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第9話 個性豊かな仲間達のこと。その2。
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……またまた話を戻そう。
第1魔術師団の団長であり、筆頭魔術師ダズリーは私と同じ年。
コイツはアレだ!初めて国王と対面した時に私を威嚇してきたクズ!
コイツも今年28になるから完全に婚期を逃している。それなのに、いつも私を嫁き遅れだとバカにしてくる心底性格の悪いムカつく野郎だ。
コイツ曰く、コイツは引く手数多で選びきれないだけなんだって。だから引く手が一本もない私とは決定的に違うそうだ。
……余計なお世話だっての!私には心に決めた人がいるんです!違う世界に!
そう声を大にして言いたい。
全く私の好みではないけれど、客観的に見れば、コイツはかなりのイケメンだ。
艶のある黒髪に瑠璃紺色の瞳。筋の通った高い鼻梁。全てのパーツがあるべきところにあるべき形で存在する。ムカつく程に整った顔立ちの顔だけ男。
あ、顔だけじゃなかったわ…。
背も高かった。この世界の人間にしては異常な程ね。
とは言っても、180センチかけるくらい。蓮より若干高いくらい。
私は全く魅力を感じないけどね。
だってコイツ、無駄に整った顔をしているくせに表情に乏しいし、1人だけヒョロっと背が高いから、まるで精巧にできた人形…マネキンみたいで人間味を感じないんだもの。
けれど、これはあくまでも少数派の意見。私個人の感想だろう。
だってコイツ、ドン引くくらい女にモテるから。
まあコイツの場合、こんな見た目をした上に、史上類をみないくらいの実力を持つ魔術師らしいから、それも人気の理由なのだろうけど。
これが乙女ゲーなら、攻略対象のメインヒーロー間違いなしというくらいのチートぶりなんだけど、いかんせん女癖が悪過ぎる!
ちょっとした女ったらしというレベルじゃなくて、歩く下半身といっても過言ではないくらい最低最悪!
来る者は拒まず、去る者は追わず。
ロリコンかって思うくらい年若い子から、お孫さんがいそうな熟女まで。
可愛い系からお色気系…そして、そうでもない系?とストライクゾーンが無駄に広い。
その上、人に見られて興奮する性癖の持ち主なのか、どこでもコトに及びやがる。
私はこれまでに何度見たくもないコイツの情事を目の当たりにしてきたことか…。
いや誰でも出入りできるような公の場所じゃなくて、せめて私室を使えよ!TPOってものを考えろよ!
何度そう注意しても改善されやしない…。
それだけだって精神的にかなり疲弊するってのに、私が被る迷惑はそれだけではないのだ。
見たくもない濡れ場に遭遇した時、大抵相手の女性は気不味そうに目を逸らしてその場から逃げ去る。だが中には、この美しい男の傍にいる事ができる私への嫉妬を滲ませる者や、逆にいつも傍にいるくせに相手にされない私への優越感を滲ませる者もいる。
はっきり言って、面倒臭い事この上ない!
この際はっきり申し上げたい!
私は別にコイツに相手にされてない訳ではない!
私は蓮のように優しく一途な男性が好みなだけだ!!
どんなに見目が麗しかろうと、伝説級の魔力の持ち主だろうと、コイツみたいに雑食の歩く種付けマシーンのような男はご免こうむる!
もし私に対してそんな雰囲気を醸し出しやがったら、お前のナニをチョン切って口突っ込んでやると、本人にもしっかり伝えてあるのだ。
私がコイツを相手にしてないだけだから!!
最後に『医師団』の代表レオナルド。通称レオ。
レオは唯一私よりも年下で、知り合った時は、まだ16歳だったから今は26歳になった筈。
医師にしては若過ぎるとお思いかも知れないが、彼は『神童』と呼ばれる程賢く、大学で飛び級を繰り返している。私が出会った時には既に、大学で教鞭をとっていた程優秀なのだ。
そもそもこの国に限らず、この世界で大学に通うのはかなりハードルが高いらしい。
学問を修める為に必要な古語を学び、古語で自由に読み書きができる者しか、大学への入学は許可されないのだとか。
以前お話したように、この世界では子どもという概念がない。
皆幼い頃から働くのが当たり前だから、初等教育というものが存在しないのだ。だから、識字率がものすごく低い。
最低限の読み書きなら、職種によっては必要だから雇い主から教えてもらう機会があるかも知れない。
けれど、古語は別だ。
古語を学びたかったら家庭教師を雇うしかない。
しかし、生活に密着していない古語をおさめた人間などそうはいないから、雇うにはかなりの金がかかる。
だから、大学に通う学生の殆どが金銭的に余裕のある家庭出身なのだ。
そんな中、平民のレオが大学に通えたのは、偏に彼の飛び抜けた才能と強運のおかげだろう。
レオは平民の中でも特に貧しい家庭で育ったのだという。
幼い頃に流行り病で母を亡くし、それからずっと父親と2人で生活してきたそうだ。
この国の子どもがそうであるように、レオも物心がつく前から庭師である父親の仕事について行き、その手伝いをしていた。
どんな状況だったか定かではないが、当時、父親が雇われていた豪商の家で、レオは偶然古語の本を見つけたのだという。
すぐにその本に興味を持ったレオは、一生働いても手に入らない程高価な物だと承知の上で、その本を貸して欲しいと家主に交渉したそうだ。
その時には既に、家主はレオの類まれな才能を見抜いていたらしいが、如何せん本は高級品。しかも古語の本になると更に稀少。
悩んだ家主は貸し出す事はできないが、父親が働きに来ている間だけならば、自由にしていいと許可してくれたらしい。そして、自分がレオのスポンサーになろうと申し出てくれたそうだ。
そうしてレオは独学で古語を学んでいったのだという。
古語を学び始めた時、レオはまだ5歳だったというのだから驚きだ!
その後、7歳で大学に入り、10歳で卒業したのだと言っていた。……きっと真の天才とはレオのような人の事をいうのだろう。
しかし、苦労して大学の医学部を卒業したのはいいが、就職先がなかった。
貴族や富裕層が求めるような場数を踏んだ医師はあまり弟子を取らないし、平民は産婆や床屋などの民間療法を頼る者が多いそうだ。
だから結局、レオは医師として働くのを諦めて大学に残る事にしたのだという。
天才たる所以なのか、レオの知識欲はすごい。
クリッとした榛色の瞳を輝かせながら、元の世界の文明…特に医療について矢継ぎ早に質問してくるのだ。その容姿は幼さを垣間見させる愛らしいものなのに、質問の内容がえげつない。
例えば、ワクチン注射が「弱体化した菌を体内に入れて免疫を作る」ものだとは知っていても、どう弱体化した菌を作るかなんて、普通の人は分からなくない?医師や研究者ならまだしも、ただの一般市民だった私が答えられなくても仕方ないよね?
決して私が無知なわけではない!…と思いたい。
私が質問に答えられないと、レオは眉をハの字にして元気のない子犬みたいな顔になる。
その庇護欲をそそられる姿が可愛くて、申し訳なくて、私が答えられなかった時はその度に1つだけお願いをきいてあげることにしている。
そのお願いというのが、これまた可愛いのだ!
ギュッとしてとか、頭を撫でてとか、お昼寝の間だけ膝枕してとかとか。とにかく可愛過ぎる!
母になり損ねた私の母性がレオを可愛いがる事で満たされるのか。元の世界でも弟が欲しかったせいなのか。レオが望みは何でも叶えてあげたくなってしまう!
そんな天使のように愛らしいレオにも困った点がある。
愛らしい見た目に反して、人が苦手なようなのだ。特に私以外の女性には近づこうともしない。
本来なら、母代りを自称している私がきちんと叱って、改善するようにしむけるべきなのだが…。私を見つけるとすぐに駆け寄って来て、私の後ろを質問しながらついて歩く、カルガモの雛みたいなレオを見るとつい叱れなくなってしまう。
本当可愛いって罪。
レオは私の天使!私のオアシス!この世界で唯一私を癒してくれる貴重な存在なのだ!
第1魔術師団の団長であり、筆頭魔術師ダズリーは私と同じ年。
コイツはアレだ!初めて国王と対面した時に私を威嚇してきたクズ!
コイツも今年28になるから完全に婚期を逃している。それなのに、いつも私を嫁き遅れだとバカにしてくる心底性格の悪いムカつく野郎だ。
コイツ曰く、コイツは引く手数多で選びきれないだけなんだって。だから引く手が一本もない私とは決定的に違うそうだ。
……余計なお世話だっての!私には心に決めた人がいるんです!違う世界に!
そう声を大にして言いたい。
全く私の好みではないけれど、客観的に見れば、コイツはかなりのイケメンだ。
艶のある黒髪に瑠璃紺色の瞳。筋の通った高い鼻梁。全てのパーツがあるべきところにあるべき形で存在する。ムカつく程に整った顔立ちの顔だけ男。
あ、顔だけじゃなかったわ…。
背も高かった。この世界の人間にしては異常な程ね。
とは言っても、180センチかけるくらい。蓮より若干高いくらい。
私は全く魅力を感じないけどね。
だってコイツ、無駄に整った顔をしているくせに表情に乏しいし、1人だけヒョロっと背が高いから、まるで精巧にできた人形…マネキンみたいで人間味を感じないんだもの。
けれど、これはあくまでも少数派の意見。私個人の感想だろう。
だってコイツ、ドン引くくらい女にモテるから。
まあコイツの場合、こんな見た目をした上に、史上類をみないくらいの実力を持つ魔術師らしいから、それも人気の理由なのだろうけど。
これが乙女ゲーなら、攻略対象のメインヒーロー間違いなしというくらいのチートぶりなんだけど、いかんせん女癖が悪過ぎる!
ちょっとした女ったらしというレベルじゃなくて、歩く下半身といっても過言ではないくらい最低最悪!
来る者は拒まず、去る者は追わず。
ロリコンかって思うくらい年若い子から、お孫さんがいそうな熟女まで。
可愛い系からお色気系…そして、そうでもない系?とストライクゾーンが無駄に広い。
その上、人に見られて興奮する性癖の持ち主なのか、どこでもコトに及びやがる。
私はこれまでに何度見たくもないコイツの情事を目の当たりにしてきたことか…。
いや誰でも出入りできるような公の場所じゃなくて、せめて私室を使えよ!TPOってものを考えろよ!
何度そう注意しても改善されやしない…。
それだけだって精神的にかなり疲弊するってのに、私が被る迷惑はそれだけではないのだ。
見たくもない濡れ場に遭遇した時、大抵相手の女性は気不味そうに目を逸らしてその場から逃げ去る。だが中には、この美しい男の傍にいる事ができる私への嫉妬を滲ませる者や、逆にいつも傍にいるくせに相手にされない私への優越感を滲ませる者もいる。
はっきり言って、面倒臭い事この上ない!
この際はっきり申し上げたい!
私は別にコイツに相手にされてない訳ではない!
私は蓮のように優しく一途な男性が好みなだけだ!!
どんなに見目が麗しかろうと、伝説級の魔力の持ち主だろうと、コイツみたいに雑食の歩く種付けマシーンのような男はご免こうむる!
もし私に対してそんな雰囲気を醸し出しやがったら、お前のナニをチョン切って口突っ込んでやると、本人にもしっかり伝えてあるのだ。
私がコイツを相手にしてないだけだから!!
最後に『医師団』の代表レオナルド。通称レオ。
レオは唯一私よりも年下で、知り合った時は、まだ16歳だったから今は26歳になった筈。
医師にしては若過ぎるとお思いかも知れないが、彼は『神童』と呼ばれる程賢く、大学で飛び級を繰り返している。私が出会った時には既に、大学で教鞭をとっていた程優秀なのだ。
そもそもこの国に限らず、この世界で大学に通うのはかなりハードルが高いらしい。
学問を修める為に必要な古語を学び、古語で自由に読み書きができる者しか、大学への入学は許可されないのだとか。
以前お話したように、この世界では子どもという概念がない。
皆幼い頃から働くのが当たり前だから、初等教育というものが存在しないのだ。だから、識字率がものすごく低い。
最低限の読み書きなら、職種によっては必要だから雇い主から教えてもらう機会があるかも知れない。
けれど、古語は別だ。
古語を学びたかったら家庭教師を雇うしかない。
しかし、生活に密着していない古語をおさめた人間などそうはいないから、雇うにはかなりの金がかかる。
だから、大学に通う学生の殆どが金銭的に余裕のある家庭出身なのだ。
そんな中、平民のレオが大学に通えたのは、偏に彼の飛び抜けた才能と強運のおかげだろう。
レオは平民の中でも特に貧しい家庭で育ったのだという。
幼い頃に流行り病で母を亡くし、それからずっと父親と2人で生活してきたそうだ。
この国の子どもがそうであるように、レオも物心がつく前から庭師である父親の仕事について行き、その手伝いをしていた。
どんな状況だったか定かではないが、当時、父親が雇われていた豪商の家で、レオは偶然古語の本を見つけたのだという。
すぐにその本に興味を持ったレオは、一生働いても手に入らない程高価な物だと承知の上で、その本を貸して欲しいと家主に交渉したそうだ。
その時には既に、家主はレオの類まれな才能を見抜いていたらしいが、如何せん本は高級品。しかも古語の本になると更に稀少。
悩んだ家主は貸し出す事はできないが、父親が働きに来ている間だけならば、自由にしていいと許可してくれたらしい。そして、自分がレオのスポンサーになろうと申し出てくれたそうだ。
そうしてレオは独学で古語を学んでいったのだという。
古語を学び始めた時、レオはまだ5歳だったというのだから驚きだ!
その後、7歳で大学に入り、10歳で卒業したのだと言っていた。……きっと真の天才とはレオのような人の事をいうのだろう。
しかし、苦労して大学の医学部を卒業したのはいいが、就職先がなかった。
貴族や富裕層が求めるような場数を踏んだ医師はあまり弟子を取らないし、平民は産婆や床屋などの民間療法を頼る者が多いそうだ。
だから結局、レオは医師として働くのを諦めて大学に残る事にしたのだという。
天才たる所以なのか、レオの知識欲はすごい。
クリッとした榛色の瞳を輝かせながら、元の世界の文明…特に医療について矢継ぎ早に質問してくるのだ。その容姿は幼さを垣間見させる愛らしいものなのに、質問の内容がえげつない。
例えば、ワクチン注射が「弱体化した菌を体内に入れて免疫を作る」ものだとは知っていても、どう弱体化した菌を作るかなんて、普通の人は分からなくない?医師や研究者ならまだしも、ただの一般市民だった私が答えられなくても仕方ないよね?
決して私が無知なわけではない!…と思いたい。
私が質問に答えられないと、レオは眉をハの字にして元気のない子犬みたいな顔になる。
その庇護欲をそそられる姿が可愛くて、申し訳なくて、私が答えられなかった時はその度に1つだけお願いをきいてあげることにしている。
そのお願いというのが、これまた可愛いのだ!
ギュッとしてとか、頭を撫でてとか、お昼寝の間だけ膝枕してとかとか。とにかく可愛過ぎる!
母になり損ねた私の母性がレオを可愛いがる事で満たされるのか。元の世界でも弟が欲しかったせいなのか。レオが望みは何でも叶えてあげたくなってしまう!
そんな天使のように愛らしいレオにも困った点がある。
愛らしい見た目に反して、人が苦手なようなのだ。特に私以外の女性には近づこうともしない。
本来なら、母代りを自称している私がきちんと叱って、改善するようにしむけるべきなのだが…。私を見つけるとすぐに駆け寄って来て、私の後ろを質問しながらついて歩く、カルガモの雛みたいなレオを見るとつい叱れなくなってしまう。
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