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第二章 隠されたホムラの陰謀
第六十九話 零夜達の誓い
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その日の夜、ホムラの街から離れた場所にある丘の上では、零夜とミミが倒れている木の上で座っていた。その様子だと二人きりで話をしているのは確定だろう。
「ミミ姉、ごめん……倫子さんから聞いたけど、俺、本当の気持ちを知らなくて……」
「私の方こそごめんね。嫉妬のあまり暴力を振るってしまうなんて……」
二人がすまなさそうな表情でお互い謝罪をする中、ミミが零夜の手を取って強く握り始めた。どうやら何か言いたげな様で、真剣な表情をしているのが分かる。
「ねえ、零夜はアークスレイヤーとの戦いが終わったらどうするの?まさかこのグラディアスに残るんじゃないわよね」
「?」
ミミからの真剣な質問に対し、零夜は疑問に感じながら首を傾げてしまう。すると彼女は不安な表情をしながら、彼の手を更に強く握り締めていた。
「だって……零夜とエヴァが結ばれていたら、彼女と共にグラディアスで暮らす事になるじゃない!私は零夜と離れ離れになるのは嫌なの!」
ミミは心からの本当の気持ちを声に出していて、身体は既に小刻みに震えている。その様子だと今にも泣き出しそうで涙が出るのも時間の問題と言えるだろう。
更にミミは零夜がエヴァと正式に付き合ってしまえば、彼は地球には戻らずに彼女と共に過ごしていくに違いないだろう。
「今まで零夜とずっと一緒にいたのに……離れ離れになるなんて嫌だ……二度と会えなくなるのは悲しいわよ……ひっ……うええ……」
ミミは涙声で震えてしまい、目から涙がポロポロと溢れてしまう。その結果、彼女は既に涙を流しながら泣いてしまい、嗚咽も聞こえ始めた。
ミミは零夜の幼馴染でありながら、本心では彼に恋心を抱いていた。その為、零夜と離れ離れになってしまうのは一番嫌いな事で、涙を流してしまうのも無理なかった。
それを見た零夜は自身の指でミミの涙を丁寧に拭き取り、彼女の頭を優しく撫でる。
「そんな事はない」
「零夜……?」
零夜の突然の行動にミミは泣くのを止め、彼の方に視線を移しながら向き始める。彼は真剣な表情をしている上に、彼女の考えを否定しているのだ。
「俺にはプロレスラーになる夢があるし、元の世界には目指しているプロレス団体がある。俺はそれを目指して頑張っている以上、グラディアスには残らない」
零夜の説明を聞いたミミは、彼の夢を振り返りながら思い浮かべる。
零夜にはプロレスラーになる夢があり、倫子のいるドリームバトルレスラーズのレスラーになる事を目標としていた。その夢を諦めたくない気持ちが強い以上、異世界に残る事はないからだ。
更に元の世界には待っている人がいるし、流石にこの世界に残るわけにはいかないのだ。
「そうだったわね……零夜にはプロレスラーという目指している夢がある。離れ離れにはならないのね」
「そう言う事になる。心配するなよ」
「良かった……」
零夜の説明と笑顔にミミの顔は嬉しさを増していて、そのまま彼に強く抱き着いた。零夜が地球に残ってくれる事がとても嬉しいのは勿論、まだ傍にいられる事に安堵していたのだ。
零夜が笑顔でミミの頭を優しく撫で始めた途端、エヴァがこっそりと木陰から姿を現した。
「エヴァ!聞いていたの!?」
エヴァの姿を見たミミは零夜から離れ、彼女の方に視線を移しながら睨みつける。零夜にキスをした事は許せないらしく、ガルルと威嚇しながら睨みつけていた。
「大丈夫。敵意は無いから。隣座っていいかな?」
「別にいいけど……」
ミミは素直じゃない表情でそっぽを向きながらも承諾し、エヴァは彼女の隣に座ってそのまま視線を移してきた。
「ミミ。あなたも零夜が好きだという事は倫子から聞いているし、恋にはライバルがいないと燃え上がらない。あなたは変わらずに今のままでいて欲しいの」
「エヴァ……あなたも私の事を心配していたのね……」
エヴァは心配そうな表情でミミを心配していて、話を聞いた彼女は納得の表情をしていた。
すると、エヴァが優しそうな表情で、ミミに対して手を差し伸べてきた。
「これからはライバル関係となるけど、お互い頑張りましょう!宜しくね!」
「……ええ!」
ミミとエヴァはお互い笑顔で握手を交わした直後、背後からルリカも駆け付けて二人に飛びついてきた。彼女もこっそりと話を聞いていたらしく、自分も忘れないで欲しいと駆け付けてきたのだ。
「私の事も忘れないでください!私だって零夜様の事を好きですから!」
ルリカは頬を膨らましながら、零夜の事を好きだと宣言する。
ルリカは零夜と契約してから、彼の行動を見て憧れを抱くようになってきた。次第に零夜の傍にいたい気持ちが強くなり、今に至るという事だ。
「そうね。またライバルが増えたけど、面白くなりそうね」
「絶対に負けないんだから!」
エヴァは苦笑いしながら優しくルリカの頭を撫で、ミミは頬を膨らましながら宣戦布告した。すると倫子達も木陰から出てきたと同時に、彼女達の元に駆けつけてきたのだ。
「皆!聞いていたのですか!?」
零夜達は倫子達が来た事に驚きを隠せず、彼女達は彼等の元にゾロゾロと近付いてきた。その中にはジェニー、マリー、コーネリア、マーリン、杏、日和までもいるのだ。
「うん。心配だから来てみたけど、どうやら恋は一筋縄ではいかなくなったみたいね」
「でも、これだからこそ私達と言えるかもね。もう心配する必要は無くなったわ」
倫子とヒカリの笑顔に零夜も笑顔で返し、ミミ達も同様に返していく。そのまま零夜は木の上から立ち上がり、全員に視線を移す。
「これから先どんな事があろうとも、俺達全員なら乗り越えられると思います!この先アークスレイヤーには手強い敵が多くいますが、最後まで諦めずに立ち向かいましょう!」
零夜は拳を握りながら決意を固め、それにミミとエヴァも頷きながら立ち上がる。
「零夜の言う通りね。私達ならこの先何があろうとも、決して挫けないわ!」
「このメンバーだからこそ、私達は最強と言えるからね。何だってやれるわ!」
ミミとエヴァの決意にアミリス達も一斉に頷き、そのまま皆で円陣を組み始める。
「ここまで来た以上、アークスレイヤーとの戦いは最後までやってやろうぜ!絶対に奴等を倒すぞ!」
「「「おう!!」」」
零夜の宣言にミミ達が一斉に強い叫びで応え、お互い抱き合いながら笑い合っていた。
その様子を木陰からトラマツとノースマンが見ていて、心配する必要がないと安堵の表情を浮かべていた。
「恋愛関係でどうなるのか心配だったが、今の様子だと必要なかったかもな」
「ああ。零夜達選ばれし八人だけでなく、彼等を支える八人の女性達。もしかすると……このチームは最強のチームとなりそうかもな!」
トラマツとノースマンはお互い微笑みながら頷き合った後、そのまま零夜達の元へと駆け出しながら向かったのだった。
※
一方、ホムラの騎士団にある牢獄では、神室が通路をコツコツと歩いていた。どうやら彼は真剣な表情をしていて、誰かを探しているらしい。
「確かこの辺りに……いたか」
神室の視線の先には、牢獄の中に座りながら佇んでいる人がいた。それは零夜達に敗れたアルフレッドであり、彼は治癒を終えて牢獄の中に入れられているのだ。
しかもその表情は無表情となっていて、髪の色も抜けてしまい、まるで廃人のようになっているのだ。
「その様子だと……全て失ったみたいだな。魔族の指輪を与えてやったのに……こんなざまだとは……」
「……」
神室からの失望の声にアルフレッドは何も応えず、ただ無言を貫いている。零夜達に敗れた挙げ句、地位も失ってしまったのは勿論の事だ。
更に魔族の指輪の副作用で両足の自由が効かなくなり、二度と自力で立ち上がる事が出来ない状態に。そのまま車椅子での生活を強いられる事になったのだ。
「それと……ザルバッグ様からの命令だ。悪いがお前を殺す事にした。まあ、無言であるお前には関係ないな」
神室は非情な性格を剥き出しにしていて、右手に闇の剣を召喚する。そのまま鞘から引き抜いて剣を強く構え、完全にアルフレッドを殺そうとしているのだ。
「悪く思うなよ。失敗した奴は死を持って償う……それがアークスレイヤーの掟だ!」
神室は剣を素早く振り下ろし、そのままアルフレッドを斬り裂いて絶命させたのだった……
※
それから翌日、牢獄でアルフレッドの遺体が転がっているのが目撃され、彼の遺体はそのまま罪人墓地へと埋葬された。同時にグレゴリー達も裁判の為に王都に移送され、ホムラの街を離れる事になった。
その後の彼等は裁判を受け、グレゴリーは終身刑、兵士達は二年間の強制労働の判決を受けてしまった。彼等はその後どうなったのかは……物語の先で明らかになるだろう。
「ミミ姉、ごめん……倫子さんから聞いたけど、俺、本当の気持ちを知らなくて……」
「私の方こそごめんね。嫉妬のあまり暴力を振るってしまうなんて……」
二人がすまなさそうな表情でお互い謝罪をする中、ミミが零夜の手を取って強く握り始めた。どうやら何か言いたげな様で、真剣な表情をしているのが分かる。
「ねえ、零夜はアークスレイヤーとの戦いが終わったらどうするの?まさかこのグラディアスに残るんじゃないわよね」
「?」
ミミからの真剣な質問に対し、零夜は疑問に感じながら首を傾げてしまう。すると彼女は不安な表情をしながら、彼の手を更に強く握り締めていた。
「だって……零夜とエヴァが結ばれていたら、彼女と共にグラディアスで暮らす事になるじゃない!私は零夜と離れ離れになるのは嫌なの!」
ミミは心からの本当の気持ちを声に出していて、身体は既に小刻みに震えている。その様子だと今にも泣き出しそうで涙が出るのも時間の問題と言えるだろう。
更にミミは零夜がエヴァと正式に付き合ってしまえば、彼は地球には戻らずに彼女と共に過ごしていくに違いないだろう。
「今まで零夜とずっと一緒にいたのに……離れ離れになるなんて嫌だ……二度と会えなくなるのは悲しいわよ……ひっ……うええ……」
ミミは涙声で震えてしまい、目から涙がポロポロと溢れてしまう。その結果、彼女は既に涙を流しながら泣いてしまい、嗚咽も聞こえ始めた。
ミミは零夜の幼馴染でありながら、本心では彼に恋心を抱いていた。その為、零夜と離れ離れになってしまうのは一番嫌いな事で、涙を流してしまうのも無理なかった。
それを見た零夜は自身の指でミミの涙を丁寧に拭き取り、彼女の頭を優しく撫でる。
「そんな事はない」
「零夜……?」
零夜の突然の行動にミミは泣くのを止め、彼の方に視線を移しながら向き始める。彼は真剣な表情をしている上に、彼女の考えを否定しているのだ。
「俺にはプロレスラーになる夢があるし、元の世界には目指しているプロレス団体がある。俺はそれを目指して頑張っている以上、グラディアスには残らない」
零夜の説明を聞いたミミは、彼の夢を振り返りながら思い浮かべる。
零夜にはプロレスラーになる夢があり、倫子のいるドリームバトルレスラーズのレスラーになる事を目標としていた。その夢を諦めたくない気持ちが強い以上、異世界に残る事はないからだ。
更に元の世界には待っている人がいるし、流石にこの世界に残るわけにはいかないのだ。
「そうだったわね……零夜にはプロレスラーという目指している夢がある。離れ離れにはならないのね」
「そう言う事になる。心配するなよ」
「良かった……」
零夜の説明と笑顔にミミの顔は嬉しさを増していて、そのまま彼に強く抱き着いた。零夜が地球に残ってくれる事がとても嬉しいのは勿論、まだ傍にいられる事に安堵していたのだ。
零夜が笑顔でミミの頭を優しく撫で始めた途端、エヴァがこっそりと木陰から姿を現した。
「エヴァ!聞いていたの!?」
エヴァの姿を見たミミは零夜から離れ、彼女の方に視線を移しながら睨みつける。零夜にキスをした事は許せないらしく、ガルルと威嚇しながら睨みつけていた。
「大丈夫。敵意は無いから。隣座っていいかな?」
「別にいいけど……」
ミミは素直じゃない表情でそっぽを向きながらも承諾し、エヴァは彼女の隣に座ってそのまま視線を移してきた。
「ミミ。あなたも零夜が好きだという事は倫子から聞いているし、恋にはライバルがいないと燃え上がらない。あなたは変わらずに今のままでいて欲しいの」
「エヴァ……あなたも私の事を心配していたのね……」
エヴァは心配そうな表情でミミを心配していて、話を聞いた彼女は納得の表情をしていた。
すると、エヴァが優しそうな表情で、ミミに対して手を差し伸べてきた。
「これからはライバル関係となるけど、お互い頑張りましょう!宜しくね!」
「……ええ!」
ミミとエヴァはお互い笑顔で握手を交わした直後、背後からルリカも駆け付けて二人に飛びついてきた。彼女もこっそりと話を聞いていたらしく、自分も忘れないで欲しいと駆け付けてきたのだ。
「私の事も忘れないでください!私だって零夜様の事を好きですから!」
ルリカは頬を膨らましながら、零夜の事を好きだと宣言する。
ルリカは零夜と契約してから、彼の行動を見て憧れを抱くようになってきた。次第に零夜の傍にいたい気持ちが強くなり、今に至るという事だ。
「そうね。またライバルが増えたけど、面白くなりそうね」
「絶対に負けないんだから!」
エヴァは苦笑いしながら優しくルリカの頭を撫で、ミミは頬を膨らましながら宣戦布告した。すると倫子達も木陰から出てきたと同時に、彼女達の元に駆けつけてきたのだ。
「皆!聞いていたのですか!?」
零夜達は倫子達が来た事に驚きを隠せず、彼女達は彼等の元にゾロゾロと近付いてきた。その中にはジェニー、マリー、コーネリア、マーリン、杏、日和までもいるのだ。
「うん。心配だから来てみたけど、どうやら恋は一筋縄ではいかなくなったみたいね」
「でも、これだからこそ私達と言えるかもね。もう心配する必要は無くなったわ」
倫子とヒカリの笑顔に零夜も笑顔で返し、ミミ達も同様に返していく。そのまま零夜は木の上から立ち上がり、全員に視線を移す。
「これから先どんな事があろうとも、俺達全員なら乗り越えられると思います!この先アークスレイヤーには手強い敵が多くいますが、最後まで諦めずに立ち向かいましょう!」
零夜は拳を握りながら決意を固め、それにミミとエヴァも頷きながら立ち上がる。
「零夜の言う通りね。私達ならこの先何があろうとも、決して挫けないわ!」
「このメンバーだからこそ、私達は最強と言えるからね。何だってやれるわ!」
ミミとエヴァの決意にアミリス達も一斉に頷き、そのまま皆で円陣を組み始める。
「ここまで来た以上、アークスレイヤーとの戦いは最後までやってやろうぜ!絶対に奴等を倒すぞ!」
「「「おう!!」」」
零夜の宣言にミミ達が一斉に強い叫びで応え、お互い抱き合いながら笑い合っていた。
その様子を木陰からトラマツとノースマンが見ていて、心配する必要がないと安堵の表情を浮かべていた。
「恋愛関係でどうなるのか心配だったが、今の様子だと必要なかったかもな」
「ああ。零夜達選ばれし八人だけでなく、彼等を支える八人の女性達。もしかすると……このチームは最強のチームとなりそうかもな!」
トラマツとノースマンはお互い微笑みながら頷き合った後、そのまま零夜達の元へと駆け出しながら向かったのだった。
※
一方、ホムラの騎士団にある牢獄では、神室が通路をコツコツと歩いていた。どうやら彼は真剣な表情をしていて、誰かを探しているらしい。
「確かこの辺りに……いたか」
神室の視線の先には、牢獄の中に座りながら佇んでいる人がいた。それは零夜達に敗れたアルフレッドであり、彼は治癒を終えて牢獄の中に入れられているのだ。
しかもその表情は無表情となっていて、髪の色も抜けてしまい、まるで廃人のようになっているのだ。
「その様子だと……全て失ったみたいだな。魔族の指輪を与えてやったのに……こんなざまだとは……」
「……」
神室からの失望の声にアルフレッドは何も応えず、ただ無言を貫いている。零夜達に敗れた挙げ句、地位も失ってしまったのは勿論の事だ。
更に魔族の指輪の副作用で両足の自由が効かなくなり、二度と自力で立ち上がる事が出来ない状態に。そのまま車椅子での生活を強いられる事になったのだ。
「それと……ザルバッグ様からの命令だ。悪いがお前を殺す事にした。まあ、無言であるお前には関係ないな」
神室は非情な性格を剥き出しにしていて、右手に闇の剣を召喚する。そのまま鞘から引き抜いて剣を強く構え、完全にアルフレッドを殺そうとしているのだ。
「悪く思うなよ。失敗した奴は死を持って償う……それがアークスレイヤーの掟だ!」
神室は剣を素早く振り下ろし、そのままアルフレッドを斬り裂いて絶命させたのだった……
※
それから翌日、牢獄でアルフレッドの遺体が転がっているのが目撃され、彼の遺体はそのまま罪人墓地へと埋葬された。同時にグレゴリー達も裁判の為に王都に移送され、ホムラの街を離れる事になった。
その後の彼等は裁判を受け、グレゴリーは終身刑、兵士達は二年間の強制労働の判決を受けてしまった。彼等はその後どうなったのかは……物語の先で明らかになるだろう。
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