聖なる言霊を小言と馬鹿にされ婚約破棄されましたが、普段通りに仕事していたら辺境伯様に溺愛されています

青空あかな

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第21話:ブーケ①

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「じゃあ……お願いしようかな。薬草を貼ったりしてもなかなか良くならないの」
「私に任せて。キレイサッパリ解消してみせるからね」
「ポーラちゃんがいると心強いなぁ」

 お屋敷に来てから、エヴェちゃんには本当にたくさんのことを教えてもらっている。
 少しでも恩返しがしたかった。

「詩を書く前に、ちょっと肩凝りの状態を確認させてもらえる? よく把握するほど精度があがるから」
「もちろん、どうぞ」

 エヴァちゃんの両肩に手を添えて、ちょっと揉んでみる。
 たしかに、石のように硬く凝っていた。
 これは大変だ。
 腕も動かしづらいだろう。
 辞書を開き、羽ペンを走らすこと数分。
 詩が書けた。

「それでは、詩を詠いたいと思います」
「楽しみ~」

 エヴァちゃんの肩凝りが治りますように……。
 そう願いを込めて詩を詠う。


――
 不安を胸に訪れたお屋敷
 最初に出会ったのがあなた
 佇まいは凛として
 内に秘めるは豊かな情緒

 私の不安が消えたのは
 あなたのおかげ
 いつも私を助けてくれる
 そんなあなたが私は好き

 あなたの肩にはお化けがいるね
 のしかかって動きを止める
 悪いお化け

 でもお化けがいるのはこの時までだよ
 今度は私が助ける番

 私の大切な友人
 自由よ戻れ
――


 詩を詠い終わると、エヴァちゃんの全身、特に肩の周りに白い光が集まった。
 うまくいくか、ドキドキしながら見守る。
 エヴァちゃんはというと、徐々にその顔がうっとりとしてきた。
 ぽわぁ~とした表情で宙を見る。

「なんか……すごい心地良いよ。お風呂に入っているみたいな温かさ……」

 しばらくした後、白い光は静かに消えた。
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