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幸せとは自分で感じるものなのです。
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そこまで言い募っても、高遠が言葉を発することはなかった。
「あらあら、たっくんたら。相変わらずヘタレねぇ。可愛い彼女がここまで言ってくれてんのに何してんのかしら?ここ一番って時に変に弱気になるとこなんて、昔のまんまじゃない」
そう軽口を叩きながら病室に入ってきたのは、背が高い妙齢の女性だった。顔の作りというよりも、纏う雰囲気がどことなく高遠に似ている。きっと二人いる姉のどちらかだろう。
「桜姉!何でこんなとこにいんだよ!仕事は?」
「何言ってんの?今日は土曜よ。仮に休みじゃなくたって、大事な弟が事故に遭ったんだから駆け付けるわよ。あーちゃんも今夜来るって。仕事終わったらすぐに新幹線に飛び乗るって言ってたから、遅くとも7時にはこっちに着くんじゃない?
そう言えば、あーちゃんすごく怒ってたから覚悟しといた方がいいかもね?あーちゃん、本当は今夜、合コンに行く予定だったんだって。それなのにたっくんが事故に遭っちゃったでしょ?事故に遭うにしても、もう少し日にち選べなかったのかって愚痴ってたわよ」
「…いや俺も、別に轢かれたくて轢かれたわけじゃねーし」
「あらやだ大変!たっくんのツッコミのキレが悪くなってる!しかも、冗談も通じないなんて。相当弱っているわね?そりゃそうか。大好きな真尋ちゃんにここまで言われてんのに、つっぱねちゃうくらいだもんね?」
突然、私の名前が出てきて驚いた。思わず「私のことをご存じなんですか?」と訊くと、女性は意味深な笑みを浮かべた。
「挨拶もせずにごめんなさいね?私、佑の一番上の姉の高遠桜です。33歳。独身よ。地元の市役所に勤務してるの。貴女が真尋ちゃんね?お母さんから、たっくんには勿体ないくらいの美人だとは聞いていたけど、想像以上だわ!」
桜さんは私の顔を覗きこみながらそう言うと、高遠に歩み寄る。
「ねえ、たっくん。この子でしょ?前言ってた子。すごく好きな子がいるけど、絶対に手に入らない相手だって。自分の気持ちを知られたら傍にもいられなくなるから、想っているだけで満足だとか意味深なことをいうから、ついにそっちに目覚めたのかと誤解しちゃったじゃない。お陰でパパっちとママっちにすごく叱られたんだから!」
「いや、何でそっち方向に誤解すんだよ」
「ええ?だって、BLの鉄板設定だと思ったんだもん。ずっと親友のことが好きなんだけど、拒否されるのが怖くて伝えられないみたいな。あーちゃんとも話してたのよ?たっくんが受けだとちょっと微妙だけど、攻めなら全然ありだって」
「なんだよ。その受けとか攻めって。つーか、姉ちゃん達、一体どんな想像してんだよ!普通に怖ぇーわ!そういう人達に対する偏見は全くねーけどな。弟を使って、そういう妄想して喜んでるような人間は、人としてどうかと思うわ」
「…あのぅ。お話し中すみません。私にも自己紹介させていただけますか?私、佑さんとお付き合いをさせていただいております。山瀬真尋です。…ご期待に沿えず、心苦しいのですが、一応女です」
姉弟の不毛なやり取りに圧倒されながらも、私は割り込むように自己紹介した。
すると、桜さんは「一応女って!真尋ちゃんったら、ナイスキャラだわ!気にいったぁ!」と言って、お腹を抱えて笑い出した。高遠は大笑いしている桜さんを睨みながら「どう考えたってお前が謝る必要なんかねーだろ?俺はどストレートだ!」と私にツッコんだ。
「ねえ、たっくん。大好きな真尋ちゃんを手放すって意味、本当に分かってる?」
どうにか笑いがおさまった桜さんが、突然高遠に問いかけた。
「真尋ちゃんが他の男のものになるってことよ?
たっくんが真尋ちゃんとした、あんな事やこんな事を他の男とするってこと。もしかしたら、たっくんとはしたこともないあ~んな事までしちゃうかもね?」
「あの…桜さん。あんな事とかそんな事とか…ちょっと生々しくないですか?私達はいたってノーマルなことしかしてませんし、その…」
「やっだぁ~!真尋ちゃんったら、照れてるの?可愛い!たっくんには、このくらい言わないとダメなのよ!それに、恥ずかしがることなんてないわ!セックスは動物としての本能。繁殖行為なんだから。どんなにお高くとまった人間だって、両親がセックスしたから生まれてこれたのよ?人間は皆、親がセックスした証だからね!」
(この女、間違いなく佑の姉だ。恐ろしい程、思考回路が似ている)
私が心の中で高遠家の遺伝子の強さに恐れ慄いている間も、桜さんは言葉を重ねて高遠を煽った。
「それだけじゃないわよ。もし真尋ちゃんがその男と結婚したら、真尋ちゃんはその男の苗字を名乗ることなって、その男の子供産むの。子供の成長や旦那の話をたっくんの前でするかも知れない。…幸せな時はまだいいわね。逆に、真尋ちゃんが不幸そうだったら?顔に痣とか作って出勤してきたら、たっくんは黙っていられる?」
どんなに煽ろうと、高遠は顔を背けたまま黙り込んでいた。頑なな高遠を見て、桜さんは呆れたように溜息を吐く。
「真尋ちゃん。悪いけど、もうそろそろあーちゃん…妹のあやめが来る頃だから、飲み物を買ってきてもらえるかしら?あの子、変な拘りがあるのよね。この銘柄のホットをお願いできる?私のは真尋ちゃんのセンスに任せるから、これで適当に買って来て」
そう言うと桜さんは財布から千円札を一枚取り出した。私が出そうと思って、お札を受け取らずにいると、年長者に恥をかかせるんじゃないと怒られた。
結局、私はその千円札を持って1階の売店に向かった。
(まさか、佑から別れ話をされる日が来るなんてね…。
けど、仕方がないかも?大怪我を負った直後にあんなこと言われたんだもん。誰でもビビるわよね?
よし!今まで散々佑に支えてもらったんだから、今度は私が支えなきゃ!めげてる場合じゃないぞ、私!)
そう決意を新たにして、私は1階の売店でドリンクを四本買って病室に戻った。
「そんなん嫌にきまってんだろ!俺以外の男があいつに触れるだなんて死ぬ程嫌だし、耐えられねーよ!想像するだけで、相手の男を殺してやりたくなる!やっと…やっと手に入ったってのに。手放したいわけねーだろうが!
けど…けどな、もし後遺症が出て、俺の人格が変わっちまったら?俺の身体が動かなくなったら?話すことすら、あいつを認識することすらできなくなったら?そんな俺を介護させるような真似したくねーんだよ!あいつの重荷にはなりたくねーんだよ!
それなのに…俺はあいつを失いたかねぇんだ。離れるなんて考えられねーんだよ!チキショウ!一体どうしたらいいんだよ!教えてくれよ、桜姉!」
高遠の病室の前まで戻ってきた時、部屋の中から、感情をむき出しにした声が聞こえてきた。
「だったら、離れなきゃいいじゃない!私だって、佑から離れるなんて考えられないわ!私の気持ちを無視して、勝手に他の男に譲ろうとしないでよ!後遺症を怖がる気持ちは分かるわ。けど、今起きているわけじゃないし、今後必ず起きるとは限らないじゃない。そんなの起きてから考えればいいのよ!
今のが佑の本音なんだよね?聞いちゃった以上、私、絶対佑から離れないから!」
気が付くと私は、ノックもしないで病室のドアを開け放ち、そう宣言していた。
高遠は突然現れた私に驚いていたが、私の言葉を聞くうちに顔を歪ませ、泣くのを必死に堪えているようだった。
桜さんは「やっだ~!絶妙なタイミングだったわね?さてと、じゃあ私は馬に蹴られる前に退散しようっと!あ、そうそう。今日はパパっちもママっちも来ないし、あーちゃんも私と一緒にご飯でもするから、後はお二人でごゆっくりどうぞ~」と言って、笑顔で帰っていった。
病室に残された私達は、暫くの間、どちらも言葉を発さなかった。
気不味い雰囲気を払拭したくても、口を開く勇気がなかった。これ以上高遠から拒絶されるのが怖かったのだ。
「なあ真尋。俺、こんな卑怯な奴でごめんな?頭ん中では、今でもお前を解放してやるべきだって思ってる。けど、さっきお前に絶対俺から離れないって言われた時、正直死んでもいいって思うくらい嬉しかった。卑怯だって自分でも思うけどさ。けど、やっぱ俺はお前といたい。
こんな俺だけどさ。後遺症が出るまでいいから一緒にいてくれないか?」
そう小さく呟いた声は、まるで迷子になった幼子のように頼りなくて、不安げだった。私は高遠が横たわるベッドの隅に座り、高遠の大きな手を両手でしっかりと握り締めた。
「後遺症なんか出ても離れるつもりなんか更々ないけど。それで納得するなら、佑はそう思ってていい。だから、もう別れるなんて言わないで?私の為だとか詭弁を弄して、突き放さそうとしないで?ずっと…ずっと傍にいさせて?」
「真尋…。なあ俺、今、身体中痛くて全く動かせえねーんだ。だから、お前からキスしてくんない?今、すっげー真尋に触れたい。できたら、セックスする時にするような、すんげぇー濃厚なのがいい」
高遠がそんな事を真顔でいうもんだから、私は「そんな大怪我してんのにバカじゃないの?」と非難しながらも、精一杯濃厚なキスをしてやった。
キスの角度を変える度に傷に響くのか、高遠は小さく呻いたけれど、決してそれを止めようとはしなかった。
「あらあら、たっくんたら。相変わらずヘタレねぇ。可愛い彼女がここまで言ってくれてんのに何してんのかしら?ここ一番って時に変に弱気になるとこなんて、昔のまんまじゃない」
そう軽口を叩きながら病室に入ってきたのは、背が高い妙齢の女性だった。顔の作りというよりも、纏う雰囲気がどことなく高遠に似ている。きっと二人いる姉のどちらかだろう。
「桜姉!何でこんなとこにいんだよ!仕事は?」
「何言ってんの?今日は土曜よ。仮に休みじゃなくたって、大事な弟が事故に遭ったんだから駆け付けるわよ。あーちゃんも今夜来るって。仕事終わったらすぐに新幹線に飛び乗るって言ってたから、遅くとも7時にはこっちに着くんじゃない?
そう言えば、あーちゃんすごく怒ってたから覚悟しといた方がいいかもね?あーちゃん、本当は今夜、合コンに行く予定だったんだって。それなのにたっくんが事故に遭っちゃったでしょ?事故に遭うにしても、もう少し日にち選べなかったのかって愚痴ってたわよ」
「…いや俺も、別に轢かれたくて轢かれたわけじゃねーし」
「あらやだ大変!たっくんのツッコミのキレが悪くなってる!しかも、冗談も通じないなんて。相当弱っているわね?そりゃそうか。大好きな真尋ちゃんにここまで言われてんのに、つっぱねちゃうくらいだもんね?」
突然、私の名前が出てきて驚いた。思わず「私のことをご存じなんですか?」と訊くと、女性は意味深な笑みを浮かべた。
「挨拶もせずにごめんなさいね?私、佑の一番上の姉の高遠桜です。33歳。独身よ。地元の市役所に勤務してるの。貴女が真尋ちゃんね?お母さんから、たっくんには勿体ないくらいの美人だとは聞いていたけど、想像以上だわ!」
桜さんは私の顔を覗きこみながらそう言うと、高遠に歩み寄る。
「ねえ、たっくん。この子でしょ?前言ってた子。すごく好きな子がいるけど、絶対に手に入らない相手だって。自分の気持ちを知られたら傍にもいられなくなるから、想っているだけで満足だとか意味深なことをいうから、ついにそっちに目覚めたのかと誤解しちゃったじゃない。お陰でパパっちとママっちにすごく叱られたんだから!」
「いや、何でそっち方向に誤解すんだよ」
「ええ?だって、BLの鉄板設定だと思ったんだもん。ずっと親友のことが好きなんだけど、拒否されるのが怖くて伝えられないみたいな。あーちゃんとも話してたのよ?たっくんが受けだとちょっと微妙だけど、攻めなら全然ありだって」
「なんだよ。その受けとか攻めって。つーか、姉ちゃん達、一体どんな想像してんだよ!普通に怖ぇーわ!そういう人達に対する偏見は全くねーけどな。弟を使って、そういう妄想して喜んでるような人間は、人としてどうかと思うわ」
「…あのぅ。お話し中すみません。私にも自己紹介させていただけますか?私、佑さんとお付き合いをさせていただいております。山瀬真尋です。…ご期待に沿えず、心苦しいのですが、一応女です」
姉弟の不毛なやり取りに圧倒されながらも、私は割り込むように自己紹介した。
すると、桜さんは「一応女って!真尋ちゃんったら、ナイスキャラだわ!気にいったぁ!」と言って、お腹を抱えて笑い出した。高遠は大笑いしている桜さんを睨みながら「どう考えたってお前が謝る必要なんかねーだろ?俺はどストレートだ!」と私にツッコんだ。
「ねえ、たっくん。大好きな真尋ちゃんを手放すって意味、本当に分かってる?」
どうにか笑いがおさまった桜さんが、突然高遠に問いかけた。
「真尋ちゃんが他の男のものになるってことよ?
たっくんが真尋ちゃんとした、あんな事やこんな事を他の男とするってこと。もしかしたら、たっくんとはしたこともないあ~んな事までしちゃうかもね?」
「あの…桜さん。あんな事とかそんな事とか…ちょっと生々しくないですか?私達はいたってノーマルなことしかしてませんし、その…」
「やっだぁ~!真尋ちゃんったら、照れてるの?可愛い!たっくんには、このくらい言わないとダメなのよ!それに、恥ずかしがることなんてないわ!セックスは動物としての本能。繁殖行為なんだから。どんなにお高くとまった人間だって、両親がセックスしたから生まれてこれたのよ?人間は皆、親がセックスした証だからね!」
(この女、間違いなく佑の姉だ。恐ろしい程、思考回路が似ている)
私が心の中で高遠家の遺伝子の強さに恐れ慄いている間も、桜さんは言葉を重ねて高遠を煽った。
「それだけじゃないわよ。もし真尋ちゃんがその男と結婚したら、真尋ちゃんはその男の苗字を名乗ることなって、その男の子供産むの。子供の成長や旦那の話をたっくんの前でするかも知れない。…幸せな時はまだいいわね。逆に、真尋ちゃんが不幸そうだったら?顔に痣とか作って出勤してきたら、たっくんは黙っていられる?」
どんなに煽ろうと、高遠は顔を背けたまま黙り込んでいた。頑なな高遠を見て、桜さんは呆れたように溜息を吐く。
「真尋ちゃん。悪いけど、もうそろそろあーちゃん…妹のあやめが来る頃だから、飲み物を買ってきてもらえるかしら?あの子、変な拘りがあるのよね。この銘柄のホットをお願いできる?私のは真尋ちゃんのセンスに任せるから、これで適当に買って来て」
そう言うと桜さんは財布から千円札を一枚取り出した。私が出そうと思って、お札を受け取らずにいると、年長者に恥をかかせるんじゃないと怒られた。
結局、私はその千円札を持って1階の売店に向かった。
(まさか、佑から別れ話をされる日が来るなんてね…。
けど、仕方がないかも?大怪我を負った直後にあんなこと言われたんだもん。誰でもビビるわよね?
よし!今まで散々佑に支えてもらったんだから、今度は私が支えなきゃ!めげてる場合じゃないぞ、私!)
そう決意を新たにして、私は1階の売店でドリンクを四本買って病室に戻った。
「そんなん嫌にきまってんだろ!俺以外の男があいつに触れるだなんて死ぬ程嫌だし、耐えられねーよ!想像するだけで、相手の男を殺してやりたくなる!やっと…やっと手に入ったってのに。手放したいわけねーだろうが!
けど…けどな、もし後遺症が出て、俺の人格が変わっちまったら?俺の身体が動かなくなったら?話すことすら、あいつを認識することすらできなくなったら?そんな俺を介護させるような真似したくねーんだよ!あいつの重荷にはなりたくねーんだよ!
それなのに…俺はあいつを失いたかねぇんだ。離れるなんて考えられねーんだよ!チキショウ!一体どうしたらいいんだよ!教えてくれよ、桜姉!」
高遠の病室の前まで戻ってきた時、部屋の中から、感情をむき出しにした声が聞こえてきた。
「だったら、離れなきゃいいじゃない!私だって、佑から離れるなんて考えられないわ!私の気持ちを無視して、勝手に他の男に譲ろうとしないでよ!後遺症を怖がる気持ちは分かるわ。けど、今起きているわけじゃないし、今後必ず起きるとは限らないじゃない。そんなの起きてから考えればいいのよ!
今のが佑の本音なんだよね?聞いちゃった以上、私、絶対佑から離れないから!」
気が付くと私は、ノックもしないで病室のドアを開け放ち、そう宣言していた。
高遠は突然現れた私に驚いていたが、私の言葉を聞くうちに顔を歪ませ、泣くのを必死に堪えているようだった。
桜さんは「やっだ~!絶妙なタイミングだったわね?さてと、じゃあ私は馬に蹴られる前に退散しようっと!あ、そうそう。今日はパパっちもママっちも来ないし、あーちゃんも私と一緒にご飯でもするから、後はお二人でごゆっくりどうぞ~」と言って、笑顔で帰っていった。
病室に残された私達は、暫くの間、どちらも言葉を発さなかった。
気不味い雰囲気を払拭したくても、口を開く勇気がなかった。これ以上高遠から拒絶されるのが怖かったのだ。
「なあ真尋。俺、こんな卑怯な奴でごめんな?頭ん中では、今でもお前を解放してやるべきだって思ってる。けど、さっきお前に絶対俺から離れないって言われた時、正直死んでもいいって思うくらい嬉しかった。卑怯だって自分でも思うけどさ。けど、やっぱ俺はお前といたい。
こんな俺だけどさ。後遺症が出るまでいいから一緒にいてくれないか?」
そう小さく呟いた声は、まるで迷子になった幼子のように頼りなくて、不安げだった。私は高遠が横たわるベッドの隅に座り、高遠の大きな手を両手でしっかりと握り締めた。
「後遺症なんか出ても離れるつもりなんか更々ないけど。それで納得するなら、佑はそう思ってていい。だから、もう別れるなんて言わないで?私の為だとか詭弁を弄して、突き放さそうとしないで?ずっと…ずっと傍にいさせて?」
「真尋…。なあ俺、今、身体中痛くて全く動かせえねーんだ。だから、お前からキスしてくんない?今、すっげー真尋に触れたい。できたら、セックスする時にするような、すんげぇー濃厚なのがいい」
高遠がそんな事を真顔でいうもんだから、私は「そんな大怪我してんのにバカじゃないの?」と非難しながらも、精一杯濃厚なキスをしてやった。
キスの角度を変える度に傷に響くのか、高遠は小さく呻いたけれど、決してそれを止めようとはしなかった。
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