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第1章
空飛ぶ行商人マギユラ1
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――それに積極的に役立ちたいなら、こんな樹海には住まないよ。
リヒトは自分で発言しておきながら、自分の発言に少しだけチクリとした痛みを感じていた。
ファティナの花を採取したので、夜の内にマギユラに文を出した。もともとあと数日でリヒトの家に訪れる予定だったが、シキが着られる服の調達もあるため、手紙を送ることにしたのだ。
カエルラウェスの足に手紙を結つけ、窓から飛び出つ姿を見送ると、その夜はそのまま眠りに着いた。
「リヒトさん、この草はなんて名前なの?」
「ああ、これはケピタと言うんだ。皮を剥いだ茎を輪切りにして数日ほど日干ししたものを煮出すんだ」
「効能は?」
「鎮痛剤として使うことが多いね。あとは体内の炎症を止めてくれる効果もあるよ」
ファティナの採取から二日後の朝、リヒトとシキは保管室の壁一面にある棚の整理をしていた。シキはどの薬草にも興味津々に質問を投げてきた。
薬包紙を新しいものに替えて、保管している薬草が痛んでいないか確認する。湿気が篭ると黴が生えてしまうので、定期的に乾燥剤を入れ替えているが、シキが手伝ってくれてかなり作業が進んだ。
「リヒトさん、これはどこに仕舞ったらいいの?」
「――ああ、忘れてた! そんな所にあったんだ」
薬棚の整理整頓が終わったところで、今度は採取用の道具を整理し始めたのだが、シキが思わぬものを見つけてくれた。
くるりと巻かれた管が細長い紡錘型の本体にくっついており、その本体には真ん中に大きな魔石が嵌め込まれていた。紡錘型の先端には一周回るように細かな穴が空いている。
「それは魔道具の一つで、水源さえあれば畑に水を散布してくれるものだよ」
「勝手に水やりしてくれるの!?」
「この魔道具を地面に突き立てて、管の先を水源に設置すると水を組み上げて周辺に水滴を飛ばしてくれるんだ」
「へぇ」
「ただね、水遣りの量までは調整できないから、水源の水が無くなるまで散布し続けちゃうんだ。もしくは魔石の魔力が無くなるまで」
これを得意気に貸してくれた友人の顔が浮かぶが、申し訳ないことにリヒトには使いこなせなかった。
「これは魔石の魔力切れで、作った本人に返そうと思っていたんだよ。それに作物によっては水のやり過ぎも根腐れをおこしてしまうからね。やっぱり作物にはきちんと手をかけてあげないと」
「そっか、便利そうなのに。でも魔石って初めて見たよ」
シキが水遣りの魔道具をしげしげと眺めて、真ん中に大きく嵌め込まれた魔石を眺める。水魔法の魔力が込められていた時は深く青い色をしていたが、今は黒色に染まっている。魔力の切れた石のため、今はただの石と言ってもいいのかもしれない。
「魔力を蓄積することのできる鉱物は少ないからね。あとは魔物の体内で精製されたものかな。かなり貴重なものなんだ」
魔道具自体も非常に珍しく平民の家にぽんぽんとあっていいものではない。
「私が魔力持ちならこの魔石に魔力を貯めて再利用したいところなんだけど、ね」
やれやれ、とため息をつく。
リヒトを不思議そうに見上げていたシキは、ぼんやりと魔石を見つめていたが、何を思ったのか、そっと魔石に触れた。
途端。
――パリン。
「……え、」
「……あ」
魔道具に嵌められた魔石は、縦に大きく亀裂が入り、割れた。元々の鉱物の性質上、非常に硬度のある石だと聞いていたのだが、シキが触れただけで壊れてしまった。
「あっ、あの、ご、ごめんなさい……!!」
「いや、壊すつもりはなかったんだろう? でも、どうして割れたんだろう……」
「あの、魔力を込められないかな、と、思って……」
元々小さなシキがより一層小さくなりながら答えた。あまりの狼狽えぶりにくすりと笑い、艶やかな黒髪の頭を撫でる。
「この魔道具の存在そのものを忘れていた私が悪いんだよ。製作者は古い付き合いなんだ、むしろアイツは魔石の許容量を超えた魔力を持つシキに興味を抱くと思う」
「それでも、あの、ごめんなさい」
萎縮してしまったシキは竜の血が流れているはずなのに、何故か垂れた獣耳が見えたし、ぷるぷると涙目で震える様は小型の獣の怯える様子に瓜二つで、シキの気分を変えてあげるためにパンパンと柏手を打った。
「落ち込むのはそこまで。持ち主には私から詫びておくからね、シキは気にしない! さもなくばお昼ご飯のお肉を少なくしてしまうからね」
「えっ!? あの、それは……」
目を丸くして、今度は別の意味で狼狽する小さな子どもをからかうのはここまでにしよう、とリヒトは笑みを浮かべて、冗談だよ、と言い添えた。
丁度タイミング良く、シキのお腹からぐぅ、と鳴き音がしたので昼餉の時間とすることにした。
香草パンに肉と野菜を煮込んだスープの簡単な昼食を済ませたタイミングで、リヒトはふと顔を上げた。
「おや、少しお早い到着だ」
なんのことだろう? と首を傾げるシキにも、リヒトのつぶやきの後に聞こえたドアベルの音にくるりと廊下の先の玄関を振り返った。
「シキ、紹介するから一緒においで」
「うん」
食器を片付けていた手を止めて、リヒトとシキはエントランスへと向かった。
ドアを開けて真っ先に目に飛び込んで来たのは、真っ白な毛の塊。それはなだらかに膨れ、毛足は下の方へと流れている。むっくりとした白い毛の塊の下の方に、不釣り合いなほっそりとした足首と、体を支える屈強な鉤爪の付いた足が見えた。
「こんにちは! リヒトさん、お久しぶりです!」
視線を足元に送っていたシキは、上から降ってきた声に驚いてびくりとしていた。
白い毛の塊――、それは大きな鳥類の魔獣だった。リヒトでさえもぐいっと上向きに顔を上げなければ見上げられないほど大きな鳥が、エントランス前に悠然と佇んでおり、その上に跨っているのは、小麦色の肌をしたハキハキと喋る少女だった。
「マギユラ、配達ありがとう。報せより来るのが早かったね?」
「コキタリス街道の宿場に居たの! リヒトさんの小鳥さんに連絡貰って準備してからだったからむしろ遅くなっちゃった、ごめんなさい」
「とんでもない! いつもありがとう」
コキタリス街道はシンハ樹海の南にあり、東西に伸びる街道で、人族の小さな集落が点在している地域だ。そのまま東に進めば街道の終わりに領都ユーハイトに辿り着く。
ユーハイトからシンハ樹海までは陸路であれば五日程度の時間を要するため、もう少し時間がかかるものと思っていたが、マギユラが丁度街道沿いの街に居てくれたおかげで早めにシキの服やら、必要なものを手にできそうで良かった。
当のマギユラは大きな鳥の背から慣れたようにひらりと舞い降りた。鳥の背には鞍と荷物を積むための大きな革製の鞄も括り付けられている。
「シキ、この人はマギユラ。ユーハイトを拠点にしている行商人さんで、いつも食料や薬草や種子なんかを売ってくれる人だよ」
「は、はじめまして。シキといいます」
「あ~! その子だね、噂の男の子は!」
リヒトの後ろから控えめに姿を見せていたシキにパッと視線を合わせたマギユラは相好を崩した。
「はじめまして、私はマギユラ。この子は従魔のキエル、グランドコルニクスの子どもなの、この大きさだからびっくりするでしょ、まだ中身はバブちゃんだから可愛がってあげてね」
「こんなに大きいのに……!?」
「そうなの、そんでもって小心者だから優しく接してあげてね」
「真っ白でふわふわだぁ」
目をまん丸にさせて期待に胸を膨らませた様子のシキに、キエルを気に入ってもらえたと感じたマギユラは鼻高々な様子だ。
キエルは茜色の空のようなつぶらな瞳をしており、こてん、と首を傾げる様子は大きさはさておき、とても可愛らしい。
「マギユラ、立ち話も何だから、お茶を淹れるよ。よければシキも荷降ろしを手伝ってあげて」
「はい」
「リヒトさん、ありがとう! キエル、お疲れ様。シキくん、重たいけどこれを運んでくれるかな?」
シキはマギユラから荷物を受け取ると、エントランスへと運び始めた。
リヒトは自分で発言しておきながら、自分の発言に少しだけチクリとした痛みを感じていた。
ファティナの花を採取したので、夜の内にマギユラに文を出した。もともとあと数日でリヒトの家に訪れる予定だったが、シキが着られる服の調達もあるため、手紙を送ることにしたのだ。
カエルラウェスの足に手紙を結つけ、窓から飛び出つ姿を見送ると、その夜はそのまま眠りに着いた。
「リヒトさん、この草はなんて名前なの?」
「ああ、これはケピタと言うんだ。皮を剥いだ茎を輪切りにして数日ほど日干ししたものを煮出すんだ」
「効能は?」
「鎮痛剤として使うことが多いね。あとは体内の炎症を止めてくれる効果もあるよ」
ファティナの採取から二日後の朝、リヒトとシキは保管室の壁一面にある棚の整理をしていた。シキはどの薬草にも興味津々に質問を投げてきた。
薬包紙を新しいものに替えて、保管している薬草が痛んでいないか確認する。湿気が篭ると黴が生えてしまうので、定期的に乾燥剤を入れ替えているが、シキが手伝ってくれてかなり作業が進んだ。
「リヒトさん、これはどこに仕舞ったらいいの?」
「――ああ、忘れてた! そんな所にあったんだ」
薬棚の整理整頓が終わったところで、今度は採取用の道具を整理し始めたのだが、シキが思わぬものを見つけてくれた。
くるりと巻かれた管が細長い紡錘型の本体にくっついており、その本体には真ん中に大きな魔石が嵌め込まれていた。紡錘型の先端には一周回るように細かな穴が空いている。
「それは魔道具の一つで、水源さえあれば畑に水を散布してくれるものだよ」
「勝手に水やりしてくれるの!?」
「この魔道具を地面に突き立てて、管の先を水源に設置すると水を組み上げて周辺に水滴を飛ばしてくれるんだ」
「へぇ」
「ただね、水遣りの量までは調整できないから、水源の水が無くなるまで散布し続けちゃうんだ。もしくは魔石の魔力が無くなるまで」
これを得意気に貸してくれた友人の顔が浮かぶが、申し訳ないことにリヒトには使いこなせなかった。
「これは魔石の魔力切れで、作った本人に返そうと思っていたんだよ。それに作物によっては水のやり過ぎも根腐れをおこしてしまうからね。やっぱり作物にはきちんと手をかけてあげないと」
「そっか、便利そうなのに。でも魔石って初めて見たよ」
シキが水遣りの魔道具をしげしげと眺めて、真ん中に大きく嵌め込まれた魔石を眺める。水魔法の魔力が込められていた時は深く青い色をしていたが、今は黒色に染まっている。魔力の切れた石のため、今はただの石と言ってもいいのかもしれない。
「魔力を蓄積することのできる鉱物は少ないからね。あとは魔物の体内で精製されたものかな。かなり貴重なものなんだ」
魔道具自体も非常に珍しく平民の家にぽんぽんとあっていいものではない。
「私が魔力持ちならこの魔石に魔力を貯めて再利用したいところなんだけど、ね」
やれやれ、とため息をつく。
リヒトを不思議そうに見上げていたシキは、ぼんやりと魔石を見つめていたが、何を思ったのか、そっと魔石に触れた。
途端。
――パリン。
「……え、」
「……あ」
魔道具に嵌められた魔石は、縦に大きく亀裂が入り、割れた。元々の鉱物の性質上、非常に硬度のある石だと聞いていたのだが、シキが触れただけで壊れてしまった。
「あっ、あの、ご、ごめんなさい……!!」
「いや、壊すつもりはなかったんだろう? でも、どうして割れたんだろう……」
「あの、魔力を込められないかな、と、思って……」
元々小さなシキがより一層小さくなりながら答えた。あまりの狼狽えぶりにくすりと笑い、艶やかな黒髪の頭を撫でる。
「この魔道具の存在そのものを忘れていた私が悪いんだよ。製作者は古い付き合いなんだ、むしろアイツは魔石の許容量を超えた魔力を持つシキに興味を抱くと思う」
「それでも、あの、ごめんなさい」
萎縮してしまったシキは竜の血が流れているはずなのに、何故か垂れた獣耳が見えたし、ぷるぷると涙目で震える様は小型の獣の怯える様子に瓜二つで、シキの気分を変えてあげるためにパンパンと柏手を打った。
「落ち込むのはそこまで。持ち主には私から詫びておくからね、シキは気にしない! さもなくばお昼ご飯のお肉を少なくしてしまうからね」
「えっ!? あの、それは……」
目を丸くして、今度は別の意味で狼狽する小さな子どもをからかうのはここまでにしよう、とリヒトは笑みを浮かべて、冗談だよ、と言い添えた。
丁度タイミング良く、シキのお腹からぐぅ、と鳴き音がしたので昼餉の時間とすることにした。
香草パンに肉と野菜を煮込んだスープの簡単な昼食を済ませたタイミングで、リヒトはふと顔を上げた。
「おや、少しお早い到着だ」
なんのことだろう? と首を傾げるシキにも、リヒトのつぶやきの後に聞こえたドアベルの音にくるりと廊下の先の玄関を振り返った。
「シキ、紹介するから一緒においで」
「うん」
食器を片付けていた手を止めて、リヒトとシキはエントランスへと向かった。
ドアを開けて真っ先に目に飛び込んで来たのは、真っ白な毛の塊。それはなだらかに膨れ、毛足は下の方へと流れている。むっくりとした白い毛の塊の下の方に、不釣り合いなほっそりとした足首と、体を支える屈強な鉤爪の付いた足が見えた。
「こんにちは! リヒトさん、お久しぶりです!」
視線を足元に送っていたシキは、上から降ってきた声に驚いてびくりとしていた。
白い毛の塊――、それは大きな鳥類の魔獣だった。リヒトでさえもぐいっと上向きに顔を上げなければ見上げられないほど大きな鳥が、エントランス前に悠然と佇んでおり、その上に跨っているのは、小麦色の肌をしたハキハキと喋る少女だった。
「マギユラ、配達ありがとう。報せより来るのが早かったね?」
「コキタリス街道の宿場に居たの! リヒトさんの小鳥さんに連絡貰って準備してからだったからむしろ遅くなっちゃった、ごめんなさい」
「とんでもない! いつもありがとう」
コキタリス街道はシンハ樹海の南にあり、東西に伸びる街道で、人族の小さな集落が点在している地域だ。そのまま東に進めば街道の終わりに領都ユーハイトに辿り着く。
ユーハイトからシンハ樹海までは陸路であれば五日程度の時間を要するため、もう少し時間がかかるものと思っていたが、マギユラが丁度街道沿いの街に居てくれたおかげで早めにシキの服やら、必要なものを手にできそうで良かった。
当のマギユラは大きな鳥の背から慣れたようにひらりと舞い降りた。鳥の背には鞍と荷物を積むための大きな革製の鞄も括り付けられている。
「シキ、この人はマギユラ。ユーハイトを拠点にしている行商人さんで、いつも食料や薬草や種子なんかを売ってくれる人だよ」
「は、はじめまして。シキといいます」
「あ~! その子だね、噂の男の子は!」
リヒトの後ろから控えめに姿を見せていたシキにパッと視線を合わせたマギユラは相好を崩した。
「はじめまして、私はマギユラ。この子は従魔のキエル、グランドコルニクスの子どもなの、この大きさだからびっくりするでしょ、まだ中身はバブちゃんだから可愛がってあげてね」
「こんなに大きいのに……!?」
「そうなの、そんでもって小心者だから優しく接してあげてね」
「真っ白でふわふわだぁ」
目をまん丸にさせて期待に胸を膨らませた様子のシキに、キエルを気に入ってもらえたと感じたマギユラは鼻高々な様子だ。
キエルは茜色の空のようなつぶらな瞳をしており、こてん、と首を傾げる様子は大きさはさておき、とても可愛らしい。
「マギユラ、立ち話も何だから、お茶を淹れるよ。よければシキも荷降ろしを手伝ってあげて」
「はい」
「リヒトさん、ありがとう! キエル、お疲れ様。シキくん、重たいけどこれを運んでくれるかな?」
シキはマギユラから荷物を受け取ると、エントランスへと運び始めた。
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