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けれど……それは『愛』ではなかったのだと思うのです。
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これ以上話す事はないと立ち上がる。私がテーブルの端に置かれた伝票を掴むよりも早く、絢斗が私の手首を掴んだ。
「お前をモノだと思った事なんか一度もない。お前との関係を本気ではなかっただなんて言った事もない筈だ。なのに、何でそんな風に言うんだ」
傷ついた顔をする絢斗に呆れて、溜息が洩れる。
「私、貴方が結婚する前に言ってた事知ってるんですよ。『今まで誰と付き合っても、本気にはなれなかった』でしたっけ?他にも同じような事を色々と仰っていたようですし、きっと事実なんでしょう。けれど、知った時はとてもショックでした。だって、裏を返せば、私との恋も本気ではなかったって事じゃないですか。遊びだったって事でしょう?
…でも今は、それで良かったと思っています。そのお陰で今の幸せに辿り着けたわけですから。私、今、本当に幸せなんです!」
重い空気を払拭するように、私はとびっきりの笑顔を浮かべた。すると、絢斗は手首を握る力を強めて、縋るように言い募った。
「違うっ!そうじゃない!遊びなんかじゃなかった!俺だって本気だった!本気でお前を好きだったんだ、真尋!それだけは信じてくれ!」
掴まれた手首の痛みに顔を顰めながら、私は自分の変化に驚いていた。少し前までは、絢斗に触れられるのが好きだった。触れられると幸せで温かい気持ちになった。だが、今は不快でしかない。
私は掴まれてない方の手で、絢斗の手を引き剥がしながら言った。
「吉澤さんは、さっき私を『男の夢を具現化したような女』だって褒めて下さいましたよね?けど、本当の私はそんな大層な人間じゃないんです。頑固だし、自分勝手だし、実は酒癖もものすごく悪いんです。何たって、歩けなくなる程泥酔して、介抱してくれた人の家で嘔吐しちゃう女ですから。さっきの言葉を高遠が聞いたら、お腹を抱えて大爆笑しますよ」
絢斗に褒められたのは素直に嬉しかった。絢斗の前ではそうでありたいと努めていた分、報われた気がした。けれど…それでも結局私は選ばれなかったのだ。
忘れかけていた苦い思いが蘇り、私はそっと目を伏せた。
「…貴方と付き合っていた頃の私は、貴方に釣り合う女性になりたくて、背伸びばかりしていました。貴方に好かれたくて、少しでも可愛い女だと思われたくて、格好つけて我慢ばかりしていたんです。貴方に対しても、ああして欲しいとか、こうして欲しいとか、要求が尽きなかった。
私にとって貴方との『恋』は、下心満載のとても『自分本位』なものでした」
「そんなの当たり前だろ?好きな相手から好かれたいとか、嫌われたくないとか、そんなの誰でも思うだろ」
「そうなのかも知れません。でも私は、貴方に嫌われるのが怖くて、みっともない姿を晒す事ができなかった。貴方の前では無理してばかりいたんです。貴方も…貴方の弱い部分を私に見せてはくれなかったですよね?
結局私達は、二年以上も一緒にいたのに、本当の意味で向き合えていなかったのだと思います」
「じゃあ今は?高遠の前では、ありのままの姿を晒け出せているのか?」
私が首肯すると、絢斗は諦めたように私の手首を離した。
「高遠って、素直というか、単純というか…。感情がただ漏れなんですよ。変に隠したり、取り繕ったりしないんです。そんな高遠に釣られちゃうのか。自然と私も素のままでいられるんです。
…さっきの話。泥酔して介抱してくれた人の家で嘔吐しちゃった話。あれ、実は高遠の家での事なんです。私が歩けないくらい泥酔しちゃったんで、仕方なく高遠が私をおぶって自分の家に連れてってくれたんです。けど、途中で気持ち悪くなっちゃって。結局私、高遠の家に着くや否やもどしちゃったんです。そんな粗相をしたのに、その後も高遠は嫌な顔一つせず、世話してくれました。吐瀉物塗れの私をですよ?
その他にも、散々醜態を晒してきてたのに、高遠は全て何て事ないように受け入れてくれるんです」
「…当たり前だろ。あいつはずっと前からお前の事が好きだったんだから。俺だって、お前が吐いたら…」
「貴方の前では吐きませんよ!だって私、貴方の前では酒量をセーブしてましたもん。どれだけ醜態を晒そうが、貴方の気持ちは変わらない。そう言い切れる程、貴方に想われている自信がなかった。…ごめんなさい。そういう意味では、貴方を信用していなかったのかも知れません」
「いや、お前は間違ってない。実際、俺は醜態を晒されたわけでもないのに、お前を裏切ったわけだからな」
「…きっと私達、どう頑張っても上手くいかなかったんだと思います。もう既にお互い違う道を歩み始めている事ですし、二人で会うのはこれで最後にしましょう。
色々ありましたが…今では全てがいい人生経験になったと思っています。今まで本当にありがとうございました。では、これで失礼します。どうぞお元気で」
私は絢斗に向かって深々と頭を下げた。そして、決別の意志を示す為に決して振り返らず、歩を進めた。
***
「今日さぁ、お前が外出している間に、あの人がうちの課に顔出したんだよ。何かこっちに用があったらしくて、そのついでにってさ。ったく、よく顔出せるよな?あの面の皮の厚さっつーか、神経の図太さにはビックリするわ」
背後から包み込むように私を抱き締めながら、高遠が深い溜息を吐く。
今日そうだが、金曜の夜は大抵、私は高遠の家に泊まっている。どうせ週末一緒に過ごすのだから泊っていけと、高遠がごねるのだ。だから今日も、終業後、一緒に帰宅して、夕食を作って食べた。そして現在、食後のまったりタイム中。
「ねぇ佑。仕事も落ち着いてきたし、そろそろ一緒に住む部屋を探し始めよっか?」
そう言うと、高遠は「マジか!」と喜びの声を上げ、私をギュウギュウと抱き締めながら、自分の身体ごとグラングランと左右に揺らし始めた。…因みにこれは、高遠がご機嫌な時にする行動である。
「ようやくその気になってくれたか!…って、一体全体どういう風の吹き回しかね?真尋君」
「…ねえ、『恋』と『愛』の違いって何だと思う?」
突然の問いかけに、高遠が戸惑いの声を上げる。
「はあ?何だよ、急に」
「私ね、この二つの違いはよく分からないんだけど。佑の事は『愛してる』って思うの。好きって言葉じゃ追いつかない気がするの」
私が思案しながら呟くと、揺れがぴたりと止まる。
「へっ?お前、マジでどうしたわけ?悪い物でも食った?あっいや、勿論そう言ってもらえんのはすっげー嬉しいんすけど。でも、ほら、あの、でもさ…」
高遠が言葉に詰まらせた。まさか後遺症?心配になって振り返ろうとしたが、頭頂部に乗せられた顎で押さえつけられ阻まれる。
「ちょっ!振り返んな!多分、今すっげーだらしない顔してっから。頼んます、真尋様」
高遠は顔を隠すように私の肩口に顔を埋めた。高遠の少し硬い髪が私の首元を擽る。
「えっと…『恋』と『愛』の違い、だっけか?
まあ一般的によくいうのは、『恋』は下心、『愛』は真心、ってヤツだよな。まあ、それもあながち間違っちゃいねー気もすっけど。
個人的にはさ、『恋』って自己愛の一種だと思うわけ。『恋』っつーのは、男女間…いや男女間に限らないんだろうけど…そういう欲で結びついてる関係にしか使わねー言葉だろ?相手にああして欲しい、こうして欲しいって欲求があるっつーか。見返りを求めるっつーか。
そんでもって、一人で完結できるやつな。ほら、片想いを『片恋』って言うし、『恋』に落ちたり、破れたりするけど、そこに『愛』って言葉はどうやっても当て嵌まらねーだろ?」
まさか高遠からこんなに深い答えが返ってくるとは。驚きを隠せない私の頭頂部で何度か顎を動かした後、高遠は更に続けた。
「『愛』つーのは基本見返りを求めないもんだよな。『愛』って、もっと広い意味で使われんじゃん。『親子愛』とか『兄弟愛』とか『子弟愛』とかさ。『愛』は芽生えるもんだし、育むもんだから、一人じゃ成り立たねー。そういう面でも『恋』とは違うだろ。
『愛』っつーのはさ、見返りを求めず、無条件で相手を大切に愛しむ感じなんじゃねーかと俺は思うわけだ。
……そう考えると、俺はどう考えても、お前の事を愛してるな?」
その言葉に胸が締め付けられる。私は身体に回されている高遠の腕を掻き抱き、甘えるように優しい体温に擦り寄りながら「私も愛してるよ」と小さく呟いた。
「顔に似合わず、佑って結構色々考えてるんだね?見直したわ」
「おいっ!顔に似合わずって何だ!顔に似合わずって!顔は関係ねーだろ!?…まあ、殆ど姉ちゃん達と美優先輩からの受け売りだけどな」
私が揶揄うように言うと、高遠は耳を真っ赤にして頭をガシガシと掻き始めた。
「お前をモノだと思った事なんか一度もない。お前との関係を本気ではなかっただなんて言った事もない筈だ。なのに、何でそんな風に言うんだ」
傷ついた顔をする絢斗に呆れて、溜息が洩れる。
「私、貴方が結婚する前に言ってた事知ってるんですよ。『今まで誰と付き合っても、本気にはなれなかった』でしたっけ?他にも同じような事を色々と仰っていたようですし、きっと事実なんでしょう。けれど、知った時はとてもショックでした。だって、裏を返せば、私との恋も本気ではなかったって事じゃないですか。遊びだったって事でしょう?
…でも今は、それで良かったと思っています。そのお陰で今の幸せに辿り着けたわけですから。私、今、本当に幸せなんです!」
重い空気を払拭するように、私はとびっきりの笑顔を浮かべた。すると、絢斗は手首を握る力を強めて、縋るように言い募った。
「違うっ!そうじゃない!遊びなんかじゃなかった!俺だって本気だった!本気でお前を好きだったんだ、真尋!それだけは信じてくれ!」
掴まれた手首の痛みに顔を顰めながら、私は自分の変化に驚いていた。少し前までは、絢斗に触れられるのが好きだった。触れられると幸せで温かい気持ちになった。だが、今は不快でしかない。
私は掴まれてない方の手で、絢斗の手を引き剥がしながら言った。
「吉澤さんは、さっき私を『男の夢を具現化したような女』だって褒めて下さいましたよね?けど、本当の私はそんな大層な人間じゃないんです。頑固だし、自分勝手だし、実は酒癖もものすごく悪いんです。何たって、歩けなくなる程泥酔して、介抱してくれた人の家で嘔吐しちゃう女ですから。さっきの言葉を高遠が聞いたら、お腹を抱えて大爆笑しますよ」
絢斗に褒められたのは素直に嬉しかった。絢斗の前ではそうでありたいと努めていた分、報われた気がした。けれど…それでも結局私は選ばれなかったのだ。
忘れかけていた苦い思いが蘇り、私はそっと目を伏せた。
「…貴方と付き合っていた頃の私は、貴方に釣り合う女性になりたくて、背伸びばかりしていました。貴方に好かれたくて、少しでも可愛い女だと思われたくて、格好つけて我慢ばかりしていたんです。貴方に対しても、ああして欲しいとか、こうして欲しいとか、要求が尽きなかった。
私にとって貴方との『恋』は、下心満載のとても『自分本位』なものでした」
「そんなの当たり前だろ?好きな相手から好かれたいとか、嫌われたくないとか、そんなの誰でも思うだろ」
「そうなのかも知れません。でも私は、貴方に嫌われるのが怖くて、みっともない姿を晒す事ができなかった。貴方の前では無理してばかりいたんです。貴方も…貴方の弱い部分を私に見せてはくれなかったですよね?
結局私達は、二年以上も一緒にいたのに、本当の意味で向き合えていなかったのだと思います」
「じゃあ今は?高遠の前では、ありのままの姿を晒け出せているのか?」
私が首肯すると、絢斗は諦めたように私の手首を離した。
「高遠って、素直というか、単純というか…。感情がただ漏れなんですよ。変に隠したり、取り繕ったりしないんです。そんな高遠に釣られちゃうのか。自然と私も素のままでいられるんです。
…さっきの話。泥酔して介抱してくれた人の家で嘔吐しちゃった話。あれ、実は高遠の家での事なんです。私が歩けないくらい泥酔しちゃったんで、仕方なく高遠が私をおぶって自分の家に連れてってくれたんです。けど、途中で気持ち悪くなっちゃって。結局私、高遠の家に着くや否やもどしちゃったんです。そんな粗相をしたのに、その後も高遠は嫌な顔一つせず、世話してくれました。吐瀉物塗れの私をですよ?
その他にも、散々醜態を晒してきてたのに、高遠は全て何て事ないように受け入れてくれるんです」
「…当たり前だろ。あいつはずっと前からお前の事が好きだったんだから。俺だって、お前が吐いたら…」
「貴方の前では吐きませんよ!だって私、貴方の前では酒量をセーブしてましたもん。どれだけ醜態を晒そうが、貴方の気持ちは変わらない。そう言い切れる程、貴方に想われている自信がなかった。…ごめんなさい。そういう意味では、貴方を信用していなかったのかも知れません」
「いや、お前は間違ってない。実際、俺は醜態を晒されたわけでもないのに、お前を裏切ったわけだからな」
「…きっと私達、どう頑張っても上手くいかなかったんだと思います。もう既にお互い違う道を歩み始めている事ですし、二人で会うのはこれで最後にしましょう。
色々ありましたが…今では全てがいい人生経験になったと思っています。今まで本当にありがとうございました。では、これで失礼します。どうぞお元気で」
私は絢斗に向かって深々と頭を下げた。そして、決別の意志を示す為に決して振り返らず、歩を進めた。
***
「今日さぁ、お前が外出している間に、あの人がうちの課に顔出したんだよ。何かこっちに用があったらしくて、そのついでにってさ。ったく、よく顔出せるよな?あの面の皮の厚さっつーか、神経の図太さにはビックリするわ」
背後から包み込むように私を抱き締めながら、高遠が深い溜息を吐く。
今日そうだが、金曜の夜は大抵、私は高遠の家に泊まっている。どうせ週末一緒に過ごすのだから泊っていけと、高遠がごねるのだ。だから今日も、終業後、一緒に帰宅して、夕食を作って食べた。そして現在、食後のまったりタイム中。
「ねぇ佑。仕事も落ち着いてきたし、そろそろ一緒に住む部屋を探し始めよっか?」
そう言うと、高遠は「マジか!」と喜びの声を上げ、私をギュウギュウと抱き締めながら、自分の身体ごとグラングランと左右に揺らし始めた。…因みにこれは、高遠がご機嫌な時にする行動である。
「ようやくその気になってくれたか!…って、一体全体どういう風の吹き回しかね?真尋君」
「…ねえ、『恋』と『愛』の違いって何だと思う?」
突然の問いかけに、高遠が戸惑いの声を上げる。
「はあ?何だよ、急に」
「私ね、この二つの違いはよく分からないんだけど。佑の事は『愛してる』って思うの。好きって言葉じゃ追いつかない気がするの」
私が思案しながら呟くと、揺れがぴたりと止まる。
「へっ?お前、マジでどうしたわけ?悪い物でも食った?あっいや、勿論そう言ってもらえんのはすっげー嬉しいんすけど。でも、ほら、あの、でもさ…」
高遠が言葉に詰まらせた。まさか後遺症?心配になって振り返ろうとしたが、頭頂部に乗せられた顎で押さえつけられ阻まれる。
「ちょっ!振り返んな!多分、今すっげーだらしない顔してっから。頼んます、真尋様」
高遠は顔を隠すように私の肩口に顔を埋めた。高遠の少し硬い髪が私の首元を擽る。
「えっと…『恋』と『愛』の違い、だっけか?
まあ一般的によくいうのは、『恋』は下心、『愛』は真心、ってヤツだよな。まあ、それもあながち間違っちゃいねー気もすっけど。
個人的にはさ、『恋』って自己愛の一種だと思うわけ。『恋』っつーのは、男女間…いや男女間に限らないんだろうけど…そういう欲で結びついてる関係にしか使わねー言葉だろ?相手にああして欲しい、こうして欲しいって欲求があるっつーか。見返りを求めるっつーか。
そんでもって、一人で完結できるやつな。ほら、片想いを『片恋』って言うし、『恋』に落ちたり、破れたりするけど、そこに『愛』って言葉はどうやっても当て嵌まらねーだろ?」
まさか高遠からこんなに深い答えが返ってくるとは。驚きを隠せない私の頭頂部で何度か顎を動かした後、高遠は更に続けた。
「『愛』つーのは基本見返りを求めないもんだよな。『愛』って、もっと広い意味で使われんじゃん。『親子愛』とか『兄弟愛』とか『子弟愛』とかさ。『愛』は芽生えるもんだし、育むもんだから、一人じゃ成り立たねー。そういう面でも『恋』とは違うだろ。
『愛』っつーのはさ、見返りを求めず、無条件で相手を大切に愛しむ感じなんじゃねーかと俺は思うわけだ。
……そう考えると、俺はどう考えても、お前の事を愛してるな?」
その言葉に胸が締め付けられる。私は身体に回されている高遠の腕を掻き抱き、甘えるように優しい体温に擦り寄りながら「私も愛してるよ」と小さく呟いた。
「顔に似合わず、佑って結構色々考えてるんだね?見直したわ」
「おいっ!顔に似合わずって何だ!顔に似合わずって!顔は関係ねーだろ!?…まあ、殆ど姉ちゃん達と美優先輩からの受け売りだけどな」
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