54 / 96
第二章 ホムラでの大決戦
第五十二話 ジェニーとヒカリ
しおりを挟む
地下へ向かう階段を降りて、地下牢に辿り着いたヒカリは辺りを見回す。
そこは暗くて薄気味悪く、明かりはランプのみとなっていた。
「暗いな……よし!ライトマジック!」
ヒカリは光の魔術を使って辺りを明るく照らし始める。地下牢は明るい空間となり、彼女はジェニーを探しに駆け出し始める。
「えーっと……ジェニーは確かこの辺りに……あっ!」
ヒカリがキョロキョロと見回しながらジェニーを探すと、牢屋の中にジェニーが怯えているのが見えた。
身体中は傷だらけで、ボロボロの服を着ている。
「誰……ですか?」
「私?私は国重ヒカリ。あなたがジェニーね」
「はい……私を助けに来てくれたのですか?」
「ええ、その通りよ。ちょっと手の甲を見せてくれるかな?」
「はい……」
ジェニーは手の甲をヒカリに見せると、そこには紋章が何も描かれていなかった。
(紋章が無い……普通契約すると紋章が浮かび上がる筈なのに……ん?)
ヒカリは真剣な表情で疑問に感じながら考えていたその時、ジェニーの首に鋼鉄の首輪が付けられているのを確認する。
恐らく素材やデザインもこの世界の物とは違っている限り、アークスレイヤー製の首輪である事に間違いないだろう。
(なるほど……アークスレイヤーらしいやり方ね)
ヒカリは冷や汗を流しながらこの首輪に納得し、ジェニーの両肩に手を置く。
「大丈夫。あなたを自由にさせてあげる」
「えっ?ヒカリさんが?」
「まあ、見てなさい」
ヒカリは首輪に手を触れたと同時に、集中力を高めて魔術を唱え始める。
「呪われた首輪よ。私の名の下に今すぐ消え給え!ホーリー・リリース!」
ヒカリの詠唱が終わった直後、ジェニーの首輪が光り輝き、そのまま塵となって消滅する。
それと同時にジェニーはアルフレッドの奴隷から解放されたのだ。
「もう大丈夫!終わったわ!」
ヒカリが笑顔で微笑んだその時、ジェニーの目からポロポロと涙がこぼれ落ちる。アルフレッドから解放された安堵感、自身を助けてくれた事で頭が一杯になり、涙が出てしまうのも無理なかった。
「ありがとう……ございます……!」
ジェニーは涙を流しながらお礼を言いつつ、そのままヒカリに抱きついた。
その様子を見ていたヒカリはジェニーを自身の胸の中に抱きしめ、よしよしと彼女の頭を撫でる。
「大丈夫……私が側にいるから……」
ヒカリはジェニーを落ち着かせるまでここにいようとしたその時、ミミと倫子が駆け付けてきた。
「ヒカリ!こっちは終わったわ!連れ去られた人達は紬ちゃん達が保護してくれたわ!」
「そうですか……良かった……」
倫子からの報告にヒカリは安堵のため息をつき、ミミと倫子は抱き着いているジェニーに視線を移す。
「そっちも終わったみたいですね」
「ええ。でも、今は泣いているみたいだから、暫くは落ち着かせながら屋敷の外で待機しましょう」
「そうですね。では、すぐに転移します!」
ミミは自身の足元に魔法陣を発動させ、倫子達と共にその場から屋敷の外へと転移した。
そこは暗くて薄気味悪く、明かりはランプのみとなっていた。
「暗いな……よし!ライトマジック!」
ヒカリは光の魔術を使って辺りを明るく照らし始める。地下牢は明るい空間となり、彼女はジェニーを探しに駆け出し始める。
「えーっと……ジェニーは確かこの辺りに……あっ!」
ヒカリがキョロキョロと見回しながらジェニーを探すと、牢屋の中にジェニーが怯えているのが見えた。
身体中は傷だらけで、ボロボロの服を着ている。
「誰……ですか?」
「私?私は国重ヒカリ。あなたがジェニーね」
「はい……私を助けに来てくれたのですか?」
「ええ、その通りよ。ちょっと手の甲を見せてくれるかな?」
「はい……」
ジェニーは手の甲をヒカリに見せると、そこには紋章が何も描かれていなかった。
(紋章が無い……普通契約すると紋章が浮かび上がる筈なのに……ん?)
ヒカリは真剣な表情で疑問に感じながら考えていたその時、ジェニーの首に鋼鉄の首輪が付けられているのを確認する。
恐らく素材やデザインもこの世界の物とは違っている限り、アークスレイヤー製の首輪である事に間違いないだろう。
(なるほど……アークスレイヤーらしいやり方ね)
ヒカリは冷や汗を流しながらこの首輪に納得し、ジェニーの両肩に手を置く。
「大丈夫。あなたを自由にさせてあげる」
「えっ?ヒカリさんが?」
「まあ、見てなさい」
ヒカリは首輪に手を触れたと同時に、集中力を高めて魔術を唱え始める。
「呪われた首輪よ。私の名の下に今すぐ消え給え!ホーリー・リリース!」
ヒカリの詠唱が終わった直後、ジェニーの首輪が光り輝き、そのまま塵となって消滅する。
それと同時にジェニーはアルフレッドの奴隷から解放されたのだ。
「もう大丈夫!終わったわ!」
ヒカリが笑顔で微笑んだその時、ジェニーの目からポロポロと涙がこぼれ落ちる。アルフレッドから解放された安堵感、自身を助けてくれた事で頭が一杯になり、涙が出てしまうのも無理なかった。
「ありがとう……ございます……!」
ジェニーは涙を流しながらお礼を言いつつ、そのままヒカリに抱きついた。
その様子を見ていたヒカリはジェニーを自身の胸の中に抱きしめ、よしよしと彼女の頭を撫でる。
「大丈夫……私が側にいるから……」
ヒカリはジェニーを落ち着かせるまでここにいようとしたその時、ミミと倫子が駆け付けてきた。
「ヒカリ!こっちは終わったわ!連れ去られた人達は紬ちゃん達が保護してくれたわ!」
「そうですか……良かった……」
倫子からの報告にヒカリは安堵のため息をつき、ミミと倫子は抱き着いているジェニーに視線を移す。
「そっちも終わったみたいですね」
「ええ。でも、今は泣いているみたいだから、暫くは落ち着かせながら屋敷の外で待機しましょう」
「そうですね。では、すぐに転移します!」
ミミは自身の足元に魔法陣を発動させ、倫子達と共にその場から屋敷の外へと転移した。
応援ありがとうございます!
5
お気に入りに追加
8
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる