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第二章 隠されたホムラの陰謀
第六十四話 異世界に飛ばされた者達
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涼風がこの世界に飛ばされて奴隷になっていた事に皆が唖然とする中、零夜達が彼女達の元に駆け付けてきた。
「お待たせ!皆無事……って、あなたはZ世代タレントの涼風さん!?」
「あなたもこの世界に飛ばされていたなんて……」
零夜とヒカリも涼風の姿に驚きを隠せずにいたが、トラマツは真剣な表情で彼女達に近付く。その様子だと何か分かったみたいだ。
「突然の異世界転移だな。何者かによってここに転移させられたに違いない」
「異世界転移……涼風ちゃん、何かあったのか説明して」
トラマツからの説明を聞いた倫子は真剣な表情で考え、そのまま涼風に視線を移しながら説明を求め始めた。彼女が何故この世界にいるのか気になるのも無理はない。
「実は……あれは数分前ぐらいの頃でした」
涼風はその時の事を振り返りながら、倫子達に話し始めた。
※
涼風は人気番組『逃走ロワイアル』に逃走者として出演していたが、残り時間十五分に確保されてしまったのだ。一瞬の油断が命取りになり、この様な結果になったのは言うまでもない。
因みに当時の姿は下半身は変わっておらず、緑色のラインが付いた運動服である。
「ヒック……グス……」
涼風は涙を流しながら皆がいる牢獄へと向かっていたその時、突然彼女の足元に魔法陣が展開されてしまい、そのまま彼女を転移させてしまった。
この光景に皆が驚く中、魔法陣のあった場所に残っていたのは、涼風が着ていた運動服だけだった……
※
「そして、目覚めたら何故かこの場所に居ました。なんでこんな事に……」
涼風は説明した後に目に涙を浮かべてしまい、倫子は彼女を自身の胸に抱き寄せて優しく頭を撫で始める。零夜達は事実を聞いた以上、彼女を放っておけなくなるのも無理ない。アークスレイヤーを倒すだけでなく、涼風を現代世界に戻す責務も果たさねばならなくなった。
「事実と聞いた以上は放っておけないですが、転移したと同時に服もタンクトップになったのですね……」
零夜は涼風の服がタンクトップに変わった事も納得し、すぐに彼女の肩にそっと手を置く。
「大丈夫です。俺達があなたを元の世界に必ず戻します。たとえどんな事があろうとも、約束を必ず果たしてみせます!」
「ありがとうございます……それで、あなたの名前は……?」
零夜からの笑顔の励ましに涼風は倫子から離れて涙を拭き、そのまま彼に視線を移して名前を質問する。
「俺は東零夜。プロレスラーを目指す忍者です!」
零夜が笑顔で涼風に自己紹介をし、彼女も笑顔で応える。すると、奴隷の集団の中から一人の女性が姿を現し、倫子の元に駆け寄ってきた。衣装はスポーツブラとサスペンダー付属のジーンズで、黒いロングヘアの姿をしていた。
女性の姿を見た倫子は驚きを隠せず、すぐに彼女の元に駆け寄ってきた。
「日和ちゃん!あなたもこの世界に飛ばされたの!?」
「藍原さん、お久しぶりです。まさかここで出会えるなんて……」
倫子は自身の後輩でタッグパートナーでもある有原日和と再会し、目に涙を浮かべながら笑顔の表情をしていた。
日和は人気アイドルグループ「SFG48」の人気アイドルであり、女子プロレス団体「バトルガールTOKYO」の若手エースとしても活躍している二刀流レスラーだ。倫子とはタッグを組んでいて、「ダブルエース」というタッグチームで活躍しているのだ。
「日和ちゃんもこの世界に飛ばされたの?」
「はい。プロレスの試合が終わって帰ろうとした時、いきなり魔法陣が現れて気が付いたらこの世界に来ました。しかも、服装まで変わっちゃいまして」
日和からの話を聞いた倫子は納得の表情をしながら、彼女の衣装に視線を移す。普段ならプロレスコスはアイドル衣装を元にしてスカートが多いが、何故かジーンズとサスペンダー姿に変わっていたのだ。これも異世界に飛ばされた影響には違いないだろう。
「でも、藍原さんと再会した分、私も共に戦います!ダブルエースとして戦いましょう!」
「そうね。私達の力、見せつけないと!」
倫子が日和と拳をぶつけたその時、彼女のバングルが光り輝いて日和とのパートナー契約が結ばれた。それと同時に、ダブルエースの活動も異世界で再開する事が決まった。
「取り敢えずはここにいる奴隷は救出したし、奴隷達の中で俺達に関係がある人は他にいないか?」
零夜は奴隷達に関係者がいないか質問する中、二人の奴隷が手を挙げる。そのまま彼女達が前に出た途端、その姿にアミリスとソニアは驚きを隠せずにいた。
一人目は青いロングヘアで人魚のヒレが頭に付いている人魚族で、青い袖無しのオールインワンテコンドー道着を着ている。
もう一人は黒いロングヘアで鬼の角をしているオーガ族で、青い長袴とへそ出しの袖無し衣を着用しているのだ。
「マーリン!あなたもここにいたの?」
「アミリス……!」
「杏、無事だったのか!」
「ソニア……」
アミリスとマーリン、ソニアと杏はそれぞれのパートナーとの再会を喜び合い、お互い笑顔で涙を浮かべていた。
その様子に零夜達は微笑む中、彼等は奴隷達を見ながら関係者は他にもいない事を確認する。
「まさか再会連発の展開になるとは驚きました」
「ええ。取り敢えずは全員救出したし、残るはべムールのみね」
「そうだね。じゃあ、彼女達は僕等で誘導しておくよ。あと、武器についてはガンテツが回収済みだから」
ヒューゴが指差す方を見ると、なんとガンテツの隣に大量の服と武器が並べながら置かれていた。どうやら倫子達が再会を果たしてしている内に、ガンテツが陰でこっそりと回収したのだろう。
「服と武器にちてはおいが全て回収した!全員はよ受け取った後、脱出すっ方はクロエん元へ。戦うかっごがあっ者は零夜達へ向かうごつ!」
「ちゃんと指示通りに行動してね!」
ガンテツのクロエの指示と同時に、捕まった者達は服と武器を回収してどうするか考えて行動し始める。その結果、涼風率いる多くが脱出する事になり、残るのは日和、杏、ソニア、二人の女性となったのだ。
「じゃあ、僕等は安全な場所に移動しておくよ。必ずべムールを倒してくれ!」
「勿論だ!必ず倒してみせる!」
ヒューゴからのエールに零夜はガッツポーズで応え、そのままミミ達と共にべムールを倒す為に駆け出し始めた。残ったヒューゴ達はクロエを中心に集まり、そのまま魔法陣を起動させてその場から転移する。
「零夜さん達、大丈夫でしょうか?あの様な悪と戦う為に身を捧げているのは分かりますが……」
涼風は零夜達の事を不安に思いながら、心配そうな表情でヒューゴに質問する。するとヒューゴは涼風に対して、安心させる様に笑顔を見せる。
「大丈夫。零夜は必ず勝つ。彼は最後まで諦めない戦士だからね」
ヒューゴが笑顔で涼風に説明した直後、そのまま魔法陣が発動され、彼等は基地の外へと転移した。
※
零夜達は歩きながらべムールのいる部屋を進んでいる中、彼は行動する事を決意した二人の女性に視線を移す。
一人は吸血鬼族のコーネリア。ブラウスに青いサロペットジャンパースカートを着用していて、白いロングヘアの女子高生だ。彼女は女学院高等部の卒業式を終えて帰ろうとしていたところ、突然アークスレイヤーの襲撃を受けて捕まってしまったのだ。
もう一人はマリー・アントワネット。白いナイトキャップに白いネグリジェドレスを着ていて、三十代後半の元王妃だ。彼女はこの世界に転生してロベリアの王妃として迎えられたが、部下による裏切りでアークスレイヤーに引き渡されて今に至る。
「二人は自らアークスレイヤーと戦う決意をしたけど、本当に大丈夫なのか?」
零夜は心配そうな表情でコーネリアとマリーに質問するが、二人は大丈夫と頷きながら応え返した。
「大丈夫!私は吸血鬼だけど、水や陽の光はへっちゃらの特異体質だから!」
「私も転生した時から魔術と剣術が使えるわ。あなた達のサポートは任せて!」
コーネリアとマリーは自身の戦闘能力をアピールしながら戦う事を決意していて、その様子に零夜はコクリと頷きながら承諾する。仲間が増えれば今後の戦いが有利になるのは間違いないだろう。
「分かった。これからも宜しく頼む」
「ええ!」
零夜の笑顔にマリーが代表して笑顔で返し、彼等はそのまま目的地であるべムールのいる部屋へと歩き出したのだった。
「お待たせ!皆無事……って、あなたはZ世代タレントの涼風さん!?」
「あなたもこの世界に飛ばされていたなんて……」
零夜とヒカリも涼風の姿に驚きを隠せずにいたが、トラマツは真剣な表情で彼女達に近付く。その様子だと何か分かったみたいだ。
「突然の異世界転移だな。何者かによってここに転移させられたに違いない」
「異世界転移……涼風ちゃん、何かあったのか説明して」
トラマツからの説明を聞いた倫子は真剣な表情で考え、そのまま涼風に視線を移しながら説明を求め始めた。彼女が何故この世界にいるのか気になるのも無理はない。
「実は……あれは数分前ぐらいの頃でした」
涼風はその時の事を振り返りながら、倫子達に話し始めた。
※
涼風は人気番組『逃走ロワイアル』に逃走者として出演していたが、残り時間十五分に確保されてしまったのだ。一瞬の油断が命取りになり、この様な結果になったのは言うまでもない。
因みに当時の姿は下半身は変わっておらず、緑色のラインが付いた運動服である。
「ヒック……グス……」
涼風は涙を流しながら皆がいる牢獄へと向かっていたその時、突然彼女の足元に魔法陣が展開されてしまい、そのまま彼女を転移させてしまった。
この光景に皆が驚く中、魔法陣のあった場所に残っていたのは、涼風が着ていた運動服だけだった……
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「そして、目覚めたら何故かこの場所に居ました。なんでこんな事に……」
涼風は説明した後に目に涙を浮かべてしまい、倫子は彼女を自身の胸に抱き寄せて優しく頭を撫で始める。零夜達は事実を聞いた以上、彼女を放っておけなくなるのも無理ない。アークスレイヤーを倒すだけでなく、涼風を現代世界に戻す責務も果たさねばならなくなった。
「事実と聞いた以上は放っておけないですが、転移したと同時に服もタンクトップになったのですね……」
零夜は涼風の服がタンクトップに変わった事も納得し、すぐに彼女の肩にそっと手を置く。
「大丈夫です。俺達があなたを元の世界に必ず戻します。たとえどんな事があろうとも、約束を必ず果たしてみせます!」
「ありがとうございます……それで、あなたの名前は……?」
零夜からの笑顔の励ましに涼風は倫子から離れて涙を拭き、そのまま彼に視線を移して名前を質問する。
「俺は東零夜。プロレスラーを目指す忍者です!」
零夜が笑顔で涼風に自己紹介をし、彼女も笑顔で応える。すると、奴隷の集団の中から一人の女性が姿を現し、倫子の元に駆け寄ってきた。衣装はスポーツブラとサスペンダー付属のジーンズで、黒いロングヘアの姿をしていた。
女性の姿を見た倫子は驚きを隠せず、すぐに彼女の元に駆け寄ってきた。
「日和ちゃん!あなたもこの世界に飛ばされたの!?」
「藍原さん、お久しぶりです。まさかここで出会えるなんて……」
倫子は自身の後輩でタッグパートナーでもある有原日和と再会し、目に涙を浮かべながら笑顔の表情をしていた。
日和は人気アイドルグループ「SFG48」の人気アイドルであり、女子プロレス団体「バトルガールTOKYO」の若手エースとしても活躍している二刀流レスラーだ。倫子とはタッグを組んでいて、「ダブルエース」というタッグチームで活躍しているのだ。
「日和ちゃんもこの世界に飛ばされたの?」
「はい。プロレスの試合が終わって帰ろうとした時、いきなり魔法陣が現れて気が付いたらこの世界に来ました。しかも、服装まで変わっちゃいまして」
日和からの話を聞いた倫子は納得の表情をしながら、彼女の衣装に視線を移す。普段ならプロレスコスはアイドル衣装を元にしてスカートが多いが、何故かジーンズとサスペンダー姿に変わっていたのだ。これも異世界に飛ばされた影響には違いないだろう。
「でも、藍原さんと再会した分、私も共に戦います!ダブルエースとして戦いましょう!」
「そうね。私達の力、見せつけないと!」
倫子が日和と拳をぶつけたその時、彼女のバングルが光り輝いて日和とのパートナー契約が結ばれた。それと同時に、ダブルエースの活動も異世界で再開する事が決まった。
「取り敢えずはここにいる奴隷は救出したし、奴隷達の中で俺達に関係がある人は他にいないか?」
零夜は奴隷達に関係者がいないか質問する中、二人の奴隷が手を挙げる。そのまま彼女達が前に出た途端、その姿にアミリスとソニアは驚きを隠せずにいた。
一人目は青いロングヘアで人魚のヒレが頭に付いている人魚族で、青い袖無しのオールインワンテコンドー道着を着ている。
もう一人は黒いロングヘアで鬼の角をしているオーガ族で、青い長袴とへそ出しの袖無し衣を着用しているのだ。
「マーリン!あなたもここにいたの?」
「アミリス……!」
「杏、無事だったのか!」
「ソニア……」
アミリスとマーリン、ソニアと杏はそれぞれのパートナーとの再会を喜び合い、お互い笑顔で涙を浮かべていた。
その様子に零夜達は微笑む中、彼等は奴隷達を見ながら関係者は他にもいない事を確認する。
「まさか再会連発の展開になるとは驚きました」
「ええ。取り敢えずは全員救出したし、残るはべムールのみね」
「そうだね。じゃあ、彼女達は僕等で誘導しておくよ。あと、武器についてはガンテツが回収済みだから」
ヒューゴが指差す方を見ると、なんとガンテツの隣に大量の服と武器が並べながら置かれていた。どうやら倫子達が再会を果たしてしている内に、ガンテツが陰でこっそりと回収したのだろう。
「服と武器にちてはおいが全て回収した!全員はよ受け取った後、脱出すっ方はクロエん元へ。戦うかっごがあっ者は零夜達へ向かうごつ!」
「ちゃんと指示通りに行動してね!」
ガンテツのクロエの指示と同時に、捕まった者達は服と武器を回収してどうするか考えて行動し始める。その結果、涼風率いる多くが脱出する事になり、残るのは日和、杏、ソニア、二人の女性となったのだ。
「じゃあ、僕等は安全な場所に移動しておくよ。必ずべムールを倒してくれ!」
「勿論だ!必ず倒してみせる!」
ヒューゴからのエールに零夜はガッツポーズで応え、そのままミミ達と共にべムールを倒す為に駆け出し始めた。残ったヒューゴ達はクロエを中心に集まり、そのまま魔法陣を起動させてその場から転移する。
「零夜さん達、大丈夫でしょうか?あの様な悪と戦う為に身を捧げているのは分かりますが……」
涼風は零夜達の事を不安に思いながら、心配そうな表情でヒューゴに質問する。するとヒューゴは涼風に対して、安心させる様に笑顔を見せる。
「大丈夫。零夜は必ず勝つ。彼は最後まで諦めない戦士だからね」
ヒューゴが笑顔で涼風に説明した直後、そのまま魔法陣が発動され、彼等は基地の外へと転移した。
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零夜達は歩きながらべムールのいる部屋を進んでいる中、彼は行動する事を決意した二人の女性に視線を移す。
一人は吸血鬼族のコーネリア。ブラウスに青いサロペットジャンパースカートを着用していて、白いロングヘアの女子高生だ。彼女は女学院高等部の卒業式を終えて帰ろうとしていたところ、突然アークスレイヤーの襲撃を受けて捕まってしまったのだ。
もう一人はマリー・アントワネット。白いナイトキャップに白いネグリジェドレスを着ていて、三十代後半の元王妃だ。彼女はこの世界に転生してロベリアの王妃として迎えられたが、部下による裏切りでアークスレイヤーに引き渡されて今に至る。
「二人は自らアークスレイヤーと戦う決意をしたけど、本当に大丈夫なのか?」
零夜は心配そうな表情でコーネリアとマリーに質問するが、二人は大丈夫と頷きながら応え返した。
「大丈夫!私は吸血鬼だけど、水や陽の光はへっちゃらの特異体質だから!」
「私も転生した時から魔術と剣術が使えるわ。あなた達のサポートは任せて!」
コーネリアとマリーは自身の戦闘能力をアピールしながら戦う事を決意していて、その様子に零夜はコクリと頷きながら承諾する。仲間が増えれば今後の戦いが有利になるのは間違いないだろう。
「分かった。これからも宜しく頼む」
「ええ!」
零夜の笑顔にマリーが代表して笑顔で返し、彼等はそのまま目的地であるべムールのいる部屋へと歩き出したのだった。
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