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番外編 逃がさないけどね ~一ノ瀬君side~ その18
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「一ノ瀬君ごめんね?本当にごめんなさい。……本当の私は臆病でヘタレで…。一ノ瀬君よりも四つも年上なのに、全然年上らしくなくて。仕事ならちゃんと出来るのに。普段は本当ダメダメで。若くもないし、綺麗でもないし、可愛げもないし、何の取り柄もなくて…。
私が第三者だったら、一ノ瀬君と私じゃ不釣り合いだって思うから。だから身を引くべきなんじゃないかって思って…」
過呼吸気味になりながらも必死に言葉を紡ぐ彼女が愛しい。
恥も外聞もかなぐり捨てて、泣きながら縋りつく姿が意地らしい。
「それに怖かったの…。こんなダメダメな私を知られちゃったら、一ノ瀬君が私と付き合った事を後悔するんじゃないかって…とても怖かった。これ以上、好きになってから突き放されたら私…。自分がどうなっちゃうのか分からなくて。だから逃げ出したくなっちゃったの…」
臆病な彼女が不安にならないよう、今まで俺は最大限気持ちを伝えてきたつもりだったのだが。十分ではなかったのだろうか?そう問うと、彼女は痛みを堪えるように顔を歪ませた。
「それは…伝わってた。一ノ瀬君に愛されてるって。大事にされてるって。すごく伝わってきた。けど、そしたら今度は、その想い自体が本物じゃないんじゃないかって。別の感情を混じってるんじゃないかって不安になって…」
本当バカだな。彼女はどれだけ無自覚なんだろう?
若くない?……年齢差なんて実質たった三つだ。後十年もしたら、きっと気にもならなくなるというのに。
綺麗でもない?……俺から見たら誰よりも綺麗だ。たまに他の男も彼女に見惚れている時があるのに気付いてないのか?
可愛げもない?……こんな斜め上の面白い発想する可愛い人なんて今まで見た事がないぞ?
取柄がない?…あれだけ仕事ができるのに何をいってるんだ?細やかな気配りができて、謙虚で、真摯で。本当に取柄がなかったら、あんなにも多くの人に慕われる訳がないだろう?
ダメダメなのがバレたら俺が後悔する?突き放す?……そんな事あるわけないのに。きっと俺の気持ちの百分の一も伝わっていないんだろうな。
「本当馬鹿だなぁ、真緒さんは。不要な心配ばかりして。あの時も言いましたけど、どんな感情が混ざってようと、俺が真緒さんを愛しているという事実は変わりませんよ。他の感情はトッピングみたいなもんです。寧ろトッピングがあった方がお得な気がしません?量が増える訳ですし。……ほら、あまり擦ると腫れちゃいますよ?」
そう言って、俺は彼女の赤く腫れあがっている瞼に優しく口付けた。
「あ~あ。こんなにぐちゃぐちゃになるまで泣いちゃって。本当可愛いですね、真緒さんは。
真緒さんがあり得ないくらい自己評価が低くて、吃驚するくらい臆病で、甘えたで、泣き虫で、我儘で、悲観的で、ものすっごく面倒臭くて、全然年上らしくない事なんかとっくに知ってますよ。そんなの今更です。そんな所をひっくるめて、俺は真緒さんが好きなんですよ。分かります?」
そう。そんな事は百も承知なんだ。そんなところも好きなんだ。だから、俺が彼女に幻滅する事なんてあり得ないんだ。
泣きじゃくる彼女を宥めるようにそっと頭を撫でる。すると彼女はいつものように俺の手に擦り寄ってきた。今までと変わらないやり取りに愛しさが込み上げ、俺は彼女の顔中にキスの雨を降らせたのだ。
私が第三者だったら、一ノ瀬君と私じゃ不釣り合いだって思うから。だから身を引くべきなんじゃないかって思って…」
過呼吸気味になりながらも必死に言葉を紡ぐ彼女が愛しい。
恥も外聞もかなぐり捨てて、泣きながら縋りつく姿が意地らしい。
「それに怖かったの…。こんなダメダメな私を知られちゃったら、一ノ瀬君が私と付き合った事を後悔するんじゃないかって…とても怖かった。これ以上、好きになってから突き放されたら私…。自分がどうなっちゃうのか分からなくて。だから逃げ出したくなっちゃったの…」
臆病な彼女が不安にならないよう、今まで俺は最大限気持ちを伝えてきたつもりだったのだが。十分ではなかったのだろうか?そう問うと、彼女は痛みを堪えるように顔を歪ませた。
「それは…伝わってた。一ノ瀬君に愛されてるって。大事にされてるって。すごく伝わってきた。けど、そしたら今度は、その想い自体が本物じゃないんじゃないかって。別の感情を混じってるんじゃないかって不安になって…」
本当バカだな。彼女はどれだけ無自覚なんだろう?
若くない?……年齢差なんて実質たった三つだ。後十年もしたら、きっと気にもならなくなるというのに。
綺麗でもない?……俺から見たら誰よりも綺麗だ。たまに他の男も彼女に見惚れている時があるのに気付いてないのか?
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ダメダメなのがバレたら俺が後悔する?突き放す?……そんな事あるわけないのに。きっと俺の気持ちの百分の一も伝わっていないんだろうな。
「本当馬鹿だなぁ、真緒さんは。不要な心配ばかりして。あの時も言いましたけど、どんな感情が混ざってようと、俺が真緒さんを愛しているという事実は変わりませんよ。他の感情はトッピングみたいなもんです。寧ろトッピングがあった方がお得な気がしません?量が増える訳ですし。……ほら、あまり擦ると腫れちゃいますよ?」
そう言って、俺は彼女の赤く腫れあがっている瞼に優しく口付けた。
「あ~あ。こんなにぐちゃぐちゃになるまで泣いちゃって。本当可愛いですね、真緒さんは。
真緒さんがあり得ないくらい自己評価が低くて、吃驚するくらい臆病で、甘えたで、泣き虫で、我儘で、悲観的で、ものすっごく面倒臭くて、全然年上らしくない事なんかとっくに知ってますよ。そんなの今更です。そんな所をひっくるめて、俺は真緒さんが好きなんですよ。分かります?」
そう。そんな事は百も承知なんだ。そんなところも好きなんだ。だから、俺が彼女に幻滅する事なんてあり得ないんだ。
泣きじゃくる彼女を宥めるようにそっと頭を撫でる。すると彼女はいつものように俺の手に擦り寄ってきた。今までと変わらないやり取りに愛しさが込み上げ、俺は彼女の顔中にキスの雨を降らせたのだ。
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