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第1章
ユーハイト漁港
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コルテオの家にて晩餐を振る舞われたリヒトとシキは賑やかな一家を後にして、宿屋へと向かっていた。マギユラが「泊まっていけばいいのに」と勧めてくれたが、気を利かせてしまうのも悪いからと断った。
何より『ファティナの涙』を売ったお金で懐は寒くないのだ。予定としては寒期が明けるまでユーハイトに留まるつもりでいた。数ヶ月ほども厄介になるのは恐縮してしまう。
宿屋に着き、軽く荷物整理をした後は早めにベッドへと潜り込んだ。普段一人で宿泊するときは簡素な宿にするのだが、今回はシキがいるため、湯殿がついた二つベッドのある部屋を借りた。清潔感のあるシーツと枕もふかふかで、シキは早くもうとうとと船を漕いでいる。
「明日の朝は南区まで行こうか。貨物船や客船が見られるかもしれないしね」
「うん……、海、たのしみだなあ」
その後すぐにシキのベッドから整った寝息が聞こえ始めたので、リヒトも灯りを消して目を閉じた。
翌朝。
半日以上かけて巨大魔鳥に乗って空の旅をしたこともあり、朝まで目覚めることなくシキはぐっすりと眠りに落ちていた。リヒトがカーテンを開けた音で目を覚まし、差し込む朝日に寝ぼけ眼で起き上がった。
「おはよう、シキ。よく眠っていたようだね。朝食を食べに行こうか」
「おはよう、リヒトさん」
頭頂部のぴよんと跳ねたシキの寝癖をもしゃもしゃとかき混ぜながら、リヒトはシキに身支度を整えるよう促した。
シキの支度が終わると、宿屋の一階に食堂があるため立ち寄る。パンと腸詰とスープというシンプルなものだが、スープの中に魚を切り刻んで丸めた団子が入っており、海魚を滅多に食べたことがないと言ったシキは初めて口にしたそれを美味しい!と感激していた。リヒトのスープ皿から団子を数個ほど分けてあげると、はにかんで喜んだ。
朝食後、さっそく領都の街へと繰り出すことにした。
宿屋は中央区の大きな商店などがあつまる付近にあり、少しだけ歩くと大通りに出る。領都を東西に分割するように河川が通っており、西区の関所と同様に領主城へと繋がる橋は衛兵により限られた人しか通行出来ないようになっている。東区はほとんどが貴族の住まいになっており、領主城を中心に綺麗な石壁の豪勢な家が立ち並んでいる。
河川沿いの道は綺麗に整備され、公園や病院、図書館などの公共施設が並んでいる。常緑樹が等間隔に植えられた並木道は多くの人々が行き交っていた。
中央区を河川沿いに乗合馬車で南下していくと南区に入る。ここは商業区でもあるが、漁港があるため西区の商業区とは違って食事処が比較的多く建ち並んでいる。
河岸から東区を見て驚いていたシキだが、南区も見慣れない建物や辺りに漂う磯の香りにきょろきょろと忙しなく見回していた。
乗合馬車から降りると、まずは船着場を目指して歩いた。
「リヒトさん、なんだか香ばしい匂いがいっぱいするね」
「焼き魚につぼ焼き、色々あるね。だいぶ時間も経ったし、どこかで昼餉にしよう」
「うん!」
船着場は朝の漁と朝市が終わったあとだったので、海沿いの市場はすでに人がまばらだった。今度は早起きして朝市にも足を運んでみようね、とシキと話しながら船着場を歩く。
何隻もの船が船着場に停まっており、様々な形状や大きさの船にシキは目をぱちぱちと瞬いて、船を眺めていた。
船の傍で網の手入れをしている漁師が、興味津々の目で見つめてくるシキに、ニカッと笑いかけてくれる。黒々とした肌と冬服を着ていてもわかる隆々の筋肉は海の男を体現していた。
「ようボウズ、ユーハイト漁港は初めてなのかい?」
「うん、海も船もはじめて見ました」
「そうかそうか、俺の船はこれだ。格好いいだろう」
漁師の男は、すぐ後ろに浮かぶ船を親指で指し、誇らしげに笑った。
船首両舷の外部には何やら異国の文字で言葉が記されている。
「あれは何と書かれているんですか?」
「おう、「オロチマル」だよ。俺も読めねぇんだが、文字書きの商人に格好いい文字入れを頼むって伝えたらどっか遠い国の言葉を書いてくれてな。読めねぇが、迫力があるんで俺ァ気に入ってるぞ」
リヒトの質問に漁師は得意げに答える。リヒトもその文字は初めて見たものだった。
しばらく漁師と他愛ない話をしていたが、シキのお腹がぐぅ、と空腹を主張したので、漁師の男はガハハハと豪快に笑ったあと「うちの店、寄ってきな。サービスしてやるよ」と、料理屋もやっているそうなので好意に甘えることにした。
漁師の男の妻が営んでいる食事処はこじんまりとしているが、あたたかみのあるお店だった。カウンター席が四席、テーブル席が二つほど。カウンターの内側はすぐに厨房が見えて、少し恰幅のいい奥方がにこにこ顔でリヒトとシキを出迎えた。
この店は昼と夜に営業しているようで、夜はほとんど知り合いの漁師の溜まり場になるそうだ。
「昼のメニューはあんまり種類が無いんだけど、どちらがいいかい?」
「えーと、」
刺身定食か魚に衣をつけて油で揚げた定食になるようだ。リヒトは刺身定食を、シキは揚げものの定食を選んだ。
「シキはお米を食べたことがあるかい?」
「は、はじめて……」
はい、おまちどお!とリヒトとシキの前に用意されたお膳の上には、メインの皿に出汁の香る汁物、そして主食の白米だった。ほかほかと湯気の昇るそれは、まさに炊きたてのようで、一粒一粒の米が光っているのがわかる。
ユーハイトは港町であることから外国からの物流も盛んで、米は海向こうの国からの輸入品だが、南区ではこうして魚料理のお供によく出てくる。
リヒトは入手しやすさや調理の手軽さから、よくパンや麦粥をメインとしているが、おそらくそれはシキが育ってきた環境も同じだろう。
「「いただきます」」
ここでは女将さんと言った方がいいだろう、奥方に向かって手を合わせるとシキとリヒトは目の前の料理を食べ始めた。
リヒトは慣れた手つきで箸を使っているが、シキは用意してもらったスプーンとフォークを使っている。
「外がカリカリなのに、中ふわふわだ! おいしい!」
衣をつけて揚げた魚は白身の魚だったようで、こんがりとした色の衣の内側は真っ白な身がほろりと見えた。女将さんおすすめのソースを絡めて、もぐもぐとシキが口を動かす。揚げ物は白米が合うようで、少しずつを交互に口に運ぶシキは、ずっと目をキラキラと輝かせていた。
リヒトが口の端についた粒を取ってあげるとシキは、ハッとして居住まいを正しつつ、リヒトにありがとう、と小さく礼を言った。
リヒトも種類の違う生魚の切り身が美しく盛られた皿から、とろりとした柔らかそうな橙色の切り身を口に運ぶ。じわり、と舌の上で旨みが広がり溶けるように無くなった。
「森の中だと魚介はなかなか食べられないからご馳走です」
「お兄さん、夜ならもう少し酒と肴を用意してるから、良かったら寄っておくれよ。鍋料理に熱燗が旨いんだよ。もちろんぼうや用にも美味しいの用意しとくからさ」
「お酒はそこまで量は呑めないのですが、寒期の間はこの街に滞在する予定なので、ぜひまた伺わせてください。この子も魚が好きなようですし」
女将さんはにこりと笑い返すリヒトに少し頬を赤めながら会話していると、店の奥から仕込みを終えたであろう漁師の男、旦那が出てきた。
「あんちゃん、ほら手土産だ。よければぼうずと食べな」
旦那さんが瓶詰めの小魚のオイル漬けを持ってきてくれた。
「パンに乗せても旨いし、手軽な酒のツマミにもなる」
「ありがとうございます。何と御礼を言えばいいのか……あ、かわりと言っては何ですが、よければこれをお二人に」
リヒトは荷物をごそごそと漁ると、旦那さんに小ぶりな瓶を手渡した。二人と会ってから気になっていたことを告げる。
「この時期の水仕事は何かと堪えますよね。香りを極限まで抑えてるので、お仕事にも差し支えないかと。夜寝る前一匙分ほど塗り込んでください。一日一回で効果は出てくると思います。お二人で使っても一月分ほどの量はあると思うので、よければぜひ」
リヒトは二人の霜焼けや赤切れだらけの手を見たときから気になっていた。
旦那さんと女将さんは目を丸くして、リヒトから手渡された瓶をしげしげと眺める。
「お兄さん、あんた仕事は何してるんだい?」
「薬を少々嗜んでまして。マカの実を主材料にした軟膏です。保湿成分があるのと、薄膜を作ってくれるのでこれ以上手荒れが酷くなる前に使って欲しいです」
「薬屋さんだったか! はぁ、こいつはありがてぇ!」
「いえいえ、美味しい料理やお土産の御礼にはなりませんが、ぜひ使ってください」
リヒトとシキは食後のお茶を頂いた後に、料理屋を後にした。店先まで見送ってくれた夫婦に礼をして、また乗合馬車に乗る。
「美味しかったね、リヒトさん」
「うん、美味しかったし、良いご夫婦だった。手荒れが良くなるといいなあ」
カタカタと馬車に揺られて、二人はまた中央区へと向かった。
何より『ファティナの涙』を売ったお金で懐は寒くないのだ。予定としては寒期が明けるまでユーハイトに留まるつもりでいた。数ヶ月ほども厄介になるのは恐縮してしまう。
宿屋に着き、軽く荷物整理をした後は早めにベッドへと潜り込んだ。普段一人で宿泊するときは簡素な宿にするのだが、今回はシキがいるため、湯殿がついた二つベッドのある部屋を借りた。清潔感のあるシーツと枕もふかふかで、シキは早くもうとうとと船を漕いでいる。
「明日の朝は南区まで行こうか。貨物船や客船が見られるかもしれないしね」
「うん……、海、たのしみだなあ」
その後すぐにシキのベッドから整った寝息が聞こえ始めたので、リヒトも灯りを消して目を閉じた。
翌朝。
半日以上かけて巨大魔鳥に乗って空の旅をしたこともあり、朝まで目覚めることなくシキはぐっすりと眠りに落ちていた。リヒトがカーテンを開けた音で目を覚まし、差し込む朝日に寝ぼけ眼で起き上がった。
「おはよう、シキ。よく眠っていたようだね。朝食を食べに行こうか」
「おはよう、リヒトさん」
頭頂部のぴよんと跳ねたシキの寝癖をもしゃもしゃとかき混ぜながら、リヒトはシキに身支度を整えるよう促した。
シキの支度が終わると、宿屋の一階に食堂があるため立ち寄る。パンと腸詰とスープというシンプルなものだが、スープの中に魚を切り刻んで丸めた団子が入っており、海魚を滅多に食べたことがないと言ったシキは初めて口にしたそれを美味しい!と感激していた。リヒトのスープ皿から団子を数個ほど分けてあげると、はにかんで喜んだ。
朝食後、さっそく領都の街へと繰り出すことにした。
宿屋は中央区の大きな商店などがあつまる付近にあり、少しだけ歩くと大通りに出る。領都を東西に分割するように河川が通っており、西区の関所と同様に領主城へと繋がる橋は衛兵により限られた人しか通行出来ないようになっている。東区はほとんどが貴族の住まいになっており、領主城を中心に綺麗な石壁の豪勢な家が立ち並んでいる。
河川沿いの道は綺麗に整備され、公園や病院、図書館などの公共施設が並んでいる。常緑樹が等間隔に植えられた並木道は多くの人々が行き交っていた。
中央区を河川沿いに乗合馬車で南下していくと南区に入る。ここは商業区でもあるが、漁港があるため西区の商業区とは違って食事処が比較的多く建ち並んでいる。
河岸から東区を見て驚いていたシキだが、南区も見慣れない建物や辺りに漂う磯の香りにきょろきょろと忙しなく見回していた。
乗合馬車から降りると、まずは船着場を目指して歩いた。
「リヒトさん、なんだか香ばしい匂いがいっぱいするね」
「焼き魚につぼ焼き、色々あるね。だいぶ時間も経ったし、どこかで昼餉にしよう」
「うん!」
船着場は朝の漁と朝市が終わったあとだったので、海沿いの市場はすでに人がまばらだった。今度は早起きして朝市にも足を運んでみようね、とシキと話しながら船着場を歩く。
何隻もの船が船着場に停まっており、様々な形状や大きさの船にシキは目をぱちぱちと瞬いて、船を眺めていた。
船の傍で網の手入れをしている漁師が、興味津々の目で見つめてくるシキに、ニカッと笑いかけてくれる。黒々とした肌と冬服を着ていてもわかる隆々の筋肉は海の男を体現していた。
「ようボウズ、ユーハイト漁港は初めてなのかい?」
「うん、海も船もはじめて見ました」
「そうかそうか、俺の船はこれだ。格好いいだろう」
漁師の男は、すぐ後ろに浮かぶ船を親指で指し、誇らしげに笑った。
船首両舷の外部には何やら異国の文字で言葉が記されている。
「あれは何と書かれているんですか?」
「おう、「オロチマル」だよ。俺も読めねぇんだが、文字書きの商人に格好いい文字入れを頼むって伝えたらどっか遠い国の言葉を書いてくれてな。読めねぇが、迫力があるんで俺ァ気に入ってるぞ」
リヒトの質問に漁師は得意げに答える。リヒトもその文字は初めて見たものだった。
しばらく漁師と他愛ない話をしていたが、シキのお腹がぐぅ、と空腹を主張したので、漁師の男はガハハハと豪快に笑ったあと「うちの店、寄ってきな。サービスしてやるよ」と、料理屋もやっているそうなので好意に甘えることにした。
漁師の男の妻が営んでいる食事処はこじんまりとしているが、あたたかみのあるお店だった。カウンター席が四席、テーブル席が二つほど。カウンターの内側はすぐに厨房が見えて、少し恰幅のいい奥方がにこにこ顔でリヒトとシキを出迎えた。
この店は昼と夜に営業しているようで、夜はほとんど知り合いの漁師の溜まり場になるそうだ。
「昼のメニューはあんまり種類が無いんだけど、どちらがいいかい?」
「えーと、」
刺身定食か魚に衣をつけて油で揚げた定食になるようだ。リヒトは刺身定食を、シキは揚げものの定食を選んだ。
「シキはお米を食べたことがあるかい?」
「は、はじめて……」
はい、おまちどお!とリヒトとシキの前に用意されたお膳の上には、メインの皿に出汁の香る汁物、そして主食の白米だった。ほかほかと湯気の昇るそれは、まさに炊きたてのようで、一粒一粒の米が光っているのがわかる。
ユーハイトは港町であることから外国からの物流も盛んで、米は海向こうの国からの輸入品だが、南区ではこうして魚料理のお供によく出てくる。
リヒトは入手しやすさや調理の手軽さから、よくパンや麦粥をメインとしているが、おそらくそれはシキが育ってきた環境も同じだろう。
「「いただきます」」
ここでは女将さんと言った方がいいだろう、奥方に向かって手を合わせるとシキとリヒトは目の前の料理を食べ始めた。
リヒトは慣れた手つきで箸を使っているが、シキは用意してもらったスプーンとフォークを使っている。
「外がカリカリなのに、中ふわふわだ! おいしい!」
衣をつけて揚げた魚は白身の魚だったようで、こんがりとした色の衣の内側は真っ白な身がほろりと見えた。女将さんおすすめのソースを絡めて、もぐもぐとシキが口を動かす。揚げ物は白米が合うようで、少しずつを交互に口に運ぶシキは、ずっと目をキラキラと輝かせていた。
リヒトが口の端についた粒を取ってあげるとシキは、ハッとして居住まいを正しつつ、リヒトにありがとう、と小さく礼を言った。
リヒトも種類の違う生魚の切り身が美しく盛られた皿から、とろりとした柔らかそうな橙色の切り身を口に運ぶ。じわり、と舌の上で旨みが広がり溶けるように無くなった。
「森の中だと魚介はなかなか食べられないからご馳走です」
「お兄さん、夜ならもう少し酒と肴を用意してるから、良かったら寄っておくれよ。鍋料理に熱燗が旨いんだよ。もちろんぼうや用にも美味しいの用意しとくからさ」
「お酒はそこまで量は呑めないのですが、寒期の間はこの街に滞在する予定なので、ぜひまた伺わせてください。この子も魚が好きなようですし」
女将さんはにこりと笑い返すリヒトに少し頬を赤めながら会話していると、店の奥から仕込みを終えたであろう漁師の男、旦那が出てきた。
「あんちゃん、ほら手土産だ。よければぼうずと食べな」
旦那さんが瓶詰めの小魚のオイル漬けを持ってきてくれた。
「パンに乗せても旨いし、手軽な酒のツマミにもなる」
「ありがとうございます。何と御礼を言えばいいのか……あ、かわりと言っては何ですが、よければこれをお二人に」
リヒトは荷物をごそごそと漁ると、旦那さんに小ぶりな瓶を手渡した。二人と会ってから気になっていたことを告げる。
「この時期の水仕事は何かと堪えますよね。香りを極限まで抑えてるので、お仕事にも差し支えないかと。夜寝る前一匙分ほど塗り込んでください。一日一回で効果は出てくると思います。お二人で使っても一月分ほどの量はあると思うので、よければぜひ」
リヒトは二人の霜焼けや赤切れだらけの手を見たときから気になっていた。
旦那さんと女将さんは目を丸くして、リヒトから手渡された瓶をしげしげと眺める。
「お兄さん、あんた仕事は何してるんだい?」
「薬を少々嗜んでまして。マカの実を主材料にした軟膏です。保湿成分があるのと、薄膜を作ってくれるのでこれ以上手荒れが酷くなる前に使って欲しいです」
「薬屋さんだったか! はぁ、こいつはありがてぇ!」
「いえいえ、美味しい料理やお土産の御礼にはなりませんが、ぜひ使ってください」
リヒトとシキは食後のお茶を頂いた後に、料理屋を後にした。店先まで見送ってくれた夫婦に礼をして、また乗合馬車に乗る。
「美味しかったね、リヒトさん」
「うん、美味しかったし、良いご夫婦だった。手荒れが良くなるといいなあ」
カタカタと馬車に揺られて、二人はまた中央区へと向かった。
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