの森に襲撃してくる!倒す事を頼んだぞ!」
「「「了解!」」」
エムールからの頼みに零夜達は一斉承諾し、その場で解散という形になった。しかし、零夜だけがまだ残っていて、彼に対して質問があるようだ。
「すいません。気になる事があります。共に戦った犬塚信乃様というのが気になって……」
「そうか……共に戦っていた一人じゃが、彼が初代ヒーローズエイトである事以外は知らないからのう。じゃが、わし等を守ってくれた英雄である事は間違いない」
エムールからの回答に、零夜は納得の表情で頷く。あまり有力な情報は手に入れられなかった分、それだけでも価値があるのだ。
「そうですか。貴重な話をありがとうございます」
零夜はエムールに対して一礼した後、その場から立ち去ったのだった。
そして現在……エムールの話が終わりを告げたが、零夜達は唖然とするしかなかった。いい話がぶち壊しとなってしまったのは勿論、フリーマンの馬鹿な武勇伝に呆れてしまうのも無理なかった。
(全て本当の事だし、まあ、そうなるのも無理ないよね……)
その様子を見ていたアミリスは、苦笑いしながら心から思うしかなかった。
確かにフリーマンがいなかったらベルセルクを倒す事は難しいだけでなく、返り討ちにされて死亡者が出るのもおかしくなかった。しかし、今回はフリーマンがいない為、苦戦となってしまうのは確定となるだろう。
「色々ツッコみたい事はあるのですが……フリーマンって、アンデッドですよね。彼は今もふんどし踊りを広めているのですか?」
ヒカリがフリーマンについて気になる事をエムールに質問し、彼は俯きながらもコクリと頷く。
「そうじゃ。このまま放っておけば、グラディアス全体がアホンダラになってしまう」
エムールからの忠告にヒカリ達はゾッとしてしまい、中にはガタガタ震えている者までいた。
フリーマンは現在、砂漠の都市であるムルマルで子供達にふんどし踊りを広めている。もし、そのムルマルでふんどし踊りが定着してしまったら、そこを拠点として世界中に広まるのも時間の問題だ。
その事を考えるとゾッとするのも無理ないが、このまま放っておけばグラディアス全体が馬鹿になってしまう。それだけは避けなければならないだろう。
「じゃが、共に戦った仲間達もいなければ、今のわし等はいなかった。それに話は聞いたが……お前さんがロリアンの孫娘だとは驚いたのう」
「えっ!?エヴァがロリアンの孫娘!?」
エムールはエヴァに視線を移しながら微笑み、零夜達は驚きながら一斉に彼女の方を振り向く。その様子にエヴァはコクリと頷きながら応え、全員に自身の祖母であるロリアンの事を話し始めた。
「うん。ロリアンお祖母ちゃんは私に色んな格闘技を教え、物を持ち上げる事も教えてくれた。でも、十年前に亡くなったけどね……」
エヴァはロリアンの事を説明した後、突如俯いてしまう。彼女にとってロリアンは大好きな人だったが、十年前に亡くなってしまった事はとても辛いと感じているだろう。
それを見たエムールは彼女を見つめ、笑顔を見せる。
「いやいや。ロリアンは良い孫娘を残してくれた。彼女はきっとお前さんのこれからの活躍を望んでいるじゃろう」
「お祖父ちゃんの言う通りよ。元気出して」
「うん。ありがとう」
エムールとアミリスの笑顔の励ましに、エヴァも笑顔で応えながら礼を言う。その様子に零夜達も微笑んでいた。
すると風子は真剣な表情をしながら手を挙げ、気になる事を話し始める。
「ベルセルクについては分かりましたが、アルバータドラゴンまでいるとなると苦戦は免れないかと思います。そうなると、二手に分かれた方が適任だと思いますが」
風子の意見にエムールは真剣に頷きつつ、彼女の意見に賛同する。今回の任務はアルフェリア支部基地の討伐だが、ヒューラーはベルセルクだけでなく、アルバータドラゴンも用意しているのだ。凶悪な大型モンスターがいるとなると、油断禁物となる。ここは二手に分かれて行動するのが適任であるのだ。
「そうじゃな。アルバータドラゴンについては、弱点がベルセルクと同じく光じゃ。しかし、奴等を倒すにはそれだけでは勝てない」
エムールは真剣な表情をしながら、アルバータドラゴンとベルセルクの倒し方を教える。弱点攻撃ばかりでは倒す事はおろか、逆に隙を突かれて倒される事もあり得るのだ。
それを聞いた零夜達も真剣な表情をしていて、中には冷や汗を流していた。
「しかし、お前達八人の戦士達が二組揃っている以上、絆の力が勝利へのカギとなる」
「私達の絆の力……」
エムールからの指摘にアミリス達はお互いを見合わせつつ、自分達には絆の繋がりがある事を実感する。彼女達はこれまでの戦いで自分や仲間を信じながら駆け抜け、今の彼等がここにいるのだ。
零夜に至っては冷静な表情で納得していて、決意を固めながらエムールに視線を移す。
「相手は手強い敵かも知れません。ですが、俺達はここで止まる理由には行かないのです。アークスレイヤーとザルバッグの野望を終わらせ、俺達の世界の平和を守り切る為にも!」
零夜は強き決意でエムールに宣言し、それにミミ達も同様に強く頷く。彼は目標を達成する為には何事にも諦めない性格なので、どんな困難でも乗り越える覚悟がある。アルバータドラゴンやベルセルクなどの大型モンスターでも、何事も諦めずにたちむかうだろう。
ミミ達も零夜の影響を受けて一斉に頷き、エムールに視線を移しながら決意を固める。
「零夜の言う通りね。私達もここで止まる理由には行きません!」
「アークスレイヤーの野望を打ち砕く為にも、死ぬ理由には行かへんで!」
「私も皆となら戦う覚悟はできています。お姉さんに任せて!」
「私も零夜がいるからこそ、今がある。彼となら大丈夫だから!」
ミミ、倫子、ヒカリ、エヴァも自らの決意を固めながら、アルバータドラゴンとベルセルクに立ち向かう覚悟を示す。零夜一人では放っておけないのも無理ないだけでなく、自ら与えられた使命を果たす為にも止まるわけにはいかないのだ。
「アタイも奴等と戦う覚悟はできている。皆となら大丈夫だから!」
ソニアも親友であるアミリスを助ける為に戦う覚悟を示していて、何があろうとも一歩も引かない覚悟を示す。その姿にアミリスは目に涙を浮かべながらも、穏やかな笑みを浮かべていた。親友が自身の故郷のピンチを助けてくれるのが、とても嬉しかったのだろう。
「私達も戦います!何もしないままじゃ嫌ですので!」
選ばれし戦士ではない日和達八人も、零夜達のサポートをしながら戦う事を決意。彼女達も零夜達の力になる事を決断していて、何もしない訳にはいかないのだ。
アミリスは皆が傍にいてくれる事に感動した直後、自身も覚悟を決めて真剣な表情でエムールに視線を移す。
「お祖父ちゃん。私達はここで止まらない。皆は一つとなってアークスレイヤーを倒そうとしている。私も皆と一緒なら大丈夫だから!」
アミリスは自身も覚悟を決めて戦う事を決断し、エムールに対して自身の意見を述べる。彼女の真剣な熱意を聞いたエムールは、勿論その意志を尊重するべきだと感じている。
「そうか。それなら心配ないな……後は風子達の様じゃが……」
エムールはアミリスの決断に大丈夫だと感じる中、風子達はどうなのかと真剣な表情で視線を移す。
零夜達は大丈夫なのだが、風子達にもベルセルクやアルバータドラゴンと戦う覚悟があるか気になっていて、零夜達とは違う反応をするんじゃないかと感じていた。
しかし、その予想は外れていて、風子は真剣な表情でエムールに視線を移していた。
「私達も戦う覚悟はあります。たとえどんな困難があろうとも、一歩も引かずに立ち向かう!それがプリンセスヴァルキリーズの心得です!」
風子は強い決意を固めながら宣言し、夢子達も真剣な表情で前を向いていた。
風子達は零夜達と比べて戦いの経験は少ないが、最後まで諦めない強さと支え合う絆によってここまで来る事が出来た。アナとメイリーもキララが頑張っている以上、自身も最後まで運命を貫き通す事を決断しているのだ。
この様子を見たエムールは心配ないと安堵の表情を浮かべる。
「そうか。なら……その事については心配ないな。奴等は二日後にこの森に襲撃してくる!倒す事を頼んだぞ!」
「「「了解!」」」
エムールからの頼みに零夜達は一斉承諾し、その場で解散という形になった。しかし、零夜だけがまだ残っていて、彼に対して質問があるようだ。
「すいません。気になる事があります。共に戦った犬塚信乃様というのが気になって……」
「そうか……共に戦っていた一人じゃが、彼が初代ヒーローズエイトである事以外は知らないからのう。じゃが、わし等を守ってくれた英雄である事は間違いない」
エムールからの回答に、零夜は納得の表情で頷く。あまり有力な情報は手に入れられなかった分、それだけでも価値があるのだ。
「そうですか。貴重な話をありがとうございます」
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