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第三章 花咲くロベリア革命

第八十四話 ジャコバンズとの戦闘

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 零夜達はそれぞれの武器を構え、ジャコバンズとの戦闘に入り始める。
 最初に動き始めたのは零夜で、忍者刀を構えながらジャコバンズ党員に立ち向かう。

疾風斬撃しっぷうざんげき!」

 零夜は風の様な斬撃を繰り出し、ジャコバンズの党員達を斬り裂き倒す。彼等はバタバタと倒れて動かなくなってしまった。

「ブレイドスラッシュ!」

 ルリカも後に続き、剣と盾を構えながらジャコバンズの党員を斬り裂き倒した。しかし、党員達も増援を次々と呼び始め、多くが駆け付けてきた。

「ルリカ、成長しているみたいね。私も負けられない!」

 キララは爪を光らせたと同時に、負けじと強烈なキラークローでジャコバンズ党員を切り裂き倒す。更に炎の蹴りで周囲の敵を倒していく。

「一気に攻める!」

 ミミはリングブレードに水の力を発動させ、アクアリングブレードに変化させる。そのまま舞いながらの斬撃で多くを倒した。

「「ダブルフレイム!」」
 
 倫子と日和はウィザードガントレットから強烈な炎を出し、党員達を次々と燃やして消し炭にしてしまう。二人合わせたからこそ、この威力までレベルアップしたのだ。

「後に続くわよ!」
「はい!」

 ヒカリの炎の魔術とジェニーの格闘技の連携も炸裂し、党員達は次々と倒れて山積みとなってしまう。
 
「遅れは取り戻さないとな!」
「オーガドラゴンの誇りを見せてやるぜ!」

 ソニアのカタール連続突きと杏の妖刀による斬撃も決まり、息の合ったコンビネーションで次々と倒していく。
 
「やるなら容赦なく!」
 
 更にアミリスの弓矢連続攻撃で、党員達に次々と命中。多くを倒して数を減らしていた。
 しかし、また増援がやってきたのでキリがないが、零夜達は冷静に対応していた。

「ここは私が!ジャッジシャイン!」

 ジャンヌは光属性の魔術である光弾の雨を降らせ、党員達に襲い掛かる。彼等は次々と倒されてしまい、あっという間に半数が戦闘不能になってしまった。

「おい!こいつ等、ヤバイ奴等だ!」
「下手に手を出すと殺されるぞ!バブーフ様を呼ばないと!」

 党員達は零夜達の恐ろしさにガタガタと怯えてしまい、背を向けて一斉に逃げ出そうとする。彼等を相手にした時点で敗北は濃厚であり、逃げてしまうのも無理ないからだ。
 
「そうはさせない!」
「私達がいる事を忘れないで!」

 エヴァ、マーリンが党員達の前に立ちはだかり、彼等を拳で殴り飛ばしていく。党員達はそのまま山積みに積み上げられ、今いる三分の一が戦闘不能になった。

「まだ逃げている輩もいるわね。ブラッドマジック!」

 コーネリアは血の電流を流し始め、逃げている党員達を痺れさせる。彼等は次々と倒れてしまい、残りは僅かとなってしまった。

「最後は私が!ホーリーキャノン!」

 ラストはマリーの光の弾丸が次々と発射され、シャングリのジャコバンズ党員達は倒されて全滅してしまった。

「やれやれ。これで終わったわね」

 マリーが敵を全て倒した事を確認しながら、ポンポンと手を叩く。それと同時に、トラマツとノースマンも建物の陰から駆け付けてきた。

「アンジェリックについてはアーニャとサーシャが駆け付けてきて、そのまま彼女を運びながら孤児院へと向かっている」
「そうか。だが、ジャコバンズも馬鹿じゃない。俺達が戦っている時に別働隊を孤児院に向かわせ、そのまま虐殺しようとしている。早く向かわないと大変な事になるな」

 トラマツと零夜の説明にエヴァ達は冷や汗を流してしまい、嫌な予感にブルッと震えてしまう。
 その予感は見事的中しているのも無理なく、雷轟達はアビスの命令で動き出している。孤児院が陥落してしまうのも……時間の問題だ。

「ここはエヴァ、ジャンヌ、マリー、コーネリア、ヒカリさん、ジェニーを孤児院に向かわせておこう。これ以上は犠牲者を出さない様に……」
「悪いがそう簡単には行かせないぜ!」
「「「!?」」」

 零夜が言い切ろうとしたその時、突然炎が地面から上昇しながら噴き出し始めた。その中から赤い腰蓑と炎の冠を着けた男が姿を現し、姿は痩せ型マッチョの黒人だ。

「お前がバブーフか。その様子だと……俺達を排除しに来たという事か!」

 零夜の真剣な表情での叫びに、バブーフはニヤリと笑っていた。彼の姿を見た零夜は戦闘態勢に既に入っていて、他の皆は冷や汗を流していた。

「そうだ。お前等を倒せば俺の地位も上がるし、アークスレイヤーの安泰にも繋がるからな。邪魔するなら容赦しないぞ!」

 バブーフは強烈な四股踏みをしたと同時に、口から炎を吹き出してきた。炎の威力はかなり強く、そのまま零夜達に襲い掛かってくる。

「炎なら水で勝負だ!」

 零夜は忍者刀を村雨に変えて、そのままバブーフに立ち向かう。村雨は水属性武器の中でも最強の剣と言われていて、零夜はその武器を解放する事に成功したのだ。

水神波動斬すいじんはどうざん!」

 零夜による水の波動斬撃がバブーフに襲い掛かるが、彼の炎は波動斬撃を蒸発させてしまった。

「嘘だろ!?水属性の波動斬撃が蒸発した!?」

 予想外の展開に零夜が驚きを隠せずにいたその時、倫子と日和が前に出て術式を唱え始める。

「準備はいい?」
「はい!」
「「大津波!」」

 倫子と日和による術式が発動した途端、何処からか津波がバブーフに襲い掛かってくる。彼は炎のバリアを発動させるが、津波は炎を鎮火させてしまった。

「ぐああ!」

 その衝撃はとても重く、バブーフは効果抜群のダメージを受けてしまう。彼は炎属性である為、水や土、岩の攻撃には弱いのだ。

「やっぱり!いくら炎使いでもこのぐらいの水は弱いんだ!」
「ドンピシャですが、油断はできません。ここは私、藍原さん、ヒカリさん、ルリカ、ジェニー、コーネリア、アミリス、マーリンで立ち向かいます!ミミさん達はアンジェリックの事をお願いします!」

 倫子は弱点を見つけた事に指を鳴らしながら笑顔を見せ、日和は冷静な表情をしながらすぐに指示を飛ばし始める。

「分かったわ!けど……」 

 それに皆は納得しながら頷くが……周りに炎の壁ができていて移動できない状態となっていた。どうやれバブーフが事前に対策を練ったに違いない。
 
「この炎の壁はそう簡単に破壊できない。お前達は俺に勝つまで閉じ込められたままだ」
「そうかよ……その方が戦いの邪魔にならずに済むからな……だったら、本格的にやるとするか!」

 零夜は拳を打ち鳴らしながらバブーフを倒す事に集中し、倫子達も仕方が無く戦闘態勢に入り始める。

「何れにしても油断は禁物だ。バブーフはエリアボスといえども、何を仕掛けてくるのか分からない。それに……何処かに敵が潜んでいる可能性もあり得るからね」

 トラマツからの真剣な忠告に全員が頷く中、アミリスは千里眼で敵がいないか確認する。周りには敵もいない為、ジャコバンズ党員は全滅。トラップもないみたいだ。

「大丈夫。敵はいないみたい。トラップも無いし、バブーフに対して集中できるわね」

 アミリスの笑顔に全員が安堵のため息をつく中、バブーフは苦虫を噛み潰したような表情で、舌打ちをした後に睨みつける。
 
「チッ!千里眼か……厄介な能力を持つ奴もいた者だが、相手にとっては不足ないかもな……行くぜ!」

 バブーフは拳を炎に包ませ、零夜達を睨みつけながら戦闘態勢に入る。同時に戦いも始まりを告げられたのだった。
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