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第1話 異世界召喚は規模の大きい誘拐です。
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―― 10年前の3月21日。
18歳の誕生日に、私はここ、アルデンティアに『賢者』として召喚された。
10年は長い。10年一昔と言われるが、まさにその通りだ。
おぎゃーと生まれた赤ん坊が、言葉を覚え、歩き、走り、生意気な口で親に反抗するようになるまでの年月。
それ程までに長い間、私は恨みこそあれ、恩の欠片もないこの国の為に精一杯尽くしてきた。常識も慣習も言語すら違う国で、必死に使命を果たそうと努めてきたのだ。
それなのに…。
理不尽にも、私は明日殺される。
せめて楽に逝かせて欲しいところだけれど、そうはいかないだろう。
嗚呼、なんて不条理な人生…。
『異世界召喚』なんて響きは格好いいけれど、ただの誘拐じゃないか!
召喚なんかされなければ、今頃私は元の世界で順風満帆な人生を送っていた筈なのに…。
そもそも異世界召喚ものって、ラノベでも漫画でも、女なら『聖女』、男なら『勇者』てのが相場なんじゃないの?
なのに、何で私だけ『賢者』よ!?
『賢者』っていったら普通、ちょっと前に実写映画化された某有名小説に出て来るガンダ〇フとか、某魔法学校の校長先生みたいなお爺ちゃまを想像するでしょ?
誰が世の中の『世』の字も分かってない私みたいな小娘を想像するってのよ!
自慢じゃないけど私、召喚されるまで苦労らしい苦労をした事なんてなかったし。
『現世は魂の修行の場』だってよくいわれるけれど、これが修行ならラッキーくらいに思っていたクチだから。
『賢者』らしい威厳なんてこれっぽっちもないわよ!
何より私『賢者』になり得るような膨大な知識なんて持ち合わせてないもの。
私がっていうより、10代で『賢者』に相応しい知識量を持つ人間なんてそうはいないでしょ?私の知る限り、赤い蝶ネクタイがトレードマークの某高校生探偵くらいよ。
……あ!私の推しの西の高校生探偵もいた!彼も、たまに出て来る気障な怪盗も、それを追ってる警視総監の息子もいたわ!
まあ…例え私が某高校生探偵ばりの知識と機転を持っていたとしても、それなりに苦労はしたのだろうけれど。
何故って?それは私が女だから。
ジェンダーだと言う事勿れ。
私が召喚された世界は、昔の日本以上に男尊女卑思想が強い…最悪な世界だったのだ。
ラノベとか漫画とか、よくある召喚ものの召喚先っていったら、大抵中世ヨーロッパ風の世界じゃない?文明は発達していないけれど、衛生的で治安が良く、食糧も豊富にあったりする。よく主人公が街並みの可愛さに感激したり、豪奢なお城に驚いたり、馬車の乗り心地や布類の肌触りに感動したりするし。料理については様々な設定があるけど、カトラリーは普通に存在する。
……どうせ召喚されるなら、私もそんな世界がよかったわ…。
私が召喚された世界も中世ヨーロッパ風の世界だけれど、変な所だけ妙にリアルな中世ヨーロッパ風世界だったのよ。
まず、とんでもなく治安が悪い。その上、現代日本人には耐え難いくらい不衛生だし、餓死者が珍しくない程の食糧難。お城だって防御命。堅牢さを重視だから、武骨な石造りで窓なんか殆どない。馬車だって、サスペンションという概念すらないから乗り心地最悪だし、シーツだって服だって布類は全てゴワゴワ。
何より、料理が不味い。
香辛料はどれも高価だし、砂糖も稀少で昔の日本みたいに薬扱いだから、上流階級の人間にしか手が届かない。それらが手に入らない庶民は、様々なハーブを駆使して塩だけで味付けをしている。
パンも現代の物とは比べ物にならない。王侯貴族向けの白パンですらパサパサしているのだから、庶民が口にする茶色いパンなど推して知るべし。
そして、驚くべきことにカトラリーがないのだ!
スプーンっぽい物はある。でもフォークはない。ナイフだって、大きな肉や魚を切り分ける時に使うだけで個人では使わない。
こちらの世界では『指は神様に与えらえた優れた道具である』という宗教観が根強く、貴賤を問わず、手掴みで食事をする。
親指、人差し指、中指の三本で食べるのが上流階級のマナー。どちらも手掴みなのに、上流階級の人達は五本指で食べる庶民を品がないと蔑んでいるのだから、笑ってしまう。
……確か、リアル中世ヨーロッパでもそうだったよね?
現在のようにカトラリーが普及したのは19世紀に入ってからだった筈。実際、食事のシーンが描かれた中世の絵画にはナイフしか描かれていないし、絶対王政で有名なフランス国王ルイ14世だってご馳走を手掴みで食べてたんだって、世界史の先生が言ってたし…。
よくラノベとかでテーブルマナーに戸惑うシーンがあったりするけど、そもそもカトラリーがないのだから迷うこともない。
逆に、手が汚れればテーブルクロスやテーブルランナーで拭くし、食器が足りなければ近くに座った人達と同じ物を使わなきゃだし、こちらがドン引く事だらけだ。
生きるだけで精一杯な世の中では、社会は円熟しないのだと痛感する。
心に余裕がないと様々な事に関心を持てないし、人々は排他的、差別的になる。
貴族階級の人間は庶民を同じ人間だと思っていないから横暴だし、庶民の間でも、異教徒や異民族、職業や性差に対する理解が薄く、差別が横行している。
貴賤を問わず顕著なのは性差別。
法律自体が女性に不利にできている。女性は、結婚するまでは父親の、結婚してからは夫の所有物扱い。
結婚には双方の同意が必要とされているが、実際には父親の意向が大きい。その為、父親の政治的立場や経済的問題で駒扱いされる事が多く、自由恋愛で結ばれるのは至難の業。
結婚して夫の物となると、今度は夫が勝手に自分の財産を処分しても意義を唱える事ができない。訴訟を起こす権利はあっても、夫が一緒に出廷しなければ訴訟を起こす事もできない。できない事づくしなのだ。
……ったく、誰のお腹から出てきたのか、思い出せっての!
そんな世界に『賢者』として召喚されたのが女の私だったのだから、その苦労は分かっていただけるだろう。
この10年、ものすごく大変だったのだ。
それこそ、色恋に現を抜かす暇もなかった。
それが…これまでの努力がようやく実を結び始めたところで殺されるなんて…。
私の人生は一体何だったのだろうか?
心残りだらけだ。
元の世界に帰りたかった。元の世界にいる彼に、家族に、もう一度会いたかった。
それが無理ならば、せめてこちらの世界でもう一度恋をしてみたかった。恋愛して、結婚して、子供を産んでみたかった。
…死にたくなんかない。
……嫌だ。怖い。誰か助けてよ!
…朝なんて来なければいい!
……太陽なんて永遠に沈んでいればいい!
願い虚しく東の空が白みはじめる。小さな天窓から曙光が差しこみ、辺りが明るくなり始めた頃、近付いてくる複数の足音に気付いた。
固く目を閉じ、大きく深呼吸する。
――私は無実だ。
そうはっきり言えばいい。
言葉を尽くせば、分かってもらえるかも知れない。分かってもらえなくとも、状況が好転するかも知れない。
そう自分に言い聞かせながら目を開き、私は眼前の扉を睨んだ。
18歳の誕生日に、私はここ、アルデンティアに『賢者』として召喚された。
10年は長い。10年一昔と言われるが、まさにその通りだ。
おぎゃーと生まれた赤ん坊が、言葉を覚え、歩き、走り、生意気な口で親に反抗するようになるまでの年月。
それ程までに長い間、私は恨みこそあれ、恩の欠片もないこの国の為に精一杯尽くしてきた。常識も慣習も言語すら違う国で、必死に使命を果たそうと努めてきたのだ。
それなのに…。
理不尽にも、私は明日殺される。
せめて楽に逝かせて欲しいところだけれど、そうはいかないだろう。
嗚呼、なんて不条理な人生…。
『異世界召喚』なんて響きは格好いいけれど、ただの誘拐じゃないか!
召喚なんかされなければ、今頃私は元の世界で順風満帆な人生を送っていた筈なのに…。
そもそも異世界召喚ものって、ラノベでも漫画でも、女なら『聖女』、男なら『勇者』てのが相場なんじゃないの?
なのに、何で私だけ『賢者』よ!?
『賢者』っていったら普通、ちょっと前に実写映画化された某有名小説に出て来るガンダ〇フとか、某魔法学校の校長先生みたいなお爺ちゃまを想像するでしょ?
誰が世の中の『世』の字も分かってない私みたいな小娘を想像するってのよ!
自慢じゃないけど私、召喚されるまで苦労らしい苦労をした事なんてなかったし。
『現世は魂の修行の場』だってよくいわれるけれど、これが修行ならラッキーくらいに思っていたクチだから。
『賢者』らしい威厳なんてこれっぽっちもないわよ!
何より私『賢者』になり得るような膨大な知識なんて持ち合わせてないもの。
私がっていうより、10代で『賢者』に相応しい知識量を持つ人間なんてそうはいないでしょ?私の知る限り、赤い蝶ネクタイがトレードマークの某高校生探偵くらいよ。
……あ!私の推しの西の高校生探偵もいた!彼も、たまに出て来る気障な怪盗も、それを追ってる警視総監の息子もいたわ!
まあ…例え私が某高校生探偵ばりの知識と機転を持っていたとしても、それなりに苦労はしたのだろうけれど。
何故って?それは私が女だから。
ジェンダーだと言う事勿れ。
私が召喚された世界は、昔の日本以上に男尊女卑思想が強い…最悪な世界だったのだ。
ラノベとか漫画とか、よくある召喚ものの召喚先っていったら、大抵中世ヨーロッパ風の世界じゃない?文明は発達していないけれど、衛生的で治安が良く、食糧も豊富にあったりする。よく主人公が街並みの可愛さに感激したり、豪奢なお城に驚いたり、馬車の乗り心地や布類の肌触りに感動したりするし。料理については様々な設定があるけど、カトラリーは普通に存在する。
……どうせ召喚されるなら、私もそんな世界がよかったわ…。
私が召喚された世界も中世ヨーロッパ風の世界だけれど、変な所だけ妙にリアルな中世ヨーロッパ風世界だったのよ。
まず、とんでもなく治安が悪い。その上、現代日本人には耐え難いくらい不衛生だし、餓死者が珍しくない程の食糧難。お城だって防御命。堅牢さを重視だから、武骨な石造りで窓なんか殆どない。馬車だって、サスペンションという概念すらないから乗り心地最悪だし、シーツだって服だって布類は全てゴワゴワ。
何より、料理が不味い。
香辛料はどれも高価だし、砂糖も稀少で昔の日本みたいに薬扱いだから、上流階級の人間にしか手が届かない。それらが手に入らない庶民は、様々なハーブを駆使して塩だけで味付けをしている。
パンも現代の物とは比べ物にならない。王侯貴族向けの白パンですらパサパサしているのだから、庶民が口にする茶色いパンなど推して知るべし。
そして、驚くべきことにカトラリーがないのだ!
スプーンっぽい物はある。でもフォークはない。ナイフだって、大きな肉や魚を切り分ける時に使うだけで個人では使わない。
こちらの世界では『指は神様に与えらえた優れた道具である』という宗教観が根強く、貴賤を問わず、手掴みで食事をする。
親指、人差し指、中指の三本で食べるのが上流階級のマナー。どちらも手掴みなのに、上流階級の人達は五本指で食べる庶民を品がないと蔑んでいるのだから、笑ってしまう。
……確か、リアル中世ヨーロッパでもそうだったよね?
現在のようにカトラリーが普及したのは19世紀に入ってからだった筈。実際、食事のシーンが描かれた中世の絵画にはナイフしか描かれていないし、絶対王政で有名なフランス国王ルイ14世だってご馳走を手掴みで食べてたんだって、世界史の先生が言ってたし…。
よくラノベとかでテーブルマナーに戸惑うシーンがあったりするけど、そもそもカトラリーがないのだから迷うこともない。
逆に、手が汚れればテーブルクロスやテーブルランナーで拭くし、食器が足りなければ近くに座った人達と同じ物を使わなきゃだし、こちらがドン引く事だらけだ。
生きるだけで精一杯な世の中では、社会は円熟しないのだと痛感する。
心に余裕がないと様々な事に関心を持てないし、人々は排他的、差別的になる。
貴族階級の人間は庶民を同じ人間だと思っていないから横暴だし、庶民の間でも、異教徒や異民族、職業や性差に対する理解が薄く、差別が横行している。
貴賤を問わず顕著なのは性差別。
法律自体が女性に不利にできている。女性は、結婚するまでは父親の、結婚してからは夫の所有物扱い。
結婚には双方の同意が必要とされているが、実際には父親の意向が大きい。その為、父親の政治的立場や経済的問題で駒扱いされる事が多く、自由恋愛で結ばれるのは至難の業。
結婚して夫の物となると、今度は夫が勝手に自分の財産を処分しても意義を唱える事ができない。訴訟を起こす権利はあっても、夫が一緒に出廷しなければ訴訟を起こす事もできない。できない事づくしなのだ。
……ったく、誰のお腹から出てきたのか、思い出せっての!
そんな世界に『賢者』として召喚されたのが女の私だったのだから、その苦労は分かっていただけるだろう。
この10年、ものすごく大変だったのだ。
それこそ、色恋に現を抜かす暇もなかった。
それが…これまでの努力がようやく実を結び始めたところで殺されるなんて…。
私の人生は一体何だったのだろうか?
心残りだらけだ。
元の世界に帰りたかった。元の世界にいる彼に、家族に、もう一度会いたかった。
それが無理ならば、せめてこちらの世界でもう一度恋をしてみたかった。恋愛して、結婚して、子供を産んでみたかった。
…死にたくなんかない。
……嫌だ。怖い。誰か助けてよ!
…朝なんて来なければいい!
……太陽なんて永遠に沈んでいればいい!
願い虚しく東の空が白みはじめる。小さな天窓から曙光が差しこみ、辺りが明るくなり始めた頃、近付いてくる複数の足音に気付いた。
固く目を閉じ、大きく深呼吸する。
――私は無実だ。
そうはっきり言えばいい。
言葉を尽くせば、分かってもらえるかも知れない。分かってもらえなくとも、状況が好転するかも知れない。
そう自分に言い聞かせながら目を開き、私は眼前の扉を睨んだ。
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