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第二章 追放奴隷のシルバーウルフ
第66話 黒服の男達の正体
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マツリ、サユリ、ヤツフサの二人と一匹は、黒服の男達に警戒しながら要塞へと進んでいた。道中モンスターが襲い掛かる事もあるので、警戒しなければ進めないだろう。
「サユリ、いざという時はあの巨大リンゴをお願いね」
「任せて。タイミングを見計らってやるから」
(大丈夫なのだろうか……余計な展開が起こらなければ良いが……)
マツリの指示にサユリはグッドサインで応えるが、彼女に抱かれているヤツフサは心配そうな表情をしていた。うっかり巨大リンゴを出す呪文を唱えれば、自分達まで被害が及ぶ可能性もあるだろう。
「大丈夫。リンゴ以外にも剣と盾が使えるから」
「なら安心と言えるが……敵が来るぞ!」
「「へ!?」」
ヤツフサの合図にマツリとサユリが驚いた直後、ノームの群れが姿を現す。しかも数は百以上いるが、小さいからと言って油断してはならないのだ。
しかしノームの大きさは小人ぐらいの大きさだが、今回のノームはなんと人間サイズの大きさとなっているのだ。
「ノームだけど……なんか違う様な……」
「うん。あれはノームヒューマンと言って、ノームの進化系だから」
「そんな種族もあるのか……何れにしても戦うしか方法はない。俺も戦うとしよう」
「えっ?ヤツフサも戦えるの?」
サユリの説明にヤツフサは納得した後、自身もノーム達と戦う事を決断。それにマツリは驚きを隠せずにいたが、ヤツフサはサユリの胸から降りて本来の大きさに戻り始めた。
「うおっ!デカい!」
「ヤツフサって、こんなにも大きかったんだ……」
なんとヤツフサはフェンリルの大きさとなってしまい、マツリとサユリはビックリしながら腰を抜かしてしまう。あの小さな狼がいきなり大きくなってしまうのを見れば、ビックリ仰天で腰を抜かしてしまうだろう。
「すぐに戦う用意を!ノーム達を倒して進むぞ!」
「そうだった!なら、遠慮なく本気でやりますか!」
マツリは刀と盾を手元に召喚し、強く握り締めながらノームヒューマンの群れに立ち向かう。彼女は刀と盾を使う戦闘スタイルの為、攻撃と防御を切り替えながら立ち向かう事ができるのだ。
因みに剣も使用可能なので、零夜と同じく刀類を全て使いこなせる事が可能なのだ。
「真空羅刹斬!」
強烈な風の斬撃がノームヒューマン達を斬り裂き、彼等は金貨と素材であるノームの帽子になってしまった。マツリの剣術は最強クラスである為、多くの敵を倒す事ができるのだ。
「私も負けられないわ!ブレイクスラッシュ!」
サユリも負けじと剣と盾を構えながら、強烈斬撃をノームヒューマンに浴びせる。敵の数は半数に減って行き、ヤツフサはとどめを刺そうとノームの群れに襲い掛かってきた。
「スピードタックル!」
強烈なスピードによるタックルが炸裂し、ノーム達は弾き飛ばされて次々と壁に激突する。そのまま彼等は金貨とノームの帽子となり、マツリが全て回収した。
「よし!ここは俺に乗った方が良い。敵が来る前に逃げるぞ!」
「分かったわ!善は急げね!」
マツリ、サユリの二人を自身の背中に乗せたヤツフサは、スピードを上げてこの場から走り去る。同時に黒服の男が姿を現すが、ヤツフサ達は既にいないので別の場所へと向かってしまった。
※
アイリン、ルイザ、アンナの三人は、敵の行動を察知しながら慎重に進んでいた。特にルイザとアンナは敵の正体などを見抜くスキルを持っている為、かなり役に立つだろう。
「ここから先は用心しないとね。黒服の男達が……来たわ!」
アンナの合図で三人が隠れた直後、黒服の男が歩きながら彼女達を探していた。しかしここにはいないので、別の場所に向かおうとする。
「しめた!ここはこいつで!」
アンナはこっそりと飛び出した直後、懐から小型爆弾を取り出す。それを黒服の男に狙いを定めて投げ飛ばし、見事彼の後頭部に直撃した。
「ナイスヒット!」
アンナが指を鳴らした直後、爆弾は大爆発を起こす。同時に黒服の男は倒れてしまい、動かなくなってしまった。しかも首から煙が発せられていて、バチバチと電流まで流れていた。
「動かなくなったわ。早速正体を調べましょう!」
ルイザの合図と同時に、彼女達は倒れている黒服の男に近付き始める。彼は既に機動停止していて、動かない状態となっているのだ。
「これって……機械人間よね?」
「いわゆるロボットと言っても良いぐらいだけど、念入りに調べてみるわね」
疑問に感じるルイザに対し、アイリンは黒服の男に触れながらデータを取り始める。彼のデータが自身の頭の中に流れ込み、すぐに正体を察する事に成功したのだ。
「分かったわ!こいつはサーチ型ハンティングロボ。ゼルクスよ!」
「ゼルクス……聞いた事があるわ!」
アイリンの説明を聞いたアンナは、すぐにゼルクスについてある事を思い出す。彼女はあのゼルクスと何か因縁がある様だ。
「知っているの?」
「私達はこいつ等によって囚われてしまい、奴隷にされてしまったの!まさか奴等がゲルガーの配下だったとは驚いたけど、復讐できてスカッとしたわ」
アンナは真剣な表情で説明した後、スッキリとした笑顔を見せる。彼女だけでなく、サユリ、ユイユイもゼルクスに捕まってしまったので、その時の恨みは今も残っているのだ。
「ともかくこの事については、皆に伝えないと!衝撃の事実が分かった以上、放って置く理由にはいかないからね!」
「ええ。皆で無事にこのステージを突破する為にも!」
「他にも黒服の奴等がいるみたいだし、用心しておかないとね!」
アンナの宣言にアイリンとルイザも真剣に頷き、彼女達はその場から走り去っていく。機動停止したゼルクスは盛大な爆発を起こしてしまい、その跡に残っているのは一本のネジだけだった。
※
ペンデュラスの街の外れにある避難所では、住民達が零夜達の活躍を見て期待の表情をしていた。更にギルドのメンバーやマスターであるフェルネの姿もいて、彼等は零夜達だけでなく、ルイザにも期待の表情をしていたのだ。
フェルネは老人の男性だが、最強クラスの魔術師でもある。昔取った杵柄と言っても良いぐらいだ。
(あのルイザがこの街を救う為に頑張っているとは……もしかすると……あの八犬士達との出会いが変えたのかも知れないな……)
フェルネは心から思いながら、引き続きウインドウに視線を移していく。零夜達とルイザなら必ずこの街を救ってくれると信じながら。
「サユリ、いざという時はあの巨大リンゴをお願いね」
「任せて。タイミングを見計らってやるから」
(大丈夫なのだろうか……余計な展開が起こらなければ良いが……)
マツリの指示にサユリはグッドサインで応えるが、彼女に抱かれているヤツフサは心配そうな表情をしていた。うっかり巨大リンゴを出す呪文を唱えれば、自分達まで被害が及ぶ可能性もあるだろう。
「大丈夫。リンゴ以外にも剣と盾が使えるから」
「なら安心と言えるが……敵が来るぞ!」
「「へ!?」」
ヤツフサの合図にマツリとサユリが驚いた直後、ノームの群れが姿を現す。しかも数は百以上いるが、小さいからと言って油断してはならないのだ。
しかしノームの大きさは小人ぐらいの大きさだが、今回のノームはなんと人間サイズの大きさとなっているのだ。
「ノームだけど……なんか違う様な……」
「うん。あれはノームヒューマンと言って、ノームの進化系だから」
「そんな種族もあるのか……何れにしても戦うしか方法はない。俺も戦うとしよう」
「えっ?ヤツフサも戦えるの?」
サユリの説明にヤツフサは納得した後、自身もノーム達と戦う事を決断。それにマツリは驚きを隠せずにいたが、ヤツフサはサユリの胸から降りて本来の大きさに戻り始めた。
「うおっ!デカい!」
「ヤツフサって、こんなにも大きかったんだ……」
なんとヤツフサはフェンリルの大きさとなってしまい、マツリとサユリはビックリしながら腰を抜かしてしまう。あの小さな狼がいきなり大きくなってしまうのを見れば、ビックリ仰天で腰を抜かしてしまうだろう。
「すぐに戦う用意を!ノーム達を倒して進むぞ!」
「そうだった!なら、遠慮なく本気でやりますか!」
マツリは刀と盾を手元に召喚し、強く握り締めながらノームヒューマンの群れに立ち向かう。彼女は刀と盾を使う戦闘スタイルの為、攻撃と防御を切り替えながら立ち向かう事ができるのだ。
因みに剣も使用可能なので、零夜と同じく刀類を全て使いこなせる事が可能なのだ。
「真空羅刹斬!」
強烈な風の斬撃がノームヒューマン達を斬り裂き、彼等は金貨と素材であるノームの帽子になってしまった。マツリの剣術は最強クラスである為、多くの敵を倒す事ができるのだ。
「私も負けられないわ!ブレイクスラッシュ!」
サユリも負けじと剣と盾を構えながら、強烈斬撃をノームヒューマンに浴びせる。敵の数は半数に減って行き、ヤツフサはとどめを刺そうとノームの群れに襲い掛かってきた。
「スピードタックル!」
強烈なスピードによるタックルが炸裂し、ノーム達は弾き飛ばされて次々と壁に激突する。そのまま彼等は金貨とノームの帽子となり、マツリが全て回収した。
「よし!ここは俺に乗った方が良い。敵が来る前に逃げるぞ!」
「分かったわ!善は急げね!」
マツリ、サユリの二人を自身の背中に乗せたヤツフサは、スピードを上げてこの場から走り去る。同時に黒服の男が姿を現すが、ヤツフサ達は既にいないので別の場所へと向かってしまった。
※
アイリン、ルイザ、アンナの三人は、敵の行動を察知しながら慎重に進んでいた。特にルイザとアンナは敵の正体などを見抜くスキルを持っている為、かなり役に立つだろう。
「ここから先は用心しないとね。黒服の男達が……来たわ!」
アンナの合図で三人が隠れた直後、黒服の男が歩きながら彼女達を探していた。しかしここにはいないので、別の場所に向かおうとする。
「しめた!ここはこいつで!」
アンナはこっそりと飛び出した直後、懐から小型爆弾を取り出す。それを黒服の男に狙いを定めて投げ飛ばし、見事彼の後頭部に直撃した。
「ナイスヒット!」
アンナが指を鳴らした直後、爆弾は大爆発を起こす。同時に黒服の男は倒れてしまい、動かなくなってしまった。しかも首から煙が発せられていて、バチバチと電流まで流れていた。
「動かなくなったわ。早速正体を調べましょう!」
ルイザの合図と同時に、彼女達は倒れている黒服の男に近付き始める。彼は既に機動停止していて、動かない状態となっているのだ。
「これって……機械人間よね?」
「いわゆるロボットと言っても良いぐらいだけど、念入りに調べてみるわね」
疑問に感じるルイザに対し、アイリンは黒服の男に触れながらデータを取り始める。彼のデータが自身の頭の中に流れ込み、すぐに正体を察する事に成功したのだ。
「分かったわ!こいつはサーチ型ハンティングロボ。ゼルクスよ!」
「ゼルクス……聞いた事があるわ!」
アイリンの説明を聞いたアンナは、すぐにゼルクスについてある事を思い出す。彼女はあのゼルクスと何か因縁がある様だ。
「知っているの?」
「私達はこいつ等によって囚われてしまい、奴隷にされてしまったの!まさか奴等がゲルガーの配下だったとは驚いたけど、復讐できてスカッとしたわ」
アンナは真剣な表情で説明した後、スッキリとした笑顔を見せる。彼女だけでなく、サユリ、ユイユイもゼルクスに捕まってしまったので、その時の恨みは今も残っているのだ。
「ともかくこの事については、皆に伝えないと!衝撃の事実が分かった以上、放って置く理由にはいかないからね!」
「ええ。皆で無事にこのステージを突破する為にも!」
「他にも黒服の奴等がいるみたいだし、用心しておかないとね!」
アンナの宣言にアイリンとルイザも真剣に頷き、彼女達はその場から走り去っていく。機動停止したゼルクスは盛大な爆発を起こしてしまい、その跡に残っているのは一本のネジだけだった。
※
ペンデュラスの街の外れにある避難所では、住民達が零夜達の活躍を見て期待の表情をしていた。更にギルドのメンバーやマスターであるフェルネの姿もいて、彼等は零夜達だけでなく、ルイザにも期待の表情をしていたのだ。
フェルネは老人の男性だが、最強クラスの魔術師でもある。昔取った杵柄と言っても良いぐらいだ。
(あのルイザがこの街を救う為に頑張っているとは……もしかすると……あの八犬士達との出会いが変えたのかも知れないな……)
フェルネは心から思いながら、引き続きウインドウに視線を移していく。零夜達とルイザなら必ずこの街を救ってくれると信じながら。
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