18 / 277
第一章 戦士達の集結
第十六話 ブラックボアとの戦い
しおりを挟む
突然の音がした事に皆が真剣な表情で身構える中、ヒューゴは鋭い音感ですぐに足音の正体を察する。
「今の音は一体……」
「この音……ブラックボアだ!」
ヒューゴが真剣な表情で危機感を察したその時、ブラックボアの大群が姿を現した。黒い猪の姿だが、牙は象のような長さでとても大きい。
しかもその数は五十以上であり、一般人でも苦戦するレベルであるのは間違いないだろう。
「数が多いみたいだが、かなり危険なのか?」
「ブラックボアはかなり危険と言われているわ!ここは私に任せて!」
零夜の質問にエヴァが真剣な表情で身構えたと同時に、ブラックボアの一匹が彼女に向かって突撃してきた。
「ふっ!」
しかし、エヴァは両手でブラックボアの牙を掴んで止めてしまい、そのままヒョイと軽く持ち上げる。
ブラックボアの重さは約百五十kg以上あるが、エヴァにとってはお茶の子さいさいである。
「「「へ!?」」」
この光景にヒカリ達がポカンとしたその時、エヴァはそのままブラックボアを思いっきり遠くに投げ飛ばした。
ブラックボアはお星様となってしまい、そのまま素材と金貨がエヴァの手元に落ちてきた。
「投げちゃった……」
この光景にヒカリ達は思わずポカンとした表情をしてしまい、ヒューゴ達は苦笑いをしてしまう。
「エヴァはこう見えても怪力だからね。この間なんか盗賊の家を投げ飛ばして破壊したし、それによって盗賊達は重傷を負ったけど」
ヒューゴの説明に零夜達は盛大にずっこけてしまう。下手したらトラックどころかジェット機や戦車までも軽々と投げ飛ばして遠くに飛ばしてしまう。敵に回したら後が怖いのは確定で、手加減する事も難しいだろう。
「まあ……凄いとしか言いようがないな……けど、俺達も負けてられるか!」
ヒューゴの説明に零夜は驚きを隠せずにいたが、すぐにやる気を引き出してブラックボアの群れに立ち向かう。
「紅蓮斬撃!」
零夜は忍者刀を炎を纏った刀『炎帝刀』に変化させ、次々とブラックボアを炎の斬撃で倒しまくる。
するとブラックボアは次々と猪の丸焼きになってしまい、またしてもお約束となってしまった。
「結局こうなるのかよ!しかも、猪の丸焼きって……」
「お約束だからね……じゃあ、僕も!」
零夜のツッコミの叫びにヒューゴが苦笑いした後、彼は真剣な表情でブラックボアに立ち向かう。そのまま彼は剣を強く構えたと同時に、剣から光のオーラが溢れ出てきた。
「エンペラーソード!」
ヒューゴは広範囲の斬撃でブラックボアを次々と倒しまくり、半数を見事倒す事に成功。ブラックボアは倒れたと同時に、金貨と毛、肉、牙などの素材に変化したのだ。
(凄い……これが勇者の実力か……)
零夜がヒューゴの勇姿に心から驚きを隠せずにいたその時、ブラックボアの一匹が突進しながら彼に襲い掛かる。
「おっと!」
しかし、零夜は冷静に対処したと同時に、高く跳躍してブラックボアの突進を回避する。
その隙を見たヒカリはブラックボアに狙いを定めつつ、マジカルハートの態勢に入り始める。
「隙ありね!マジカルハート!」
笑顔のヒカリが放つハートの光線はブラックボアに当たり、彼はそのまま彼女に向きを変えて頭を下げて一礼する。
「ええ。宜しくね」
ヒカリが了承したと同時に、ブラックボアはスピリットとなって彼女のバングルの中に入った。
「大成功!」
ヒカリは指を鳴らしながら笑顔を見せ、この姿にクロエと紬は感心の表情をしながら微笑んだ。それと同時に彼女達の負けられない思いが強くなったのも無理はない。
「召喚魔術もできるみたいね。私も負けられないわ!フレイムボール!」
「こちらも参ります!スマッシュキャノン!」
ラストはクロエと紬が負けじと炎と無属性の合体魔術で残りのブラックボアを倒し終える。
ブラックボアは猪の丸焼きと毛皮、角、金貨となってしまい、零夜達はそれ等を全て回収し終える。
「取り敢えず倒したか……それにしても、凄い実力だった……流石は勇者パーティーだな……」
零夜は武器を収めながらもヒューゴ達の勇姿を称賛し、彼も笑顔で応える。
「ああ。君達も見事だよ。エヴァについてだけど、君達で大切にして欲しい。別々のチームになるけど、僕達は彼女の活躍を信じているから」
「任せてくれ!エヴァは俺達の大切な仲間だからな!」
零夜とヒューゴはハイタッチで約束を交わし、エヴァは正式に零夜達の仲間になった。
「ありがとう……二人共……」
エヴァは零夜とヒューゴに感謝しながら嬉し涙を流し、倫子が彼女の肩に手を置きながら微笑む。
エヴァは正式に零夜達の仲間になり、残るメンバーは後三人となった。
「じゃあ、急いで目的地に向かいましょう!時間が惜しいからね」
「そうだな……行くとするか!」
ミミの合図に零夜が頷きながら応えたその時、ヒューゴがある事を思い出す。
「そうそう。ホムラに行くにはこの林を通り抜けた後、ベイルーン丘がある。そこには今みたいにモンスターも潜んでいるから要注意だ」
「つまり、油断禁物という事ね。でも、経験値を積むのならもってこいと思うし、その為にも今を頑張らないと!」
ヒューゴの説明にヒカリはやる気をみなぎらせ、皆もコクリと頷きながら同意する。そのまま彼等はホムラの街を目指しながら、再び歩き始めた。
※
「異世界からのメンバーは全員集めたわね。皆、いい人で良かったわ」
ゴッドエデンにあるメディアの屋敷では、彼女とリリアが水晶玉でトラマツ達の様子を見ていて、今の様子に安堵の表情をしていた。
零夜、ミミ、倫子、ヒカリがこの戦いに協力する事になり、エヴァも正式に仲間になった。
「エヴァさんも仲間になりましたが、残るは3人。彼女達は協力するのか気になりますし、行方がどうなっているのかも不明です」
リリアはアミリス、ソニア、ジャンヌの行方が分からない事に不安な様子を見せている。三人の行方は未だに分かってなく、このままだと見つからない傾向もある。
リリアが三人の行方を心配している中、メディアが安心させるように優しく彼女の頭を撫でる。
「トラマツ達の説得に掛かるわね。無事に成功できる事を信じましょう」
「ええ…」
メディアとリリアはトラマツ達が無事に任務を達成する事を信じながら、彼等のこれからを見守る事にしたのだった。
「今の音は一体……」
「この音……ブラックボアだ!」
ヒューゴが真剣な表情で危機感を察したその時、ブラックボアの大群が姿を現した。黒い猪の姿だが、牙は象のような長さでとても大きい。
しかもその数は五十以上であり、一般人でも苦戦するレベルであるのは間違いないだろう。
「数が多いみたいだが、かなり危険なのか?」
「ブラックボアはかなり危険と言われているわ!ここは私に任せて!」
零夜の質問にエヴァが真剣な表情で身構えたと同時に、ブラックボアの一匹が彼女に向かって突撃してきた。
「ふっ!」
しかし、エヴァは両手でブラックボアの牙を掴んで止めてしまい、そのままヒョイと軽く持ち上げる。
ブラックボアの重さは約百五十kg以上あるが、エヴァにとってはお茶の子さいさいである。
「「「へ!?」」」
この光景にヒカリ達がポカンとしたその時、エヴァはそのままブラックボアを思いっきり遠くに投げ飛ばした。
ブラックボアはお星様となってしまい、そのまま素材と金貨がエヴァの手元に落ちてきた。
「投げちゃった……」
この光景にヒカリ達は思わずポカンとした表情をしてしまい、ヒューゴ達は苦笑いをしてしまう。
「エヴァはこう見えても怪力だからね。この間なんか盗賊の家を投げ飛ばして破壊したし、それによって盗賊達は重傷を負ったけど」
ヒューゴの説明に零夜達は盛大にずっこけてしまう。下手したらトラックどころかジェット機や戦車までも軽々と投げ飛ばして遠くに飛ばしてしまう。敵に回したら後が怖いのは確定で、手加減する事も難しいだろう。
「まあ……凄いとしか言いようがないな……けど、俺達も負けてられるか!」
ヒューゴの説明に零夜は驚きを隠せずにいたが、すぐにやる気を引き出してブラックボアの群れに立ち向かう。
「紅蓮斬撃!」
零夜は忍者刀を炎を纏った刀『炎帝刀』に変化させ、次々とブラックボアを炎の斬撃で倒しまくる。
するとブラックボアは次々と猪の丸焼きになってしまい、またしてもお約束となってしまった。
「結局こうなるのかよ!しかも、猪の丸焼きって……」
「お約束だからね……じゃあ、僕も!」
零夜のツッコミの叫びにヒューゴが苦笑いした後、彼は真剣な表情でブラックボアに立ち向かう。そのまま彼は剣を強く構えたと同時に、剣から光のオーラが溢れ出てきた。
「エンペラーソード!」
ヒューゴは広範囲の斬撃でブラックボアを次々と倒しまくり、半数を見事倒す事に成功。ブラックボアは倒れたと同時に、金貨と毛、肉、牙などの素材に変化したのだ。
(凄い……これが勇者の実力か……)
零夜がヒューゴの勇姿に心から驚きを隠せずにいたその時、ブラックボアの一匹が突進しながら彼に襲い掛かる。
「おっと!」
しかし、零夜は冷静に対処したと同時に、高く跳躍してブラックボアの突進を回避する。
その隙を見たヒカリはブラックボアに狙いを定めつつ、マジカルハートの態勢に入り始める。
「隙ありね!マジカルハート!」
笑顔のヒカリが放つハートの光線はブラックボアに当たり、彼はそのまま彼女に向きを変えて頭を下げて一礼する。
「ええ。宜しくね」
ヒカリが了承したと同時に、ブラックボアはスピリットとなって彼女のバングルの中に入った。
「大成功!」
ヒカリは指を鳴らしながら笑顔を見せ、この姿にクロエと紬は感心の表情をしながら微笑んだ。それと同時に彼女達の負けられない思いが強くなったのも無理はない。
「召喚魔術もできるみたいね。私も負けられないわ!フレイムボール!」
「こちらも参ります!スマッシュキャノン!」
ラストはクロエと紬が負けじと炎と無属性の合体魔術で残りのブラックボアを倒し終える。
ブラックボアは猪の丸焼きと毛皮、角、金貨となってしまい、零夜達はそれ等を全て回収し終える。
「取り敢えず倒したか……それにしても、凄い実力だった……流石は勇者パーティーだな……」
零夜は武器を収めながらもヒューゴ達の勇姿を称賛し、彼も笑顔で応える。
「ああ。君達も見事だよ。エヴァについてだけど、君達で大切にして欲しい。別々のチームになるけど、僕達は彼女の活躍を信じているから」
「任せてくれ!エヴァは俺達の大切な仲間だからな!」
零夜とヒューゴはハイタッチで約束を交わし、エヴァは正式に零夜達の仲間になった。
「ありがとう……二人共……」
エヴァは零夜とヒューゴに感謝しながら嬉し涙を流し、倫子が彼女の肩に手を置きながら微笑む。
エヴァは正式に零夜達の仲間になり、残るメンバーは後三人となった。
「じゃあ、急いで目的地に向かいましょう!時間が惜しいからね」
「そうだな……行くとするか!」
ミミの合図に零夜が頷きながら応えたその時、ヒューゴがある事を思い出す。
「そうそう。ホムラに行くにはこの林を通り抜けた後、ベイルーン丘がある。そこには今みたいにモンスターも潜んでいるから要注意だ」
「つまり、油断禁物という事ね。でも、経験値を積むのならもってこいと思うし、その為にも今を頑張らないと!」
ヒューゴの説明にヒカリはやる気をみなぎらせ、皆もコクリと頷きながら同意する。そのまま彼等はホムラの街を目指しながら、再び歩き始めた。
※
「異世界からのメンバーは全員集めたわね。皆、いい人で良かったわ」
ゴッドエデンにあるメディアの屋敷では、彼女とリリアが水晶玉でトラマツ達の様子を見ていて、今の様子に安堵の表情をしていた。
零夜、ミミ、倫子、ヒカリがこの戦いに協力する事になり、エヴァも正式に仲間になった。
「エヴァさんも仲間になりましたが、残るは3人。彼女達は協力するのか気になりますし、行方がどうなっているのかも不明です」
リリアはアミリス、ソニア、ジャンヌの行方が分からない事に不安な様子を見せている。三人の行方は未だに分かってなく、このままだと見つからない傾向もある。
リリアが三人の行方を心配している中、メディアが安心させるように優しく彼女の頭を撫でる。
「トラマツ達の説得に掛かるわね。無事に成功できる事を信じましょう」
「ええ…」
メディアとリリアはトラマツ達が無事に任務を達成する事を信じながら、彼等のこれからを見守る事にしたのだった。
1
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
30年待たされた異世界転移
明之 想
ファンタジー
気づけば異世界にいた10歳のぼく。
「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」
こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。
右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。
でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。
あの日見た夢の続きを信じて。
ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!
くじけそうになっても努力を続け。
そうして、30年が経過。
ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。
しかも、20歳も若返った姿で。
異世界と日本の2つの世界で、
20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
料理屋「○」~異世界に飛ばされたけど美味しい物を食べる事に妥協できませんでした~
斬原和菓子
ファンタジー
ここは異世界の中都市にある料理屋。日々の疲れを癒すべく店に来るお客様は様々な問題に悩まされている
酒と食事に癒される人々をさらに幸せにするべく奮闘するマスターの異世界食事情冒険譚
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる