8 / 25
第8話:大賢者、コルフォルス
しおりを挟む
とりあえず今日は休みなさい、と私たちは寝室に案内された。
もちろん、まだ別々のお部屋だ。
寝る前にアーベル様がお話しに来てくれた。
「一緒に何か食べてから寝よう」
特産の果物やお肉、パンとかも持ってきてくれた。
「ロミリア、今日は疲れただろう。ゆっくり休んで。明日はコルフォルスに挨拶しに行くからね」
アーベル様がぶどう酒をトクトクと二つのカップに注ぐ。
“こら、ロミリア!殿方に……”
自分を叱る声が聞こえてきたので、私も慌てて果物を切りわける。
「ありがとうございます、アーベル様。コルフォルスってもしかして、あの伝説の大賢者様ですか?」
「あ、ああ、そうだよ。良く知っているね、ロミリア」
――やっぱり。
この話になると、少し話しづらそうだ。
「お会いできるのが楽しみですわ」
話題を変えた方が良いかな? いや、それよりも伝えなければいけないことがある。
「あの……アーベル様」
私はベッドの上に正座した。
「ん?」
アーベル様を正面から見つめて言う。
「私と婚約してくださって本当にありがとうございます」
しばらくアーベル様はぽかんとしていた。
が、やがてけらけらと笑い始める。
「あはは、ロミリアは硬いなぁ。僕の方こそ婚約を受けて入れくれて、本当にありがとう。心から愛してる、大好きだよ、ロミリア」
とても優しい声で言ってくれた。
――この人と出会えて本当に良かった……
「私も心から愛してますわ。アーベル様、大好きです」
私たちは愛の言葉をささやき合う。
そして、静かにキスを交わした。
*****
お休みなさい、と言って僕は自室に戻った。
喜びのあまり叫びだしそうになるのを、必死に抑える。
――好きな女性と愛し合うって、なんて素敵なんだ!
彼女の真っ赤な瞳に見つめられた時は、緊張してどうにかなりそうだった。
今思えばあの教会を訪れたことも、何かの運命だったのかもしれない。
――ロミリアの唇、柔らかかったな。
ちょこんとしているがふっくらした、瞳に負けないくらい真っ赤な唇。
しばらくぼんやりしていたが、大事なことを思い出した。
――そうだ!明日はコルフォルスに婚約の挨拶だ。コルフォルス……。僕の大切なコルフォルス……。
この旅の間、ずっと彼のことが気がかりだった。
ロミリアと一緒に婚約の報告をして、早く安心させてやりたい。
――明日は朝が早いんだ!早く寝ないと!
しかし、ロミリアの唇の感触が忘れられなくて、朝まで眠れなかった。
*****
次の日、みんなで豪華な食事をした後、早速コルフォルスのところへ行くことになった。
「コルフォルスは王国全体の魔力を管理するため、いつも地下の大聖堂におる」
「歩きでは彼のところへは行けないから、転送魔法で行くわよ。アーベル、ロミリアちゃん、準備はいい?」
王妃様はさらっというと、杖を取り出した。
「お母様は転送魔法がお得意なんだ」
こそっとアーベル様が耳打ちする。
「大地の神よ。我、ハイデルベルクを統べる者に力を与えよ」
――ん ?ちょっと、待って。もしかして、転送魔法って私また寝ちゃうんじゃ!
私の焦りなどおかまいなしに、白い光はみんなを包む。
目を開けると、王の間よりずっと広くてがらんとした空間にいた。
――良かった、今回は寝なくてすんだみたい。
明かりはわずかしかないのに、やけに眩しい。
少しずつ眼が慣れてきた。
壁や天井は美しい絵と、金による装飾がびっしりと施されていた。
眩しいのは、金が明かりを反射してるからだ。
――なんて素敵な場所なのかしら……。
もしかしたら、王の間よりも格式が高く、立派な場所なのかもしれない。
「よく来たな、アー坊。そして、ロミリア」
どこからか暖かい声が聞こえる。
と、そのとき、目の前にスーッと老人が現れた。
濃い紺色のローブに、魔女のようなとんがり帽子。
間違いない、この方が大賢者コルフォルスだ。
「コルフォルス!会いたかったよ!」
アーベル様が勢いよく胸元に飛び込む。
「なんじゃ、旅に出たと聞いておったが、全く成長しとらんようじゃのう」
「うっ、うっ、うっ」
アーベル様はおよよと泣き崩れてしまう。
「アーベル、みっともないぞ!」
「コルフォルスの前ではいつもこうなんだから」
王様と王妃様は呆れつつも、笑顔で二人を見ていた。
「アーベル、そろそろ未来の奥さんを紹介してくれんかの?」
「あ、そうだ!コルフォルス、この人が僕の婚約者のロミリア・ガーデニー嬢だよ!」
「初めてお目にかかります。私はロミリア・ガーデニーと申します」
朝メイドに着せられた真っ赤なドレスで恥ずかしかったが、丁寧に挨拶した。
「そうか、そうか。わしはコルフォルスという者じゃ。ロミリア、お主に会えるのを楽しみに待っておった」
不思議なことに、私はコルフォルスに初めて会った気がしなかった。
「お会いできて、私も光栄に思います」
「ところで、ロミリアよ。そなたの母親は、……ぐっ!」
突然、コルフォルスがドサッと倒れこんでしまった。
「コルフォルスさん、大丈夫ですか!?」
「こ……このところ……胸の調子が悪くてな」
慌ててみんなが集まってきた。
「コルフォルス!しっかりして、コルフォルス!」
アーベル様が必死に呼びかける。
「私は医療官を呼んでまいりますわ!」
王妃様が一瞬で姿を消した。
「わ、わしの胸ポケットに薬が入っておる……。すまぬが、取ってくれるかの?」
コルフォルスが息も絶え絶えに言う。
胸元を探すと、小さな薬瓶があった。
「これですか、コルフォルスさん!?」
「あ……あぁ、それじゃ」
私は急いで蓋を開けた。
コルフォルスの口元からゆっくり薬を流し込む。
「ふぅ……やっぱり年を取るとだめじゃの」
「コルフォルス、大丈夫か!?」
王様もとても心配そうな顔をしている。
「王様、この大変な時期にご迷惑をおかけして、誠に申し訳ないですな……」
「いや……ゼノ帝国のことは気にするな。お主の身の方が大切だ」
――ゼノ帝国……。
私はドキッとした。
なにか嫌な予感がする。
そのとき、コルフォルスがガクッと意識を失ってしまった。
「コルフォルスさん!?」
「コルフォルス、大丈夫か!?」
「コルフォルス、しっかりして!?」
そのうち医療官たちがやってきて、コルフォルスは運ばれていった。
もちろん、まだ別々のお部屋だ。
寝る前にアーベル様がお話しに来てくれた。
「一緒に何か食べてから寝よう」
特産の果物やお肉、パンとかも持ってきてくれた。
「ロミリア、今日は疲れただろう。ゆっくり休んで。明日はコルフォルスに挨拶しに行くからね」
アーベル様がぶどう酒をトクトクと二つのカップに注ぐ。
“こら、ロミリア!殿方に……”
自分を叱る声が聞こえてきたので、私も慌てて果物を切りわける。
「ありがとうございます、アーベル様。コルフォルスってもしかして、あの伝説の大賢者様ですか?」
「あ、ああ、そうだよ。良く知っているね、ロミリア」
――やっぱり。
この話になると、少し話しづらそうだ。
「お会いできるのが楽しみですわ」
話題を変えた方が良いかな? いや、それよりも伝えなければいけないことがある。
「あの……アーベル様」
私はベッドの上に正座した。
「ん?」
アーベル様を正面から見つめて言う。
「私と婚約してくださって本当にありがとうございます」
しばらくアーベル様はぽかんとしていた。
が、やがてけらけらと笑い始める。
「あはは、ロミリアは硬いなぁ。僕の方こそ婚約を受けて入れくれて、本当にありがとう。心から愛してる、大好きだよ、ロミリア」
とても優しい声で言ってくれた。
――この人と出会えて本当に良かった……
「私も心から愛してますわ。アーベル様、大好きです」
私たちは愛の言葉をささやき合う。
そして、静かにキスを交わした。
*****
お休みなさい、と言って僕は自室に戻った。
喜びのあまり叫びだしそうになるのを、必死に抑える。
――好きな女性と愛し合うって、なんて素敵なんだ!
彼女の真っ赤な瞳に見つめられた時は、緊張してどうにかなりそうだった。
今思えばあの教会を訪れたことも、何かの運命だったのかもしれない。
――ロミリアの唇、柔らかかったな。
ちょこんとしているがふっくらした、瞳に負けないくらい真っ赤な唇。
しばらくぼんやりしていたが、大事なことを思い出した。
――そうだ!明日はコルフォルスに婚約の挨拶だ。コルフォルス……。僕の大切なコルフォルス……。
この旅の間、ずっと彼のことが気がかりだった。
ロミリアと一緒に婚約の報告をして、早く安心させてやりたい。
――明日は朝が早いんだ!早く寝ないと!
しかし、ロミリアの唇の感触が忘れられなくて、朝まで眠れなかった。
*****
次の日、みんなで豪華な食事をした後、早速コルフォルスのところへ行くことになった。
「コルフォルスは王国全体の魔力を管理するため、いつも地下の大聖堂におる」
「歩きでは彼のところへは行けないから、転送魔法で行くわよ。アーベル、ロミリアちゃん、準備はいい?」
王妃様はさらっというと、杖を取り出した。
「お母様は転送魔法がお得意なんだ」
こそっとアーベル様が耳打ちする。
「大地の神よ。我、ハイデルベルクを統べる者に力を与えよ」
――ん ?ちょっと、待って。もしかして、転送魔法って私また寝ちゃうんじゃ!
私の焦りなどおかまいなしに、白い光はみんなを包む。
目を開けると、王の間よりずっと広くてがらんとした空間にいた。
――良かった、今回は寝なくてすんだみたい。
明かりはわずかしかないのに、やけに眩しい。
少しずつ眼が慣れてきた。
壁や天井は美しい絵と、金による装飾がびっしりと施されていた。
眩しいのは、金が明かりを反射してるからだ。
――なんて素敵な場所なのかしら……。
もしかしたら、王の間よりも格式が高く、立派な場所なのかもしれない。
「よく来たな、アー坊。そして、ロミリア」
どこからか暖かい声が聞こえる。
と、そのとき、目の前にスーッと老人が現れた。
濃い紺色のローブに、魔女のようなとんがり帽子。
間違いない、この方が大賢者コルフォルスだ。
「コルフォルス!会いたかったよ!」
アーベル様が勢いよく胸元に飛び込む。
「なんじゃ、旅に出たと聞いておったが、全く成長しとらんようじゃのう」
「うっ、うっ、うっ」
アーベル様はおよよと泣き崩れてしまう。
「アーベル、みっともないぞ!」
「コルフォルスの前ではいつもこうなんだから」
王様と王妃様は呆れつつも、笑顔で二人を見ていた。
「アーベル、そろそろ未来の奥さんを紹介してくれんかの?」
「あ、そうだ!コルフォルス、この人が僕の婚約者のロミリア・ガーデニー嬢だよ!」
「初めてお目にかかります。私はロミリア・ガーデニーと申します」
朝メイドに着せられた真っ赤なドレスで恥ずかしかったが、丁寧に挨拶した。
「そうか、そうか。わしはコルフォルスという者じゃ。ロミリア、お主に会えるのを楽しみに待っておった」
不思議なことに、私はコルフォルスに初めて会った気がしなかった。
「お会いできて、私も光栄に思います」
「ところで、ロミリアよ。そなたの母親は、……ぐっ!」
突然、コルフォルスがドサッと倒れこんでしまった。
「コルフォルスさん、大丈夫ですか!?」
「こ……このところ……胸の調子が悪くてな」
慌ててみんなが集まってきた。
「コルフォルス!しっかりして、コルフォルス!」
アーベル様が必死に呼びかける。
「私は医療官を呼んでまいりますわ!」
王妃様が一瞬で姿を消した。
「わ、わしの胸ポケットに薬が入っておる……。すまぬが、取ってくれるかの?」
コルフォルスが息も絶え絶えに言う。
胸元を探すと、小さな薬瓶があった。
「これですか、コルフォルスさん!?」
「あ……あぁ、それじゃ」
私は急いで蓋を開けた。
コルフォルスの口元からゆっくり薬を流し込む。
「ふぅ……やっぱり年を取るとだめじゃの」
「コルフォルス、大丈夫か!?」
王様もとても心配そうな顔をしている。
「王様、この大変な時期にご迷惑をおかけして、誠に申し訳ないですな……」
「いや……ゼノ帝国のことは気にするな。お主の身の方が大切だ」
――ゼノ帝国……。
私はドキッとした。
なにか嫌な予感がする。
そのとき、コルフォルスがガクッと意識を失ってしまった。
「コルフォルスさん!?」
「コルフォルス、大丈夫か!?」
「コルフォルス、しっかりして!?」
そのうち医療官たちがやってきて、コルフォルスは運ばれていった。
41
お気に入りに追加
1,249
あなたにおすすめの小説
どう見ても貴方はもう一人の幼馴染が好きなので別れてください
ルイス
恋愛
レレイとアルカは伯爵令嬢であり幼馴染だった。同じく伯爵令息のクローヴィスも幼馴染だ。
やがてレレイとクローヴィスが婚約し幸せを手に入れるはずだったが……
クローヴィスは理想の婚約者に憧れを抱いており、何かともう一人の幼馴染のアルカと、婚約者になったはずのレレイを比べるのだった。
さらにはアルカの方を優先していくなど、明らかにおかしな事態になっていく。
どう見てもクローヴィスはアルカの方が好きになっている……そう感じたレレイは、彼との婚約解消を申し出た。
婚約解消は無事に果たされ悲しみを持ちながらもレレイは前へ進んでいくことを決心した。
その後、国一番の美男子で性格、剣術も最高とされる公爵令息に求婚されることになり……彼女は別の幸せの一歩を刻んでいく。
しかし、クローヴィスが急にレレイを溺愛してくるのだった。アルカとの仲も上手く行かなかったようで、真実の愛とか言っているけれど……怪しさ満点だ。ひたすらに女々しいクローヴィス……レレイは冷たい視線を送るのだった。
「あなたとはもう終わったんですよ? いつまでも、キスが出来ると思っていませんか?」
【完結】婚約者も両親も家も全部妹に取られましたが、庭師がざまぁ致します。私はどうやら帝国の王妃になるようです?
鏑木 うりこ
恋愛
父親が一緒だと言う一つ違いの妹は姉の物を何でも欲しがる。とうとう婚約者のアレクシス殿下まで欲しいと言い出た。もうここには居たくない姉のユーティアは指輪を一つだけ持って家を捨てる事を決める。
「なあ、お嬢さん、指輪はあんたを選んだのかい?」
庭師のシューの言葉に頷くと、庭師はにやりと笑ってユーティアの手を取った。
少し前に書いていたものです。ゆるーく見ていただけると助かります(*‘ω‘ *)
HOT&人気入りありがとうございます!(*ノωノ)<ウオオオオオオ嬉しいいいいい!
色々立て込んでいるため、感想への返信が遅くなっております、申し訳ございません。でも全部ありがたく読ませていただいております!元気でます~!('ω')完結まで頑張るぞーおー!
★おかげさまで完結致しました!そしてたくさんいただいた感想にやっとお返事が出来ました!本当に本当にありがとうございます、元気で最後まで書けたのは皆さまのお陰です!嬉し~~~~~!
これからも恋愛ジャンルもポチポチと書いて行きたいと思います。また趣味趣向に合うものがありましたら、お読みいただけるととっても嬉しいです!わーいわーい!
【完結】をつけて、完結表記にさせてもらいました!やり遂げた~(*‘ω‘ *)
結婚したけど夫の不倫が発覚して兄に相談した。相手は親友で2児の母に慰謝料を請求した。
window
恋愛
伯爵令嬢のアメリアは幼馴染のジェームズと結婚して公爵夫人になった。
結婚して半年が経過したよく晴れたある日、アメリアはジェームズとのすれ違いの生活に悩んでいた。そんな時、机の脇に置き忘れたような手紙を発見して中身を確かめた。
アメリアは手紙を読んで衝撃を受けた。夫のジェームズは不倫をしていた。しかも相手はアメリアの親しい友人のエリー。彼女は既婚者で2児の母でもある。ジェームズの不倫相手は他にもいました。
アメリアは信頼する兄のニコラスの元を訪ね相談して意見を求めた。
愛するあなたへ最期のお願い
つぶあん
恋愛
アリシア・ベルモンド伯爵令嬢は必死で祈っていた。
婚約者のレオナルドが不治の病に冒され、生死の境を彷徨っているから。
「神様、どうかレオナルドをお救いください」
その願いは叶い、レオナルドは病を克服した。
ところが生還したレオナルドはとんでもないことを言った。
「本当に愛している人と結婚する。その為に神様は生き返らせてくれたんだ」
レオナルドはアリシアとの婚約を破棄。
ずっと片思いしていたというイザベラ・ド・モンフォール侯爵令嬢に求婚してしまう。
「あなたが奇跡の伯爵令息ですね。勿論、喜んで」
レオナルドとイザベラは婚約した。
アリシアは一人取り残され、忘れ去られた。
本当は、アリシアが自分の命と引き換えにレオナルドを救ったというのに。
レオナルドの命を救う為の契約。
それは天使に魂を捧げるというもの。
忽ち病に冒されていきながら、アリシアは再び天使に希う。
「最期に一言だけ、愛するレオナルドに伝えさせてください」
自分を捨てた婚約者への遺言。
それは…………
そう言うと思ってた
mios
恋愛
公爵令息のアランは馬鹿ではない。ちゃんとわかっていた。自分が夢中になっているアナスタシアが自分をそれほど好きでないことも、自分の婚約者であるカリナが自分を愛していることも。
※いつものように視点がバラバラします。
姉の婚約者であるはずの第一王子に「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」と言われました。
ふまさ
恋愛
「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」
ある日の休日。家族に疎まれ、蔑まれながら育ったマイラに、第一王子であり、姉の婚約者であるはずのヘイデンがそう告げた。その隣で、姉のパメラが偉そうにふんぞりかえる。
「ぞんぶんに感謝してよ、マイラ。あたしがヘイデン殿下に口添えしたんだから!」
一方的に条件を押し付けられ、望まぬまま、第一王子の婚約者となったマイラは、それでもつかの間の安らぎを手に入れ、歓喜する。
だって。
──これ以上の幸せがあるなんて、知らなかったから。
聖女で美人の姉と妹に婚約者の王子と幼馴染をとられて婚約破棄「辛い」私だけが恋愛できず仲間外れの毎日
window
恋愛
「好きな人ができたから別れたいんだ」
「相手はフローラお姉様ですよね?」
「その通りだ」
「わかりました。今までありがとう」
公爵令嬢アメリア・ヴァレンシュタインは婚約者のクロフォード・シュヴァインシュタイガー王子に呼び出されて婚約破棄を言い渡された。アメリアは全く感情が乱されることなく婚約破棄を受け入れた。
アメリアは婚約破棄されることを分かっていた。なので動揺することはなかったが心に悔しさだけが残る。
三姉妹の次女として生まれ内気でおとなしい性格のアメリアは、気が強く図々しい性格の聖女である姉のフローラと妹のエリザベスに婚約者と幼馴染をとられてしまう。
信頼していた婚約者と幼馴染は性格に問題のある姉と妹と肉体関係を持って、アメリアに冷たい態度をとるようになる。アメリアだけが恋愛できず仲間外れにされる辛い毎日を過ごすことになった――
閲覧注意
父の大事な家族は、再婚相手と異母妹のみで、私は元より家族ではなかったようです
珠宮さくら
恋愛
フィロマという国で、母の病を治そうとした1人の少女がいた。母のみならず、その病に苦しむ者は、年々増えていたが、治せる薬はなく、進行を遅らせる薬しかなかった。
その病を色んな本を読んで調べあげた彼女の名前は、ヴァリャ・チャンダ。だが、それで病に効く特効薬が出来上がることになったが、母を救うことは叶わなかった。
そんな彼女が、楽しみにしていたのは隣国のラジェスへの留学だったのだが、そのために必死に貯めていた資金も父に取り上げられ、義母と異母妹の散財のために金を稼げとまで言われてしまう。
そこにヴァリャにとって救世主のように現れた令嬢がいたことで、彼女の人生は一変していくのだが、彼女らしさが消えることはなかった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる